JPH0227384Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 現在、一般に使用されている磁気カードは、ス
トライプ状磁気層を施したものであるが、今後磁
気カードの利用分野は益々多くなると思われる。
一般に使用されている磁気カード、例えば銀行用
キヤツシユカードは、オンライン方式で使用さ
れ、センターのコンピユーターに記録されている
磁気情報と照合して異常がないことが確認されて
初めて取引が可能となるものである。

従つて、磁気カードの改ざんは直ちにチエツク
出来るものである。又、磁気カードとしてクレジ
ツトカード等も知られているが、これは、悪用防
止のために、信用調査の上でカードが発行されて
いる。而して、本考案で対象としているカード
は、不特定多数の顧客に対し、或る金額がプレエ
ンコードされたキヤツシユレスカード、即ちカー
ドを発売する際に、金額が事前に磁気層の中に記
録してあるカードであり、顧客が或る任意の金額
の商品を購入したり、又は入場券、乗車券、遊技
券を購入した場合、磁気層の中に記録されている
金額から、その都度の取引金額を減額して行き、
残額が０または０に近くなるまで反覆使用出来る
キヤツシユレスカードに関するものである。

不特定多数の顧客を対象とした上記キヤツシユ
レスカードの場合、いちいち信用調査を行つて発
行することは、実際の取引形態を考えた場合、不
可能に近く、又、オンライン方式にすることはラ
ンニングコストの費用が嵩み、上記用途として使
用する場合はオンライン方式は適当ではない。

更に又、擬造防止手段として、カードの外観上
に特殊の加工を施しても、磁気情報が改ざんされ
て、自動取引装置で使用された場合には、人手に
よる処理は一切行われないので、肉眼で識別する
機会がないため、悪用防止の効果がないのは明ら
かである。

本考案は上記のようなキヤツシユレスカードの
改ざん防止について種々検討したものであり、以
下に本考案について図面を用いて具体的に説明す
る。

まず、本考案の磁気カードの構成について説明
すると、第１図に示すように本考案の磁気カード
は、基材１上に磁気層２を設け、更に該磁気層２
と異なる箇所に、該磁気層２と同一ないし異なる
抗磁力を有する磁気インキでパターン化した磁気
画像層３を設け、かつ該磁気画像層３に照合用と
して上記の画像層２の磁気情報の一部を記録した
構成からなるものである。

更に、本考案を具体的に説明すると、上記の第
１図に示されているカードの右端のストライブ状
の磁気層２は、抗磁力が300エルステツド又は650
エルステツドの磁気加工部で、現在キヤツシユカ
ード・通帳・工程管理カード・搭乗車券等で一般
に使用されている磁気層と同じである。即ち、抗
磁力300エルステツド程度のγ−Fe₂O₃の磁性粉
末を塩化ビニール酢酸共重合樹脂に分散させた磁
気インキ層、若しくはγ−Fe₂O₃，Fe₃O₄磁性体
にCoを添加した650エルステツド程度の磁性層が
コーテイング方式、磁気テープ貼付方式若しくは
熱転写方式によりカード上に加工されたものであ
る。その磁気加工部には、取引上必要な磁気情報
が記録されている。

他方、上記の第１図の左上部の矢印状の磁気画
像層３は、外観上からはあたかもカードの挿入方
向を示す単なる印刷パターンと認識され、磁気記
録が施されていることは気付かない様な体裁とな
つている。その部分に隠し情報を記録するために
上記の如き組成の磁気インキで矢印が印刷されて
居り、右端のストライプ状磁気層に記録されてい
る磁気情報の一部が改ざんチエツク用として記録
されている。矢印状の磁気画像層３の抗磁力は、
300エルステツド又は650エルステツドでもよい
が、改ざん防止の観点からすると、あまり一般に
使用されていないバリウムフエライトBaO−
6Fe₂O₃の如く3000エルステツド程度の高抗磁力
タイプにすることが好ましい。磁気加工法として
は、種々のパターンを形成させるために、ドライ
オフセツト方式又はグラビア方式等の印刷法又は
転写法により磁気加工が行われる。

上記の本考案の磁気ガードにおいて、基材とし
ては、公知のも、例えば、情報交換カード用紙等
良質の紙又はポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレン、ポリブロプレン、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステ
ル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、その他の公知
の樹脂のフイルムないしシートを使用することが
できる。而して、これは三層ないし四層等の積層
物から構成される場合もある。

