JPH02308992A - スクロール圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野］ 本発明は、例えば空気や冷媒等の気体（以下空気という
）を圧縮するのに用いて好適なスクロール圧縮機に関す
る。

［従来の技術］ 一般に、この種のスクロール圧縮機はケーシングと、該
ケーシングに固着された固定スクロールと、前記ケーシ
ングに軸受を介して回転可能に設けられ、該ケーシング
内の先端側がクランク軸になった駆動軸と、該クランク
軸に旋回軸受を介して回転自在に設けられた旋回スクロ
ールとから大略構成されている。そして、モータによっ
て駆動軸を回転し、固定スクロールに対して旋回スクロ
ールを公転させることにより、両スクロール間に形成さ
れている圧縮室を縮小して空気を圧縮するようになって
いる。

ところで、上述したスクロール圧縮機にあっては、圧縮
運転中圧縮室内に密封され、徐々に圧縮される空気の圧
力によって旋回スクロールには固定スクロールから離間
させるスラスト方向の開離力が作用し、旋回スクロール
が浮上がってかじり現象や圧縮率の低下を招くという問
題がある。

そこで、米国特許第３，８８４，５９９号公報に示され
るように、旋回スクロールの鏡板背面側のボス部と旋回
軸受との間に介装部材を設けて背圧室を形成し、圧縮室
から背圧室内に導いた圧縮空気によって旋回スクロール
を固定スクロールの鏡板側に押付けるように構成したも
のが知られている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上述した従来技術によれば、旋回スクロ
ールに対する押圧力の反力は介装部材を介して旋回軸受
の外輪で受承するため、該旋回軸受の外輪と内輪との間
で剪断力が作用することになり、旋回軸受が早期に劣化
するという問題がある。また、旋回軸受の耐久性を高め
るためは大型の旋回軸受を用いる必要があり、重量増加
を招（という問題がある。

更に、吐出ボートに連通ずる高圧側の圧縮室内の圧縮空
気を背圧導入孔を介して背圧室内に導く構成になってい
るが、吐出ボート側の圧縮室は起動時と稼動時の圧力変
動が大きいから、背圧室内の圧力も安定せず、旋回スク
ロールの圧力バランスが崩れ易いという欠点がある。

本発明は上述した従来技術の欠点に鑑みなされたもので
、旋回軸受にスラスト方向の荷重が作用して早期に劣化
するのを防止すると共に、起動時にも旋回スクロールが
安定して回転できるようにしたスクロール圧縮機を提供
するものである。

［課題を解決するための手段］ 上述した課題を解決するために構成された本発明の手段
は、ケーシングと、該ケーシングに固着して設けられ、
鏡板にはうず巻状のラップ部が立設された固定スクロー
ルと、前記ケーシングに支持軸受を介して回転可能に設
けられた駆動軸と、前記ケーシング内に位置して該駆動
軸の軸端に偏心して設けられ、先端面が受圧面になった
クランク軸と、鏡板の前面には前記固定スクロールのラ
ップ部との間で複数の圧縮室を形成するうず巻状のラッ
プ部が立設され、該鏡板の背面には該クランク軸に嵌着
された旋回軸受が嵌合するボス部が設けられ、該旋回軸
受を介して該クランク軸に回転自在に支持された旋回ス
クロールと、該旋回スクロールのボス部内に前記クラン
ク軸の先端面との間に形成された背圧室と、前記旋回ス
クロールの鏡板に穿設され、前記各圧縮室の中間圧室を
該背圧室と連通ずる背圧導入孔とからなる。

［作用］ 背圧導入孔を介して圧縮室から背圧室内に導かれた圧力
は旋回スクロールの鏡板背面に押圧力として作用し、旋
回スクロールの浮上りを防止する。一方、該押圧力の反
力はクランク軸の受圧面に作用し、駆動軸を介して支持
軸受が受承することになり、旋回軸受にはスラスト方向
の荷重は作用しない。

また、背圧室には圧縮室の中間圧室の圧力を導入するこ
とにより、起動時の旋回スクロールの旋回は安定化する
。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳述する。

