JPH022989B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は過酸化水素を基剤とする浴中で単一の
操作で織成物又は編織繊維を基剤とする同様な繊
維品組成物を糊抜き及び漂白する方法に関する。

染色、捺染及び他の仕上げ処理によりセルロー
ス繊維製の編織物（fabrics）を製造することが
一般に糊抜き、精練、漂白及び場合によつてはマ
ーセル化を包合することは公知である。

糊抜きの目的は、織機での縦糸の特性を向上さ
せるのに縦糸に前もつて塗布したサイズ剤及び横
糸に塗布されたかもしれない何らかの化合物を除
去するものである。

製織前に糸に塗布したサイズ剤は、澱粉分散物
を単独で又は多少とも化学的に転化された澱粉と
混合して澱粉分散物を基剤とするかあるいはポリ
ビニルアルコールの誘導体又はポリアクリレート
誘導体又はエーテル化セルロースを基剤とする。

前記のサイズ剤は、染色温度、糸の撚り数及び
編織物の組織に応じて、多少とも編織物に保持さ
れてしまう。

かゝるサイズ剤の存在は多数の染料での染色及
び捺染中に均一で濃い色合いを得ることを不可能
とさせるので染色又は捺染操作を行ない得る前に
サイズ剤を除去しなければならない。

白の布地に意図した若干の編織物については、
糊剤の除去はまた処理した製品の触感が快活で柔
軟であるのを確保するのに望ましい。

糊抜きは60℃〜75℃の温度に加熱したPH6.8〜
7.5酵素と表面活性剤との浴中に含浸することに
より一般に行なう。含浸された編織物は放置させ
るか又は100℃の温度でスチーム処理し得る。次
いで95℃の洗浄浴で次に60℃の洗浄浴でしかも場
合によつては流水中で洗浄する。

精練は、木綿中のグリースをケン化し且つ木質
残渣を可溶化させることを意図し、100〜140℃の
温度で苛性ソーダ媒質中で行なう。

漂白の目的は、未漂白の又は既に精練した木
綿、リネン又は他のセルロース繊維の一部である
不純物を酸化するものである。実際上あらゆる場
合に、酸化剤例えば過酸化水素、アルカリ過酸化
物及び過酸塩、過酢酸、次亜塩素酸ナトリウム、
亜塩素酸ナトリウム等を用いて実施される。

糊抜き、精練及び漂白の諸操作は加熱と共に水
性媒質中で一般に行われる。各々の操作に続いて
高温及び低温洗浄を行ない、これは水とエネルギ
ーとをかなり消費する。

本発明の目的は、セルロース繊維をそれ自体で
又は互いに混合したセルロース繊維あるいは他の
再生又は化学繊維例えばビスコース、ポリアミド
及びポリエステルと混合したセルロース繊維を基
材とする編織物の製造操作数を減少させるもので
あり、糊抜きと漂白とを単一の操作で合した新規
な方法を提供するものである。

本発明による単一操作での糊抜き及び漂白法
は、過酸化水素と、水酸化ナトリウムの如き塩基
と、場合によつては賦活化剤と、澱粉分解酵素を
基剤とする酵素調剤と表面活性剤とを含有する浴
中でPH10〜10.5行なう。

本法で用いるに適当な酵素調剤は例えば、ドイ
ツ特許出願第P2909 396.7号の目的である酵素調
剤であつて、アミラーゼの如き澱粉分解酵素と水
に入れたアルキル及びアルカリール オキサアル
キレートよりなる群に属する非イオン系表面括性
剤との緊密な混合物よりなる。適当な酵素調剤は
例えば10〜40部の水性酵素液剤と10〜60部の非イ
オン系表面活性剤とよりなる。

DIAMALT社により商標名「エンチラーゼ」
（Enzylase）Ｃで市販されているこれらの酵素製
剤の１つを用いる時に特に良好な結果を得る。

エンチラーゼＣは、特殊な添加剤を添加した耐
熱性で極めて効果的な細菌アミラーゼ（細菌性澱
粉分解酵素）からなる酵素製剤（西独、Diamalt
社製）の商品名であり、このアミラーゼの最適使
用温度が95℃以上であり、使用PH範囲が６〜９、
最適PHが７〜８であるシロツプ状の酵素製剤であ
る。

本法による適当な糊抜き−漂白浴は例えば次の
成分より成る： 35％H₂O₂ 40〜60ml／ NAOH ６〜７ｇ／ キレート剤 ２〜６ｇ／ エンチラーゼＣ ８〜12ｇ／ 表面活性剤 １〜２ml／ 本法は次の操作よりなる技術によつて行うのが
好ましい。： (1) PH10〜10.5の糊抜き及び漂白浴中に編織物を
含浸させ；編織物中に反応に必要な液体量のみ
を残すように絞り出す。これは一般に当該編織
物に応じて乾燥編織物の60〜120重量％である。

