JPH0230782A - 写真処理液からの銀回収方法 - Google Patents

写真処理液からの銀回収方法

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JPH0230782A
JPH0230782A JP1084019A JP8401989A JPH0230782A JP H0230782 A JPH0230782 A JP H0230782A JP 1084019 A JP1084019 A JP 1084019A JP 8401989 A JP8401989 A JP 8401989A JP H0230782 A JPH0230782 A JP H0230782A
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JP
Japan
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silver
sulfide
electrolytic
potential
solution
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JP1084019A
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English (en)
Inventor
Haruhiko Iwano
岩野 治彦
Fumio Nakagawa
仲川 二三男
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、銀塩を含有する写真処理液又はその廃液から
銀を回収する方法に関する。より詳しく言えば、電気分
解によって銀を回収する方法に関する改良方法に関する
(従来の技術) カラー、黒白を問わず銀塩写真感光材料の現像処理にお
いては、現像工程の後に脱銀工程が設けられており、感
光材料中の不要となった銀及び銀塩(以下単に“銀”と
呼ぶ)が除去され、それらは、処理液中に溶解する。
感光材料の処理を続けるうちに溶解した銀が処理液中に
蓄積されるため、いずれはその処理液は除銀能力を失っ
て行く。したがって経済性、資源利用あるいは地域によ
っては環境保護規制への対応などの理由から適当な段階
で含銀処理液から銀塩を回収して、処理液を再使用可能
にしたり(再生)、あるいは廃液処置を可能にしたりす
る必要がある。
このような脱銀工程に用いられる銀塩溶解性の処理液に
は、定着液(カラー及び黒白感光材料用)及び漂白定着
液(カラー感光材料用)が主なものである。また、言う
までもないが、脱銀工程に続く水洗浴や画像安定化浴な
どにも感光材料に伴って前浴から銀塩が持ち込まれてい
るので、これらも銀回収の対象となる。本発明ではこの
ような銀を含有する処理液とその廃液を総称して含銀液
という。
含銀液から銀を回収する方法は古くから種々知られてお
り、代表的なものを大別すると、金属置換法、電解回収
法、化学沈降法、イオン交換樹脂法に分けられその各々
の方法は、さらに現像処理の形態、感光材料の性質、地
域の事情等々に応じて種々の改良がなされている。
本発明はその中でとくに電解回収方法の改良に関するも
のである。電解回収法は米国特許第1.876.830
号などから分るように古くから知られ、かつ広く実用さ
れている方法である。
その利点は、化学的処理操作がいらないこと、非破壊型
回収が可能であることつまり銀以外の成分変化を少な(
とどめることが可能で処理液再使用に好都合なこと、金
属状で回収されるので精製が容易で純度も高くできるこ
と、電解装置が簡単、小型なことなどであるが反面■電
解速度が遅い■銀の除去率が低い■とりわけカラー処理
に由来する含銀液は、鉄塩の混入により回収率と電流効
率が低い、という欠点がある。この欠点を補うため銀と
して回収するより硫化銀として回収することによって、
したがって印加電圧を高く保って電解する方法も提案さ
れており、RD13702(1975年、9月)に記載
されている。これはチオ硫酸塩水溶液を入れた電解室で
スルフィドイオン(S”−)を発生させ、それを含銀廃
液を入れた反応室へ導いて硫化銀とする再生方法であり
、含銀廃液を直接電解する本発明の方法とは異なる。
また、米国特許第1,937,179号では、定着液の
再利用のための銀の電解捕集に硫化銀として捕集(通常
は銀として捕集)する方法が開示されている。したがっ
て、チオ硫酸塩には実質的に無影響で電解し、再利用す
る方法であるので廃液を対象とする本性とは目的、操作
、印加電圧条件などを異にする。この方法は、溶存銀の
一部分を回収して定着液を再利用する方法であるので本
発明とは態様も異なっている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら硫化銀として回収する電解銀回収方法は電
解速度の点が改良されているものの次のような欠点があ
る。
(1)硫化銀沈殿は微粒子が懸濁状態のため分離が困難
である。
(2)電解槽のほかに独立した反応槽、沈降槽が必要な
ので装置が複雑となり装置のコストが高い。
(3)電流効率が低い。これは副次的な種々の電解反応
が平行して発生しているためと考えられる。
したがって、本発明は上記の諸欠点を改良することを目
的とする。すなわち本発明は、(1)基本的目的として
は、電解速度(電極面積当りの)を高(して小型(単位
処理液容量当りのサイズが小)で高能率化するため硫化
銀として回収する方式であるが、さらに (2)比較的
大きく分離し易い沈殿粒子が生成するような電解方法の
開発、(3)構造簡単で低コストな電解回収装置の開発
、(4)電流効率が高(効果的に銀除去を行う電解方式
、さらに(5)とくにFe塩が共存するカラー現像処理
