JPH0230294Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案はプリンタのキヤリツジ駆動機構に係
り、特に小型のプリンタに好適なキヤリツジ駆動
機構に関する。

〔考案の背景〕

第１図ないし第３図は従来の熱転写プリンタの
キヤリツジ駆動機構の第１の例を示す説明図で、
第１図は一部破断部分を含む斜視図、第２図は側
面図、第３図は第１図のＡ部分の拡大図である。

第１，２図において、１はサーマルヘツドで、
図示しない記録紙が巻回されるプラテンに対向す
るように配置される。２はサーマルヘツド１の発
熱要素に接続されるフレキシブル・プリント・ケ
ーブル（以下FPCという）、３はサーマルヘツド
１が装着されるキヤリツジである。このキヤリツ
ジ３上には、図示しないがサーマルヘツド１によ
つて記録紙に転写される熱溶融性材料を有するテ
ープが収容されるテープカセツトが配置されるよ
うになつている。４はテープカセツト内のテープ
を巻取るボビン、５はこのボビン４を回転可能に
支持する巻取り軸である。６はキヤリツジガイド
板で、キヤリツジ３はそのキヤリツジ軸７がキヤ
リツジガイド板６に形成した長穴部８に案内され
ることにより、図示しないプラテンに沿つて矢印
９方向に移動可能になつている。１０はFPC２
を押える押え板で、キヤリツジガイド板６の裏側
に形成した凹部１１内に配置されている。上記し
たFPC２はサーマルヘツド１に一端が接続され
るとともに、この押え板１０上に配置され、第１
図に例示するように所定の位置で折返えされ、キ
ヤリツジガイド板６のほぼ中央に相応する位置で
図示しないシヤーシに固定されるようになつてい
る。なお、第２図に示す１２は図示しないテープ
カセツト内のテープを巻取り力を巻取り軸５に伝
える巻取りギヤである。

また、１３は図示しないモータによつて回転す
る駆動ギヤ、１４はこの駆動ギヤ１３と一体的に
回転するプーリ、１５はキヤリツジ３に連結さ
れ、このキヤリツジ３を移動させるワイヤで、プ
ーリ１４に巻回されている。１６はワイヤ１５の
中途に連結され、ワイヤ１５に付与される張力を
調整するばね、１７，１８，１９はそれぞれ図示
しないシヤーシに回転自在に設けられ、ワイヤ１
５が巻回されるワイヤローラである。なお、上述
したばね１６は第３図にも示すように、スリーブ
２０を介してワイヤ１５に連結されている。上記
した駆動ギヤ１３、プーリ１４、ワイヤ１５、ば
ね１６、ワイヤローラ１７，１８，１９、スリー
ブ２０等によつてキヤリツジ３を駆動するキヤリ
ツジ駆動機構が構成されている。

このようなキヤリツジ駆動機構を有する熱転写
プリンタにあつては、図示しないモータを駆動す
ることにより駆動ギヤ１３、プーリ１４が回転
し、ワイヤ１５が移動し、これによつてキヤリツ
ジ３が第１図の矢印９方向に移動する。また、キ
ヤリツジ３の移動動作中にワイヤ１５に付与され
る張力に変動を生じた場合にはばね１６が適宜伸
縮し、これによつて過度の引張力によるワイヤ１
５の損傷やワイヤ１５のたるみが防止される。ま
た、例えばFPC２に通電し、サーマルヘツド１
の発熱要素を発熱させた状態で、キヤリツジガイ
ド板６を支点２１を中心に第１，２図の矢印２２
方向に回動させると、図示しないプラテンに巻回
された記録紙をサーマルヘツド１が押圧し、所望
の印刷がおこなわれる。また、印刷操作をおこな
わないときは、キヤリツジガイド板６を矢印２２
方向と反対方向に回動させ、サーマルヘツド１の
プラテンに対する押圧を解除することがおこなわ
れる。

