JPH0226708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はキヤツプレス筆記具のジヨイント部の
構造に関する。詳細には、後軸を回動操作するこ
とによりカム筒を作動させ、前軸の開口部から筆
記体の筆記部を突出させ、非筆記時には筆記体を
後退させて軸内に気密状態に収納させる作動を繰
返す構造のキヤツプレス筆記具において、前軸と
後軸のジヨイント部の気密を簡易な手段で確実に
保持させるジヨイント部の構造に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 従来この種のキヤツプレス筆記具にあつてはジ
ヨイント部の気密に格別な手段が施されておら
ず、比較的蒸発性のインキを用いた、水性ボール
ペン、サインペン、油性インキマーカー等の比較
的蒸発性のインキを内蔵させた筆記体を収容させ
て用いる系にあつては、長期間の放置によりジヨ
イント部からインキが軸外に蒸発して筆記不良を
起こしがちであつた。

本考案は後軸の回動操作に際し、余分の負荷を
生じさせることもなく、簡易な手段で確実に気密
が保持されるジヨイント部の構造を提供しようと
するものである。

問題点を解決するための手段 以下に本考案を図面について詳細に説明する。

第１図は本考案ジヨイント部を備えた、キヤツ
プレス筆記具の筆記体を収納させた状態の縦断面
図、第２図から第１６図は主要構成部品の斜視
図、第１７図は、本考案ジヨイント部の要部拡大
縦断面図である。

本考案ジヨイント部は、後軸を回転操作するこ
とによりカム筒４を作動させ、首部筒７の開口部
から筆記体の筆記部を突出させ、非筆記時には筆
記体１８を後退させて軸内に気密状態に収納させ
る作動を繰返す構造のキヤツプレス筆記具におい
て、前軸１の後端部に縮径端部２−１をもつつば
部２−２付環状ジヨイント部材２を嵌着し、前記
つば部２−２に後軸３の前端を接触させ、前記環
状ジヨイント部材２の縮径端部２−１を後軸３前
部に内挿させており、一方、後軸３の前部にはカ
ム筒４外面に位置する環部材５が緩挿状態に配置
され、前記縮径端部２−１と環部材５は伸縮性リ
ング６内周面で圧接連結されていると共に、該リ
ングの外周面は後部のみが後軸内周面と密接状態
に組立てられてなることを要件とするものであ
る。

前記構成を以下に補足説明すると共に、作用を
述べる。

後軸を回動繰作して機能させるキヤツプレス筆
記具にあつては、前軸と後軸のジヨイント部は組
立加工性を満足させることは勿論、回動操作を低
負荷で円滑に達成させ、かつ内蔵の筆記体のイン
キの蒸発乾燥を防ぐために気密が保持されていな
ければならない。

本考案ジヨイント部は、特定構造の環状ジヨイ
ント部材２と環部材５を特定に配置すると共に、
両者をゴム質、エチレンー酢酸ビニル共重合体、
ポリエステルその他の軟質プラスチツクで形成し
た環状の伸縮性リング６内周面で圧接連結し、そ
の際、該リングの外周面の後部のみを後軸内周面
と密接状態に組立て、環部材外面と後軸内周面と
の間隙Ａ及びカム筒と該筒の外部に緩挿の各部材
との間隙Ｂからジヨイント部を通じて内外に交替
する空気通路を遮断する。