に由来する含銀液に対して電流効率を高く維持し、経済
的に銀回収を行える方法の開発、(6)とりわけ小規模
現像所でも使用できるような低コストと操作の簡便性を
持つ電解装置の開発を目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明の目的は、写真処理廃液からなる含銀液の電気分
解を行うに当り、電極対間の印加電圧をスルフィドイオ
ン発生電圧以上とすることを特徴とする銀塩写真感光材
料の写真処理廃液からの銀回収方法によって達成された
。この場合に、硫化銀沈殿は電解槽内に沈積する。
硫化銀が生成する電圧へ、電極対間の印加電圧を上げた
ときに、硫化銀が生成するプロセスを電極電位レベルか
らみると、次の二つの場合があると考えられる。一つは
陰極電位をスルフィドイオン発生電位より負側にして、
チオ硫酸塩や亜硫酸塩の還元の結果生じるスルフィドイ
オンから硫化銀を生成させる場合である。
一つは陽極電位をチオ硫酸塩又は亜硫酸塩の酸化分解の
起る電位にして硫化銀を生成させる場合である。このと
きは、水の電解によってプロトンが生ずる電位であって
もよく、この場合にはプロトンが硫化銀生成を一層促進
する。
いずれの電位であろうと、槽内に硫化銀の生成沈殿が起
ればよい。電圧が大きいことは、陰・陽極が上記の電位
に入り易い条件を提供している。
しかし、電圧とは独立に極電位を設定することも、基準
電極を第3電極として用いることで可能である。この場
合には、電圧を格別高(しな(でもスルフィドイオン発
生電位を実現させることができる。前述のスルフィド発
生電圧の下限はこのような例を含んでいる。本発明にお
いては、陰極電位をスルフィドイオン発生電位より負側
とするか、又は陽極電位をスルフィドが電解槽内におい
て生成する電位より正側とすることによって電解槽内に
硫化銀沈殿を生じさせる。
両極のいずれかあるいは両方の電位を好ましいレベルに
設定して硫化銀生成電解を行うのは次のように行う。
本発明において、[スルフィドイオン発生電圧以上とす
る」とは、硫化銀の沈殿を生じさせる条件である。より
具体的には、陰極に金属銀の沈積を生じさせることなく
槽内(槽の底)に硫化銀Ag2sの沈殿を生じさせる条
件である。印加電圧がかかる条件を満足しているかどう
かは通電して2〜3時間経過後の槽内の状況を観察する
ことによって容易に判別することができる。
本発明において一電極対当りの印加電圧は通常0.2v
以上であり、0.5〜15Vとするのが好ましい。最適
電圧範囲は含銀液中の銀濃度、塩類濃度と種類、温度、
撹拌度、電極間距離と電極面積によって異なる。また、
銀の電着に伴う銀濃度の変化のため稼動中にも最適領域
の変化は起る。したがって、印加電圧はそれぞれの条件
に合わせて選ばれる。印加電圧を一定のまま電解を続け
ることは勿論実際的であるが、抵抗(電導度)、pH1
銀濃度などのいずれかをモニターしつつ、その値に応じ
て印加電圧を調節して電解を進めることも可能である。
効率的な電解にとっては、電流密度と両極電位が本質的
に重要である。
電流密度は高い方が硫化銀生成反応が促進されるが本発
明において、電流密度は0.5A/drrr以上30A
/drr?以下に設定する。ここで電流密度とは、電解
開始時より、所要通電量の70%が通電されるまでの間
の平均電流密度である。
陽極酸化によって硫化銀を生成させる場合には陽極電位
は高くすることが必要である。本発明において陽極電位
はサルファイド及びチオサルフェートの酸化によってサ
ルフェートとプロトンが生成する電位にあるのが好まし
い。特に、本発明においては、電解電圧がチオサルフェ
ートイオンの電解によるスルフィドイオンの発生とサル
ファイド及びチオサルフェートの電解によるプロトンの
発生が共に起る電圧であることが好ましい。この場合の
反応は次のように推定される。
生成したプロトンは、以下の反応でサルフェートの生成
を促すと考えられる。
H2S +2Ag(S203)、l−2°−Ag2S 
+ H2S203+(n−1)S203−2定着又は漂
白定着廃液中の520s”−の濃度は0.1モル/C以
上、SO1′−の濃度は0,01モル/1以上が好まし
い。しかし、本発明においては写真処理廃液(定着、漂
白定着、水洗、安定液)の希釈溶液も処理することがで
きる。その場合、硫黄化合物の濃度はt、oxto−’
モル/i、好ましくは1.0xlO−4モル/ρである
従来方法の陽極電位は飽和カロメル電極(以下SCEと
いう)に対し−0,1〜0.5■、特に0〜0.2■程
度のチオサルフェートやサルファイドの酸化を防止する
電位でなされてきた。本発明ではむしろ積極的にこれら
を酸化させるので陽極電位は0■以上、好ましくはOV
〜IOV、特に好ましくは0.3v〜6Vの程度とする
陰極電位が低いと亜硫酸塩やチオ硫酸塩の還元分解が起
き、硫化銀が生成するので好ましい。
電位としては、SCHに対し−0,2〜−〇、8V、好
ましくは−0,25V以下、特に好ましくは−0,3V
以下に設定する。ここにr以下」とはより還元性である
ことを意味する。
以上から判るように、本発明の方法が先行技術と異なる
点はチオ硫酸塩や亜硫酸塩の分解を積極的に行うことと
、それを直接廃液中で行うことである。
CODも低減させたいとき低銀濃度で銀回収を続けると
き、高い電位をかけることになる。したがって陽極は電
極消耗が進み易いが、本発明に用いられる後述の過酸化
鉛陽極はこのような条件下で使用するのに好適である。
つまり低銀濃度状態で過酷な電圧をかけても電極消耗が
なく電流密度を高く設定でき、十分低い濃度まで銀を回
収することが可能となる。本発明において、陽極電位は
チオサルフェート及び含銀廃液の主なCOD源となる有
機成分が酸化される電位に設定される。
または本発明において含銀液が鉄塩(例えば、アミノポ