図において、ｌはケーシング、２は該ケーシング１を構
成する筒体で、該筒体２は小径筒部２Ａど、大径筒部２
Ｂと、大径筒部２Ｂ内にフランジ２Ｃを介して形成され
た軸受部２Ｄと、大径筒部２Ｂ内の外周側に突出形成さ
れた補助クランク取付部２Ｅとからなっている。３は前
記筒体２の小径筒部２Ａ端面に締着された蓋体で、該蓋
体３には小径筒状の軸受部３Ａが形成されている。

４は前記筒体２の大径筒部２Ｂ端面に締着された固定ス
クロールで、該固定スクロール４は鏡板５と、該鏡板５
の前面５Ａに立設されたインボリュート又はインボリュ
ートに近いうず巻状のラップ部６と、鏡板５の外周に張
出し形成されたフランジ部７とから構成されている。

８は前記固定スクロール４と同一軸線Ｏ０−〇、に位置
してケーシング１に設けられた駆動軸で、該駆動軸８は
筒体２の軸受部２Ｄと蓋体３の軸受部３Ａにそれぞれ設
けられたスラストラジアル軸受からなる支持軸受９，１
０によって回転自在に支持されている。１１はケーシン
グ１の大径筒部２Ｂ内に位置して前記駆動軸８の軸端に
一体的に設けられた円板状のクランク軸で、該クランク
軸１１は小径の軸受嵌着部１１Ａと、大径のシール取付
部１１”Ｂと、該シール取付部１１Ｂの端面に平坦に形
成された受圧面１１Ｃとからなっており、その軸心０２
−０．は駆動軸８の軸心Ｏ３−０１に対して距離δだけ
偏心している。

１２は旋回スクロールで、該旋回スクロール１２は鏡板
１３と、該鏡板１３の前面１３Ａに立設され、前記固定
スクロール４のラップ部６と重なり合って旋回するイン
ボリュート又はインボリュートに近いうず巻状のラップ
部１４と、鏡板１３の背面１３Ｂに突設され、内周側に
大径の軸受嵌合穴１５Ａと小径のシール取付部嵌合穴１
５Ｂが段状に形成されたボス部１５と、鏡板１３の背面
１．３　Ｂ外周側に突出形成された補助クランク取付部
１６とから構成されている。そして、該ボス部１５の軸
受嵌合穴１５Ａには前記クランク軸１１の軸受嵌着部１
１Ａが旋回軸受１７を介して回動自在に嵌合され、シー
ル取付部嵌合穴１５Ｂにはクランク軸１１のシール取付
部１１Ｂがシールリング１８を介して気密に、かつ回転
可能に嵌合されており、該シール取付部１１Ｂの端面と
ボス部１５の底部とによって鏡板１３の背面１３Ｂ側に
は背圧室１９が形成されている。

旋回スクロール１２は前述の如（構成されており、その
ラップ部１４と固定スクロール４のラップ部６とが所定
角度ずらせて重なり合った状態で旋回する間に、両うッ
プ部１４，６間には複数の圧縮室２０，２０．・・・が
画成されるようになっている。２１は旋回スクロール１
２の鏡板１３に穿設された背圧導入孔で、該背圧導入孔
２１は前記圧縮室２０，２０．・・・のうちの中間王室
の圧縮空気を前記背圧室１９内に導（ようになっている
。

更に、２２．２３は固定スクロール４の鏡板５に穿設さ
れた吸込ボートと吐出ボートで、吸込ボート２２は低圧
である最外周側の圧縮室２０と連通しており、吐出ボー
ト２３は高圧側である最内周側の圧縮室２０と連通して
いる。

２４は旋回スクロール１２のスラスト方向の荷重を受承
するため固定スクロール４のフランジ部７に設けられた
スラストすべり軸受、２５は旋回スクロール１２の自転
防止機構としての補助クランクで、該補助クランク２５
はケーシング１の筒体２と旋回スクロール１２の鏡板１
３にそれぞれ設けた補助クランク取付部２Ｅ、６間に距
離δをもって架設されている。

更に、２６．２７はケーシング１の小径筒部２Ａと大径
筒部２Ｂにそれぞれ設けられた通風口、２８は小径筒部
２Ａ内に位置して駆動軸８に設けられた遠心ファンで、
該遠心ファン２８の径方向−側にはカウンタウェイトが
設けられている。

