JPH0227983B2 - Nnchikannkuroroasetoamidooyobisonoseiho - Google Patents
NnchikannkuroroasetoamidooyobisonoseihoInfo
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- JPH0227983B2 JPH0227983B2 JP15643383A JP15643383A JPH0227983B2 JP H0227983 B2 JPH0227983 B2 JP H0227983B2 JP 15643383 A JP15643383 A JP 15643383A JP 15643383 A JP15643383 A JP 15643383A JP H0227983 B2 JPH0227983 B2 JP H0227983B2
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Description
本発明は新規な特定の一般式で示されるN−置
換−クロロアセトアミド及びその製法に関する。 従来、N−置換−クロロアセトアニリドに類す
る化合物として数多くのものが合成されている。
例えば特開昭55−24194号には一般式 (但しRは非置換または置換フエニル基、非置換
または置換フリル基等を表わしX1、X2、X3は互
いに独立的に水素またはアルキル基等を表わし、
Halは、ハロゲンを表わす) で示されるN−置換ハロアセトアニリドの製法が
記述されている。 しかしながら、該特許に記載されている上記一
般式で示される化合物はN側の置換基については
置換フエニル基に限定されており又、生理活性に
ついては全く触れられていない。本発明者らはN
側の置換基が直鎖並びに分枝アルキル基である
種々の化合物について合成を行ない、更に生理活
性についても鋭意研究を行なつてきた。 その結果、本発明者らが合成した新規な一般
式、 (但し、Rは炭素原子数1〜6個のアルキル基を
示し、Arは
換−クロロアセトアミド及びその製法に関する。 従来、N−置換−クロロアセトアニリドに類す
る化合物として数多くのものが合成されている。
例えば特開昭55−24194号には一般式 (但しRは非置換または置換フエニル基、非置換
または置換フリル基等を表わしX1、X2、X3は互
いに独立的に水素またはアルキル基等を表わし、
Halは、ハロゲンを表わす) で示されるN−置換ハロアセトアニリドの製法が
記述されている。 しかしながら、該特許に記載されている上記一
般式で示される化合物はN側の置換基については
置換フエニル基に限定されており又、生理活性に
ついては全く触れられていない。本発明者らはN
側の置換基が直鎖並びに分枝アルキル基である
種々の化合物について合成を行ない、更に生理活
性についても鋭意研究を行なつてきた。 その結果、本発明者らが合成した新規な一般
式、 (但し、Rは炭素原子数1〜6個のアルキル基を
示し、Arは
【式】
【式】
【式】
を示し、該式中Xは水素原子、ハロゲン原子、炭
素原子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜
6個のアルコキシ基又はニトロ基を示す。) で示される化合物であるN−置換−クロロアセト
アミドが水稲に安全で雑草のみを枯死させるいわ
ゆる選択除草活性を有することを見い出し本発明
を完成するに至つた。 即ち、本発明は一般式 (但し、Rはアルキル基を示し、Arは
素原子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜
6個のアルコキシ基又はニトロ基を示す。) で示される化合物であるN−置換−クロロアセト
アミドが水稲に安全で雑草のみを枯死させるいわ
ゆる選択除草活性を有することを見い出し本発明
を完成するに至つた。 即ち、本発明は一般式 (但し、Rはアルキル基を示し、Arは
【式】
【式】
を示し、該式中Xは水素原子、ハロゲン原子、炭
素原子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜
6個アルコキシ基又はニトロ基を示す。)を提供
する。 さらに、本発明は、一般式 で示されるN−置換−アニリンと、一般式
ClCH2COYで示されるクロロアセチルハロゲニ
ドとを反応させることを特徴とする一般式、 で示されるN−置換−クロロアセトアミドの製法 (但し式中、Yはハロゲン原子を示し、Rは炭素
原子数1〜6個のアルキル基を示し、Arは
素原子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜
6個アルコキシ基又はニトロ基を示す。)を提供
する。 さらに、本発明は、一般式 で示されるN−置換−アニリンと、一般式
ClCH2COYで示されるクロロアセチルハロゲニ
ドとを反応させることを特徴とする一般式、 で示されるN−置換−クロロアセトアミドの製法 (但し式中、Yはハロゲン原子を示し、Rは炭素
原子数1〜6個のアルキル基を示し、Arは
【式】
【式】を示
し、該式中Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜6個
アルコキシ基又はニトロ基を示す。) を提供する。 また本発明で提供する一般式、 で表わされるN−置換−クロロアセトアミドは除
草効果を有する化合物で、除草剤としても有効な
ものである。 本発明のN−置換−クロロアセトアミドは一般
式 (但し、Rは炭素原子数1〜6個のアルキル基を
示し、Arは
子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜6個
アルコキシ基又はニトロ基を示す。) を提供する。 また本発明で提供する一般式、 で表わされるN−置換−クロロアセトアミドは除
草効果を有する化合物で、除草剤としても有効な
ものである。 本発明のN−置換−クロロアセトアミドは一般
式 (但し、Rは炭素原子数1〜6個のアルキル基を
示し、Arは
【式】
【式】
【式】
を示し、該式中Xは水素原子、ハロゲン原子、炭
素原子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜
6個のアルコキシ基又はニトロ基を示す。) で表わされる新規な化合物である。 上記一般式中、Xで示されるハロゲン原子の具
体例としては、塩素、臭素、フツ素、ヨウ素の各
原子が挙げられる。 また、前記一般式中、X及びRで示されるアル
キル基は、炭素原子数1〜6個の直鎖状又は分枝
状の飽和基が好適である。該アルキル基の具体例
を例示するとメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチ
ル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキ
シル基、アリル基、エチニル基等が挙げられる。
また前記一般式中、Xで示されるアルコキシ基も
炭素原子数1〜6個の直鎖状又は分枝状の飽和あ
るいは不飽和基が好適であり、該アルコキシ基の
具体例を例示するとメトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキ
シ基、n−ヘキソキシ基、アリルオキシ基等が挙
げられる。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物は新規
な化合物であり、その構造は次の手段によつて確
認することが出来る。 (イ) 赤外吸収スペクトル(IR)を測定すること
により、3100〜2800cm-1付近にCH結合に基づ
く吸収、1680〜1660cm-1付近にアミド基のカル
ボニル結合に基づく吸収、1600〜1500cm-1付近
に芳香環に基づく特性吸収を観察することが出
来る。 (ロ) 質量スペクトル(ms)を測定し、観察され
る各ピーク(一般にはイオン分子量mをイオン
の荷電数eで除したm/eで表わされる質量
数)に相当する組成式を算出することにより、
測定に供した化合物の分子量ならびに該分子内
に於ける各原子団の結合様式を知ることが出来
る。即ち、測定に供した試料を一般式、 で表わした場合、一般に分子イオンピーク(以
下M と略記する)が分子中に含有されるハロ
ゲン原子の個数に応じて同位体存在比に従つた
強度比で観察されるため、測定に供した化合物
の分子量を決定することが出来る。さらに前記
一般式で示される本発明の化合物については M −Cl、M −CCl3、
素原子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜
6個のアルコキシ基又はニトロ基を示す。) で表わされる新規な化合物である。 上記一般式中、Xで示されるハロゲン原子の具
体例としては、塩素、臭素、フツ素、ヨウ素の各
原子が挙げられる。 また、前記一般式中、X及びRで示されるアル
キル基は、炭素原子数1〜6個の直鎖状又は分枝
状の飽和基が好適である。該アルキル基の具体例
を例示するとメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチ
ル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキ
シル基、アリル基、エチニル基等が挙げられる。
また前記一般式中、Xで示されるアルコキシ基も
炭素原子数1〜6個の直鎖状又は分枝状の飽和あ
るいは不飽和基が好適であり、該アルコキシ基の
具体例を例示するとメトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキ
シ基、n−ヘキソキシ基、アリルオキシ基等が挙
げられる。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物は新規
な化合物であり、その構造は次の手段によつて確
認することが出来る。 (イ) 赤外吸収スペクトル(IR)を測定すること
により、3100〜2800cm-1付近にCH結合に基づ
く吸収、1680〜1660cm-1付近にアミド基のカル
ボニル結合に基づく吸収、1600〜1500cm-1付近
に芳香環に基づく特性吸収を観察することが出
来る。 (ロ) 質量スペクトル(ms)を測定し、観察され
る各ピーク(一般にはイオン分子量mをイオン
の荷電数eで除したm/eで表わされる質量
数)に相当する組成式を算出することにより、
測定に供した化合物の分子量ならびに該分子内
に於ける各原子団の結合様式を知ることが出来
る。即ち、測定に供した試料を一般式、 で表わした場合、一般に分子イオンピーク(以
下M と略記する)が分子中に含有されるハロ
ゲン原子の個数に応じて同位体存在比に従つた
強度比で観察されるため、測定に供した化合物
の分子量を決定することが出来る。さらに前記
一般式で示される本発明の化合物については M −Cl、M −CCl3、
【式】及び
M
−CCl3−COCHClに相当する特徴的な
強いピークが観察され、該分子の結合様式を知
ることが出来る。 (ハ) 1H−核磁気共鳴スペクトル( 1H−nmr)を
測定することにより、前記一般式で表わされる
本発明の化合物中に存在する水素原子の結合様
式を知ることが出来る。前述の一般式(1)で示さ
れる化合物の 1H−nmrの特徴を総括すると、
芳香環(Ar)(但し、Arは
強いピークが観察され、該分子の結合様式を知
ることが出来る。 (ハ) 1H−核磁気共鳴スペクトル( 1H−nmr)を
測定することにより、前記一般式で表わされる
本発明の化合物中に存在する水素原子の結合様
式を知ることが出来る。前述の一般式(1)で示さ
れる化合物の 1H−nmrの特徴を総括すると、
芳香環(Ar)(但し、Arは
【式】
【式】
【式】
並びにアルキル(R)の種類に拘わらずクロロ
アセチル基のメチレンプロトンは通常4.2〜
4.4ppm付近に単一線で、メチンプロトンは
7.3ppm付近に単一線で現われる。 また、芳香環(Ar)のプロトンは6.4〜
8.0ppmに特徴的なピークを示す傾向がある。
さらに芳香環(Ar)の置換基X中にプロトン
が含まれる場合には、対応するプロトンのピー
クがその性質に応じて現われる。例えばXがア
ルキル(R)の場合該アルキル基中に含まれる
プロトンの性質と数に応じてそれに相当する特
徴的なピークを示し、例えばメチル基の場合、
2.2〜2.6ppm付近に特徴的なピークを示す。ま
た一般にArが
アセチル基のメチレンプロトンは通常4.2〜
4.4ppm付近に単一線で、メチンプロトンは
7.3ppm付近に単一線で現われる。 また、芳香環(Ar)のプロトンは6.4〜
8.0ppmに特徴的なピークを示す傾向がある。
さらに芳香環(Ar)の置換基X中にプロトン
が含まれる場合には、対応するプロトンのピー
クがその性質に応じて現われる。例えばXがア
ルキル(R)の場合該アルキル基中に含まれる
プロトンの性質と数に応じてそれに相当する特
徴的なピークを示し、例えばメチル基の場合、
2.2〜2.6ppm付近に特徴的なピークを示す。ま
た一般にArが
【式】
【式】である場合、ヘテロ原子
であるO原子又はS原子に隣接するプロトンは
通常の芳香環プロトンよりも高磁場側に現らわ
れる場合が多い。前記一般式(1)で示される化合
物の 1H−nmr(δppm:テトラメチルシラン基
準、重クロロホルム溶媒中)の代表例として、
N−クロロアセチル−N−{1−(2′−フリル)
−2,2,2−トリクロロエチル}エチルアミ
ンについての 1H−nmr図を第2図に示す。そ
の解析結果を示すと次の通りである。 即ち、0.91ppmに3個分のプロトンに相当す
る三重線が認められ、エチル基中のメチル基(a)
によるものと帰属出来る。3.77ppmに2個分の
プロトンに相当する四重線が認められ、エチル
基中のメチレン基(b)によるものと帰属出来る。
4.29ppmに2個分のプロトンに相当する単一線
が認められ、クロロメチル基中のメチレン基(c)
によるものと帰属出来る。また、7.36ppmに1
個分のプロトンに相当する単一線が認められ、
メチレン基(d)によるものと帰属出来る。さらに
6.4〜8.0ppmに3個分のプロトンに相当する多
重線が認められ、フラン環に置換したプロトン
(e)、(f)、(g)によるものと帰属出来る。 (ニ) 元素分析によつて炭素、水素、窒素、及びハ
ロゲンの更にイオウを含む場合はイオウの各重
量%を求め、さらに認知された各元素の重量%
の和を100から減じることにより、酸素の重量
%を算出することが出来、従つて該化合物の組
成式を決定することが出来る。 本発明のN−置換−クロロアセトアミドは前記
一般式中のAr、Rの種類によつてその性状が多
少異なるが、一般に常温常圧に於ては淡黄色、淡
褐色又は褐色の粘稠液体又は固体であり、極めて
高沸点を有するものが多く、ある一定温度以上に
なると分解する傾向がある。 本発明の化合物はベンゼン、エーテル、アルコ
ール、クロロホルム、四塩化炭素、アセトニトリ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシドなどの一般有機溶媒に可溶であるが水
にはほとんど溶けない。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物の製造
方法は特に限定されるものではない。代表的な製
造方法を以下に記述する。 一般式 (但し、Rは炭素原子数1〜6個のアルキル基を
示し、Arは
通常の芳香環プロトンよりも高磁場側に現らわ
れる場合が多い。前記一般式(1)で示される化合
物の 1H−nmr(δppm:テトラメチルシラン基
準、重クロロホルム溶媒中)の代表例として、
N−クロロアセチル−N−{1−(2′−フリル)
−2,2,2−トリクロロエチル}エチルアミ
ンについての 1H−nmr図を第2図に示す。そ
の解析結果を示すと次の通りである。 即ち、0.91ppmに3個分のプロトンに相当す
る三重線が認められ、エチル基中のメチル基(a)
によるものと帰属出来る。3.77ppmに2個分の
プロトンに相当する四重線が認められ、エチル
基中のメチレン基(b)によるものと帰属出来る。
4.29ppmに2個分のプロトンに相当する単一線
が認められ、クロロメチル基中のメチレン基(c)
によるものと帰属出来る。また、7.36ppmに1
個分のプロトンに相当する単一線が認められ、
メチレン基(d)によるものと帰属出来る。さらに
6.4〜8.0ppmに3個分のプロトンに相当する多
重線が認められ、フラン環に置換したプロトン
(e)、(f)、(g)によるものと帰属出来る。 (ニ) 元素分析によつて炭素、水素、窒素、及びハ
ロゲンの更にイオウを含む場合はイオウの各重
量%を求め、さらに認知された各元素の重量%
の和を100から減じることにより、酸素の重量
%を算出することが出来、従つて該化合物の組
成式を決定することが出来る。 本発明のN−置換−クロロアセトアミドは前記
一般式中のAr、Rの種類によつてその性状が多
少異なるが、一般に常温常圧に於ては淡黄色、淡
褐色又は褐色の粘稠液体又は固体であり、極めて
高沸点を有するものが多く、ある一定温度以上に
なると分解する傾向がある。 本発明の化合物はベンゼン、エーテル、アルコ
ール、クロロホルム、四塩化炭素、アセトニトリ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシドなどの一般有機溶媒に可溶であるが水
にはほとんど溶けない。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物の製造
方法は特に限定されるものではない。代表的な製
造方法を以下に記述する。 一般式 (但し、Rは炭素原子数1〜6個のアルキル基を
示し、Arは
【式】
【式】
【式】
を示し該式中Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素
原子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜6
個のアルコキシ基又はニトロ基を示す。)、で表わ
される化合物と、一般式ClCH2COY(但しYはハ
ロゲン原子を示す。)で表わされるクロロアセチ
ルハロゲニドを反応させることによつて前記一般
式(1)で表わされる化合物が得られる。 原料となる前記一般式(2)で表わされるアミン誘
導体は如何なる方法で得られたものでも使用出来
る。原料となる該アミンの代表的な製造方法の一