リカルボン酸の鉄錯塩)を含んでいること(例えば、漂
白定着液、漂白後の定着液)が好ましく、それは通常、
金属鉄として、10m g / Q以上、好ましくは0
.5g/I2以上、より好ましくはi g7e以上であ
る。
次に本発明に用いられる電解装置について説明する。
(a)電極 銀電解回収用の汎用電極材料は陽極は炭素、陰極はステ
ンレス鋼であり、本発明ではこれらを使用できる。金、
白金、イリジウムなど既知の耐蝕性がもっとも強いとさ
れる電極も使用できるが過酸化鉛がより好ましく、電極
に材料として用いると前記の貴金属電極よりもすぐれた
耐蝕性を示し、かつ言うまでもなく材料コストは安価で
経済的である。したがってこの電極の採用により銀回収
の際の陽極印加電圧を高(すること、直列接続電極数を
増やすこと、前記したCOD低減を兼ねた電解に使用で
きることなどによりとりわけ有利である。
過酸化鉛電極はチタン鋼の板材の両面に過酸化鉛をクラ
ッドしたものが好ましいが、もちろんこれに限られるも
のではなく、炭素板、炭素棒、銅板、ステンレス鋼板、
鉛、その他の適当な電導体を芯材に用いてよい。過酸化
鉛電極は平滑でもよいが適当に線面であることがより望
ましい。また、その厚みも任意であり、10μmから数
ミリのものが用いられる。
過酸化鉛電極は蓄電池(二次電池)用に古くから用いら
れているが、本発明の場合、つまり電解用には、チタン
や鉄などの芯材を用いた物理的強度をも備えたものが好
ましく、この種の過酸化鉛電極として、例えば日本カー
リット(閑が供給しているものがある。
(b)電解槽 電解槽はガラス、硬質ゴム、木または合成樹脂の如き絶
縁体材料でつ(るのが適当で、とりわけポリビニルクロ
ライド、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、フェノールホルムアル
デヒド樹脂の如き合成樹脂は好ましい。一方、陰極は長
時間の使用または再度の使用にも耐える電気伝導体又は
半導体であればよく、特にステンレス鋼が好ましい。
過酸化鉛陽極は亜硫酸イオン、チオ硫酸イオンの分解抑
制に適した電極電位、電流密度、流速が有利に得られる
隔膜は必ずしも必要としないが、もし使用する場合には
、電子、液体を通過させるが、大きなイオン、分子を透
過しない材質でつくられることが望ましい。かかる材質
の例として、半透膜(例えば、表面が加水分解されたセ
ルロースアセテート、セロハン、フェロシアン化銅膜、
膀胱膜、腸壁膜、寒天膜など)、石綿板、素焼板、ガラ
ス板、焼結ガラス、ガラスウール、微孔性合成高分子膜
(例えばポリ塩化ビニル膜、ポリスチレン膜、ポリスチ
レン膜、ポリエステル膜、ポリプロピレン膜など)を挙
げることができる。
本明細書において電極電位とは、と(に参照電位を記し
ていない場合は、電極に接触する電解質溶液相に対して
電極相のもつ内部電位と定義され、絶対的測定は不可能
であるが問題の電極を特定の参照電極と組合せて電池を
つくり、その端子間の電圧を測定して電極電位の相対値
を知ることができる。本発明で示される電極電位は、飽
和塩化カリウム−寒天膜を用いて測定した値をいう。
この場合、橋に塩化カリウムを用いたのは、接触電位差
をできるだけ少なくするためである。しかし、測定対象
液が銀イオンを含む液であるため、長時間又は再度使用
するのが不適当であるから、短時間で使用することが望
ましい。
陽極室(及び陰極室)において撹拌することは本発明の
方法を有利に実施できる。撹拌操作には、例えば不活性
気体の吹込み、機械的撹拌、電気的攪拌などがある。
電解槽は底部に硫化銀等の沈殿物を沈積、貯溜させる貯
溜室を有することが好ましい。また、この貯溜室と電極
室が粗スクリーン、孔あきプレート等によって分離され
ているのが好ましい。
本発明において電解槽へ間けつ又は連続的に含銀液が導
入され、それに伴いほぼ等容積の槽内液が排出されるが
、槽内滞溜液の半量以上が交換されることな(電解が行
われるのが好ましい。
また、複数電解槽を接続し、前段の電解槽にである程度
の銀回収及び場合によってはさらにCOD低減も行った
のち、そのオーバーフロー液の一部又は全部は後段の電
解槽に送られ、さらに高次に銀除去及びCOD低減を行
うようにした多段電解型システムによるのが好ましい。
本発明の電解装置の1実施態様を図面に従って説明する
と、第1図は本発明の電解装置りの斜視図であり、第2
図は第1図のA−A線断面図である。図中1は過酸化鉛
陽極、2はステンレス陰極、3は電解槽、4は多孔板、
5は沈殿物貯溜室を示す。6は含銀液入口、7は含銀液
出口を示す。
本発明のとくに有利な態様は自動現像機の稼動中、各処
理タンクの各種から、あるいはその1部からのオーバー
フロー液が電槽内に注入され、それに見合う量の電槽内
対流液が排出されており、電槽内では電解反応と非電解
分解反応により、除銀とCOD低減が併発的に進行する
ことである。
作業者は、現像機の操作を行っていれば、廃液の処理も
自動的に行われることになり、簡易で便利な廃液処理手
段となる。処理機が休止する夜間や休日には連続通電に
より一層CODの低減もできるし、また銀の電極からの
溶出を防止するに足るだけの電圧を印加したまま休止し
てもよい。
第3図はこのような実施態様の模式図であり、第1電解
槽8の電解処理液が第2電解槽9にオーバーフローする
形式であり、電解槽8にはプロセッサー(自動現像機)
10からのオーバーフロー液が供給される。11は電解
処理液入口、12は電解処理液出口を示す。
本発明に用いられる電解装置には西独0L32.848
.5’77号、特開昭47−31820号、米国特許筒
2,791.556号、同2,832.734号、同2
,615,839号、同2.153,188号、同1,
954,316号、同1,959,531号、英国特許
筒683.335号、同1,123,168号に記載の
