JPH022817B2 - - Google Patents

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JPH022817B2
JPH022817B2 JP59229939A JP22993984A JPH022817B2 JP H022817 B2 JPH022817 B2 JP H022817B2 JP 59229939 A JP59229939 A JP 59229939A JP 22993984 A JP22993984 A JP 22993984A JP H022817 B2 JPH022817 B2 JP H022817B2
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JP
Japan
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electrical conductivity
solution
amorphous
thin film
oxide
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Takeshi Masumoto
Kenji Suzuki
Mika Ookubo
Yukihiro Oota
Akira Matsumoto
Shuji Masuda
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Otsuka Chemical Co Ltd
Nikon Corp
Shingijutsu Kaihatsu Jigyodan
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Otsuka Chemical Co Ltd
Nikon Corp
Shingijutsu Kaihatsu Jigyodan
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  • Compounds Of Iron (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、導電性材料及びその製造法に関す
る。 従来の技術及びその問題点 不導体物質に導電性を付与する方法としては、
金属粒子、炭素粒子、導電性繊維等を不導体物質
に塗布するか或いは不導体物質中に分散させる方
法、InO2、Sb2O3、SnO2、ITO等の導電性酸化
物の蒸着薄膜を不導体物質表面に形成させる方法
等が研究され、実用化されている。これらの導電
性を付与された不導体物質は、電気メツキが可能
となり、静電防止効果を発揮するなどの優れた特
性を示し、また、導電性付与のための薄膜が透明
性を有するものは太陽電池、光センサー、光―電
気デバイス等の透明電極として使用されるなど幅
広い利用が可能となる。 しかしながら、塗布または分散により不導体物
質に導電性を付与する方法では、導電性を良くす
るために導電性物質の添加量を増大させた場合に
は導電膜の着色が増大し透明電極として利用する
ことや任意の色に着色して使用することなどがで
きなくなる。更に比重が大きくなるために軽量化
にとつて好ましくないという問題もある。また蒸
着法により導電性薄膜を形成させる方法では、真
空系または完全クローズド系で処理を行なう必要
性から生産方式がバツチ式となるのでコスト高と
なり、また大きな成形体への薄膜形成は困難であ
る。更に、蒸着における薄膜形成のためには、精
度のよい装置と正確な条件コントロールが必要で
あり、薄膜の生成効率もよくないという問題もあ
る。 問題点を解決するための手段 本発明者は、複雑な操作を要することなく、効
率よく各種基材上に導電性薄膜を形成することの
できる方法を見出すべく鋭意研究を重ねてきた。
その結果、V2O5をマトリツクスとする非晶質酸
化物の溶液を基材に塗布または含浸させた後、ガ
ラス転移点以下の温度で乾燥させるという簡単な
方法により、基材上に高い導電性を有する薄膜を
形成できることを見出し、本発明を完成するに至
つた。 即ち、本発明は、以下に示す導電性材料及び該
導電性材料の製造法を提供するものである。 V2O5をマトリツクスとする層状構造を有す
る酸化物と基材とからなる導電性材料。 V2O5をマトリツクスとする非晶質酸化物の
溶液を基材に塗布または含浸させた後、ガラス
