JPH02303697A - プラズマアーク溶接のキーホール溶接用裏当て材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はプラズマアーク溶接法によりキーホール溶接を
行う際に用いるキーホール溶接用裏当て材に関するもの
である。

［従来の技術］ プラズマアーク溶接法は、アークの指向性が強いこと、
熱エネルギー密度が高く溶は込みが深いこと、アークが
細く加熱幅が狭いためひずみが少ないこと、等の利点を
有するので、鋼及び合金鋼−の薄板を母材とする片面継
手のキーホール溶接では、不活性ガスによるバックシー
ルドを行うことにより、安定した裏波（裏ビード）溶接
が施工できることが知られている。しかし、母材が大き
い場合には、上記バックシールド用の不活性ガスの漏れ
を生じさせないようにすることは回能であり、良好な裏
ビードを生成できないことがある。不活性ガスによるバ
ックシールドを行わずに良好な裏ビード牽生成させるた
めには、裏当て材を使用することが考えられるが、プラ
ズマアーク溶接法は、基本的には裏当て材を使用しない
ものであるため、従来、裏当て材を使用した例はない。

他方、ティグ溶接法でキーホール溶接を行う場合があり
、この際、裏当て材を使用するが、この裏当て材として
は、第５図に一例を示す如く、上面に長手方向に沿う凹
溝すを設けた裏当て材ａの如き形状のものが一般的であ
り、かかる裏当て材ａを母材の継手部の裏面側に置き、
キーホール溶接をティグで行うようにしている。

したがって、かかる裏当て材ａを上記プラズマアーク溶
接法によるキーホール溶接に用いることが考えられる。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、上記ティグ溶接でキーホール溶接を行うとき
に用いる第５図の如き裏当て材ａを、プラズマアーク溶
接法によるキーホール溶接においてガスによるバックシ
ールドなしで良好な裏ビードを生成させるために単に用
いた場合には、キーホールを通過してきたガスを裏当て
材ａによりシールできて裏ビードを生成することができ
るが、裏当て材ａの凹溝す内に入ったガスが凹溝す内で
乱流を起こし、渦流となって逃げずに滞留することから
、生成された裏ビードが酸化されてしまうということが
実験の結果確認された。

そこで、本発明は、プラズマアーク溶接法によりキーホ
ール溶接を行う際に、ガスによるバックシールドなしで
良好な裏ビードを生成することができるようにすると共
に、生成された裏ビードの酸化を防止することができる
ようなキーホール溶接用裏当て材を提供しようとするも
のである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、上記課題を解決するために、片面に広幅で且
つ所要深さとした広幅溝を一段目の溝として長手方向に
設けると共に、該広幅溝の幅方向中央に所要の幅及び深
さとした狭幅溝を二段目の溝として設けてなる構成と虜
る。

［作　　用］ プラズマアーク溶接法によりキーホール溶接を行う際に
、母材の裏面側に配置して使用した場合、キーホールを
通過してきたガスをシールできるので、バックシールド
なしに良好な裏ビードが生成される。又、狭幅溝内に流
入したガスは広幅溝側へ流動することにより狭幅溝内か
ら逃げるので、狭幅溝内へのガスが滞留することがなく
、裏ビードが酸化してしまうようなことをなくすことが
できる。

［実　施　例］ 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は本発明の一実施例を示すもので、片面（上面）
に、比較的広い幅で所要深さとした矩形断面状の広幅溝
２をガス逃げ用の溝として長手方向に沿い設けると共に
、該広幅溝２の幅方向中央部に、狭幅で且つ所要深さと
した断面半円弧状の狭幅溝３を長手方向に沿い設け、キ
ーホール溶接用の裏当て材１とする。

上記構成とした裏当て材１を用いてプラズマアーク溶接
法によりキーホール溶接を行う場合には、第２図に示す
如く、母材４の裏面側に、狭幅溝３が継手部（溶接線）
に対応するようにして裏当て材１を配置した状態とする
。