ところで、上述したキヤリツジ駆動機構を有す
る熱転写プリンタにあつては、第２図に示すよう
に、キヤリツジガイド板６の凹部１１にFPC２、
押え板１０、ワイヤ１５、ばね１６が収納される
ようになつているが、昨今の小型、軽量化の要望
に伴つてキヤリツジガイド板６等の形状寸法も最
少限に抑制され、したがつて凹部１１の形状寸法
もきわめて小さい。このような状況においては凹
部１１内にFPC２を取付ける場合に慎重な作業
が必要になるが、この取付精度やキヤリツジガイ
ド板６の製作精度が十分でないときなどにあつて
はFPC２がばね１６に当り、FPC２の断線やキ
ヤリツジ３の移動抵抗の増加を招きやすい。

また、上記した移動抵抗や、例えばキヤリツジ
軸７とキヤリツジガイド板６との間の摩擦力の増
加等により、キヤリツジ３が円滑に移動しなくな
つたような場合には、ばね１６が必要以上に伸
び、これによつてワイヤ１５がワイヤローラ、特
にワイヤローラ１７からはずれ、印刷操作が不能
となる事態を招きやすい。

第４図は上述した不具合を解消するものとして
提案された従来のキヤリツジ駆動機構の第２の例
の要部を示す説明図である。この第２の例にあつ
ては、ばね１６とスリーブ２０を含む部分を密閉
するように熱収縮チユーブよりなるカバー２３を
設けてある。

この第２の例を備えた熱転写プリンタにあつて
は、FPC２とばね１６との接触を防ぐことがで
きることから、FPC２の断線や当該接触に伴う
キヤリツジ３の移動抵抗の増加を防ぐことのでき
る利点があるものの、カバー２３が熱収縮チユー
ブからなることから、経時変化や熱等の影響によ
り収縮し、ばね１６の伸長機能が損われ、ワイヤ
１５とばね１６との接続部やワイヤ１５とキヤリ
ツジ３との接続部に損傷を生じるおそれがあり、
また逆に、ばね１６の伸長動作に伴つてカバー２
３も伸長し、ばね１６の収縮機能が損われ、ワイ
ヤ１５がワイヤローラ１７から離脱し、印刷操作
が不能となるおそれがある。

〔考案の目的〕

本考案は、このような従来技術における実情に
鑑みてなされたもので、その目的は、ワイヤの張
力を調整するばねとFPCとの接触を防止できる
とともに、当該ばねの望ましい機能を確保するこ
とのできるプリンタのキヤリツジ駆動機構を提供
することにある。

〔考案の概要〕

この目的を達成するために本考案は、複数の記
録素子を備えた記録ヘツドと、この記録ヘツドの
記録素子に記録信号を供給するためのフレキシブ
ル・プリント・ケーブルと、前記記録ヘツドが装
着されるキヤリツジと、このキヤリツジをプラテ
ンに沿つて往復移動させるワイヤと、このワイヤ
にスリーブを介して連結されこのワイヤに付与さ
れる張力を調整するばねとを有し、前記フレキシ
ブル・プリント・ケーブルとワイヤとばねとが近
接して配置されてなるプリンタのキヤリツジ駆動
機構において、前記ばねおよびスリーブを囲みか
つその周側部が前記フレキシブル・プリント・ケ
ーブルに対向するように配置される略筒状の剛体
からなるカバーを設けた構成にしてある。

〔考案の実施例〕

以下、本考案のプリンタのキヤリツジ駆動機構
を図に基づいて説明する。

第５図は本考案の第１の実施例の要部を示す側
断面図である。この第１の実施例にあつては、ば
ね１６及びスリーブ２０を取囲むように配置さ
れ、形状がほぼ円筒状のアルミパイプ、黄銅パイ
プ等の金属製の剛体よりなるカバー２４を設けて
ある。その他の基本構成は例えば第１，２図に示
すものと同等にしてある。

この第１の実施例のように構成してあるキヤリ
ツジ駆動機構にあつては、カバー２４が金属製の
剛体からなることから、FPC２とばね１６との
接触を防止できるとともに、経時変化や熱等によ
つてその形状をほとんど変化させることがなく、
したがつて最初に設定されるばね１６の望ましい
機能を確保することができる。