転移点以下の温度で乾燥させることを特徴とす
る導電性材料の製造法。 本発明において使用するV2O5をマトリツクス
とする非晶質酸化物の溶液におけるV2O5をマト
リツクスとする非晶質酸化物とは、一般式
(V2O51-x・(MmOn)xで表わされるものであつ
てMmOnは、金属、非金属及び半金属の酸化物
の1種又は2種以上であり、0≦x≦0.90であ
る。ここでMmOnとしては、例えば、族のLi,
Na,K,Csの酸化物、族のBe,Mg,Ca,
Sr,Baの酸化物、族のYの酸化物、族の
Ti,Zrの酸化物、族のNb,Taの酸化物、
a族のCr,Mo,Wの酸化物、a族のMnの酸
化物、b族のCu,Ag,Auの酸化物、b族の
Zn,Cd,Hgの酸化物、b族のB,Al、Ga,
In,Tlの酸化物、b族のSi,Ge,Sn,Pbの酸
化物、b族のP,As,Sb、Biの酸化物、b
族のSe,Teの酸化物、ランタニド系のLa、Ce,
Nd,Gd,Tb,Erの酸化物等を挙げることがで
きる。 本発明のV2O5をマトリツクスとする非晶質酸
化物の溶液は、例えば、次のような方法で調製す
ることができる。 a V2O5をマトリツクスとする非晶質物質を形
成させ、これを溶媒に溶解または分散させる方
法。この場合、非晶質物質の製法は、公知の方
法でよく、例えば原料酸化物を加熱溶融せし
め、高速回転ロール面または冷却板上に吹き出
して急冷する方法、原料酸化物を加熱溶融せし
め、高圧ガスにてアトマイズ化せしめて急冷す
る方法、PVDまたはCVD法により原料を蒸
発、イオン化または気相反応せしめて基板上に
堆積させる方法等を挙げることができる。 b 原料酸化物を加熱溶解せしめ、溶媒中に流し
込み、急冷と同時に溶解させる方法。 このようにして得られるV2O5をマトリツクス
とする酸化物の溶液は、水溶液、水と水に可溶な
有機溶剤及び/又は有機高分子物との混合物の溶
液、水と水に分散可能な有機溶媒及び/又は有機
高分子物との分散液等として調製され、水溶液、
ゾル溶液またはゲル溶液として使用される。 これらの溶液の濃度は、0.001〜20重量パーセ
ント程度の濃度に調整することができるが、好ま
しい使用濃度は、0.01〜5重量パーセント程度で
ある。0.01重量%未満では、濃度がうすすぎ、5
重量%を超えると溶液粘度が高くなり、不導体へ
の均一なコーテイングまたは含浸が困難となるの
で好ましくない。 これらの溶液には酸化物の溶媒中での安定性を
得る目的で安定化剤、PH調整剤、乳化剤等を添加
しても良い。 上記した方法により調製したV2O5をマトリツ
クスとする非晶質酸化物の溶液を基材に塗布また
は含浸させた後、乾燥することにより基材上に導
電性薄膜を形成することができる。 塗布方法及び含浸方法は特に制限はなく通常の
方法でよく、例えばスプレー法、コーター法、ハ
ケ塗り法、スピンナー法、浸漬法、ひき上げ法、
減圧含浸法、減圧加圧含浸法などにより処理する
ことができる。 基材上に塗布又は含浸された溶液は、溶解また
は分散している酸化物のガラス転移点以下の温度
で熱処理される。熱処理工程で、含有している水
分を減少させ、または余分な水分を除去すること
により、分子構造が安定化し、平滑で均一な薄膜
を得ることができる。このようにして得た薄膜
は、均質で高硬度であり、基材との密着性に優れ
たものとなる。熱処理温度がガラス転移点を超え
ると薄膜が結晶化し、電気伝導度が低下するため
にガラス転移点以下の温度で熱処理することが必
要である。熱処理の時間は、熱処理温度、湿度な
どによつて決まり、通常は、10分〜60分間程度の
時間で、余分な水分を除去することができるが、
常温近くの温度で乾燥させる場合には、更に長時
間を要する場合もある。 得られる薄膜の膜厚は、使用する溶液の濃度や
塗布方法などにより異なるが、0.05μm〜数mm程
度の範囲で容易に調整できるので、目的に応じた
膜厚とすればよい。また、より厚い膜厚を必要と
する場合には、この薄膜上に再度塗布することも
できる。また、非晶質酸化物の溶液を含浸させた
場合には、微細な空隙やマクロな穴などに充填ま
たは内部コートされたものが得られる。 得られた薄膜は、層状構造を有するものとな
る。その構造は、後記参考例1及び第2図に示す
ように、熱処理温度が低い場合には、〔001〕面の
X線回折ピークが表われた層状構造であつて、そ
の層間は、ブロードなX線回折パターンの非晶質
構造となり、また、熱処理温度が比較的高い場合
