JPH0226852Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案はキヤツプ付き容器のキヤツプ開口構造
に関するもので、より具体的には内容物を収容す
る比較的大径の胴部と開口端を有する比較的小径
の首部との間を肩部を介して一体的に形成してな
る容器の該開口端に中栓を嵌着し、該中栓の中央
部に突起を形成するとともに該突起の外周部に小
孔を穿設し、該中栓の上方には頂面に注出口を有
するキヤツプを上下方向に移動自在に取付け、該
キヤツプが下方位置を占める時には該中栓の該突
起が該キヤツプの該注出口に密嵌してこれを閉塞
し、該キヤツプが上方位置を占める時には該中栓
の該突起と該キヤツプの該注出口との間に間〓が
形成されて内容物を注出可能としてなるキヤツプ
付き容器のキヤツプ開口構造に関するものであ
る。

《従来技術》 従来の上記のキヤツプ付き容器としてはシヤン
プー容器が一般的で、キヤツプが首部に螺合され
ていて、キヤツプの螺子を締めるとキヤツプの注
出口が塞がれ、逆にキヤツプの螺子を緩めるとキ
ヤツプの注出口が開口して内容物を取出すことが
できると言つたキヤツプ開口構造を採用してい
る。

《考案が解決しようとする問題点》 しかしながら、このシヤンプー容器においてキ
ヤツプを開閉するには、一方の手で容器の胴部を
握持し、他方の手でキヤツプを回転させる必要が
あるため、洗髪時に片方の手でシヤワーの柄を持
つて頭髪に湯をかけているような場合には、この
キヤツプの開閉操作が比較的面倒で、またシヤン
プー液を注出した後にキヤツプを緩めるのが面倒
なためそのままにしておくと、何かの拍子でシヤ
ンプー容器が倒れて内容物がこぼれ出ると言つた
問題がよく経験されることであつた。

本考案は上記のような問題点に鑑みてなされた
もので、その目的はシヤンプー容器のような上記
タイプのキヤツプ付き容器において、そのキヤツ
プを片手のワンタツチ操作で極めて容易に開閉す
ることのできるキヤツプ開口構造を提供するにあ
る。

《問題を解決するための手段》 上記の目的を達成するため、本願考案のキヤツ
プ開口構造によれば、キヤツプの下方位置でしか
も容器の首部の外周に略環状のプツシユピースを
水平方向に移動可能に遊嵌し、プツシユピースと
これが当接する容器の肩部の少なくとも何れか一
方を傾斜面とし、プツシユピースの少なくとも一
部を操作端としてキヤツプの外周よりも外方へ突
出させ、操作端を内方へ押し込んだ時にプツシユ
ピースがこの傾斜面を介して上昇しキヤツプの下
端部を押し上げて上方位置に移動させるようにし
てなるのである。

《作用》 このような本考案のキヤツプ開口構造によれ
ば、キヤツプが下方位置を占めている状態からプ
ツシユピースの外方へ突出している操作端を内方
へ押込むと、プツシユピースおよびこれと当接す
る容器の肩部の少なくとも一方に設けられた傾斜
面によつてプツシユピースが上昇するとともにキ
ヤツプの下端に接しながらキヤツプを上方位置に
移動させて容器の開口端に嵌着された中栓の突起
とキヤツプの注出口との間に間〓を形成し、容器
の内容物を注出可能としてなるのである。

《実施例》 以下に本考案の好適な実施例について添付図面
を参照にして説明する。

図において、１はシヤンプー液等を収納する容
器の比較的大径な円筒状胴部を示し、この胴部１
の上方には肩部２を介して比較的小径の首部３が
一体的に形成されている。この首部３の上端は開
口端３ａとなつており、ここに中栓４が被せられ
る。即ち、中栓４の下端内向き鍔部４ａが首部３
の外周溝に嵌着せられ、これによつて中栓４は首
部３から抜けないようになつている。中栓４の中
央部には円錐台状の突起５が一体的に形成され、
この突起の外周囲には複数個の小孔６が穿設され
ている。この中栓４にはこれを取り囲むようにキ
ヤツプ７が被せられ、このキヤツプ７の頂面中央
には円錐台形状の注出口８が形成されている。中
栓４は好ましくは、弾性を有する樹脂から形成
し、キヤツプ７の最下位置においては中栓の突起
５がキヤツプ７の注出口８に密着嵌合し、これに
よつて注出口８は閉塞されることになる。一方、
キヤツプ７が上昇した位置では、中栓の突起５と
キヤツプ７の注出口８との間に間〓が形成され、
第２図に示したキヤツプ７の注出口８から完全に
離れるため、内容物がこの注出口８から自由に流
出することができる。この時、キヤツプ７が容器
の首部３から離脱しないようにするため、キヤツ
プ７の下方内周面には第１の環状突起９が形成さ
れ、一方首部３の外周面には第２の環状突起１０
が形成され、キヤツプ７の上昇位置において上記
第１の環状突起９が第２の環状突起１０の下部に
衝接して、これを乗り越えることができないよう
になつている。そしてまた、第２の環状突起１０
はキヤツプ７の内周面に密着して摺接するように
形成されており、キヤツプ７はこの間の摩擦抵抗
により上昇位置に留まることができるようになつ
ている。

