JPH0231416Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案はシヨーケース等の包装構造に関するも
のである。

（従来技術） 従来、シヨーケース等の包装構造として、上部
開口部に内側フラツプと外側フラツプとを設けた
段ボール箱に、単にシヨーケース等を収納し、該
段ボール箱の上部開口部を内側フラツプと外側フ
ラツプにより閉鎖し包装するもの、或いは、段ボ
ール箱とシヨーケース等の側板との間に緩衝部材
を複数個介在させた容器の包装構造が知られてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） 前記の如き包装構造では、運送に際し、段ボー
ル箱の上部開口部上に人が載るなどの理由により
荷重、或いは、押圧力が加わることがある。とこ
ろで、この段ボール箱の上部開口部は、内側フラ
ツプと外側フラツプとによつてのみ保護されてい
るに過ぎないことから、内側フラツプ或いは外側
フラツプのいずれか一つのみでしか覆われていな
い部分は僅かの荷重で該フラツプが変形し、該シ
ヨーケースの天板までも変形させるという問題点
を有していた。

このような従来の包装構造の問題点を解決する
ため、各フラツプのいずれか一つのみでしか覆わ
れていない部分、即ち内側フラツプの対向間隔に
容器の天板に当接する緩衝性部材を有する緩衝性
板を配置した包装構造が提案されている（実公昭
51−47600号）。

（考案が解決しようとする課題） この後者の包装構造は緩衝性板を内側フラツプ
の対向端に挟んで緩衝性板を配置しているが、運
送に際しこの段ボール箱に荷重或いは押圧力が加
わるときは、この内側フラツプが変形し、緩衝性
板が内側フラツプの対向端から外れ、緩衝性板が
内側フラツプの対向間〓からずれるという事態を
生ずる。

また、このような事態が生じたとき包装される
シヨーケースの上面が水平面となつているとき
は、たとえ前述の如く緩衝性板がずれたとして
も、緩衝性部材がシヨーケースの上面に当接し、
この緩衝性板が段ボール箱内に落下するといつた
事態が起らない。しかしながら、このシヨーケー
スの上面に凹凸がある場合は、この緩衝性部材が
凹所等に落ち込んで当接状態が解除されるため、
この緩衝性板が段ボール箱内に落下し、シヨーケ
ースの上面を保護できなくなるという問題点を有
していた。

本考案の目的は前記従来の問題点に鑑み、緩衝
性板が上部開口部からずれる場合にあつても、こ
の緩衝性板が緩衝性箱内に落下することがなく、
容器の上面を保護することができる包装構造を提
供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記問題点を解決するため、容器を段
ボール箱のような緩衝性箱に収納包装する包装構
造において、複数の緩衝材を前記容器の上面に間
隔をおいて配置するとともに、該各緩衝材の上面
相互に間隔をおいて配列された複数の保持板を架
設し、前記緩衝性箱の外側フラツプと内側フラツ
プのいずれか一方のみが閉鎖する上部開口部に、
前記各保持板の間を通つて前記容器の上面に当接
する緩衝性部材を有し、かつ、該各保持板上に載
置される緩衝性板を設けたことを特徴とする。

（作用） 本考案によれば、緩衝性板が各保持板上に載置
されるとともに、その緩衝性部材が各保持板の間
を通つて容器の上面に当接しているから、この緩
衝性板がずれるとき、緩衝性部材が各保持板に衝
突し、このずれが抑制されるし、また、各保持板
上からの緩衝性板の落下が防止される。更に、こ
の緩衝性板が上部開口部からずれ離脱したとして
も、この上部開口部の下方に位置する各保持板に
よつて容器の上面が保護される。

（実施例） 第１図乃至第３図の本考案の一実施例を示すも
ので、１０は容器、例えばシヨーケースで、上部
前側に一対の引き戸１１ａ，１１ｂを設けるとと
もに、上部後側を突設して天板１２を形成してい
る。２０ａ，２０ｂ，２０ｃは所定厚さを有する
発泡スチロール製の緩衝材で、該シヨーケース１
０の上部両側及び該引き戸１１ａ，１１ｂの間に
それぞれ配置するとともに、各緩衝材２０ａ，２
０ｂ，２０ｃの下面を該シヨーケース１０の上面
に当接している。３０は木製の保持板で、該各緩
衝材２０ａ，２０ｂ，２０ｃの上部に複数架設
し、かつ、該各緩衝材２０ａ，２０ｂ，２０ｃに
テープ３１により接着し、該各緩衝材２０ａ，２
０ｂ，２０ｃを保持している。４０は段ボール箱
で、上部を開口し、該開口部４０ａに長手方向に
沿つて形成された一対の外側フラツプ４１と軸方
向に沿つて形成された一対の内側フラツプ４２を
設けてなり、該シヨーケース１０、緩衝材２０
ａ，２０ｂ，２０ｃ及び保持板３０を収納する。

