JPH023165B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、光コネクタの部品であつて、光コネ
クタを構成する際、他のハウジングと相互に着脱
自在に接合し得るよう形成されたハウジングに、
光フアイバ端部を保持固定せしめる光フアイバ保
持具に関する。

光コネクタは、光伝送システムにおいて、光フ
アイバを着脱自在に接続するために使用される、
システム構成上不可欠の部品であつて、他のもの
と着脱自在に接合し得るよう構成されたハウジン
グと、光フアイバ端部を該ハウジングに保持固定
せしめる光フアイバ保持具とから構成される。

第１図に従来の光フアイバ保持具の一例を示
す。同図に示すものは、有底円筒状であつて、底
部中心に高精度で孔開け加工してノズル３を設け
た精密フエルール２から成る。この従来の保持具
は、フアイバ径に合わせて精密加工したノズル３
に被覆１ｂを除去したフアイバ素線１ａを嵌挿す
る構成であるため、フエルールが極めて高価とな
ること、又、細いノズル３へのフアイバ素線１ａ
の挿通が容易でなく、しかも、挿通する際、フア
イバ先端やクラツドを損傷し易いため、歩留りが
悪いという欠点がある。更に、この従来のもの
は、フエルール２内に接着剤４を充填して光フア
イバを固定するため、組立工程が複雑になると共
に組立てに時間を要すること等の問題がある。

本発明は、斯かる欠点に鑑みてなされたもので
簡易な構造で安価に製造でき、且つ、光フアイバ
を損傷することなく容易に装着でき、しかも、接
続剤を使用せずに光フアイバを固定できて光コネ
クタの組立てが簡単かつ短時間にできる光コネク
タ用光フアイバ保持具を提供することを目的とす
る。

即ち、本発明は、ハウジングに光フアイバ端部
を保持固定せしめて光コネクタを固定する光フア
イバ保持具であつて、光フアイバ素線端部に密着
外装して該フアイバをハウジングに保持固定せし
めるフエルールと、光フアイバの被覆に筒状に密
着外装して上記フエルールに嵌挿し、該被覆をフ
エルールに保持固定せしめる被覆クランプとを備
え、且つ、上記フエルールを、被覆を除去したフ
アイバを保持固定するノズル、及び、被覆に外装
された上記被覆クランプを嵌挿せしめて保持固定
する被覆クランプ保持部を有して成る本体と、上
記ノズルに外装して該ノズルを締付け、ノズルと
光フアイバとを密着せしめる締付リングとを備え
て構成することを特徴とするものである。

以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第２図は本発明光フアイバ保持具の一実施例を
示す分解断面図、第４図は上記実施例の保持具に
光フアイバを取付けた状態を示す断面図である。
これらの図に示す本発明保持具は、本体１１及び
締付リング１７から成るフエルール１０と、被覆
クランプ２０とを有して構成される。

フエルール本体１１は、真鍮等の金属にて筒
（本実施例では円筒）状に形成され、先端側にフ
アイバ素線を保持するノズル１２を設け、基端側
に被覆クランプ２０を保持する被覆クランプ保持
部１５を設け、更に、基端に係止部１６を設けて
構成される。

このフエルール本体１１の外形及び大きさは、
後述するコネクタハウジングの構造に合わせて設
定される。本実施例では、ノズル１２側が細径、
被覆クランプ保持部１５側が太径になつている。
これは、ノズル１２の部分をコネクタハウジング
の貫通孔内に突出せしめる構成としたためであ
る。従つて、フエルール本体１１の形状は、これ
に限らずハウジングの構造と共に適宜変更し得る
ものである。

ノズル１２は本体１１の先端側に貫通孔１３を
設けて構成される。貫通孔１３の径は、フアイバ
素線１ａ、即ち、被覆１ｂを除去した光フアイバ
１の先端を自在に挿通し得るように、フアイバ素
線１ａの外径より若干大きい程度に設定する。
又、ノズル１２の先端外側には、後述する締付リ
ング１７を環装する締付リング取付部１４が設け
てある。この部分は、肉厚を他の部分よりやや薄
くしてあり、締付リング１７の外装時に容易に変
形して、外装を容易にすると共に、フアイバ素線
１ａ外周への圧接を容易に行ない得る。

被覆クランプ保持部１５は、本体１１の基端側
に上記貫通孔１３と連通する貫通孔を設けて構成
され、その内径は、光フアイバ１の被覆１ｂに外
装した被覆クランプ２０の外径より若干小さめに
設けてあり、該クランプ２０を光フアイバ１と共
に圧入密嵌せしめてこれを保持する。本実施例で
は、この被覆クランプ保持具１５は、後述するハ
ウジング内で本体１１を支持する機能をも有す
る。