例を以下に記述する。 例えば、下記反応式で示されるようにN−置換
−イミンとトリクロロ酢酸とを反応させることに
よりα−トリクロロメチル−N−置換アミンを合
成することができる。 (但し、式中Ar及びRは前記(2)式の場合と同じ
である) また、下記反応式で示されるα−トリクロロメ
チル−ハライドとアミンとを反応させることによ
つてもα−トリクロロメチル−N−置換アミンを
合成することができる。 (但し、Zはハロゲン原子を示し、Rは炭素原子
数1〜6個のアルキル基を示し、Arは
原子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜6
個のアルコキシ基又はニトロ基を示す。)、で表わ
される化合物と、一般式ClCH2COY(但しYはハ
ロゲン原子を示す。)で表わされるクロロアセチ
ルハロゲニドを反応させることによつて前記一般
式(1)で表わされる化合物が得られる。 原料となる前記一般式(2)で表わされるアミン誘
導体は如何なる方法で得られたものでも使用出来
る。原料となる該アミンの代表的な製造方法の一
例を以下に記述する。 例えば、下記反応式で示されるようにN−置換
−イミンとトリクロロ酢酸とを反応させることに
よりα−トリクロロメチル−N−置換アミンを合
成することができる。 (但し、式中Ar及びRは前記(2)式の場合と同じ
である) また、下記反応式で示されるα−トリクロロメ
チル−ハライドとアミンとを反応させることによ
つてもα−トリクロロメチル−N−置換アミンを
合成することができる。 (但し、Zはハロゲン原子を示し、Rは炭素原子
数1〜6個のアルキル基を示し、Arは
【式】
【式】を示
し、該式中Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜6個
のアルコキシ基又はニトロ基を示す。) 該アミンの具体的な製造方法は参考例として後
述する。 前記一般式(2)で表わされる化合物の代表的な製
法は下記に詳述するが、前記一般式(2)で表わされ
る化合物のXの導入は、予め原料化合物に導入さ
れたものを用いるのが一般的であるが化合物の種
類によつては液処理によりXを導入することも出
来る。 前記一般式(2)で表わされる化合物とクロロアセ
チルハロゲニドとの反応に於て、両化合物の仕込
みモル比は必要に応じて適宜決定すればよいが、
通常等モルもしくはクロロアセチルハロゲニドを
やや過剰モルを使用するのが一般的である。 また前記反応に於いてはハロゲン化水素が副生
する。このハロゲン化水素は反応系内で一般式(2)
で表わされる化合物と反応し、生成物の収率を低
下させる原因となるので、通常は反応系内にハロ
ゲン化水素捕捉剤を共存させることが好ましい。
該ハロゲン化水素の捕捉剤は特に限定されず公知
のものを使用することが出来る。一般に好適に使
用される該捕捉剤としてトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン等のトリアル
キルアミン;ピリジン;ナトリウムアルコラー
ト;炭酸ナトリウム等が挙げられる。 本発明における前記反応に際しては一般に有機
溶媒を用いるのが好ましい。該溶媒として好適に
使用されるものを例示すれば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテ
ル、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン
等の脂肪族又は芳香族の炭化水素類或いはハロゲ
ン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類;アセトニ
トリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等の
N,N−ジアルキルアミド類;ジメチルスルホキ
シド等が挙げられる。 前記反応に於ける原料の添加順序は特に限定さ
れないが、一般には溶媒に前記一般式(2)で示され
る化合物を溶解して反応器に仕込み、溶媒に溶解
したクロロアセトハロゲニドを撹拌下に添加する
のがよい。勿論連続的に反応系に原料を添加し生
成した反応物を連続的に該反応系から取出すこと
も出来る。 前記反応に於ける温度は広い範囲から選択出
来、一般には−20℃〜150℃好ましくは0℃〜120
℃の範囲から選べば十分である。反応時間は原料
の種類によつてもちがうが通常5分〜10日間、好
ましくは1〜40時間の範囲から選べば十分であ
る。また反応中に於ては、撹拌を行うのが好まし
い。 反応系から目的生成物即ち前記一般式(1)で示さ
れる化合物を単離精製する方法は特に限定されず
公知の方法を採用出来る。例えば反応液を冷却又
は自然放冷で、室温又はその近くにもどし、反応
溶媒、残存するハロゲン化水素捕捉剤を留去した
後、残渣をベンゼン抽出する。上記操作で、副生
するハロゲン化水素とハロゲン化水素捕捉剤とか
ら生成する塩及び高分子量化合物を分離する。該
ベンゼン層については、芒硝、塩化カルシウム等
の乾燥剤で乾燥した後、ベンゼンを留去し、残渣
を真空蒸留することによつて目的物を取得する。
真空蒸留により単離精製する他、クロマトグラフ
イーによる精製、あるいは生成物が固体である場
合にはヘキサン等の溶媒から再結晶することによ
り精製することも出来る。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物は除草
剤として著しくすぐれた効果を発揮する。例えば
イネ科雑草、広葉雑草、多年生雑草の発芽前およ
び発芽後の土壌処理又は茎葉処理にすぐれた除草
効果を発揮する。特に、イネ科雑草については著
しい除草効果を示し、例えば水田に於て強害雑草
であるノビエに対してその発芽時だけでなく15葉
期に生育したものにもすぐれた除草効果を示す。
しかも水稲に対しては15葉期の種苗だけでなく発
芽時においても高い安全性を有する。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物は、ノ
ビエと水稲との間に高度の選択性を有しているた
め、水稲の発芽期から生育期の長期間の生育段階
での適用が可能であり、処理適期幅が従来の除草
剤に効べると著しく長いすぐれた利点を有してい
る。また湛水直播水稲に対してきわめて安全に適
用出来る利点は本発明の大きな特徴である。 また畑地の除草剤とするときも選択的除草効果
を発揮するので、大豆、ワタ、コウリヤン等の広
葉作物だけでなく小麦、大麦、とうもろこし、陸
稲等のイネ科作物にも損害なしに適用することが
出来る。 前記一般式(1)で示される化合物を除草剤として
用いる場合の具体的態様の代表的なものについて
以下説明する。 前記一般式(1)で示される化合物を、水田土壌に
同時に播種されたノビエと水稲に対して使用する
とき、10アール当り30gの濃度で処理するとノビ
エの発芽は完全に阻止されるが水稲は1000g処理
した場合でも全く影響がない。従つて一般に10ア
ール当り、6.25g〜2000g好ましくは30g〜500gの
有効成分量として水田に使用すればよい。 また畑地に適用する薬量は10アール当り、
12.5g〜2000g好ましくは100g〜1500gの範囲が好
適である。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物はその
官能基の差異によつて除草効果に若干の違いがあ
るが、イネ科作物に対して薬害が少なく、特に水
稲に対して極めて薬害の少ない点は共通した特性
である。本発明の化合物が除草効果を発揮する雑
草を例示すると次の通りである。 前記したようにイネ科雑草特にノビエに対して
の除草効果が高く、カヤツリグサ科特にタマガヤ
ツリ、ホタルイ等にも除草効果が著しく好まし
い。これらに次いで広葉雑草に対して除草効果を
有する有効成分の使用量を増加することか公知の
除草剤例えばフエノキシ系化合物、アミド系化合
物等を混合して使用するとよい。特に効果的に除
草出来る雑草は例えば、イヌビエ、タイヌビエ、
ケイヌビエ、カズノコグサ、タマガヤツリ、ミズ
ハナビ、ヒナガヤツリ、カワラスガナ、ホタル
イ、ハリイ、テンツキ、ヒメテンツキ、ヒデリ
コ、ミズガヤツリ、ヒメクグ、クログワイ、マツ
バイ、コウキヤガラ、オモダカ、アギナシ、ヘラ
オモダカ、ウリカワ、ヒルムシロ、デンジソウ、
セリ、ヤナギタデ、コナギ、イボクサ、ホシク
サ、ミゾハコベ、ヒメミソハギ、キカシグサ、ミ
ズマツバ、ヒメジソ、チヨウジタデ、アゼムシ
ロ、タカサブロウ、タウコギ、アメリカセンダン
グサ、アカヌマソウ、サワトウガラシ、アブノ
メ、アゼナ、アゼトウガラシ等の水田雑草であ
る。また畑地雑草は例えば、メヒシバ、エノコロ
グサ、アカザ、イヌタデ、カヤツリグサ、コゴメ
ガヤツリ、イヌビユ、スベリヒユ、アカツメク
サ、カタバミ、オナモミ、イチビ、スズメテツポ
ウ、スズメノカタビラ、ヤエムグラ、ノアサガ
オ、カワラケツメイ、カラスノエンドン、ナズナ
等に適用出来る。 また本発明の前記一般式(1)で示される化合物は
植物の生育に影響を及ぼすので、落葉剤、発芽抑
制剤、生育調節剤としても使用することが出来
る。 本発明の前記一般式(1)の使用態様は特に限定さ