前記の遮断が後軸内に緩挿の環部材５と前軸に
嵌着の環状ジヨイント部材２との間に介在させた
伸縮性リング６内周面での圧接連結によるもので
あるから、組立が容易且つ気密が確実に保持され
る上、前記伸縮性リング６の外周面が後部のみが
後軸内周面と気密状態に組立てられるので、後軸
との接続部の気密が必要最小接触面積で組立てら
れており、後軸回動時の摩擦接触面積の増大が抑
制され、回動操作を低負荷でスムーズに行なわせ
る。次に本考案ジヨイント部を備えたキヤツプレ
ス筆記具を例示する。（第１図〜第１７図参照） 先端開口部に向かいテーパー状に縮径化された
縮径部を備えた首部筒の内側面に筒状部８−１か
ら延設された先端に内向の蓋体８−３を備えた金
属薄片で形成した支持片からなる弾発性の開閉部
材８が弾発圧接され、さらに前記開閉部材は筒状
部８−１を第１の摺動筒９の係止突部９−２の後
方に緩挿させ、該筒状部の後端面と後方のカム筒
４の前端に装着の係止突部１６との間にはバネ体
１１を介在させて連結され、カム筒４の前部カム
溝には前記摺動筒のピン９−１が嵌入され摺動筒
の作動と連動して軸方向に摺動可能に調整されて
おり、前記開閉部材８の内側には外側面に凹部を
もち内部に中心孔１４−２が貫設された環状支持
体１４が配置されて前記支持片８−２を挿通する
と共に中心孔１４−２に筆記体１８の先端部を緩
挿させ、筆記体１８の前部との間にバネ体１２を
係止させている。筆記体１８の後部は第２の摺動
筒１０に係合させると共に、該摺動筒のピン１０
−１を後部カム溝に嵌入させており、前記ピン９
−１及び１０−１は軸胴に固定されているガイド
筒１３のスリツト１３−１に適宜間隔をおいて係
合されて作動できるよう構成されている。

第１図は蓋体８−３が閉合された状態である
が、後軸の時計方向の回動により後軸に密挿され
た内鞘１７を介してカム筒４を回動させ、摺動筒
のピンをカム溝にそつて移動させ、摺動筒の係止
突部９−２で開閉部材の筒状部８−１を後退させ
て蓋体８−３を開口させる。次いで筆記体１８を
前進作動させて筆記に供される。

前記の逆の過程を経て筆記体を後退させ、次い
で蓋体８−３を前進閉合させて、筆記体を気密状
態に収納する。

考案の効果 後軸を回動操作することによつて、軸胴内に収
容の筆記体の先端を前軸の先端より出没させるキ
ヤツプレス筆記具にあつて、前軸と後軸のジヨイ
ント部の気密が、後軸の回動操作の円滑さを損う
ことなく、比較的簡易な手段で確実に行われるの
で、水性ボールペン、サインペン、油性インキマ
ーカー等の筆記体を軸内にキヤツプレス状態で収
容させて用いる、軽便な筆記具を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ジヨイント部を備えたキヤツプ
レス筆記具の筆記体を収納させた状態の縦断面
図、第２図〜第１６図は主要構成部品の斜視図、
第１７図は本考案ジヨイント部の要部拡大縦断面
図である。 １……前軸、２……つば部付環状ジヨイント部
材、２−１……縮径端部、２−２……つば部、３
……後軸、３−１……拡開部、４……カム筒、４
−１……斜溝、４−２……突起、５……環部材、
６……伸縮性リング、１８……筆記体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後軸を回動操作することにより、カム筒を作動
   させ前軸の開口部から筆記体の筆記部を突出さ
   せ、非筆記時には筆記体を後退させて軸内に気密
   状態に収納させる作動を繰返す構造のキヤツプレ
   ス筆記具において、前軸１の後端部には縮径端部
   ２−１をもつ、つば部２−２付環状ジヨイント部
   材２を嵌着し、前記つば部２−２に後軸３の前端
   を接触させ、前記環状ジヨイント部材２の縮径端
   部２−１を後軸前部に内挿させており、一方、後
   軸３の前部にはカム筒外面に位置する環部材５が
   緩挿状態に配置されており、前記縮径端部２−１
   と環部材５は伸縮性リング６内周面で圧接連結さ
   れていると共に、該リングの外周面は後部のみが
   後軸内周面と密接状態に組立てられてなるキヤツ
   プレス筆記具のジヨイント部。