本体１１の基端、即ち、上記被覆クランプ保持
部１５の基端外側に、係止部１６が設けてある。
この係止部１６は、フランジ状に形成されてお
り、コネクタハウジングの係止部と係合してフエ
ルール本体をハウジングに係着せしめると共に、
後述する弾性体の受け部ともなる。もつとも、こ
の係止部１６は、フランジ状に限らず、突起状等
であつてもよく、又、位置も基端に限るものでは
ない。

締付リング１７は、真鍮等の金属にて貫通孔１
８を有する筒状に形成され、上記本体１１の締付
リング取付部１４に環装される。該貫通孔１８の
断面形状は、上記締付リング取付部１４の外形に
合わせて形成され、本実施例では円形に形成され
ている。その内径は、締付リング取付部１４の外
径より若干小さめに設定してあり、装着は、圧入
によつて行なう。本実施例では、貫通孔１８の一
端開口部に、テーパー１９を設けて、圧入を容易
にしてある。

この締付リング１７は、フエルール本体１１に
装着することにより、ノズル１２を締付けて、該
ノズル１２内に挿通してあるフアイバ素線１ａを
密着保持せしめる。従つて、同様の機能を果すも
のであれば、本実施例のものに限定されない。例
えば、閉じたリングでなくても、一部が開放され
た断面Ｃ字形のものでも良く、又、板状のものを
巻付けてもよい。更に、装着も圧入に限らず、締
付リング１７を熱膨張させて嵌め込む方法、締付
リング１７を形状記憶合金にて形成し、形状記憶
効果を利用して装着する方法等によることもでき
る。

被覆クランプ２０は、鉄等の金属板から打抜き
等の手段にて形成されるもので、光フアイバ１の
被覆１ｂの外周に密着外装されて筒（本実施例で
は円筒）状に形成される。従つて、被覆１ｂに外
装されるまでは、第３図に示すように平板状であ
る。もつとも、装着に際し、予めＵ字形状又は円
筒状に形成しておいてもよい。

この被覆クランプ２０の被覆接触面側には、係
止突起２１が設けてある。これは、被覆１ｂに食
い込ませて光フアイバの抜けを防止するものであ
る。この係止突起２１は、切り起し、バーリング
その他の手段にて設けられ、その形状は、本実施
例の場合、被覆への食い込みを良くすべく三角形
状としてあるが、これに限らず、突起状のもので
あればよい。又、突出高さは、フアイバ素線の損
傷を防止すべく、被覆１ｂの厚さより小さくす
る。なお、この係止突起２１は、被覆クランプ２
０を被覆１ｂに圧着するだけで十分な保持強度を
得られる場合には省略してもよい。

この被覆クランプ２０の基端側には、係止凸部
２２が設けてある。これは、光コネクタを組立て
る際に、第４図に示すように、弾性体３４及びワ
ツシヤ３５を一時的に保持するためのもので、製
作工程の便宜上設けられている。従つて、省略し
てもよい。又、この被覆クランプ２０は、上記被
覆クランプ保持部１５の内部深さより長く設けて
あるが、これも、上記同様の理由であるから、長
さを短かくすることもできる。

次に、この実施例の光フアイバ保持具を使用す
る光コネクタプラグの組立てを、この保持具の作
用と共に第４図及び第５図を参照して説明する。

光コネクタプラグは、本発明光フアイバ保持具
に光フアイバ１を装着し、これをハウジング３０
に係着せしめることにより組立てられる。

まず、光フアイバ保持具に対する光フアイバの
装着について第４図に基づいて説明する。図にお
いて、光フアイバ１の先端部の被覆を、ノズル１
２の長さよりやや長めに除去してフアイバ素線１
ａを露出せしめると共に、除去されない被覆１ｂ
の端部に、被覆クランプ２０を筒状に密着外装せ
しめる。このようにした光フアイバ１を、その先
端のフアイバ素線１ａをフエルール本体１１のノ
ズル１２の貫通孔１３内に挿通し、更に、被覆ク
ランプ２０を外装した部分を被覆クランプ保持部
１５内に圧入してフエルール本体１１に保持せし
める。なお、この際、被覆クランプ２０の筒状の
弾性体３４とワツシヤ３５とを予め嵌込んでお
く。そして、締付リング１７をノズル１２の先端
外側の締付リング取付部１４に圧入環装する。