５０は一対の緩衝性板で、長方形状の当板５１
（例えば段ボール板）と発泡スチロール製の緩衝
性部材５２とからなる。また、該当板５１は前記
段ボール箱４０の開口部４０ａを閉鎖したとき前
記外側フラツプ４１のみによつて閉鎖される位置
で、前記保持板３０と該外側フラツプ４１との間
に介装される。また、該緩衝性部材５２は該当板
５１の下面の幅方向に沿つて取付けられ、前記各
保持板３０間を通つて前記天板１２の先端部に当
接するようになつている。

本考案は、前述の如く段ボール箱４０にシヨー
ケース１０、緩衝材２０ａ，２０ｂ，２０ｃ及び
保持板３０を収納し、かつ、該保持板３０上で段
ボール箱４０の開口部４０ａを閉鎖したとき外側
フラツプ４１のみによつて閉鎖される位置に緩衝
性板５０を介装し、更に該段ボール箱４０の開口
部４０ａを外側フラツプ４１及び内側フラツプ４
２により閉鎖するときは、該シヨーケース１０の
上部は緩衝材２０ａ，２０ｂ，２０ｃ及び保持板
３０によつて外部からの荷重、衝撃等が緩衝され
ることは勿論のこと、該荷重等が該外側フラツプ
４１のみによつて閉鎖される位置に加わつたとし
ても該外側フラツプ４１の下側の該緩衝性板５０
により緩衝され、外側フラツプ４１の変形、ひい
ては該シヨーケース１０の上部の損傷が防止され
る。また、シヨーケース１０の運送時にしばしば
人が載る段ボール箱４０の上部中央、即ちシヨー
ケース１０の天板１２の先端部に、該緩衝性板５
０の緩衝性部材５２を当接させていることから、
天板１２の損傷が防止される。

更に、運送時等に段ボール箱４０に荷重或いは
押圧力が加わるときは、この段ボール箱４０が変
形し、これに伴ない緩衝性板５０が回転等してず
れる場合が従来あつた。しかしながら、本実施例
に係る緩衝性板５０の緩衝性部材５２が各保持板
３０の間を通つてシヨーケース１０上に当接して
いるため、このずれが生じたときこの緩衝性部材
５２が各保持板３０に衝突し、このずれを抑制す
ることができる。

更にまた、この緩衝性板５０は各保持板３０上
に載置されているから、緩衝性板５０がずれると
きでも段ボール箱４０内に落下することがなくシ
ヨーケース１０の上面を保護することができる
し、また、このずれにより緩衝性板５０が外側フ
ラツプ４１によつてのみ閉鎖される部分から離脱
する場合にあつても、各保持板３０が外側フラツ
プ４１の下方に位置し、シヨーケース１０の上面
を保護することができる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、緩衝性
板が各保持板上に載置されるとともに、その緩衝
性部材が各保持板の間を通つて容器の上面に当接
しているから、この緩衝性板がずれるとき、緩衝
性部材が各保持板に衝突し、このずれが抑制され
るし、また、各保持板上から緩衝性板の落下が防
止される。更に、この緩衝性板が上部開口部から
ずれ離脱したとしても、この上部開口部の下方に
位置する各保持板によつて容器の上面が保護され
るという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は本考案にかかる緩衝性板の取付状態を示す斜視
図、第２図はシヨーケースを段ボール箱に収納し
た状態を示す断面図、第３図はシヨーケースを収
納した状態を示す平面図である。 図中、１０……容器（シヨーケース）、１２…
…天板、４０……緩衝性箱（段ボール箱）、４０
ａ……開口部、４１……外側フラツプ、４２……
内側フラツプ、５０……緩衝性板、５２……緩衝
性部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容器を段ボール箱のような緩衝性箱に収納包装
   する包装構造において、 複数の緩衝材を前記容器の上面に間隔をおいて
   配置するとともに、該各緩衝材の上面相互に間隔
   をおいて配列された複数の保持板を架設し、 前記緩衝性箱の外側フラツプと内側フラツプの
   いずれか一方のみが閉鎖する上部開口部に、前記
   各保持板の間を通つて前記容器の上面に当接する
   緩衝性部材を有し、かつ、該各保持板上に載置さ
   れる緩衝性板を設けた ことを特徴とする包装構造。