第６図ａ，ｂは本考案の第２の実施例の要部を
示す説明図で、第６図ａは側面図、第６図ｂは第
６図ａのＢ−B′部拡大断面図である。この第２
の実施例にあつては、ばね１６及びスリーブ２０
を取囲むように配置され、十分な剛性を有するモ
ールド成型品よりなるカバー２５を設けてある。
このカバー２５は軸心方向に沿う周側部にばね１
６の挿入動作を許容する空隙部２６を有してい
る。なお、カバー２５は例えば空隙部２６の反対
側に位置する周側部がFPC２に対向するように
キヤリツジガイド板６の凹部１１内に配置され
る。

この第２の実施例のように構成してあるキヤリ
ツジ駆動機構にあつては、カバー２４が十分な剛
性を有するモールド成型品、すなわち合成樹脂の
剛体からなることから、第１の実施例と同様に
FPC２とばね１６との接触を防止できるととも
に、形状変化をほとんど生じることがなく、ばね
１６の望ましい機能を確保することができる。ま
た、この第２の実施例にあつては、カバー２５に
空隙部２６に形成してあることから、ばね１６の
挿入作業が容易であり、かつ、カバー２５がモー
ルド成型品であることから製作が容易で、製作費
が安くて済む。

〔考案の効果〕

本考案のプリンタのキヤリツジ駆動機構は、以
上述べたように、複数の記録素子を備えた記録ヘ
ツドと、この記録ヘツドの記録素子に記録信号を
供給するためのフレキシブル・プリント・ケーブ
ルと、前記記録ヘツドが装着されるキヤリツジ
と、このキヤリツジをプラテンに沿つて往復移動
させるワイヤと、このワイヤにスリーブを介して
連結されこのワイヤに付与される張力を調整する
ばねとを有し、前記フレキシブル・プリント・ケ
ーブルとワイヤとばねとが近接して配置されてな
るプリンタのキヤリツジ駆動機構において、前記
ばねおよびスリーブを囲みかつその周側部が前記
フレキシブル・プリント・ケーブルに対向するよ
うに配置される略筒状の剛体からなるカバーを設
けた構成にしたことにより、FPCとばねとの直
接的な接触を防止できるとともに、そのカバーが
形状変化をほとんど生じることなく、ばねの望ま
しい機能を確保することができ、ワイヤ接続部の
損傷の防止と、ワイヤのワイヤローラからの離脱
に伴う印刷動作の防止を図れる、という格別の効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来のプリンタのキヤリ
ツジ駆動機構の第１の例を示す説明図で、第１図
は一部破断部分を含む斜視図、第２図は側面図、
第３図は第１図のＡ部分の拡大図、第４図は従来
の第２の例の要部を示す説明図、第５図は本考案
のプリンタのキヤリツジ駆動機構の第１の実施例
の要部を示す側断面図、第６図ａ，ｂは本考案の
第２の実施例の要部を示す説明図で、第６図ａは
側面図、第６図ｂは第６図ａのＢ−B′部拡大断
面図である。 １……サーマルヘツド、２……フレキシブル・
プリント・ケーブル（FPC）、３……キヤリツ
ジ、１３……駆動ギヤ、１４……プーリ、１５…
…ワイヤ、１６……ばね、１７，１８，１９……
ワイヤローラ、２０……スリーブ、２４，２５…
…カバー、２６……空隙部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の記録素子を備えた記録ヘツドと、この記
   録ヘツドの記録素子に記録信号を供給するための
   フレキシブル・プリント・ケーブルと、前記記録
   ヘツドが装着されるキヤリツジと、このキヤリツ
   ジをプラテンに沿つて往復移動させるワイヤと、
   このワイヤにスリーブを介して連結されこのワイ
   ヤに付与される張力を調整するばねとを有し、前
   記フレキシブル・プリント・ケーブルとワイヤと
   ばねとが近接して配置されてなるプリンタのキヤ
   リツジ駆動機構において、前記ばねおよびスリー
   ブを囲みかつその周側部が前記フレキシブル・プ
   リント・ケーブルに対向するように配置される略
   筒状の剛体からなるカバーを設けたことを特徴と
   するプリンタのキヤリツジ駆動機構。