次に又、上記の本考案の磁気ガードにおいて磁
気層は、ストライプ状、その他等の任意の形状の
ものでよく、又、その形成法は、ダイレクトコー
ト法ないしダイレクト印刷法、転写印刷法、磁気
テープ貼着法等の通常の方法で形成することがで
きる。

更に又、磁気層を構成する磁気組成物として
も、前述のとおり公知のものを使用することがで
きる。

次に又、上記の本考案の磁気ガードにおいて、
磁気画像層としては、前述の例示のように矢印等
の任意の形状のものでよい。

而して、本考案においては、磁気画像層３の上
には、これを隠蔽するために、例えば、インキな
いし塗料組成物による着色隠蔽層等を形成するこ
とが好ましい。

而して、その形式法は通常の印刷法、転写法等
によつて形成することができる。

次に本考案の磁気カードの使用方法の一例をあ
げると、第２図に示すように、右端のストライプ
状磁気層の中に記録される磁気記録４としては、
キヤツシユレスカードの用途によつて種々異る
が、一般には金額・発行年月日・有効年月日・発
行一連No.・発行機No.等であり、特に高額券の場合
には、粉失した際に他人に利用されることを防止
するために暗誦番号等を記録しておくことも考え
られる。

キヤツシユレスカードを使用し残額が少くなつ
て来た場合、改ざんしてストライプ状磁気層の中
に記録されている情報を書き替えるとすると、改
ざんの対象となる項目は金額であり、その他の磁
気情報は改ざん防止に対してはあまり配慮する必
要はない。従つて第２図に示すように、左上部の
矢印状の磁気画像層には残額の磁気記録４′を記
録すれば十分である。又矢印状の磁気画像層は図
からも判る様に小さいためにあまり多くの磁気情
報は記録出来ないので、場合によつては金額のす
べての記録するのでなく、残額の千円単位の１キ
ヤラクターのみを記録するだけでも改ざん防止効
果は十分である。右端のストライプ状磁気層の残
高の千円単位の数字と、矢印状の磁気画像層に記
録されている千円単位の数字とが一致すれば取引
可能とする方法である。判り易くするために例を
あげて説明すると下記の如くである。

（右端のストライ （矢印状の磁気画像 （取引 プ状磁気層に記 層に記録されてい の 録されている残額）る千円単位の数字） 可否） 4600円 ４ OK 3800円 １ NO 2900円 ２ OK 2100円 ２ OK 2050円 ３ NO 800円 ０ OK 上記の如き判定で取引が行われるわけであるが
1000円単位でのチエツクであるために1000円以内
の範囲で右端の磁気情報を改ざんされた場合はキ
ヤツチすることが出来ない。例えば上記例のの
如く残額が2100円のカードを改ざんして2900円と
磁気記録を書きかえた場合はチエツク用の矢印状
の磁気画像層の磁気記録は２であり、OKと判定
されてしまう。しかし実際に悪用を試みんとする
者は1000円以内での改ざんでは、そのための費用
の方が嵩み、悪用の目的が達せられないことにな
る。悪用せんとする者は、800円位の、残高にな
つたカードを初期値の5000円又は4000円と改ざん
する筈であり、その場合矢印状の磁気画像層の磁
気記録は０となつているので、両者が不一致とな
るので取引は不能となる。

上記の説明より明らかなように磁気ガードにつ
いては規格化されたカード及び磁気書込読取装置
が急速に普及して来ているが、悪用防止対策とし
ては、規格化されていないキヤツシユレスカード
においては、正規の情報を記録しておくストライ
プ状磁気層の外に、情報の一部を記録しておくパ
ターン化された磁気画像層とを伴設することは改
ざん防止に対して有効な方法である。更に当該磁
気画像層の磁気層としてはあまり一般には使用さ
れていない3000エルステツド程度の高抗磁力の磁
気層にすることは改ざん防止に対して更に有効で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の磁気カードの構成を示す平
面図であり、第２図は本考案の磁気カードの使用
例を示す平面図である。 １……基材、２……磁気層、３……磁気画像
層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基材上に磁気層を設け、更に該磁気層と異なる
   箇所に、該磁気層と同一ないし異なる抗磁力を有
   する磁気インキでパターン化した磁気画像層を設
   け、かつ該磁気画像層に照合用として上記の画像
   層の磁気情報の一部を記録したことからなる改ざ
   ん防止用磁気カード。