かかる状態でプラズマアーク溶接用トーチ５の中心部よ
りセンターガスとしてプラズマガスを噴出させると共に
その外側よりシールドガス６としてアルゴンガスと水素
ガスとの混合ガスを噴出させながら上記母材４をキーホ
ール溶接すると、母材４の表面には、第３図に示す如く
、表ビード７が生成され、母材４の裏面には、第４図に
示す如く、裏ビード８が生成される。この場合、母材４
の裏面側には第１図に示す如く構成した裏当て材１の上
面側が当てて配置しであるため、ガスは裏当て材１でシ
ールされて、ガスによるバックシールドなしに良好に裏
ビード８が生成されることになる。又、この際、トーチ
５から噴出されてキーホール９を通過したガスは裏当て
材１の狭幅溝３内に流入するが、該裏当て材１には二段
の溝が形成してあって、一段目の溝である広幅溝２の中
央部に二段目の溝である狭幅溝３と連通するように設け
であるため、上記狭幅溝３内に流入したガスは、第１図
に破線矢印Ｘで示す如く、該狭幅溝３内で乱流を起して
滞留することなく、両側にある広幅溝２内へ逃げるよう
に速かに流動させられる。

したがって、裏当て材１の中央部に設けられた狭幅溝３
に入ったガスは滞留することなく円滑に一段目の広幅溝
２により形成されるガス流路へ逃げることができて、狭
幅溝３へのガスの滞留による乱流や滞留したガス圧力に
よる影響がなくて生成された裏ビード８が、酸化されて
しまうようなことはなく、溶接時に生ずる欠陥が防止さ
れる。

本発明者等は、本発明の裏当て材１の実施に際し、一段
目の溝である広幅溝２の幅寸法を約４０調、深さを１〜
４緬、二段目の溝である狭幅溝３の幅寸法を５〜３０Ｉ
Ｍ１、深さを２〜５ｆＩｖＩＩの範囲内で裏当て材を製
作して使用し、プラズマアーク溶接法でキーホール溶接
を行う実験を行つ゛たところ、裏ビードは酸化しなかっ
た。この場合、狭幅溝３を断面円弧状にしないで、断面
矩形状（角形）にした場合は、裏ビードの酸化は見られ
なかったが、溶接条件範囲が狭く且つ裏ビード不良の結
果が得られた。そこで、狭幅溝３の溝形状として第１図
に示す如く円弧状にして実験したところ、溶接条件範囲
が広く、裏ビードが良好で外観が安定しており、且つ裏
ビードは酸化しなかった。なお、上記広幅溝２の深さを
１〜４Ｉｒｍとしたのは、１履以下では一段目の溝とい
えなくなって二段の溝とする本発明の基本的構成に該当
しないものとなり、又、４１ｒｕ１１以上とすることは
裏当て材全体の厚みを増すことになって好ましくないか
らでおる。狭幅溝３の幅寸法を５〜３０．・とじたのは
、５ＩＩＩＩＲ以下では裏ビードが生成されにくくなり
、３ｈｓａ以上としたのでは二段溝といえなくなり裏ビ
ードが不良となるからであり、又、狭幅溝３の深さを２
〜５顛としたのは、２１Ｍ以下、５ＩｎＩ！４以上のい
ずれの場合も裏ビードが安定しないからである。

なお、本発明は上記実施例にのみ限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ることは勿論である。

［発明の効果］ 以上述べた如く、本発明のキーホール溶接用裏当て材に
よれば、片面に広幅溝とその中央部に更に狭幅溝を設け
て二段型として、多溝を長手方向に沿い設けた構成とし
であるので、プラズマアーク溶接法によりキーホール溶
接を行う際に、母材の裏面側に継手部に対応するように
配置して使用すると、母材の裏面側を遮蔽できてバック
シールドなしに良好な裏ビードを生成させることができ
、その上、上記二段式の溝により裏ビード生成部の狭幅
溝の両側に一段目の溝があって、この一段目の溝でガス
流路が形成できるため、キーホールを通過してきたガス
を滞留させることなく円滑に左右両側の溝内へ流動させ
て逃がすことができて、生成された裏ビードを酸化させ
てしまうような欠陥の発生を防止することができる、と
いう優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のキーホール溶接用裏当て材の一実施例
を示す切断斜視図、第２図は本発明のキーホール溶接用
裏当て材の使用状態を示す概要図、第３図は第２図の■
方向矢視図、第４図は第２図のＩＶ方向矢視図、第５図
は従来の裏当て材の一般的な形状を示す概略図である。 １・・・裏当て材、２・・・広幅溝（一段目の溝）、３
・・・狭幅溝（二段目の溝）。 第１図 第２図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）片面に広幅で且つ所要深さとした広幅溝を一段目
   の溝として長手方向に設けると共に、該広幅溝の幅方向
   中央に所要の幅及び深さとした狭幅溝を二段目の溝とし
   て設けてなることを特徴とするキーホール溶接用裏当て
   材。