種々の撹拌機構を組合わせることができる。また、特開
昭51−23732号、同61−270753号、リサ
ーチ・ディスクロージャーNo、18926 (198
0、No、189) 、EP37325に示された種々
の電極的工夫を施すことができる。さらに特開昭51−
19535号、リサーチ・ディスクロージャーNo、2
0933、特開昭51−18212号、同58−126
995号、米国特許筒1,900,893号に示された
各種の電圧調節機能を組合わせることができる。陰極と
陽極の配列は既知の任意の方法を用いることができる。
例えば、円筒型電解槽の内壁に沿って過酸化鉛短形電極
を多角柱状に配列し、その内側に回転円筒型ステンレス
陰極を配して高速回転させるのは好ましい態様である。
回転円筒型陰極と陽極の位置関係を逆にして陽極を内側
とすることもできる。
また、両極共短形板状として交互に直並列、直列又は並
列接続して直方形電解槽に装架しても良い。その場合極
板面に平行流となるように横方向あるいは下上方向へ撹
拌を施すのが好ましい。沈殿物の沈降を容易に行ない、
かつ液の自然対流を良好に保つためには、電極は縦型配
置がとくに都合よい。
本発明方法による処理対象とする現像処理液、処理及び
処理される感光材料について説明する。
本発明の対象となる処理液は、銀を含有する写真処理液
一般である。つまり黒白銀塩感材用の定着液や含銀水洗
廃水、含銀リンス液、安定化浴、カラー写真材料用の定
着液、漂白定着液、含銀水洗廃水、含銀リンス液、安定
化浴なとの含銀液を処理することができる。
これらの処理液中の成分は自ら定まっており、特に制限
はないが以下に説明゛する。
定着液は、単ハイポ液から酸性硬膜定着液に至るいずれ
のものも適用対象となる。また、一浴現像定着液にも適
用することができる。単ハイポ定着液は、チオ硫酸塩の
みあるいはこれに保恒剤として亜硫酸塩を含ませた液で
色素像の性質やその他の理由から酸性にするのが好まし
くない場合や画像膜の硬化を避ける必要のある場合に用
いられる中性乃至弱アルカリ性定着液である。ウオツシ
ュオフレリーフ型の写真材料、ある種のカラーリバーサ
ル写真材料、科学写真用材料の処理などに使われる。酸
性硬膜定着液は、定着剤、保恒剤のほかに硬膜剤と硬膜
作用に適したpHをするための酸剤や緩衡剤などが含ま
れている。酸剤、緩衝剤は醋酸、クエン酸、炭酸、ホウ
酸、リン酸、リンゴ酸、マレイン酸、修酸、ぎ酸、酒石
酸、コハク酸など及びそれらのアルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩である。硬膜剤はカリ明ばん、クロム明ばん、
アンモニウム明ばん、その他の水溶性アルミニウム塩ク
ロム塩などである。
定着剤はチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル化
合物、チオ尿素類などが用いられ、とくに迅速定着性の
チオ硫酸アンモニウムが多用されている。保恒剤は亜硫
酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩などが用いられる。
そのほか定着液中には目的に応じて後述する殺菌・防菌
剤、調色用染料などが添加されていてもよい。そのほか
科学写真便覧(中巻)(丸善刊) 、 L、 F、 A
、 Mason著、Photographic Pro
cessing Chemistry  (1968、
Focal Press )に述べられている。
漂白液又は漂白定着液中の漂白剤としては、例えば鉄(
rn)、:Iバルト(III)、クロA(IV)、銅(
II)などの多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニ
トロ化合物等が用いられる。代表的漂白剤としてはフェ
リシアン化物:重クロム酸塩;鉄H■)もしくはコバル
ト(m)の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、
ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン
四酢酸、メチルイミノニ酢酸、1.3−ジアミノプロパ
ン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸などのア
ミノポリカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リン
ゴ酸などの錯塩;過硫酸塩;臭素酸塩、過マンガン酸塩
;ニトロベンゼン類などが用いられる。漂白液又は漂白
定着液のpHは通常5,5〜8であるが、さらに低くて
もよい。
漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴は、必要に応じて
漂白促進剤を含有する。有用な漂白促進剤の具体例は、
次の明細書に記載されている;米国特許第3,893,
858号、西独特許第1゜290.812号、特開昭5
3−95630号、リサーチ・ディスクロージャーNo
、17129号(1978年7月)などに記載のメルカ
プト基またはジスルフィド結合を有する化合物:特開昭
50−140129号に記載のチアゾリジン誘導体;米
国特許第3,706,561号に記載のチオ尿素誘導体
:特開昭58−16235号に記載の沃素化物塩;西独
特許第2,748,430号に記載のポリオキシエチレ
ン化合物類;特公昭45−8836号記載のポリアミン
化合物;臭化物イオン等が使用できる。なかでもメルカ
プト基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果
が大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893.