には、〔001〕面の他に〔003〕〔004〕〔005〕面等
の回折ピークが表われたより明確な層状構造を示
すものとなる。これらの層状構造を有する薄膜の
電気伝導度は、処理条件により1〜10-2(Ω・cm)
-1という高い値とすることができる。これに対し
て、ガラス転移点を上回る温度で熱処理すること
によつて結晶化した薄膜は、電気伝導度が1〜3
ケタ低下する。また、この本発明により得られる
薄膜の電気伝導度は、単結晶V2O5の電気伝導度
の10〜1000倍、スパツタ法で得られるV2O5薄膜
の電気伝導度の10〜10000倍、蒸着法で得られる
V2O5薄膜の電気伝導度の10000〜100000倍であ
り、更に本発明で塗布溶液を作製するために使用
した液体急冷法から得られる(V2O51-x
(MmOn)xの薄膜の電気伝導度の100〜1000000倍
という高い値である。 また、この薄膜は400〜2000nmの波長の光の透
過率が50〜90%と高いので、太陽電池、光センサ
ー、光―電気デバイス等の透明電導膜として利用
することもできる。 本発明において使用できる基材としては、特に
制限はなく、例えば、通常不導体または絶縁体と
して知られているゴム類、プラスチツク類、セラ
ミツク類、紙類、木材類、ガラス類、窯業物等の
各種不導体物質を基材とすることができ、その
他、導電性物質を基材として、その表面に導電膜
を形成することも可能である。更に、これらの成
形品、織物、抄造物、加工品等にも処理できる。
また、その形状も限定されず、例えば板状、シー
ト状、棒状、球状、繊維状等の各種の形状のもの
に適用できる。 本発明導電性材料は、これを最終製品とする場
合に限られず、中間物として、不導体物質やその
他の各種物質と混合、積層、ラミネートするなど
して、複合化した製品とすることもできる。この
複合化した製品の電気伝導度は、混合や積層の状
態によつて変わるが、通常10-1〜10-10(Ω・cm)
-1程度となり、塗布量等を変えるなどしてこの範
囲内で任意の電気伝導度に調整できる。 発明の効果 本発明によれば、各種の基材について、その種
類、形状を問わず導電性を付与することができ、
またその電気伝導度の調節も容易である。本発明
方法は、非常に容易な方法であり、処理費用は非
常に安価である。 本発明によれば、従来困難であつた不導体から
なる大型製品や複雑な形状の製品の導電化が可能
になり、幅広い用途に使用し得るものとなる。 本発明により、不導体物質、導体物質等の各種
基材に導電性薄膜を形成した材料は、電気伝導度
が高いことを利用して、例えば電極としての利用
が可能であり、更に形成される薄膜が、光の透過
率が高く、かつ電気伝導度が高いことから、太陽
電池、光センサー、光―電気デバイスなどの透明
電導膜などとしての利用もできる。 実施例 次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明す
る。 実施例 1〜19 V2O5(純度99.9%)をマトリツクスとして設定
組成に調整後、高速回転ロール超急冷法により、
アモルフアス薄帯材料を得た。その組成及び製造
条件を第1表に示す。 このアモルフアス材料を室温下で水に溶解さ
せ、0.5wt%濃度とし、ガラス板上に塗布し、各
条件で熱処理した。走査電子顕微鏡により膜厚測
定をした結果及びX線回折により膜構造を解析し
た結果を第2表に示す。尚、表中の相構造の欄に
“アモルフアス”とあるのは、後記参考例1及び
第2図に示すような〔001〕面のX線回折ピーク
が表われた層状構造であつて、その層間がブロー
ドな回折パターンのアモルフアス構造となつてい
るものをいう。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 20 実施例3のアモルフアス薄帯材料の0.1wt%水
溶液を調製し、絶縁素材であるN―BKPクラフ
ト紙(110g/m2)に塗布含浸させた。含浸量は、
クラフト紙110gに対して220gとし、120℃で20
分間乾燥後、200℃で30秒間熱処理して、1m2
り、0.22gの酸化物を付着させた。未処理のクラ
フト紙の電気伝導度は6.7×10-9(Ω・cm)-1であ
るのに対して、処理後の電気伝導度は1.5(Ω・
cm)-1であつた。 実施例 21 実施例11のアモルフアス薄帯材料の0.1wt%水
溶液1000mlを調製し、絶縁材料であるチタン酸カ
リ繊維(直径0.3μm、長さ5〜10μm)をその溶
