JPH0229730B2 - Kinzokusutoritsupunorenzokunetsushorirain - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、連続熱処理炉の廃ガス熱を有効に
利用できる金属ストリツプの連続熱処理ラインに
関する。

〔従来の技術〕

一般に金属の連続熱処理炉は、例えば第５図に
示すように配置された加熱室１、均熱室２、冷却
室３に多数の自転するハースロール４が設けられ
ており、金属ストリツプ５をこのハースロール４
に順次巻き掛けて加熱室１の入口１ａからこの熱
処理炉内を冷却室３の出口３ａの方へ通過させて
所定の熱処理を行うようになつている。

また上記熱処理炉内での加熱の方法は、例えば
表面の光沢が要求されるブリキ、自動車用鋼板、
ステンレス鋼等の光輝焼なまし等に際しては、還
元性雰囲気のもとでラジアントチユーブ６等によ
る間接加熱によつて行われる。

そして、ラジアントチユーブ６等の燃焼装置か
ら発生する高温の廃ガスを直接、金属ストリツプ
に吹付けるか、またはこの廃ガスと熱交換した空
気や雰囲気ガス等を金属ストリツプに吹付けて予
熱する方法が、従来より広く採られている。第６
図は実開昭57−158754号公報に開示された金属ス
トリツプの予熱方法を示したもので、予熱室７と
加熱室１を同一の熱処理炉に設け、予熱室７内の
還元性雰囲気ガスを導管８から廃ガス煙道９内に
設けられた換熱コイル１０へ送り、ここで廃ガス
と熱交換させて、ノズル１１で金属ストリツプ５
に吹付け、これを予熱する構成となつている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来の熱処理ライン
にあつては、上記のような金属ストリツプの予熱
を行つた場合、熱交換後の廃ガス温度のコントロ
ールが難しいため、廃ガス用ブロワ及びその周辺
部材を酸結露や高温にも耐えられるようにする必
要があり、そのためには高額の設備費を要すると
いう問題点があつた。

この発明は、このような従来の問題点にかんが
みてなされたものであつて、廃ガスから熱を十分
に回収し、熱交換後の廃ガス温度を酸結露温度と
廃ガスブロワの耐熱温度との範囲内に調整できる
ような連続熱処理ラインとすることにより、上記
問題点を解決することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、予熱室内の廃温風を金属ストリツ
プの前処理工程におけるドライヤへ供給するため
に、予熱室とドライヤの間にブロワを具えた廃温
風用ダクトを設け、さらにこのダクトの予熱室側
端部に予熱室の内圧を調整するための炉圧制御弁
を、このダクトの前記ブロワと炉圧制御弁との間
に風量調節用の通気口を、それぞれ設けた金属ス
トリツプの連続熱処理ラインとしたもである。

〔作用〕

予熱室へは、熱交換手段によつてラジアントチ
ユーブの燃焼廃ガスと充分に熱交換した空気又は
還元性雰囲気ガスが熱風となつて予熱室へ送り込
まれる。この熱風は予熱室内を通板される金属ス
トリツプへノズル等で吹き付けられて金属ストリ
ツプと熱交換して廃温風となり、廃温風ダクトを
通つてブロワにより金属ストリツプの前処理工程
におけるドライヤへ供給され、ここで再び有効に
利用される。

また予熱室内へ常に送り込まれる熱風は、金属
ストリツプの出入口のシール部から空気が侵入し
ない程度の圧力に保たれる。この圧力の調整は廃
温風ダクトの予熱室側端部に設けられた炉圧制御
弁によつて、その開度を加減して行われる。すな
わち、予熱室内の圧力が高すぎるときは、炉圧制
御弁の開度が大となつて大きい風量の温風が廃温
風ダクトへ送られるが、その風量がドライヤへ供
給する一定量以上に多いときはブロワの上流に設
けられた通気口から余分の廃温風が外気へ排出さ
れ、もし反対に炉圧制御弁の開度が小さく、従つ
て廃温風ダクトの風量がドライヤへ供給される一
定量以下に少ないときは、ブロワのドラフト効果
によつて通気口から外気が吸入され、廃温風と混
合してドライヤへ送られ、金属ストリツプを乾燥
させる。

〔実施例〕

以下この発明を図面に基づいて説明する。第
１，２図は本発明の一実施例を示し、第３，４図
はこの実施例の効果を示す線図である。なお、予
熱室を除く連続焼鈍炉の構成は第５図に示した従
来例と同様であるため、重複する説明は省略す
る。

先ず構成を説明すると、１２はブロワであつ
て、空気又は加熱室１内の雰囲気ガスを熱交換器
１３においてラジアントチユーブ６からの高温の
廃ガスと熱交換して熱風となし、予熱室１４へ供
給する。熱交換の終わつた廃ガスはブロワ１５に
よつて炉外へ排出される。

金属ストリツプ５は入側ルーパ１６からシール
ロール１７を介して入側シール部１８から予熱室
１４内へ入り、ハースロール４に巻掛けられて室
内を通過し、出側シール部１９からシールロール
２０を介して加熱室１へ送られるようになつてい
る。