858号、西独特許第1,290,812号、特開昭5
3−95630号に記載の化合物が好ましい。さらに米
国特許第4,552.834号に記載の化合物も好まし
い。これらの漂白促進剤は感材中に添加されていてもよ
い。
定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエー
テル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等を挙げる
ことができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特
にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。漂白
定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜硫酸塩あるい
はカルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。
ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、脱銀処理後、水洗
及び/又は安定工程を経るのが一般的である。
水洗水の場合、特開昭57−8542号に記載のイソチ
アゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシ
アヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾ
トリアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」、衛生
技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」、日本防菌
防黴学会編「防菌防黴剤事典」に記載の殺菌剤を含有し
ていてもよい。
水洗水のpHは4〜9であり、好ましくは5〜8である
撮影用カラー感光材料の最終浴として使用される、ホル
マリンと界面活性剤を含有する安定浴を処理することが
できる。この安定浴も各種キレート剤や防黴剤を含有し
ていてもよい。
本発明は上記した漂白定着液、定着液、画像安定浴、水
洗浴及び場合によっては現像液など銀を含んでいてその
回収を必要とする処理液のいずれにも利用できる。
本発明の銀回収が適用される処理は、漂白又は発色現像
工程を伴う任意の処理である。発色現像液は、好ましく
は芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分とするア
ルカリ性水溶液である。この発色現像主薬としては、ア
ミノフェノール系化合物も有用であるが、p−フェニレ
ンジアミン系化合物が好ましく使用され、その代表例と
しては3−メチル−4−アミノ−N、N−ジエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−
ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミ/−N−エチル−N−β−
メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩駿塩も
しくはp−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。これら
の化合物は目的に応じ2種以上併用することもできる。
発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしく
はリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物塩、沃化物塩、
ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメ
ルカプト化合物のような現像抑制剤またはカブリ防止剤
などを含むのが一般的である。また必要に応じて、ヒド
ロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、亜硫酸
塩、ヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、トリエ
フノールアミン、カテコールスルホン酸類、トリエチレ
ンジアミン(l、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オ
クタン)類の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジ
エチレングリコールのような有機溶剤、ベンジルアルコ
ール、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、
アミン類のような現像促進剤、色素形成カプラー、競争
カプラー、ナトリウムボロンハイドライドのようなカブ
ラセ剤、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助
現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノ
ポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボ
ン酸に代表されるような各種キレート剤、例えば、エチ
レンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロ
キシエチルイミノジ酢酸、l−ヒドロキシエチリデン−
1,l−ジホスホン酸、ニトリロ−N、N、Nトリメチ
レンホスホン酸、エチレンジアミン−N、N、N′−N
′−テトラメチレンホスホン酸、エチレングリコ−ル(
0−ヒドロキシフエニル酢酸)及びそれらの塩を代表例
として挙げることができる。
また反転処理を実施する場合は通常黒白現像を行ってか
ら発色現像する。この漂白現像液には、ハイドロキノン
などのジヒドロキシベンゼン類、■−フェニルー3−ピ
ラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類またはN−メチル
−p−アミノフェノールなどのアミノフェノール類など
公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用い
ることができる。
これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは9〜12で
あることが一般的である。またこれらの現像液の補充量
は、処理するカラー写真感光材料にもよるが、一般に感
光材料1平方メートル当たり3β以下であり、補充液中
の臭化物イオン濃度を低減させておくことにより500
m1以下にすることもできる。補充量を低減する場合に
は処理槽の空気との接触面積を小さ(することによって
液の蒸発、空気酸化を防止することが好ましい。また現
像液中の臭化物イオンの容積を抑える手段な用いること
により補充量を低減することもできる。
ハロゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略化及び迅速
化の目的で発色現像主薬を内蔵してもよい。内蔵するた
めには、発色現像主薬の各種プレカーサーを用いるのが
好ましい。例えば米国特許第3 342.597号記載
のインドアニリン系化合物、同第3,342,599号
、リサーチ・ディスクロージャーNo、14850号及