本考案によれば、キヤツプ７の下方において、
容器の首部３の下方外周を取り囲むように環状の
プツシユピース１１が設けられ、このプツシユピ
ース１１の円孔１１ａの内径は首部３の外径より
も充分に大きく形成され、水平方向に移動可能に
遊嵌されている。このプツシユピース１１の円環
部の一部は操作端１１ｂとなつてキヤツプ７の外
方に突出し、操作端１１ｂの下面には外方から内
方に向けて上昇した傾斜面１１ｃが形成されてい
る。一方、容器の肩部２には上記傾斜面１１ｃに
対応してその角部に同様の傾斜面２ｂが形成され
ている。

尚、本考案の上記実施例では、プツシユピース
１１及び肩部２の両方に傾斜面１１ｃ，２ｂを形
成したがこのうちの何れか一方だけを傾斜面と
し、この傾斜面に対向する他方を角部としても良
い。

いま、第１図に示すように、キヤツプ７が最下
位置にあつて、キヤツプ７の注出口８に中栓４の
突起５が密着嵌合した閉止位置では、プツシユピ
ース１１はキヤツプ７の下端面に当接し最も外方
に突出した位置を占めており、プツシユピース１
１の傾斜面１１ｃは肩部２の傾斜面２ｂと略全面
的に重合した状態にある。この状態からプツシユ
ピース１１を内方に押し込むと、肩部２の傾斜面
２ｂに案内されてプツシユピース１１は上昇し、
その円環部がキヤツプ７の下端面を全体的に押し
上げ、キヤツプ７は第２図に示すように持ち上げ
られ、キヤツプ７の注出口８が中栓４の突起５か
ら充分に分離せられるため、容器を逆さにすると
内容物が中栓４の透孔６からキヤツプの注出口８
を通つて流出する。使用後はキヤツプを下方に押
し込んでやると、キヤツプ７と中栓４とは摩擦接
触しているだけであるから、キヤツプ７は下方に
移動し、プツシユピース１１はその操作端１１ｂ
が肩部２の傾斜面２ｂに案内されて下方かつ外方
に突出する方向に移動し、中栓４の突起５がキヤ
ツプの注出口８に密着嵌合する。この時、中栓４
を比較的弾性の有る樹脂から形成し、注出口８を
中栓４の突起５より若干小さ目に形成しておくこ
とによつて両者液密な嵌合がより一層良好なもの
となる。

《考案の効果》 以上のように本考案ではキヤツプより下方位置
の容器の首部外周に遊嵌された略環状のプツシユ
ピース１１のキヤツプから外方に突出した操作端
１１ｂを内方へ押し込むと言つたワンタツチ操作
によつてキヤツプを開口することができるからキ
ヤツプの開口操作が簡単かつ迅速であり、しかも
プツシユピースおよびそのその操作端がキヤツプ
より下方位置にあるため、容器を持つ部分と押圧
する部分が比較的近くなり、片手で容器を握持し
たままその手の親指でプツシユピースを押し込む
ことができるので片手でキヤツプの開口装置を必
要とするようなシヤンプー容器等として極めて便
利なものとなる。

また、この考案のキヤツプ開口構造ではキヤツ
プを上昇させる手段は首部外周に遊嵌された略環
状のプツシユピースであつてプツシユピースが上
昇するとともにプツシユピースがキヤツプの下端
に接してこれを押し上げるようになつており、プ
ツシユピースの上昇手段はプツシユピースおよび
これと接する容器肩部の少なくとも一方に形成さ
れた傾斜面であることから、その構成は極めて簡
単であつて生産コスト面において優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図はキヤツプが閉止位置にある本考案に係
るキヤツプ付き容器を示す断面図で、第２図は第
１図の状態からプツシユピースを押し込んでキヤ
ツプを開口した状態を示す断面図、第３図は第１
図及び第２図に示した容器の分解斜視図である。 １……胴部、２……肩部、２ｂ……傾斜面、３
……首部、４……中栓、５……突起、６……小
孔、７……キヤツプ、８……注出口、１１……プ
ツシユピース、１１ｂ……操作端、１１ｃ……傾
斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内容物を収納する比較的大径の胴部と開口端を
   有する比較的小径の首部との間を肩部を介して一
   体的に形成してなる容器の該開口端に中栓を嵌着
   し、該中栓の中央部に突起を形成するとともに該
   突起の外周部に小孔を穿設し、該中栓の上方には
   頂面に注出口を有するキヤツプを上下方向に移動
   自在に取付け、該キヤツプが下方位置を占める時
   には該中栓の該突起が該キヤツプの該注出口に密
   嵌してこれを閉塞し、該キヤツプが上方位置を占
   める時には該中栓の該突起と該キヤツプの該注出
   口との間に間〓が形成されて内容物を注出可能と
   してなるキヤツプ付き容器において、該キヤツプ
   の下方位置でしかも該首部の外周に略環状のプツ
   シユピースを水平方向に移動可能に遊嵌し、該プ
   ツシユピースとこれが当接する該容器の該肩部の
   少なくとも何れか一方を傾斜面とし、該プツシユ
   ピースの少なくとも一部を操作端として該キヤツ
   プの外周よりも外方へ突出させ、該操作端を内方
   へ押し込んだ時に該プツシユピースが該傾斜面を
   介して上昇し該キヤツプの下端部を押し上げて上
   方位置に移動させてなることを特徴とするキヤツ
   プ付き容器のキヤツプの開口構造。