液の中に浸漬した後、過分離し、300℃で1時
間熱処理した。これを熱可塑性ポリアセタール樹
脂中に20wt%添加し、押し出し成形により厚さ
3mm巾15mm長さ150mmのテスト試片を得た。未処
理のポリアセタール樹脂の電気伝導度は7.5×
10-4(Ω・cm)-1であるのに対して、得られたテス
ト試片の電気伝導度は4.5×10-1(Ω・cm)-1であ
つた。 測定例 1 実施例1,2,3,11,12及び19の溶液をガラ
ス基板に塗布し、熱処理温度を室温から500℃の
間で変化させて薄膜を得た。得られた薄膜の電気
伝導度を2端子法により測定した。試料膜厚は、
2.5〜5.0μmであり、電極間距離3.9mmで、電圧は
直流10Vとし大気雰囲気中で21〜23℃の温度で測
定した。電極としては、Auの蒸着により得た薄
膜電極を用いた。結果を第1図に示す。 また比較として超急冷法により得た実施例1,
2,3,11,12及び19のアモルフアス薄帯の電気
伝導度を第1図に〓印で、また単結晶V2O5の電
気伝導度は〓印で示す。図中σ‖aとあるのは、単
結晶V2O5のa軸方向の電気伝導度である。更に、
CVD法、Rfスパツタ法、蒸着法により得られる
V2O5薄膜の電気伝導度及びV2O5―P2O5ガラスの
電気伝導度の室温での値も第1図に示す。 参考例 1 実施例11の溶液をガラス基板に塗布し、乾燥し
て得た薄膜について、熱処理温度が異なる場合の
X線回折図を第2図に示す。ガラス転移点より低
い温度である200℃で熱処理した場合には、〔001〕
面の回折ピークのみ明確な層状構状であり、その
層間は、ブロードな回折パターンのアモルフアス
構造を示すものとなり、ガラス転移点である325
℃で熱処理した場合には、〔001〕面の回折ピーク
の他に、〔003〕、〔004〕、〔005〕面の回折ピークも
明確に示された層状構造を示すものとなることが
わかる。また、結晶化温度より高温である450℃
で熱処理した場合には結晶構造となつていること
がわかる。 実施例 22〜26 V2O5(純度99.9%)3モルと第3表に示す酸化
物1モルとを均一に混合し、底部に4mm()×
0.2mm(W)のスリツト状に穴を開けた白金製チ
ユーブ中に充填した後、高周波加熱炉で1100℃ま
で加熱し、試料を融液化させた。次いで、この融
液を25℃の水中へ0.5Kg/cm2・Gの圧縮空気によ
り吹き出した。融液試料は、水中にて塊状物とな
り、これを撹拌し、分散溶解させた後不溶解物を
過分離し、褐色の液をガラス基板へ塗布し、
200℃で1時間熱処理して導電性皮膜を形成させ
た。 この皮膜表面に金蒸着により、電極間距離3.9
mmで面積11.9mm2の電極を設け、直流電圧10Vを印
加して、25℃で電気伝導度を測定した。測定に
は、横河ヒユーレツトパツカード社製4140B PA
メーターを使用した。結果を第3表に示す。
【表】 実施例 27 実施例3のアモルフアス薄帯材料の0.5wt%水
溶液(酢酸でPH3〜1とする)1000mlを調製し、
γ―Fe2O3磁性粉体(長さ1〜3μm、径0.5〜
1μm)1Kgをこの溶液中に浸漬した後、過分離
し、100℃で1時間熱処理を行なつた。次いで、
フエノール樹脂、塩化ビニル共重合体及びアクリ
ル樹脂を5:3:1(重量比)で混合し、更に分
散剤としてレシチンを1wt%添加した混合バイン
ダー中に、上記処理を行なつたFe2O3粉体を
50vol%となるように添加し、混合して塗工剤と
した。 この塗工剤を4本リバースロールコーターに
て、60m/minの速度でポリエステルテープ表面
上にコーテイングし、乾燥硬化させて、厚さ5μm
の磁性層を形成させた。この磁気テープの電気伝
導度は3.7×10-8(Ω・cm)-1であつた。これに対
して上記処理を行なつてないγ―Fe2O3磁性粉体
を使用し、上記方法と同様にして磁性層を形成さ
せた場合には、電気伝導度は、2×10-11(Ω・
cm)-1であつた。 実施例 28 実施例12のアモルフアス薄帯材料(x=0.20)
を用いて、2.0wt%水溶液を調製し、この水溶液
100gに、スチレン―ブタジエンゴムラテツクス
エマルジヨン(固形分50%)100gを添加してエ
マルジヨン溶液とした。このエマルジヨン溶液を
ポリカーボネート樹脂板上に塗布し、70℃で乾燥
して、25μmの塗膜とした。この塗膜の電気伝導
度は3.2×10-8(Ω・cm)-1であつた。これに対し
て、スチレン―ブタジエンゴムラテツクスエマル