(2) スチーム処理して一般に20〜120℃の所望の
反応温度に編織物を生起させる。

(3) 数分乃至数時間で変化し得る期間巻上げ
（rolling up）により定置させるか又はＪ−ボ
ツクス、Ｕ−ボツクス、カーペツトマシン等中
でヒダ（pleats）を定置させる。

前記の処理に続いて90〜95℃の洗浄浴、60℃の
洗浄浴及び未加温の洗浄浴で洗浄する。90〜95℃
での洗浄浴は添加したアルカリ成分、苛性ソー
ダ、炭酸ナトリウム、リン酸トリナトリウム及び
表面活性清浄剤を有利に含有し得る。

本法の利点の１つは、60〜65℃の最低温度で行
なわれる湿潤糊抜き操作及び90〜95℃の温度で幾
つかの洗浄浴を省略することである。

本法を用いるとまた、「ウエツト・オン・ウエ
ツト」含浸を排除し即ち漂白化合物を含有する浴
中に湿つた編織物を入れるのを排除する。この処
理は多数の手法を伴なうことは既知であり：より
濃厚な浴を調製することは手動による点検又は自
動調節の何れかを必要とする一定濃度に含浸浴を
維持するものである。

「ウエツト・オン・ウエツト」含浸を回避する
には、若干の使用者は乾燥用幅出し機上に中間で
通送する方法を採用するが、これは高価な装置の
使用と実質的なエネルギー消費特に熱量の消費と
を伴なう。

それ故本発明の方法を用いると水、スチーム、
労力及び投資経費の大幅な節約を生起する。

かくして処理した編織物の特性は優秀であり：
高度の白色度、糊剤の実質上完全な除去、瞬時の
親水化及び満足な重合度を生起する。

次の実施例は本発明を説明するが、これに限定
されるものではない。

実施例 １ 重量195ｇ／m²、幅182cm、エルレホ ザイス
（ELREPHO ZEISS）、No.８フイルター、波長
457nｍで測定した反射率55.3％、反応性染料で捺
染するに意図した澱粉含量5.05％の純粋木綿編織
物を、次の成分： 苛性ソーダ ４ｇ／NaOH 安定化剤D.O. ４ｇ／ 過酸化水素 40ml／ エンチラーゼC. 10ｇ／ ウカニル（Ukanil）1036、表面活性剤 １ml／ を含有する浴中で直接含浸にかける。PHは10〜
10.5よりなるのが好ましい。

編織物の重量の106％の浴で含浸させた編織物
を、スチーム処理により95〜98℃に加熱する。編
織物を断熱室に巻き上げ、そこで１〜２時間持続
させる。

この期間後に、編織物を巻戻し、95℃の水、50
〜60℃の水及び冷水をそれぞれ含有する一連の浴
で連続的にゆすぐ。乾燥後には、編織物は次の特
性を有する： 反射率 エルレホ ザイス 78.7％ 澱粉含量 0.07％ 親水化 瞬時 重合指数 1650 実施例 ２ 重量143ｇ／cm³、エルレホ反射率52.2％、澱粉
含量7.6％、2700より大きい重合指数の100％木綿
ポプリンを、次の成分： 苛性ソーダ ４ｇ／NaOH 安定化剤D.O. ４ｇ／ 過酸化水素35％ 40ml／ エンチラーゼＣ 10ｇ／ ウカニル1036 １ml／ を含有する浴中で直接含浸にかけ：PHは10〜10.5
よりなる。

95℃でのスチーム処理後に、含浸した編織物を
断熱室中に巻き上げ、そこで１〜２時間反応のた
め滞在させる。

連続的な洗浄及び乾燥後には、編織物の特性は
次の如くである： 反射率 エルレホ ザイス 77〜５％ 残留澱粉含量 0.6％ 重合指数 1.350 実施例 ３ 166ｇ／m²の重量とエルレホ ザイス反射率
51.9％と澱粉含量3.55％と2700より大きい重合指
数とを有する100％木綿の未加工編織物（キヤラ
コ）を前記の条件下で処理する。

漂白編織物は次の特性を有する： エルレホ反射率 79.2％ 残留澱粉 0.32％ 重合指数 1380。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 編織物の糊抜き及び漂白法において、過酸化
   水素と水酸化ナトリウムとキレート剤と澱粉分解
   酵素を基剤とする酵素調剤と表面活性剤とを含有
   する浴中で、単一操作で糊抜き及び漂白をPH10〜
   10.5で行なうことを特徴とする編織物の糊抜き及
   び漂白法。