れず公知の除草剤の使用態様をそのまゝ利用出来
る。例えば、不活性固体担体、液体担体、乳化分
散剤等を用いて粒剤、粉剤、乳剤、水和剤、錠
剤、油剤、エアゾール、燻煙剤等任意の剤形にし
て使用することが出来る。勿論、製剤上の補助剤
例えば、展着剤、希釈剤、界面活性剤、溶剤など
を適宜配合することも出来る。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物まはた
殺虫剤、殺菌剤、他の農薬、肥料物質、土壌改良
剤等と混合して用いることが出来る。 本発明を更に具体的に説明するため以下参考
例、実施例および比較例を挙げて説明するが本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。 参考例 1 (2−フルフリデン)エチルアミン3g
(0.024mole)をベンゼン7.5mlに溶解し、70〜80
℃に加熱しながらトリクロロ酢酸5.58g
(0.034mole)のベンゼン11ml溶液を滴下しその
まま2時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、
2N−水酸化ナトリウム水溶液30ml、続いて水30
mlの順に洗浄し、ベンゼン層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。ベンゼンを留去した後、シリカゲ
ルカラム(溶媒系;ベンゼン:アセトン=40:
1)を用いて精製し、淡褐色液体であるN−{1
−(2′−フリル)−2,2,2−トリクロロエチ
ル)エチルアミン3.11g(0.013mole)(収率52.9
%)を得た。このものの、赤外吸収スペクトルは
3340cm-1にN−H結合に基づく吸収を示した。ま
た元素分析値はC39.58%、H4.14%、N5.69%、
Cl43.73%で理論値(C39.62%、H4.16%、N5.78
%、Cl43.85%)とよく一致した。 参考例 2 参考例1における(2−フルフリデン)エチル
アミンの代わりに(5−メチル−2−フルフリデ
ン)エチルアミン4.5g(0.033mole)を用いた以外
は参考例1と同様に反応させ、後処理を行ない淡
褐色液体であるN−{1−(5′−メチル−2′−フリ
ル)−2,2,2−トリクロロエチル)エチルア
ミン3.22g(0.013mole)(収率38.2%)を得た。こ
のものの赤外吸収スペクトルは3340cm-1にN−H
結合に基づく吸収を示した。また元素分析値は
C42.01%、H4.57%、N5.32%、Cl41.25%で理論
値(C42.13%、H4.71%、N5.46%、Cl41.46%)
とよく一致した。 参考例 3 参考例1における(2−フルフリデン)エチル
アミンの代わりに(2−ベンゾフルフリデン)エ
チルアミン3g(0.017mole)を用いた以外は参考
例1と同様に反応させ、後処理を行ない淡黄色液
体であるN−{1−(2′−ベンゾフルフリデン)−
2,2,2−トリクロロエチル}エチルアミン
3.58g(0.012mole)(収率70.6%)を得た。このも
のの、赤外吸収スペクトルは3330cm-1にN−H結
合に基づく吸収を示した。また元素分析値は
C49.01%、H4.02%、N4.68%、Cl36.22%で理論
値(C49.26%、H4.13%、N4.79%、Cl36.35%)
とよく一致した。 実施例 1 N−{1−(2′−フリル)−2,2,2−トリク
ロロエチル}エチルアミン2.00g(0.0083mole)を
ベンゼン20mlに溶解し、トリエチルアミン0.92g
(0.0091mole)を加え、氷水中に設置した。次い
でクロルアセチルクロリド1.03g(0.0091mole)の
ベンゼン溶液(10ml)を徐々に添加した。室温で
5時間撹拌した後、水50mlで2回反応液を洗浄
し、ベンゼン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。ベンゼンを留去した後シリカゲルカラム(溶
媒系:ベンゼン:アセトン=30:1)で精製した
ところ淡褐色粘稠液体1.44gを得た。このものの
赤外吸収スペクトルを測定した結果は第1図に示
す通りであり3100〜2850cm-1にC−H結合に基づ
く吸収、1670cm-1にアミド基のカルボニル結合に
基づく強い吸収を示した。 その元素分析値はC37.41%、H4.12%、N5.61
%であつて組成式C19H11NO2Cl4(319.02)に対す
る計算値であるC37.65%、H4.16%、N5.78%に
良く一致した。また質量スペクトルを測定したと
ころ、m/e282にM −Clに対応するピーク、
m/e200にM −CCl3に対応するピーク、m/
e124(100%)にM −CCl3−COCHClに対応す
る各ピークを示した。 さらに、 1H−核磁気共鳴スペクトル(δ;
ppm:テトラメチルシラン基準、重クロロホルム
溶媒)を測定した結果を第2図に示した。その解
析結果は次の通りであつた。 0.91ppmにプロトン3個分の三重線を示し(a)の
メチルプロトンに相当した。 3.77ppmにプロトン2個分の四重線を示し(b)の
メチレンプロトンに相当した。 4.29ppmにプロトン2個分の単一線を示し(c)の
メチレンプロトンに相当した。 また7.36ppmにプロトン1個分の単一線を示し
(d)のメチレンプロトンに相当した。 さらに6.4〜6.5ppm6.7〜6.9ppm7.9〜8.0ppmに
それぞれプロトン1個分の多重線を示し(e)のフラ
ン環のプロトンに相当した。 上記の結果から、単離生成物が、N−クロロア
セチル−N−{1−(2′−フリル)−2,2,2−
トリクロロエチル}エチルアミンであることが明
らかとなつた。収率は用いたN−{1−(2′−フリ
ル)−2,2,2−トリクロロエチル}エチルア
ミンに対し、54.5%(0.0045mole)であつた。 実施例 2 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りにN−{1−(5′−メチル−2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミン2.00g
(0.0078mole)を用いた以外は、実施例1と同様
に反応させ、後処理を行ない薄茶色粘稠液体
(0.71g)を得た。このものの赤外吸収スペクトル
を測定した結果は、第3図に示す通りであり3150
〜2870cm-1にC−H結合に基づく吸収、1670cm-1
にアミド基のカルボニル結合に基づく強い吸収を
示した。その元素分析値はC39.58%、H3.90%、
N4.07%であつて、組成式C11H13NO2Cl4(333.05)
に対する計算値であるC39.67%、H3.94%、
N4.21%に良く一致した。また質量スペクトルを
測定したところm/e214にM −CCl3に対応す
るピーク、m/e138(100%)にM −CCl3−
COCHClに対応する各ピークを示した。 上記の結果から、単離生成物がN−クロロアセ
チル−N−{1−(5′−メチル−2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンである
ことが明らかとなつた。収率は用いたN−{1−
(5′−メチル−2′−フリル)−2,2,2−トリク
ロロエチル}エチルアミンに対し、27.3%
(0.0021mole)であつた。 実施例 3 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りにN−(1−フエニル−2,2,2−トリクロ
ロエチル}エチルアミン2.53g(0.010mole)を用
いた以外は実施例1と同様に反応させ後処理を行
なつた後真空蒸留し、沸点160℃/0.5mmHgの黄
褐色粘稠液体0.35gを得た。このものの赤外吸収
スペクトルを測定した結果は第4図に示す通りで
あり、3100〜2700cm-1にC−H結合に基づく吸
収、1665cm-1にアミド基のカルボニル結合に基づ
く強い吸収を示した。その元素分析値はC43.90
%、H3.94%、N4.46%であつて組成式
C12H13NOCl4(329.06)に対する計算値である
C43.80%、H3.98%、N4.26%に良く一致した。
また、質量スペクトルを測定したところm/e292
にM −Clに対応するピーク、m/e134(100%)
にM −CCl3−COCHClに対応する各ピークを
示した。 上記の結果から、単離生成物が、N−クロロア
セチル−N−(1−フエニル−2,2,2−トリ
クロロエチル}エチルアミンであることが明らか
となつた。収率は用いたN−(1−フエニル−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンに対
し、10.6%(0.0011mole)であつた。 実施例 4 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りにN−{1−(4′−メトキシフエニル)−2,2,
2−トリクロロエチル}エチルアミン1.73g
(0.0061mole)を用いた以外は実施例1と同様に
反応させ後処理を行ない、茶色粘稠液体(0.85g)
を得た。このものの赤外吸収スペクトルを測定し