実施例は上述の如く構成されるが次にその作動について
説明する。

図示しないモータによって駆動軸８を回転して旋回スク
ロール１２を公転させる。旋回スクロール１２の公転に
伴なって各圧縮室２０は徐々に縮小するから、吸込ボー
ト２２を介して最外周側の、　圧縮室２０に吸込まれた
空気は次第に圧縮され、最内周側の圧縮室２０から吐出
ボート２３を介して空壓機器側に吐出される。

而して、実施例によれば圧縮室２０の圧縮空気を背圧導
入孔２１を介して背圧室１９内に導くことにより、旋回
スクロール１２の鏡板１３背面１３Ｂには開離力を打消
すスラスト方向の押圧力を作用させ、旋回スクロール１
２の浮上りを防止するようにしである。一方、当該押圧
力の反力はクランク軸１１の受圧面１１Ｃに作用させる
ことにより、駆動軸８を介して２つの支持軸受９゜１０
で受承するようにしたから、旋回軸受Ｊ７にスラスト方
向の荷重が作用するのを防止できる。

従って、旋回軸受１７は旋回スクロール１２の旋回によ
るラジアル方向の力を支持すればよく、従来技術と異な
って剪断力を受けるのを防止できるから、旋回軸受１７
を長寿命化できるし、小型化できる。

また、背圧室１９内には圧縮室２０のうち中間圧室の圧
力を導くことにより、旋回スクロール１２′には吐出圧
力の変化に影響されない安定した圧力を作用させること
ができるようにしたから、起動時にも旋回スクロール１
２は安定した回転を行うことができ、振動、騒音のない
スクロール圧縮機にすることができる。

なお、実施例は無給油式のスクロール圧縮機を例に挙げ
たが、旋回軸受１７とシールリング１８との間に潤滑油
を充填することにより、シールリング１８の耐久性を向
上できる。また、実施例は旋回スクロール１２の自転防
止機構として補助クランク２５を用いるものとして述べ
たが、オルダム継手等の他の自転防止機構を用いてもよ
いものである。

〔発明の効果］ 本発明は以上詳述した如（であって、旋回スクロールの
鏡板背面側にはボス部とクランク軸とによって背圧室を
形成することにより、旋回スクロールの鏡板背面には押
圧力を作用させ、クランク軸の受圧面に作用する押圧力
の反力は駆動軸を介して支持軸受で受承するように構成
したから、旋回軸受にスラスト方向の荷重が作用するの
を防止でき、旋回軸受の長寿命化、小型化を実現できる
。

また、背圧室には圧縮室の中間王室の圧力を導入するよ
うにしたから、起動時にも旋回スクロールは安定した回
転を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例に係るスクロール圧縮機の縦断面図
である。 ｌ・・・ケーシング、４・・・固定スクロール、８・・
・駆動軸、９．１０・・・軸受、１１・・・クランク軸
、１１Ｃ・・・受圧面、１２・・・旋回スクロール、１
５・・・ボス部、１７・・・旋回軸受、１９・・・背圧
室、２０・・・圧縮室、２１・・・背圧導入孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　ケーシングと、該ケーシングに固着して設けられ、鏡
   板にはうず巻状のラップ部が立設された固定スクロール
   と、前記ケーシングに支持軸受を介して回転可能に設け
   られた駆動軸と、前記ケーシング内に位置して該駆動軸
   の軸端に偏心して設けられ、先端面が受圧面になったク
   ランク軸と、鏡板の前面には前記固定スクロールのラッ
   プ部との間で複数の圧縮室を形成するうず巻状のラップ
   部が立設され、該鏡板の背面には該クランク軸に嵌着さ
   れた旋回軸受が嵌合するボス部が設けられ、該旋回軸受
   を介して該クランク軸に回転自在に支持された旋回スク
   ロールと、該旋回スクロールのボス部内に前記クランク
   軸の先端面との間に形成された背圧室と、前記旋回スク
   ロールの鏡板に穿設され、前記各圧縮室の中間圧室を該
   背圧室と連通する背圧導入孔とから構成してなるスクロ
   ール圧縮機。