び同15159号記載のシッフ塩基型化合物、同139
24号記載のアルドール化合物、米国特許第3,719
.492号記載の金属塩錯体、特開昭53−13562
8号記載のウレタン系化合物を挙げることができる。
ハロゲン化銀カラー感光材料は、必要に応じて、発色現
像を促進する目的で、各種の1−フェニル−3−ピラゾ
リドン類を内蔵してもよい。典型的な化合物は特開昭5
6−64339号、同57−144547号、及び同5
8−115438号等に記載されている。
漂白液については、漂白定着液に合わせて説明した。
各種処理液は10℃〜50℃において使用される。通常
は33℃〜38℃の温度が標準的であるが、より高温に
して処理を促進し処理時間を短縮したり、逆に、より低
温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を達成する
ことができる。また、感光材料の節銀のため西独特許第
2,226.770号または米国特許第3,674,4
99号に記載のコバルト補力もしくは過酸化水素補力を
用いた処理を行ってもよい。
本発明の適用対象となる含銀液は、銀を電解除去したの
ち、再度使用するか、もしくは再使用しない使い捨て型
を前提としている。再使用系から排出される少量の排出
液も本発明の使い捨て型の含銀液に含まれる。
非再使用型の場合は、副反応による組成変化にこだわる
必要はないので、銀を極力除去するよう電解時間を長く
したり、印加電圧を上げたりする。最終的には200m
g/ρ以下のレベルまで電解を行う。本発明の陽極は耐
久性が太き(過酷な条件に耐えるので、このような場合
にとりわけ好都合である。
本発明は市販定着剤、漂白剤、安定浴を用いた時の含銀
液に適用できる。
本発明の対象となる含銀液は、任意の感光材料を処理し
たものである。処理の対象となる感光材料は特に制限は
ないが、例えばカラーネガフィルム、カラーペーパー、
カラー反転フィルム、カラー反転ペーパー、写真製版用
、写植用フィルム・ペーパー、C0Mフィルム、グラフ
フィルム、マイクロフィルム、医療用X−レイフィルム
などが挙げられる。
(好ましい実施態様) 本発明における好ましい実施態様を以下に挙げる。
(1)感光材料の処理済み銀含有廃液が鉄錯塩をも含ん
でいるカラー感光材料の処理済み含銀廃液をその全部又
は一部として含んでいること。
(2)陽極として過酸化鉛電極を使用すること。
(3)N解重圧がチオサルフエ−トイオンの電解による
スルフィドイオンの発生とサルファイド及びチオサルフ
ェートの電解によるプロトンの発生が共に起こる電圧で
あること。
(4)陽極電位が含銀廃液のチオサルフェートイオン及
びサルファイドイオンを酸化しつる高さであること。
(5)陽極電位が含銀廃液中の主要なCOD原となって
いる有機化合物及びチオサルフェートイオンを酸化しつ
る高さであること。
(6)電極表面積当りの電流密度を0.5A/drrf
以上とすること。
(7)電解槽底部に硫化銀等の沈殿物を沈積・蓄積させ
る空間部を有すること。
(8)電極室と硫化銀等蓄積空間部の間が粗スクJ−ン
、孔あきプレートによって分離されていること。
(9)電解槽へ間けつ又は連続的に含銀廃液が導入され
、それに伴いほぼ嵩容積の槽内液が排出されるが、槽内
滞溜液の半量以上が交換されることなく電解が行われる
こと。
(10)第1電解槽にて、ある程度の銀回収及び場合に
よってはさらにCOD低減も行ったのち、第1槽のオー
バーフロー液の一部又は全部は第2電解槽に送られ、さ
らに高次に銀除去及びCOD低減を行う多段電解型電解
装置であること。
実験例 (1)汎用のカラーネガ処理であるCN−16処理(N
士写真フィルム社製)(現像−漂白一定着−水洗−安定
浴−乾燥)及び汎用のカラーペーパー処理であるCP−
23処理(富士写真フィルム社製)(現像−漂白定着一
水洗一乾燥)を行う現像所において次の3つの電解銀回
収装置を使用して処理液中の銀回収を次のように行った
■定着液オーバーフロー液用電解装置 銀濃度7g/gを0.5g/βへ低減した。
■漂白定着液オーバーフロー液用電解装置銀濃度2.5
g/βを0.5g/42へ低減した。
■■、■の電解済み廃液を合わせてさらに電解する装置 銀濃度0.5g/βを0.05g/I2へ低減した。
上記において用いた電解槽は第1図に示したと同様の構
造であり、■、■は炭素陽極を用いた電解槽を使用し、
■には過酸化鉛陽極を用いて電解した。
■は印加電圧を3vとした過酷条件であるが、電極の損
耗なく除銀とCODの低減を電化によって行うことがで
きた。
(2)なお上記(1)(7)CN16型処理及びcp2
3型処理型処芯する他の感光材料メーカーの処理、例λ
ばイーストマンコダック社のC41処理とEP−2処理
の組み合せでも同じ結果となる。
(3)(1)において定着液の電解■は銀濃度1.0g
/βまでとして、定着タンクへ戻して再使用した。ただ
し、そのうちの20%を■へ移した。これにより定着液
の使用量は節約できた。
(4)(1)においてカラーネガ及びカラーペーパー処
理機の水洗第1タンクをいずれもため氷水決方式(いわ
ゆるLow Flow Wash方式)を採用して、電
解槽■はこのため水水洗廃液の銀回収も行わせた。印加
電圧を4■に設定、電流密度は約5 A / dイであ
った。
(5)(1)、(2)に記したカラーネガとペーパー系
処理で含銀液の2段階処理を行わないで■の電解槽のみ
で1段で銀濃度を0.002g/ρまで電解した。この
とき電流密度は当初7A/drrl”、終期2.5A/
drrfであり、COD値も1150に低減させること
ができた。
(6)(1)、(2)、(4)においてカラーネガ処理
機の含銀廃液とカラーペーパー処理機の含銀廃液をそれ
ぞれ別個に一段階で0.002g/C以下まで低減させ
た。COD値も各々l/30〜1/100の間に減少し
た。
(7)CN16QとCP25Qを用いるミニラボ23に
おいてそれぞれの現像様に電解槽を一体化させ、処理中
は含銀オーバーフロー液が常時電解槽へ流れ込み、電解
槽のオーバーフロー液は、廃液タンクへ収納される構造
とした。電化槽は、いずれも過酸化鉛陽極が用いられ、
印加電圧8■、電流密度6〜4A/rdで常時運転され
た。夜間の現像作業休止中も通常は、電解は自動的に継
続させる形式にした。
ミニラボのオペレーターは、電解回収装置の日常操作は
ほとんど行わないで済ませることができた。電解槽から
排出されるオーバーフロー液中の銀濃度は2 m g 
/ 12以下、CODは400mg72以下であった。
(発明の効果) (a)回収能力の向上 本発明の大きな特色は、硫化銀として銀を回収すること
にある。従来の金属銀として回収する電解回収方法は、
硫化を防止するため、限られた電流密度、低い電解電圧
であるために、電解速度が低(、非生産的である。この
従来法では、平均電流密度は、高くても2A/drd以
下、−船釣にはIA/dd以下で行われていた。これに
対し本発明では、硫化を積極的に行わせるのが目的に適
うので、2A/dイ以上30A/d−以下と高(設定で
きる。したがって装置容積当りあるいは電極面積当りの
銀回収能力が格段に増加する。
(b)除銀能力向上 従来型の銀回収方法の除銀能力は制限されていた。つま
り銀の電解が進行して、銀濃度が低下すると電流効率の
低下、印加電圧の増加に伴う硫化、電極被毒、損耗が起
こるため、処理液再生使1用(再生モード)の場合、銀
は0.5〜l、Og/ρまで、処理液を再使用せず銀回
収したのち廃棄する場合(テーリングモード)では0.