た結果は第5図に示す通りであり3100〜2850cm-1
にC−H結合に基づく吸収、1660cm-1にアミド基
のカルボニル結合に基づく強い吸収を示した。そ
の元素分析値はC43.19%、H4.11%、N3.91%で
あつて、組成式C13H15NO2Cl4(359.09)に対する
計算値であるC43.48%、H4.22%、N3.90%に良
く一致した。また質量スペクトルを測定したとこ
ろ、m/e322にM −Clに対応するピーク、m/
e240にM −CCl3に対応する各ピーク、m/
e164にM −CCl3−COCHClに対応する各ピー
クを示した。 上記の結果から、単離生成物がN−クロロアセ
チル−N−{1−(4′−メトキシフエニル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンである
ことが明らかとなつた。収率はN−{1−(4′−メ
トキシフエニル)−2,2,2−トリクロロエチ
ル}エチルアミンに対し47.3%(0.0029mole)で
あつた。 実施例 5 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りにN−{1−(3′−クロロフエニル)−2,2,
2−トリクロロエチル}エチルアミン2.28g
(0.0079mole)を用いた以外は、実施例1と同様
に反応させ後処理を行ない褐色粘稠液体(1.85g)
を得た。このものの赤外吸収スペクトルを測定し
た結果は第6図に示す通りであり3100〜2800cm-1
にC−H結合に基づく吸収、1660cm-1にアミド基
のカルボニル結合に基づく強い吸収を示した。そ
の元素分析値はC39.71%、H3.32%、N3.75%で
あつて組成式C12H12NOCl5(363.50)に対する計
算値であるC39.65%、H3.33%、N3.85%に良く
一致した。また、質量スペクトルを測定したとこ
ろ、m/e326にM −Clに対応するピーク、m/
e244にM −CCl3に対応するピーク、m/e168
にM −CCl3−COCHClに対応する各ピークを
示した。 上記の結果から単離生成物がN−クロロアセチ
ル−N−{1−(4′−クロロフエニル)−2,2,
2−トリクロロエチル}エチルアミンであること
が明らかとなつた。収率はN−{1−(4′−クロロ
フエニル)−2,2,2−トリクロロメチル}エ
チルアミンに対し64.0%(0.0051mole)であつ
た。 実施例 6 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りにN−{1−(4′−フルオロフエニル)−2,2,
2−トリクロロエチル}エチルアミン2.61g
(0.0096mole)を用いた以外は、実施例1と同様
に反応させ後処理を行ない、茶色粘稠液体
(1.68g)を得た。このものの赤外吸収スペクトル
を測定した結果は第7図に示す通りであり3100〜
2800cm-1にC−H結合に基づく吸収、1660cm-1に
アミド基のカルボニル結合に基づく強い吸収を示
した。その元素分析値はC41.41%、H3.38%、
N4.00%であつて組成式C12H12NOCl4F(347.05)
に対する計算値であるC41.53%、H3.49%、
N4.04%に良く一致した。また、質量スペクトル
を測定したところm/e310にM −Clに対応する
ピーク、1/e228にM −CCl3に対応するピー
ク、m/e152(100%)にM −CCl3−COCHCl
に対応する各ピークを示した。 上記の結果から、単離生成物が、N−クロロア
セチル−N−{1−(4′−フルオロフエニル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンである
ことが明らかとなつた。収率はN−{1−(4′−フ
ルオロフエニル)−2,2,2−トリクロロエチ
ル}エチルアミンに対し50.1%(0.0048mole)で
あつた。 実施例 7 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りに下記一般式で示される化合物、 (但し、X及びRは第1表に記した。) を用いた以外は実施例1と同様に反応させ種々の
下記一般式で示される化合物 (但し、X及びRは第1表に記した。) を合成した。合成した化合物の組成式、分子量、
元素分析値を第1表に示す。 実施例 8 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りに下記一般式で示される化合物、
子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜6個
のアルコキシ基又はニトロ基を示す。) 該アミンの具体的な製造方法は参考例として後
述する。 前記一般式(2)で表わされる化合物の代表的な製
法は下記に詳述するが、前記一般式(2)で表わされ
る化合物のXの導入は、予め原料化合物に導入さ
れたものを用いるのが一般的であるが化合物の種
類によつては液処理によりXを導入することも出
来る。 前記一般式(2)で表わされる化合物とクロロアセ
チルハロゲニドとの反応に於て、両化合物の仕込
みモル比は必要に応じて適宜決定すればよいが、
通常等モルもしくはクロロアセチルハロゲニドを
やや過剰モルを使用するのが一般的である。 また前記反応に於いてはハロゲン化水素が副生
する。このハロゲン化水素は反応系内で一般式(2)
で表わされる化合物と反応し、生成物の収率を低
下させる原因となるので、通常は反応系内にハロ
ゲン化水素捕捉剤を共存させることが好ましい。
該ハロゲン化水素の捕捉剤は特に限定されず公知
のものを使用することが出来る。一般に好適に使
用される該捕捉剤としてトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン等のトリアル
キルアミン;ピリジン;ナトリウムアルコラー
ト;炭酸ナトリウム等が挙げられる。 本発明における前記反応に際しては一般に有機
溶媒を用いるのが好ましい。該溶媒として好適に
使用されるものを例示すれば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテ
ル、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン
等の脂肪族又は芳香族の炭化水素類或いはハロゲ
ン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類;アセトニ
トリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等の
N,N−ジアルキルアミド類;ジメチルスルホキ
シド等が挙げられる。 前記反応に於ける原料の添加順序は特に限定さ
れないが、一般には溶媒に前記一般式(2)で示され
る化合物を溶解して反応器に仕込み、溶媒に溶解
したクロロアセトハロゲニドを撹拌下に添加する
のがよい。勿論連続的に反応系に原料を添加し生
成した反応物を連続的に該反応系から取出すこと
も出来る。 前記反応に於ける温度は広い範囲から選択出
来、一般には−20℃〜150℃好ましくは0℃〜120
℃の範囲から選べば十分である。反応時間は原料
の種類によつてもちがうが通常5分〜10日間、好
ましくは1〜40時間の範囲から選べば十分であ
る。また反応中に於ては、撹拌を行うのが好まし
い。 反応系から目的生成物即ち前記一般式(1)で示さ
れる化合物を単離精製する方法は特に限定されず
公知の方法を採用出来る。例えば反応液を冷却又
は自然放冷で、室温又はその近くにもどし、反応
溶媒、残存するハロゲン化水素捕捉剤を留去した
後、残渣をベンゼン抽出する。上記操作で、副生
するハロゲン化水素とハロゲン化水素捕捉剤とか
ら生成する塩及び高分子量化合物を分離する。該
ベンゼン層については、芒硝、塩化カルシウム等
の乾燥剤で乾燥した後、ベンゼンを留去し、残渣
を真空蒸留することによつて目的物を取得する。
真空蒸留により単離精製する他、クロマトグラフ
イーによる精製、あるいは生成物が固体である場
合にはヘキサン等の溶媒から再結晶することによ
り精製することも出来る。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物は除草
剤として著しくすぐれた効果を発揮する。例えば
イネ科雑草、広葉雑草、多年生雑草の発芽前およ
び発芽後の土壌処理又は茎葉処理にすぐれた除草
効果を発揮する。特に、イネ科雑草については著
しい除草効果を示し、例えば水田に於て強害雑草
であるノビエに対してその発芽時だけでなく15葉
期に生育したものにもすぐれた除草効果を示す。
しかも水稲に対しては15葉期の種苗だけでなく発
芽時においても高い安全性を有する。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物は、ノ
ビエと水稲との間に高度の選択性を有しているた
め、水稲の発芽期から生育期の長期間の生育段階
での適用が可能であり、処理適期幅が従来の除草
剤に効べると著しく長いすぐれた利点を有してい
る。また湛水直播水稲に対してきわめて安全に適
用出来る利点は本発明の大きな特徴である。 また畑地の除草剤とするときも選択的除草効果
