JPH0227058Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は耐火材製の耐火パネルとこれを被覆
する被覆パネルとから成る複合耐火パネルに関す
る。

軽量気泡コンクリート板、石綿セメント硅酸カ
ルシウム板、石綿セメント板などの耐火パネル
は、耐久性、耐火性、断熱性がすぐれているため
建物の外壁に多く用いられるようになつた。しか
しながら上記耐火パネルは、そのままでは材質が
もろいため施工時に、特にコーナー部が、破損し
やすい欠点があつた。ところでその改良をはかる
ものとして耐火パネルに平板状の塗装金属板を接
着剤により貼着したものがある。しかしこれも接
着剤の劣化が避けられず、このため上記金属板が
剥落する欠点があつた。

この考案は上記従来の欠点を解消するもので、
耐火パネルの表面側をホーローパネル、銅板、カ
ラー鉄板、合成樹脂板などの被覆用のパネルで被
覆して相互に連結固着することにより、耐火パネ
ルの特長を活かしながらそのもろさや透水性など
の欠点を除去し、かつホーローパネルなどの被覆
パネルの特長であるすぐれた耐候性および多彩な
色調を具備する有用な耐火パネルを提供しようと
するものである。さらにまたこの考案はホーロー
パネルなどの被覆パネルと耐火パネルの一体化を
作業容易な釘の止着により確実におこなうことが
できる複合耐火パネルを提供しようとするもので
ある。

しかしてこの考案の要旨とするところは、耐火
パネルに、該耐火パネルの表面に対向する主板部
および該耐火パネルの側面に対向する折曲片部を
そなえた被覆パネルを被せ、上記折曲片部に取付
けられた剛体から成る平板状の連結片に挿通した
釘を、上記耐火パネルに止着したことを特徴とす
る複合耐火パネルにある。

以下第１図および第２図によりこの考案の一実
施例を説明する。

軽量気泡コンクリートから成る耐火パネル１は
表面２と側面３ａおよび端面３ｂを有し、鋼板の
両面にホーロー加工を施した厚さ約２mmのホーロ
ーパネル４は、耐火パネル１の表面２に対向する
主板部５と、側面３ａおよび端面３ｂに対向する
折曲片部６をそなえている。ホーローパネル４の
巾は耐火パネル１の巾より小さく、耐火パネル１
の表面側の縁部には段状の切欠７が設けられ、ま
た側面３ａ部には連結片９（後述）取付用の凹部
８が設けてある。ホーローパネル４は、耐火パネ
ル１の表面２と側面３ａおよび端面３ｂの一部を
覆う状態で耐火パネル１に被せてある。折曲片部
６には該折曲片部６の内面に当接する状態で剛体
から成る連結片９がタツピンネジ１０により取付
てあり、この連結片９の耐火パネル１に当接する
部分に穿設した釘穴１１を貫通して耐火パネル１
に打込まれた釘１２により、ホーローパネル４の
折曲片部６が耐火パネル１に連結してある。なお
図示のように耐火パネル１内に表面２と平行に補
強材として鉄筋１３を埋設してある場合には、釘
１２を鉄筋１３の中間の耐火パネル部分に打込む
ようにすると、釘１２が強固に耐火パネル１に保
持され、ホーローパネル４が分離しにくくなるの
で一層好ましい。また連結片９の板厚や外形寸法
としては、通常板厚約２mm、巾20mm程度の亜鉛メ
ツキされた普通鋼板製のものを約30cm間隔で設け
れば、ホーローパネル４は耐火パネル１に確実に
連結される。また耐火パネル１の材質は特に限定
されるものではないが、本実施例は比較的硬質の
耐火パネル、たとえば石綿セメント硅酸カルシウ
ム板、グラスフアイバー補強セメント板、グラス
フアイバー補強石膏板などが特に好適である。な
お上記構造において、ホーローパネル４と耐火パ
ネル１との間に接着剤を介在させて固着補強する
ことは好ましい。またホーローパネル４の裏面に
厚さ10mm程度の石綿セメント硅酸カルシウム板を
貼着して、ホーローパネル４の焼成歪を矯正した
上で、耐火パネル１を組合せるのもさらに好まし
い。