ジヨンのみから形成された塗膜の電気伝導度は、
5×10-13(Ω・cm)-1であつた。 比較例 1〜3 実施例3,11及び19で用いたものと同様のアモ
ルフアス材料を用いて、これらの実施例と同様の
方法でアモルフアス材料の水溶液を石英ガラス基
板に塗布し、乾燥した後、アモルフアス材料の融
点以上に加熱して、石英ガラス基板上に酸化物層
を形成させた。得られた酸化物層の構造、及び電
気特性を下記第4表に示す。構造解析は、X線回
折法により行ない、また電気伝導性については、
2端の直流電気伝導度を測定した。尚、第4表
中、非晶質のあるのは、X線回折パターンがすべ
ての回折角において回折ピークを示さないガラス
体構造のものをいう。
【表】 以上の結果から、融点以上の温度に加熱して得
られる酸化物層の電気伝導度は、ガラス転移点以
下の温度で乾燥して得られる酸化物層の電気伝導
度と比較して、非常に低い値となることがわか
る。 参考例 2 実施例3,11及び19において用いたアモルフア
ス材料のゾル液を室温下で風乾して得た各試料に
ついて、示差熱分析(DTA)及び熱重量分析
(TG)を行なつた結果を第3図に示す。測定は、
大気雰囲気中で行ない、加熱昇温速度10℃/分、
TG:フルスケール20mg;DTA:±50μV、チヤ
ートスピード2.5mm/分、フルスケール500℃とし
た。 第3図から判るように、TGのチヤートにおい
て100℃前後の温度で自由水の蒸発による大きな
重量減が生じた後、加熱温度がガラス転移点
(Tg)を超えると更に、試料の重量減少が認めら
れる。また、DTAのチヤートにおいて、ガラス
転移点を超えると構造転移によると思われる発熱
ピークが生じる。これは、加熱温度がガラス転移
点を超えると、V2O5酸化物の層間に残存する水
分が蒸発するとともに、層状構造から結晶構造へ
の転移が生じるためであると推定される。 比較例 4 メタバナジン酸カリウムの5g/水溶液100
mlに、HClを加えてPHを2.0に調整し、この溶液
中にガラス板(5cm×10cm)を浸漬した後、この
溶液を80℃に加温し、10分間保持した。次いでこ
の溶液を放冷した後、ガラス板を取り出し、100
℃で30分間乾燥した。ガラス板表面には、約
0.5μmの被膜が形成された。この被膜のX線回折
図を第4図に示す。第4図から、形成された被膜
は五酸化バナジウムの多結晶体であることがわか
る。また、該被膜の2端の直流電気伝導度を測定
したところ、2×10-6(Ω・cm)-1であつた。 比較例 5 V・(OC4H93で表わされるバナジウムブチル
エーテルをアセチルアセトンに5wt%濃度で溶解
し、発振周波数0.8MHzの超音波霧化装置により、
この溶液を霧化し、空気をキヤリアーガスとし
て、400℃±5℃に加熱した石英ガラス基板上に
導き、熱分解させて基板上に酸化バナジウムの被
膜を形成させた。被膜形成時間は2時間で、厚さ
0.1μmの酸化バナジウム膜が形成された。得られ
た被膜のX線回折図を第5図に示す。得られた被
膜は、斜方晶多結晶体であつた。また、該被膜の
2端の直流電気伝導度を測定したところ、3.5×
10-7(Ω・cm)-1であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、測定例1で求めた熱処理温度と電気
伝導度との関係を表わすグラフ、第2図は、参考
例1のX線回折図、第3図は、参考例2の示差熱
分析―熱重量分析の結果を示す図、第4図は、比
較例4におけるX線回折図、第5図は、比較例5
におけるX線回折図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 V2O5をマトリツクスとする層状構造を有す
    る酸化物と基材とからなる導電性材料。 2 V2O5をマトリツクスとする非晶質酸化物の
    溶液を基材に塗布または含浸させた後、ガラス転
    移点以下の温度で乾燥させることを特徴とする導
    電性材料の製造法。
JP22993984A 1984-10-30 1984-10-30 導電性材料及びその製造法 Granted JPS61106436A (ja)

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JPS61106436A (ja) 1986-05-24

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