を発揮するので、大豆、ワタ、コウリヤン等の広
葉作物だけでなく小麦、大麦、とうもろこし、陸
稲等のイネ科作物にも損害なしに適用することが
出来る。 前記一般式(1)で示される化合物を除草剤として
用いる場合の具体的態様の代表的なものについて
以下説明する。 前記一般式(1)で示される化合物を、水田土壌に
同時に播種されたノビエと水稲に対して使用する
とき、10アール当り30gの濃度で処理するとノビ
エの発芽は完全に阻止されるが水稲は1000g処理
した場合でも全く影響がない。従つて一般に10ア
ール当り、6.25g〜2000g好ましくは30g〜500gの
有効成分量として水田に使用すればよい。 また畑地に適用する薬量は10アール当り、
12.5g〜2000g好ましくは100g〜1500gの範囲が好
適である。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物はその
官能基の差異によつて除草効果に若干の違いがあ
るが、イネ科作物に対して薬害が少なく、特に水
稲に対して極めて薬害の少ない点は共通した特性
である。本発明の化合物が除草効果を発揮する雑
草を例示すると次の通りである。 前記したようにイネ科雑草特にノビエに対して
の除草効果が高く、カヤツリグサ科特にタマガヤ
ツリ、ホタルイ等にも除草効果が著しく好まし
い。これらに次いで広葉雑草に対して除草効果を
有する有効成分の使用量を増加することか公知の
除草剤例えばフエノキシ系化合物、アミド系化合
物等を混合して使用するとよい。特に効果的に除
草出来る雑草は例えば、イヌビエ、タイヌビエ、
ケイヌビエ、カズノコグサ、タマガヤツリ、ミズ
ハナビ、ヒナガヤツリ、カワラスガナ、ホタル
イ、ハリイ、テンツキ、ヒメテンツキ、ヒデリ
コ、ミズガヤツリ、ヒメクグ、クログワイ、マツ
バイ、コウキヤガラ、オモダカ、アギナシ、ヘラ
オモダカ、ウリカワ、ヒルムシロ、デンジソウ、
セリ、ヤナギタデ、コナギ、イボクサ、ホシク
サ、ミゾハコベ、ヒメミソハギ、キカシグサ、ミ
ズマツバ、ヒメジソ、チヨウジタデ、アゼムシ
ロ、タカサブロウ、タウコギ、アメリカセンダン
グサ、アカヌマソウ、サワトウガラシ、アブノ
メ、アゼナ、アゼトウガラシ等の水田雑草であ
る。また畑地雑草は例えば、メヒシバ、エノコロ
グサ、アカザ、イヌタデ、カヤツリグサ、コゴメ
ガヤツリ、イヌビユ、スベリヒユ、アカツメク
サ、カタバミ、オナモミ、イチビ、スズメテツポ
ウ、スズメノカタビラ、ヤエムグラ、ノアサガ
オ、カワラケツメイ、カラスノエンドン、ナズナ
等に適用出来る。 また本発明の前記一般式(1)で示される化合物は
植物の生育に影響を及ぼすので、落葉剤、発芽抑
制剤、生育調節剤としても使用することが出来
る。 本発明の前記一般式(1)の使用態様は特に限定さ
れず公知の除草剤の使用態様をそのまゝ利用出来
る。例えば、不活性固体担体、液体担体、乳化分
散剤等を用いて粒剤、粉剤、乳剤、水和剤、錠
剤、油剤、エアゾール、燻煙剤等任意の剤形にし
て使用することが出来る。勿論、製剤上の補助剤
例えば、展着剤、希釈剤、界面活性剤、溶剤など
を適宜配合することも出来る。 本発明の前記一般式(1)で示される化合物まはた
殺虫剤、殺菌剤、他の農薬、肥料物質、土壌改良
剤等と混合して用いることが出来る。 本発明を更に具体的に説明するため以下参考
例、実施例および比較例を挙げて説明するが本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。 参考例 1 (2−フルフリデン)エチルアミン3g
(0.024mole)をベンゼン7.5mlに溶解し、70〜80
℃に加熱しながらトリクロロ酢酸5.58g
(0.034mole)のベンゼン11ml溶液を滴下しその
まま2時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、
2N−水酸化ナトリウム水溶液30ml、続いて水30
mlの順に洗浄し、ベンゼン層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。ベンゼンを留去した後、シリカゲ
ルカラム(溶媒系;ベンゼン:アセトン=40:
1)を用いて精製し、淡褐色液体であるN−{1
−(2′−フリル)−2,2,2−トリクロロエチ
ル)エチルアミン3.11g(0.013mole)(収率52.9
%)を得た。このものの、赤外吸収スペクトルは
3340cm-1にN−H結合に基づく吸収を示した。ま
た元素分析値はC39.58%、H4.14%、N5.69%、
Cl43.73%で理論値(C39.62%、H4.16%、N5.78
%、Cl43.85%)とよく一致した。 参考例 2 参考例1における(2−フルフリデン)エチル
アミンの代わりに(5−メチル−2−フルフリデ
ン)エチルアミン4.5g(0.033mole)を用いた以外
は参考例1と同様に反応させ、後処理を行ない淡
褐色液体であるN−{1−(5′−メチル−2′−フリ
ル)−2,2,2−トリクロロエチル)エチルア
ミン3.22g(0.013mole)(収率38.2%)を得た。こ
のものの赤外吸収スペクトルは3340cm-1にN−H
結合に基づく吸収を示した。また元素分析値は
C42.01%、H4.57%、N5.32%、Cl41.25%で理論
値(C42.13%、H4.71%、N5.46%、Cl41.46%)
とよく一致した。 参考例 3 参考例1における(2−フルフリデン)エチル
アミンの代わりに(2−ベンゾフルフリデン)エ
チルアミン3g(0.017mole)を用いた以外は参考
例1と同様に反応させ、後処理を行ない淡黄色液
体であるN−{1−(2′−ベンゾフルフリデン)−
2,2,2−トリクロロエチル}エチルアミン
3.58g(0.012mole)(収率70.6%)を得た。このも
のの、赤外吸収スペクトルは3330cm-1にN−H結
合に基づく吸収を示した。また元素分析値は
C49.01%、H4.02%、N4.68%、Cl36.22%で理論
値(C49.26%、H4.13%、N4.79%、Cl36.35%)
とよく一致した。 実施例 1 N−{1−(2′−フリル)−2,2,2−トリク
ロロエチル}エチルアミン2.00g(0.0083mole)を
ベンゼン20mlに溶解し、トリエチルアミン0.92g
(0.0091mole)を加え、氷水中に設置した。次い
でクロルアセチルクロリド1.03g(0.0091mole)の
ベンゼン溶液(10ml)を徐々に添加した。室温で
5時間撹拌した後、水50mlで2回反応液を洗浄
し、ベンゼン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。ベンゼンを留去した後シリカゲルカラム(溶
媒系:ベンゼン:アセトン=30:1)で精製した
ところ淡褐色粘稠液体1.44gを得た。このものの
赤外吸収スペクトルを測定した結果は第1図に示
す通りであり3100〜2850cm-1にC−H結合に基づ
く吸収、1670cm-1にアミド基のカルボニル結合に
基づく強い吸収を示した。 その元素分析値はC37.41%、H4.12%、N5.61
%であつて組成式C19H11NO2Cl4(319.02)に対す
る計算値であるC37.65%、H4.16%、N5.78%に
良く一致した。また質量スペクトルを測定したと
ころ、m/e282にM −Clに対応するピーク、
m/e200にM −CCl3に対応するピーク、m/
e124(100%)にM −CCl3−COCHClに対応す
る各ピークを示した。 さらに、 1H−核磁気共鳴スペクトル(δ;
ppm:テトラメチルシラン基準、重クロロホルム
溶媒)を測定した結果を第2図に示した。その解
析結果は次の通りであつた。 0.91ppmにプロトン3個分の三重線を示し(a)の
メチルプロトンに相当した。 3.77ppmにプロトン2個分の四重線を示し(b)の
メチレンプロトンに相当した。 4.29ppmにプロトン2個分の単一線を示し(c)の
メチレンプロトンに相当した。 また7.36ppmにプロトン1個分の単一線を示し
(d)のメチレンプロトンに相当した。 さらに6.4〜6.5ppm6.7〜6.9ppm7.9〜8.0ppmに
それぞれプロトン1個分の多重線を示し(e)のフラ
ン環のプロトンに相当した。 上記の結果から、単離生成物が、N−クロロア
セチル−N−{1−(2′−フリル)−2,2,2−
トリクロロエチル}エチルアミンであることが明
らかとなつた。収率は用いたN−{1−(2′−フリ
ル)−2,2,2−トリクロロエチル}エチルア
ミンに対し、54.5%(0.0045mole)であつた。 実施例 2 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りにN−{1−(5′−メチル−2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミン2.00g
(0.0078mole)を用いた以外は、実施例1と同様
に反応させ、後処理を行ない薄茶色粘稠液体
(0.71g)を得た。このものの赤外吸収スペクトル
を測定した結果は、第3図に示す通りであり3150
〜2870cm-1にC−H結合に基づく吸収、1670cm-1