このようにして、保持具に光フアイバが装置さ
れる。この場合、光フアイバ素線１ａとフエルー
ル本体１１とは、ノズル１２の先端を締付リング
１７により押圧変形せしめることによつて密着さ
れ、フアイバ素線１ａの長さ方向に応力が加わつ
ても、抜け又は突出を生じることがなく、しか
も、光軸と垂直方向についてのフアイバ素線１ａ
のズレも生じない。又、被覆１ｂとフエルール本
体１１とは、被覆１ｂに密着外装された被覆クラ
ンプ２０を密嵌保持することにより固定され、被
覆１ｂの長さ方向に応力が加わつても、被覆１ｂ
の滑りを生じることがない。従つて、光フアイバ
１は、フエルール１０に確実に保持される。

次に、光フアイバ１を装着した保持具をコネク
タのハウジング３０に係着せしめる場合について
説明する。

ハウジング３０は、長さ方向に貫通孔３１を設
けて略円筒状に形成されており、これに上記光フ
アイバ保持具を係着せしめることによりプラグを
構成する。貫通孔３１の先端側開口部には、アン
ダーカツト３２が設けてあり、これによつて、他
の対応するジヤツク、アダプタ等と着脱自在に接
合できる。又、貫通孔の基端側には、係止部３３
が設けてあり、ここで、光フアイバ保持具を係止
する。

ハウジング３０における保持具の係着は、フエ
ルール１０をハウジング３０の基端側から貫通孔
３１内に挿通し、フエルール係止部１６をハウジ
ング係止部３３の段部３７に係合せしめて先端方
向への動きを阻止すると共に、係止部３３の基端
側適所に設けた止めバネ挿通孔３８に止めバネ３
６を装着して、上記ワツシヤ３５を係止すること
により、弾性体３４を介してフエルール係止部１
６の基端側方向の動きを係止する。この場合、弾
性体３４の弾性にてフエルールの軸方向の変位を
若干許容することによつて、コネクタ接続時にフ
アイバ素線１ａ端面を対向するフアイバ素線の端
面と確実に当接させることができる。

なお、本発明光フアイバ保持具は、上記コネク
タプラグに限らず、その相手方となるジヤツク、
リセプタクル等についても使用できること勿論で
ある。

以上説明したように本発明は、フエルールのノ
ズルを、フアイバ素線を自在に挿通し得る径にて
設けると共に、該ノズルに締付リングを外装して
該ノズルの部分を押圧変形せしめてフアイバ素線
を密着保持せしめる構成としたことにより、ノズ
ル工作に高精度を要求されず、フエルールを簡易
な構造で安価に製造できると共に、ノズル径に余
裕があるので光フアイバを損傷することなく容易
に装着できて、組立て歩留りを向上できる効果が
ある。しかも、光フアイバの被覆に被覆クランプ
を筒状に外装し、これをフエルールの被覆クラン
プ保持部に圧入嵌着せしめる構成としたことによ
り、光フアイバを接着剤を使用することなくフエ
ルールに保持固定できて、光コネクタを簡単且つ
短時間に組立て得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の光フアイバ保持具の一例を示す
断面図、第２図は本発明光フアイバ保持具の一実
施例を示す分解断面図、第３図は上記実施例に使
用する被覆クランプの一例を示す平面図、第４図
は上記実施例の保持具に光フアイバを取付けた状
態を示す断面図、第５図は上記実施例の保持具を
使用した光コネクタプラグの一例を示す断面図で
ある。 １……光フアイバ、１ａ……フアイバ素線、１
ｂ……被覆、１０……フエルール、１１……フエ
ルール本体、１２……ノズル、１３……貫通孔、
１４……締付リング取付部、１５……被覆クラン
プ保持部、１６……係止部、１７……締付リン
グ、１８……貫通孔、１９……テーパー、２０…
…被覆クランプ、２１……係止突起、２２……係
止凸部、３０……ハウジング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 他のハウジングと相互に着脱自在に嵌合し得
   るよう形成されたハウジングに、光フアイバ端部
   を保持固定せしめて光コネクタを構成する光フア
   イバ保持具であつて、 光フアイバ端部に密着外装して該フアイバをハ
   ウジングに保持固定せしめるフエルールと、光フ
   アイバ被覆に筒状に密着外装して上記フエルール
   に嵌着し、該被覆をフエルールに保持固定せしめ
   る被覆クランプとを備え、 上記フエルールは、被覆を除去したフアイバを
   自在に挿通し得るノズル、及び、被覆に外装して
   ある被覆クランプを嵌挿せしめて保持固定する被
   覆クランプ保持部を有して成る本体と、上記ノズ
   ルに外装して該ノズルを締付け、ノズルと光フア
   イバとを密着せしめる締付リングとを備えて成る
   ことを特徴とする光コネクタ用光フアイバ保持
   具。