上記構成の複合耐火パネル１４によれば、連結
片９と釘１２とを用いた簡潔な構成により、ホー
ローパネル４と耐火パネル１を確実に一体化し、
耐火パネル１の破損や透水を防止することがで
き、またホーロー面を外面にして建物の外壁とし
て用いれば、ホーローパネル４のすぐれた耐候
性、多彩な色調などを活かした有用な壁材が得ら
れる。

また上記実施例においては連結片９を折曲片部
６の裏面に当接して取付けたので、折曲片部６は
連結片９を覆つているため、第２図に示すように
建物の壁面構成時に隣り合う複合耐火パネルの折
曲片部６，６間のギヤツプ部１５にコーキング材
の充填などのシーリングを施す際に、シーリング
代が多くとれ、従つて雨水浸水防止を確実におこ
なえ、耐火パネル１の保護が一層確実となるとい
う利点を有するものであるが、折曲片部６の折曲
深さが大きい場合等、場合によつては連結片９を
折曲片部６の表面に当接して取付けるようにして
もよい。

さらに上記実施例においては釘１２を打込みに
より耐火パネル１に止着するようにしたが、この
釘としてはねじ釘、ボルト、アンカーボルト、開
きボルトなどを用いてもよく、この考案における
釘は、耐火パネルの中に打込んだり、押込んだ
り、ねじ込んだり、埋込んだりして止めることが
できるものなら何でもよい。また上記実施例にお
いては、耐火パネルの側面３ａおよび端面３ｂに
対向する折曲片部をそなえた被覆パネルを用いた
が、この考案は、被覆パネルの長さが耐火パネル
の長さ以下である場合のように、耐火パネルの側
面３ａに対向する折曲片部のみをそなえた被覆パ
ネルを用いる場合にも適用できるものである。ま
たこの考案における耐火パネルとしては、内部に
鉄筋１３が埋設されていないものや、鉄筋１３の
かわりに金網などの他構造の補強材が埋設された
ものを用いることもできる。

以上は耐火パネルを被覆する被覆パネルとして
ホーローパネルを用いる場合について説明した
が、この考案は被覆パネルとしてホーローパネル
の他に銅板、ステンレス板、カラー鉄板、合成樹
脂被覆鉄板、合成樹脂板などの各種のパネルを用
いる場合にも適用できるものである。

以上説明したようにこの考案によれば、耐火パ
ネルのもろさや透水性などの欠点が除去されその
特長である耐久性、断熱性を活かし、あわせてホ
ーローパネルなどの被覆パネルの特長であるすぐ
れた耐候性、多彩な色調などを具備する複合耐火
パネルが得られる。またこの考案によれば、被覆
パネルと耐火パネルの一体化を釘を用いた簡潔な
構造により確実容易におこなうことができ、さら
にパネル全厚が厚い場合でも、連結片に挿通した
釘によりパネル全厚の中央部付近に強固に釘打止
着することができるので、被覆パネルとしては折
曲片部の巾寸法の小さい浅い箱状または断面コ字
状の被覆パネルを用いることができ、建造物特に
高層建造物の壁面材料として経済的で有用な複合
耐火パネルが得られるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す複合耐火パ
ネルの要部部分切欠斜視図、第２図は同じく要部
横断面図である。 １……耐火パネル、２……表面、３ａ……側
面、４……ホーローパネル、５……主板部、６…
…折曲片部、９……連結片、１０……タツピンネ
ジ、１２……釘、１３……鉄筋、１４……複合耐
火パネル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 耐火パネルに、該耐火パネルの表面に対向す
   る主板部および該耐火パネルの側面に対向する
   折曲片部をそなえた被覆パネルを被せ、上記折
   曲片部に取付けられた剛体から成る平板状の連
   結片に挿通した釘を、上記耐火パネルに止着し
   たことを特徴とする複合耐火パネル。 ２ 連結片が折曲片部の裏面に当接して取付けら
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載複
   合耐火パネル。 ３ 連結片が折曲片部の表面に当接して取付けら
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   複合耐火パネル。 ４ 耐火パネルに該パネルの表面に平行に金網、
   鉄筋などの補強材が埋設されており、上記耐火
   パネルの上記補強材裏側部分に該パネルの表面
   にほぼ平行に釘が打込まれている実用新案登録
   請求の範囲第１項または第２項または第３項記
   載の複合耐火パネル。