にアミド基のカルボニル結合に基づく強い吸収を
示した。その元素分析値はC39.58%、H3.90%、
N4.07%であつて、組成式C11H13NO2Cl4(333.05)
に対する計算値であるC39.67%、H3.94%、
N4.21%に良く一致した。また質量スペクトルを
測定したところm/e214にM −CCl3に対応す
るピーク、m/e138(100%)にM −CCl3−
COCHClに対応する各ピークを示した。 上記の結果から、単離生成物がN−クロロアセ
チル−N−{1−(5′−メチル−2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンである
ことが明らかとなつた。収率は用いたN−{1−
(5′−メチル−2′−フリル)−2,2,2−トリク
ロロエチル}エチルアミンに対し、27.3%
(0.0021mole)であつた。 実施例 3 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りにN−(1−フエニル−2,2,2−トリクロ
ロエチル}エチルアミン2.53g(0.010mole)を用
いた以外は実施例1と同様に反応させ後処理を行
なつた後真空蒸留し、沸点160℃/0.5mmHgの黄
褐色粘稠液体0.35gを得た。このものの赤外吸収
スペクトルを測定した結果は第4図に示す通りで
あり、3100〜2700cm-1にC−H結合に基づく吸
収、1665cm-1にアミド基のカルボニル結合に基づ
く強い吸収を示した。その元素分析値はC43.90
%、H3.94%、N4.46%であつて組成式
C12H13NOCl4(329.06)に対する計算値である
C43.80%、H3.98%、N4.26%に良く一致した。
また、質量スペクトルを測定したところm/e292
にM −Clに対応するピーク、m/e134(100%)
にM −CCl3−COCHClに対応する各ピークを
示した。 上記の結果から、単離生成物が、N−クロロア
セチル−N−(1−フエニル−2,2,2−トリ
クロロエチル}エチルアミンであることが明らか
となつた。収率は用いたN−(1−フエニル−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンに対
し、10.6%(0.0011mole)であつた。 実施例 4 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りにN−{1−(4′−メトキシフエニル)−2,2,
2−トリクロロエチル}エチルアミン1.73g
(0.0061mole)を用いた以外は実施例1と同様に
反応させ後処理を行ない、茶色粘稠液体(0.85g)
を得た。このものの赤外吸収スペクトルを測定し
た結果は第5図に示す通りであり3100〜2850cm-1
にC−H結合に基づく吸収、1660cm-1にアミド基
のカルボニル結合に基づく強い吸収を示した。そ
の元素分析値はC43.19%、H4.11%、N3.91%で
あつて、組成式C13H15NO2Cl4(359.09)に対する
計算値であるC43.48%、H4.22%、N3.90%に良
く一致した。また質量スペクトルを測定したとこ
ろ、m/e322にM −Clに対応するピーク、m/
e240にM −CCl3に対応する各ピーク、m/
e164にM −CCl3−COCHClに対応する各ピー
クを示した。 上記の結果から、単離生成物がN−クロロアセ
チル−N−{1−(4′−メトキシフエニル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンである
ことが明らかとなつた。収率はN−{1−(4′−メ
トキシフエニル)−2,2,2−トリクロロエチ
ル}エチルアミンに対し47.3%(0.0029mole)で
あつた。 実施例 5 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りにN−{1−(3′−クロロフエニル)−2,2,
2−トリクロロエチル}エチルアミン2.28g
(0.0079mole)を用いた以外は、実施例1と同様
に反応させ後処理を行ない褐色粘稠液体(1.85g)
を得た。このものの赤外吸収スペクトルを測定し
た結果は第6図に示す通りであり3100〜2800cm-1
にC−H結合に基づく吸収、1660cm-1にアミド基
のカルボニル結合に基づく強い吸収を示した。そ
の元素分析値はC39.71%、H3.32%、N3.75%で
あつて組成式C12H12NOCl5(363.50)に対する計
算値であるC39.65%、H3.33%、N3.85%に良く
一致した。また、質量スペクトルを測定したとこ
ろ、m/e326にM −Clに対応するピーク、m/
e244にM −CCl3に対応するピーク、m/e168
にM −CCl3−COCHClに対応する各ピークを
示した。 上記の結果から単離生成物がN−クロロアセチ
ル−N−{1−(4′−クロロフエニル)−2,2,
2−トリクロロエチル}エチルアミンであること
が明らかとなつた。収率はN−{1−(4′−クロロ
フエニル)−2,2,2−トリクロロメチル}エ
チルアミンに対し64.0%(0.0051mole)であつ
た。 実施例 6 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りにN−{1−(4′−フルオロフエニル)−2,2,
2−トリクロロエチル}エチルアミン2.61g
(0.0096mole)を用いた以外は、実施例1と同様
に反応させ後処理を行ない、茶色粘稠液体
(1.68g)を得た。このものの赤外吸収スペクトル
を測定した結果は第7図に示す通りであり3100〜
2800cm-1にC−H結合に基づく吸収、1660cm-1に
アミド基のカルボニル結合に基づく強い吸収を示
した。その元素分析値はC41.41%、H3.38%、
N4.00%であつて組成式C12H12NOCl4F(347.05)
に対する計算値であるC41.53%、H3.49%、
N4.04%に良く一致した。また、質量スペクトル
を測定したところm/e310にM −Clに対応する
ピーク、1/e228にM −CCl3に対応するピー
ク、m/e152(100%)にM −CCl3−COCHCl
に対応する各ピークを示した。 上記の結果から、単離生成物が、N−クロロア
セチル−N−{1−(4′−フルオロフエニル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンである
ことが明らかとなつた。収率はN−{1−(4′−フ
ルオロフエニル)−2,2,2−トリクロロエチ
ル}エチルアミンに対し50.1%(0.0048mole)で
あつた。 実施例 7 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りに下記一般式で示される化合物、 (但し、X及びRは第1表に記した。) を用いた以外は実施例1と同様に反応させ種々の
下記一般式で示される化合物 (但し、X及びRは第1表に記した。) を合成した。合成した化合物の組成式、分子量、
元素分析値を第1表に示す。 実施例 8 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りに下記一般式で示される化合物、
【式】
(但し、X及びRは第2表に記した。)
を用いた以外は実施例1と同様に反応させ種々の
下記一般式で示される化合物
下記一般式で示される化合物
【式】
(但し、X及びRは第2表に記した。)
を合成した。合成した化合物の組成式、分子量、
元素分析値を第2表に示す。なお第2表中、上記
一般式中、
元素分析値を第2表に示す。なお第2表中、上記
一般式中、
【式】の置換位置
は、No.23、27、36、39、42の化合物については3
位の位置で、他の化合物については2位の位置で
ある。 実施例 9 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りに下記一般式で示される化合物、
位の位置で、他の化合物については2位の位置で
ある。 実施例 9 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りに下記一般式で示される化合物、
【式】
(但し、X及びRは第3表に記した。)
を用いた以外は実施例1と同様に反応させ種々の
下記一般式で示される化合物
下記一般式で示される化合物
【式】
(但し、X及びRは第3表に記した。)
を合成した。合成した化合物の組成式、分子量、
元素分析値を第3表に示す。なお第3表中、
元素分析値を第3表に示す。なお第3表中、
【式】の置換位置は、No.47、
51、56、64、68の化合物については3位の位置で
あり、他の化合物については2位の位置である。 実施例 10 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りに下記一般式で示される化合物
あり、他の化合物については2位の位置である。 実施例 10 実施例1におけるN−{1−(2′−フリル)−2,
2,2−トリクロロエチル}エチルアミンの代わ
りに下記一般式で示される化合物
【式】
(但し、X及びRは第4表に記した。)