05g/βまで銀除去するのが実用的にほぼ限界である
。さらに除去できたとしても0.01g/ρまでであろ
う。すなわち従来法では低電流電解の場合は、銀がきわ
めて低濃度になるまで電解を続けると電極の被毒が起こ
る。また低電圧電解の場合は、電解電流の低下による非
効率となる。そのために銀の除去には限界があり、これ
が実用上限界となっていた。な右回収した硫化銀からの
銀への還元は常法に従って容易に行うことができる。
これに対し、本発明の方法は、硫化を積極的に起こさせ
ることと硫化銀の低溶解度のため0.001g/ff以
下まで銀除去をすることができる。したがって写真処理
廃液から効率的に銀回収を行うことができる。
(c)電解装置の簡易構造化 硫化銀として電解回収する方法は既述のようにRD13
702で公開されているが、この方法は、電解槽で写真
処理液を電解せず、単にチオサルフェート溶液の還元に
しか使用していない。したがって(1)電解槽のほかに
硫化銀生成用反応槽とそれに伴う送液システムが必要、
(2)特にチオサルフェート電解液を調合しなければな
らない、(3)RD記載の電流密度も本発明の方法にお
ける最適電流密度とはおのずから異なっている。
これに対し、本発明方法ではそのような複雑な反応槽、
送液システムを必要とせず、電解槽内で硫化銀を発生さ
せるものであり、またチオサルフェート電解液の調液が
不要であり、電流密度を高(設定できる。したがって本
発明によれば電解装置を格段に単純化できる。
(d)硫化効率の向上 本発明方法は(a)に述べたように本質的に回収効率が
高いが、さらに鉄塩の存在が一層硫化銀生成を容易にし
ていることが分った。一定の通電量での硫化銀生成量は
鉄塩の存在で大幅に増加する。したがってさらに生産効
率が高まる(小型化、高能力化)。鉄塩は漂白液、漂白
定着液に含まれているのでカラー写真材料の含銀処理へ
の適用は、本発明方法が特に有利である。鉄塩の存在濃
度は僅かでよく漂白液に続(定着液で前浴からの持込み
程度の鉄塩で十分大きな効果がある。また現像廃液など
非含銀液との混合廃液でも、鉄塩の存在によって硫化銀
の生成が効率的に行われる。
(e)陽極の寿命の向上 本発明は陽極に過酸化鉛電極を使用すると特に有利であ
る。積極的に硫化を起こさせると印加電圧は高くなる。
そのため陽極の腐蝕が進行し易(なるが、過酸化鉛を用
いれば安定性、耐蝕性において格段に向上する。
しかも電極を長期に亙り、交換することなく使用でき、
しかも安価である。とりわけ小規模ラボ用メンテナンス
不要タイプの銀回収手段として最適である。
(f)非電解硫化による電流助出の向上本発明方法にお
いては、電解がきっかけとなって誘発される、溶液内で
の非電解型、かつ連鎖的硫化銀生成反応が起きていると
考えられる。したがって電流効率が著しく高い。また、
チオサルフェートの酸化電位を越える陽極電位では、硫
化銀生成の電流効率が増加し、本発明の方法が一層経済
的、節電(省エネ的)に行われる。
(g)沈殿物の良好な分離性 硫化銀としての回収が、大規模な化学的プロセスとして
しか実用されていないという現状は、硫化銀沈殿が分散
性良く沈降しに(いため、フィルタープレスによって行
うことになり装置が大がかりになることに帰因している
であろう。ところが、陽極電位をサルファイド、チオサ
ルフェートの電解電位以上にして行う場合は生成する沈
殿物は、凝集粗大沈殿で自然に沈降しつるものである。
これにより、フィルタープレス、あるいはもっと小規模
の加圧ろ過すら不要で小規模ラボでの簡易銀回収操作が
可能となる。これは従来の硫化型電解方式では予測でき
ないことである。
(h)廃液中のCOD低減 従来型の銀電解回収が、チオサルフェートイオンの陰極
還元、サルファイドイオンさらにはチオサルフェートイ
オンの陽極酸化を避けて、限られた印加電圧で行う必要
があるのに対して本発明はすでに繰り返し述べたように
積極的に硫化を起こさせる必要上、印加電圧を低く抑え
る必要はない。印加電圧を高く保つことにより写真処理
液中のチオサルフェート、サルファイドを陽極酸化させ
るとそれらに帰因CODの減少が起こる。写真処理廃液
中のCODに大きな寄与をもつこれらを酸化することに
よりCODを著しく低減できることが本発明の大きなメ
リットである。
さらに電圧を上げると現像主薬、ベンジルアルコール、
アミノポリカルボン酸など写真処理液中の種々のCOD
寄与成分も酸化され、CODの低減が一層進む。したが
って、銀を除去するとともにCODも低減させて廃水に
ついての法規制をさらに有効にクリアさせることが可能
となる。
COD、BODを低減させる既存手段を設備できない小
規模の現像所にとって銀除去を行う手間でCODの低減
もできることは、きわめて有利であることはいうまでも
ない。
(i)連続処理 本発明のさらなる利点は連続処理が利点をさらに大きく
することである。f項に述べたように印加電圧が高いと
pHが低下し、非電解的なチオサルフェート分解が併発
し、硫化銀の有効な生成、CODの低下が起こる。稼動
中、少しづつ廃液が電解槽に流入する仕組であれば、電
槽内は低いpHが維持されるので、このような有利な状
況が維持される。
(j)鉄化合物の除去 本発明方法によれば鉄化合物も除去できる。したがって
鉄塩の排出規制の行われている地域に対して本発明の方
法はさらに利点を持っている。
(実施例) 次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
実施例1 市販の握影済み多層カラーネガフィルム スーパーHR
−100、HR−100、HR−200、スーパーHR
−400、HR−400、HR−1600(以上商品名
、富士写真フィルム社製)、VR−100,VR−40
0、VR−1000(以上商品名、イーストマンコダッ
ク社製)、5R−100,5R−400,5R−160
0、RG−100(以上商品名、小西六写真工業社製)
を特に区分することなく、各積取り混ぜて、順次フジミ
ニラボ23Sのカラーネガフィルムプロセッサーで処理
した。
処理工程と処理の温度、時間、補充量を第1表にホした
第 表 N−β−ヒドロキシ エチルアミノ)− 2−メチルアニリン 硫酸塩 水を加えて 4.5g    5.0g 1、O121,0β pH10,oo   10.20 各工程に使用した処理液は次の通りである。
(カラー現像液) タンク液   補充 液 ジエチレントリ アミン五酢酸 亜硫酸ナトリウム 炭酸カリウム 臭化カリウム 沃化カリウム ヒドロキシルアミン 硫酸塩 4−(N−エチル− 2゜ g g g g 3mg 3.0g 4.4g 32.0g 0.7g g 2、6g エチレンジアミン 四酢酸第二鉄 アンモニウム塩 エチレンジアミン 四酢酸二ナトリ ラム塩 臭化アンモニウム 硝酸アンモニウム アンモニア水(28%) 水を加えて 100゜ 8゜ 150゜ 8゜ 7゜ l 。