１１はノズルヘツダであつて、予熱室１４へ供
給される前記熱風を金属ストリツプ５の両面へ吹
付けるためのものである。２１は廃温風ダクトで
あつて、金属ストリツプ５と熱交換した熱風、す
なわち廃温風を前処理設備２２のドライヤ２３へ
送るために設けられたものである。２４は炉圧制
御弁であつて、廃温風ダクト２１の予熱室側端部
に設けられ、予熱室１４内へ入側及び出側シール
部１８，１９から空気が侵入しない程度に予熱室
内圧力を常に維持するように弁の開度を制御する
ものである。２５は廃温風ダクト２１に設けられ
たブロワであつて、廃温風をドライヤ２３へ一定
の風量で供給する。２６は通気口であつて、炉圧
制御弁２４とブロワ２５との間で廃温風ダクト２
１から分岐し設けられており、廃温風ダクト２１
を通る廃温風が所定流量より大きいときは余分の
廃温風をここから排出し、逆に所定流量より小さ
いときはブロワ２５のドラフト効果により、その
不足分に相当する空気をここから吸入するように
なつている。

次に作用を説明する。

ブロワ１２によつて、空気又は加熱室１内の還
元性雰囲気ガスが熱交換器１３においてラジアン
トチユーブ６からの高熱廃ガスと熱交換後、熱風
となつて予熱室１４内へ送込まれる。この熱風は
予熱室１４内を通板される金属ストリツプ５の両
面へ、ノズルヘツダ１１で吹付けられ、金属スト
リツプ５と熱交換して廃温風となり、廃温風ダク
ト２１を通つてブロワ２５により金属ストリツプ
５の前処理設備２２のドライヤ２３へ供給され、
ここで洗浄により水濡れした金属ストリツプ５を
乾燥させるために、再び利用されるようになつて
いる。

また、予熱室１４内へ送り込まれる熱風は、入
側、出側シール部１８，１９から外気が予熱室１
４内へ侵入しない程度の圧力に保たれる。この圧
力の調整は、炉圧制御弁２４がその開度を自動的
に加減することによつて行われる。すなわち、予
熱室１４内の圧力が高くなり過ぎると、炉圧制御
弁１４の開度が大きくなつて大きい流量の廃温風
がダクト２１からブロワ２５へ送られるが、その
流量がドライヤ２３へ供給する所定量より多いと
きは、ブロワ２５の上流に設けられた通気口２６
から余分の廃温風が外気へ排出され、反対に炉圧
制御弁２４の開度が狭められ、従つてダクト２１
への流量が前記所定量より減少するときは、ブロ
ワ２５によるドラフト効果によつて、所定量より
不足する分の空気が通気口２６から吸入され、減
少した廃温風に加えられて前記ドライヤ２３へ供
給される。

以上のように、ラジアントチユーブ６の高熱廃
ガスは、雰囲気ガスが従来例のように循環するこ
となく、一方向的に予熱室１４からドライヤ２３
へ送られるため、熱交換器１３において充分に熱
交換されるので、熱交換後の廃ガス温度を酸結露
と廃ガスブロワ１５の耐熱温度との範囲内に容易
に維持できる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明によればその構
成を、予熱室内の廃温風をドライヤへ供給するた
めに、予熱室とドライヤとの間にブロワを具えた
廃温風用のダクトを設け、さらにこのダクトの予
熱室側端部に予熱室の内圧を調整するための炉圧
制御弁を、前記ブロワと炉圧制御弁との間に流量
調節用の通気口を、それぞれ設けた金属ストリツ
プの連続熱処理ラインとしたために、熱交換後の
廃ガス温度を酸結露と廃ガスブロワの耐熱温度と
の範囲内に容易に維持できることから、廃ガスブ
ロワに特に耐酸耐熱の高価なものを使用する必要
がなく、さらに加熱室で生じる廃ガスの熱回収を
充分に行うことによつて雰囲気ガスを金属ストリ
ツプの予熱のみならず乾燥用にも有効に使用でき
るという効果が得られる。

さらに実際の操業において、第３図の実線に示
すように、金属ストリツプの予熱効果が点線で示
した従来例よりも大きいこと、及び第４図の実線
に示すように通気口の付設によつて廃温風のドラ
イヤへの定量供給が安定した状態を保つ、等の効
果も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る実施例の概要図、第２
図は実施例のラインにおける配置の概略図、第３
図は予熱効果の実施例と従来例との比較線図、第
４図は通気口の付設による廃温風の供給状態を示
す図、第５図は本実施例及び従来例に共通する連
続熱処理炉の概略断面図、第６図は従来例におけ
る予熱室及び熱回収装置を示す概要断面図であ
る。 ５……金属ストリツプ、１３……熱交換器、１
４……予熱室、２１……廃温風用のダクト、２３
……ドライヤ、２４……炉圧制御弁、２５……廃
温風用のブロワ、２６……通気口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 連続熱処理炉の廃ガス熱を熱交換手段によつ
   て回収して金属ストリツプを予熱するための予熱
   室を有する連続熱処理ラインにおいて、予熱室内
   の廃温風を金属ストリツプの前処理工程における
   ドライヤへ供給するために、予熱室とドライヤと
   の間にブロワを具えた廃温風用のダクトを設け、
   さらにこのダクトの予熱室側端部に予熱室の内圧
   を調整するための炉圧制御弁を、このダクトの前
   記ブロワと炉圧制御弁との間に流量調節用の通気
   口を、それぞれ設けたことを特徴とする金属スト
   リツプの連続熱処理ライン。