を用いた以外は実施例1と同様に反応させ種々の
下記一般式で示される化合物
下記一般式で示される化合物
【式】
(但し、X及びRは第4表に記した。)
を合成した。合成した化合物の組成式、分子量、
元素分析値を第4表に示す。 なお第4表中、
元素分析値を第4表に示す。 なお第4表中、
【式】の置換
位置は、No.71、82、85、86の化合物については3
位の位置であり、No.81、94の化合物については4
位の位置であり、No.73、92の化合物については5
位の位置であり、No.84の化合物については6位の
位置であり、No.76、87の化合物については7位の
位置であり、他の化合物については2位の位置で
ある。
位の位置であり、No.81、94の化合物については4
位の位置であり、No.73、92の化合物については5
位の位置であり、No.84の化合物については6位の
位置であり、No.76、87の化合物については7位の
位置であり、他の化合物については2位の位置で
ある。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
製剤例 1
(水和剤)
実施例1で得られたN−クロロアセチル−N−
{1−(2′−フリル)−2,2,2−トリクロロエ
チル}エチルアミン10部、ジ−クライトとクニラ
イト(商品名:国 社製、ともに粘度鉱物)の
2:1混合物85部、界面活性剤としてソルボール
800A(商品名:東邦化学工業製)5部を均一に混
合粉砕して10%水和剤を得た。 製剤例 2 (乳剤) 実施例2で得られたN−クロロアセチル−N−
{1−(5′−メチル−2′−フリル)−2,2,2−
トリクロロエチル}エチルアミン20部、キシレン
70部、界面活性剤としてソルボール800A10部を
混合溶解し、20%乳剤を得た。 製剤例 3 (粒剤) 実施例3で得られたN−クロロアセチル−N−
(1−フエニル−2,2,2−トリクロロエチル)
エチルアミン5部、ベントナイト50部、クニライ
ト40部、界面活性剤としてソルボール800A5部を
均一に混合粉砕した後水を加えて均一に撹拌しペ
ースト状とした後、直径0.7mmの節穴から押し出
し乾燥後1〜2mmの長さに切断して5%粒剤を得
た。 実施例 11 1/8850アールの磁製ポツトに水を加えて撹拌
した水田土壌(沖積壌土)を充填し、水田雑草を
播種した後3葉期のイネ苗(品種:アキニシキ)
を深さ2cmに移植し、水を加えて3cmの湛水状態
にした。次いで製剤例1に準じて調整した各化合
物の水和剤の水希釈液を雑草発芽時に所定量滴下
処理した。処理後平均気温25℃の温室内で生育さ
せ、3週間後に各供試化合物の除草効果を調査し
た結果を第5表に示した。ただし、表中に示した
広葉とはアゼナ、キカシグサ、アゼトウガラシな
どを言う。評価は6段階とし、表中の数字におい
て0は正常、1〜4は正常と完全枯死の中間段
階、5は完全枯死を表示するものである。
{1−(2′−フリル)−2,2,2−トリクロロエ
チル}エチルアミン10部、ジ−クライトとクニラ
イト(商品名:国 社製、ともに粘度鉱物)の
2:1混合物85部、界面活性剤としてソルボール
800A(商品名:東邦化学工業製)5部を均一に混
合粉砕して10%水和剤を得た。 製剤例 2 (乳剤) 実施例2で得られたN−クロロアセチル−N−
{1−(5′−メチル−2′−フリル)−2,2,2−
トリクロロエチル}エチルアミン20部、キシレン
70部、界面活性剤としてソルボール800A10部を
混合溶解し、20%乳剤を得た。 製剤例 3 (粒剤) 実施例3で得られたN−クロロアセチル−N−
(1−フエニル−2,2,2−トリクロロエチル)
エチルアミン5部、ベントナイト50部、クニライ
ト40部、界面活性剤としてソルボール800A5部を
均一に混合粉砕した後水を加えて均一に撹拌しペ
ースト状とした後、直径0.7mmの節穴から押し出
し乾燥後1〜2mmの長さに切断して5%粒剤を得
た。 実施例 11 1/8850アールの磁製ポツトに水を加えて撹拌
した水田土壌(沖積壌土)を充填し、水田雑草を
播種した後3葉期のイネ苗(品種:アキニシキ)
を深さ2cmに移植し、水を加えて3cmの湛水状態
にした。次いで製剤例1に準じて調整した各化合
物の水和剤の水希釈液を雑草発芽時に所定量滴下
処理した。処理後平均気温25℃の温室内で生育さ
せ、3週間後に各供試化合物の除草効果を調査し
た結果を第5表に示した。ただし、表中に示した
広葉とはアゼナ、キカシグサ、アゼトウガラシな
どを言う。評価は6段階とし、表中の数字におい
て0は正常、1〜4は正常と完全枯死の中間段
階、5は完全枯死を表示するものである。
【表】
【表】
【表】
【表】
実施例 12
1/8850アールの磁製ポツトに畑土壌(埴壌
土)を充填し、各種植物種子を0.5〜1cmの深さ
に播き、次いで製剤例1に準じて製造した各化合
物の水和剤の水希釈液を所定量土壌表面に噴霧処
理した。処理後平均気温25℃の温室内で生育させ
2時間後に各供試化合物の除草効果を調査した。
調査結果は対照化合物の比較例と共に第6表に示
した。なお第6表中の除草効果の基準は実施例11
と同一である。
土)を充填し、各種植物種子を0.5〜1cmの深さ
に播き、次いで製剤例1に準じて製造した各化合
物の水和剤の水希釈液を所定量土壌表面に噴霧処
理した。処理後平均気温25℃の温室内で生育させ
2時間後に各供試化合物の除草効果を調査した。
調査結果は対照化合物の比較例と共に第6表に示
した。なお第6表中の除草効果の基準は実施例11
と同一である。
【表】
第1図及び第2図はそれぞれ実施例1で得られ
た化合物の赤外吸収スペクトル及び核磁気共鳴ス
ペクトルを示す。第3図は実施例2、第4図は実
施例3、第5図は実施例4、第6図は実施例5、
第7図は実施例6で得られた化合物の赤外吸収ス
ペクトルを示す。
た化合物の赤外吸収スペクトル及び核磁気共鳴ス
ペクトルを示す。第3図は実施例2、第4図は実
施例3、第5図は実施例4、第6図は実施例5、
第7図は実施例6で得られた化合物の赤外吸収ス
ペクトルを示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 (但し、Rは炭素原子数1〜6個のアルキル基を
示し、Arは 【式】【式】【式】 【式】【式】を示 し、該式中Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜6個
のアルコキシ基、又はニトロ基を示す。) で表わされるN−置換−クロロアセトアミド。 2 一般式 で示されるN−置換−アミンと、一般式、
ClCH2COYで示されるクロロアセチルハロゲニ
ドとを反応させることを特徴とする一般式、 で示されるN−置換−クロロアセトアミドの製
法。 (但し上記式中、Yはハロゲン原子を示し、Rは
炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、 Arは【式】【式】 【式】 【式】【式】 を示し、該式中Xは水素原子、ハロゲン原子、炭
素原子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜
6個のアルコキシ基、又はニトロ基を示す。)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15643383A JPH0227983B2 (ja) | 1983-08-29 | 1983-08-29 | Nnchikannkuroroasetoamidooyobisonoseiho |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15643383A JPH0227983B2 (ja) | 1983-08-29 | 1983-08-29 | Nnchikannkuroroasetoamidooyobisonoseiho |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6048956A JPS6048956A (ja) | 1985-03-16 |
| JPH0227983B2 true JPH0227983B2 (ja) | 1990-06-20 |
Family
ID=15627639
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15643383A Expired - Lifetime JPH0227983B2 (ja) | 1983-08-29 | 1983-08-29 | Nnchikannkuroroasetoamidooyobisonoseiho |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0227983B2 (ja) |
-
1983
- 1983-08-29 JP JP15643383A patent/JPH0227983B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6048956A (ja) | 1985-03-16 |
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