pH6゜ Og   110.0g g g g ml Og 10.0g 175、 0g 10.0g 4、0m1 1、0β 5、7 (定着液) タンクン夜 エチレンジアミン 四酢酸二ナトリウム 2゜ 亜硫酸ナトリウム  16゜ チオ硫酸アンモニ ラム水溶液(70%) 重亜硫酸ナトリウム アンモニア水 水を加えて 200.0d 4、0g 1、0℃ pH7,3 g g (安定液) ホルマリン   0゜ 富士ドライウェル エチレンジアミン 四酢酸 2ナトリウム 水を加えて タンク液 1mo1 5、 0Tnii 50mg 1.  ox 補 充 液 4、4g 7.0g 40m1 12.2g xo、owg 1、0ε 7、5 補充液 0.015mo1 5.0m1 50mg 1.0 β 一方、現像処理した各種カラーネガフィルムからプリン
トを得るには、市販のカラーペーパー(フジカラーペー
パー02タイプ、富士写真フィルム社製)にカラーネガ
からプリント焼き付けを行ってフジミニラボ23Sのペ
ーパープロセッサーによる処理を行った。処理工程、時
間は第2表の通りである。
第2表 リンス浴はリンス3からリンス1への3段向流水洗とし
た。
カラー現像工程及び漂白定着工程で使用した処理液の詳
細は次の通りである。
(カラー現像液) タンク液 水 ジエチレントリ アミン五酢酸   3.0g ベンジルアルコール  15m1 ジエチレングリコール 10m1 亜硫酸ナトリウム  2.Og 臭化カリウム    0.3g 炭酸カリウム   30.0g N−エチル−N− (β−メクンスル ホンアミドエチル) −3−メチル−4− アミノアニリン 硫酸塩 ヒドロキシルアミン 硫酸塩      4.Og 蛍光増白剤 (スチルベン系) 1、0g 5、5g 800舘 補充液 800詣 3、0g 9d 0d 2、3g 25、 0g 7、5g 4、5g 1、 5g 水を加えて     1.042 KOHにてpH調製 pH10,80 (漂白定着剤) タンク液 00d 水 チオ硫酸アンモ ニウム(70%) 亜硫酸ナトリウム エチレンジアミン 四酢酸鉄(III) アンモニウム エチレンジアミン 四酢酸 水を加えて 50ni 8g 5g 5g 1、0ρ pH6,75 (リンスン夜) タンク液 l−ヒドロキシ エチリデン−1゜ 1、0ρ 11.20 補充液 00d 00mft 6g 10g 10g 1、 OC 6、30 補充液 l−ジホスホン 酸(60%)      2.5mi!   2.5m
tアンモニア水(28%)   1.8119   1
.81Tlil!水を加えて     1.0β   
1.0ρKOHで     pH7,07,0 カラー現像液、漂白定着液及びリンス液の各補充量は印
画紙1rrl’当り各々160m!!、60m1.20
0−であった。
フィルムプロセッサー及びペーパープロセッサーの各タ
ンクからの廃液は、混合されて廃液貯溜タンクに集めら
れた。これを第り図に示すような200Tli容の実験
用電解槽を用い、8vの直流を印加して6A/dr&の
電流密度で電解した。
16時間電解したときの結果を次に示す。
電解前   電解後   鉄 COD 3800(bng/ 9 710mg/ j2
 1050mg/ 42mTi      1050m
g/ 12   0.75mg/ 42     15
B/ ρ銀の除去効率がきわめて高いことが分る。従来
法(金属銀として電着)では50mg/βまで除去する
ことが大変困難であるとされている。
CODも驚異的に低減させることができた。
さらに鉄塩濃度を大幅に低下することが示された。本発
明の方法によると硫化銀となった沈殿は粗粒子となって
沈降するので電解槽3の下部の貯溜室5に効果的に集め
ることができた。
電解前後で陽極重量の変化は1mgの単位までで認めら
れず、実用できる耐蝕性を持つことが示された。同じ電
解条件でパラジウム電極や炭素電極は有意な重量変化が
あることが分った。銀回収能力に関しては同じであるこ
とも分った。
本発明に用いる装置では電解槽内で電解、硫化反応、沈
殿のすべての工程を行うので、さらに反応槽、沈降槽を
設ける必要がなかった。
実施例2 実施例1の電解槽を2個接続し、第3図に示すように第
1槽のオーバーフローが第2槽へ流入し、第2槽のオー
バーフローは系外へ排出するようにして、電解を行い、
電解開始10時間後より第1槽には毎時12m1の実施
例1の混合廃液な加えて電解を続けた。第2槽のオーバ
ーフロー液のCOD、銀及び鉄濃度は実施例1の電解後
とほぼ同じ値が得られた。
これによって電解槽を直列させて現像機に組み込んで常
時電解を継続的に行うことができることが分る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いられる電解装置の電解槽の斜視図
、第2図は断面図、第3図は本発明に用いられる自動現
像装置に組みこまれた別の電解装置を示す模式図である
。 符号の説明 l・・・過酸化鉛陽極、2・・・ステンレス陰極、3・
・・電解槽、4・・・多孔板、5・・・貯溜室10・・
・現像装置、loa・・・発色現像槽、10b・・・漂
白定着槽、 10c・・・水洗槽(3段向流)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)写真処理廃液からなる含銀液の電気分解を行うに
    あたり、電極対間の印加電圧をスルフィドイオン発生電
    圧以上とすることを特徴とする銀塩写真感光材料の処理
    済み写真処理液からの銀回収方法。
  2. (2)電解槽内で硫化銀沈殿を生じさせることを特徴と
    する請求項1記載の銀回収方法。(3)陰極電位をスル
    フィドイオン発生電位より負側とするか、又は陽極電位
    をスルフィドが電解槽内で生成する電位より正側とする
    ことを特徴とする請求項1記載の銀回収方法。
JP1084019A 1988-04-05 1989-04-04 写真処理液からの銀回収方法 Pending JPH0230782A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0839608A (ja) * 1994-04-18 1996-02-13 Husky Injection Molding Syst Ltd プラスチック製品を製造するための方法および装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0839608A (ja) * 1994-04-18 1996-02-13 Husky Injection Molding Syst Ltd プラスチック製品を製造するための方法および装置

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