JPH0226643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はタイヤ加硫機に未加硫タイヤを供給
する場合に、タイヤ加硫機がそのタイヤ支持腕に
よつてタイヤを持上げる際の予め定められた位置
に設置される未加硫タイヤ受台の改良に関するも
のである。

従来のこの種の受台は、第１図に示すような床
面に固定される型式のものであつた。同図におい
て１が受台、２が受台固定ボルト、３はタイヤに
合つた拡がり状態に受台を調節するハンドルであ
る。このような受台１は、タイヤ加硫機のタイヤ
支持腕の動作範囲内の加硫機周辺に固定され、未
加硫タイヤを順次載置される。そしてその受台１
上のタイヤはタイヤ支持腕によつて持上げられ、
加硫型内へ運ばれ加硫される。一般にタイヤはそ
の外表面の適所にメーカー名あるいは商標や性能
等の表示が加硫型によつてなされるが、その周方
向の位置はサイドウオールジヨイント位置やトレ
ツドジヨイント位置を避けた位置又は成形履歴刻
印位置を避けた位置に刻印されるようになつてお
り、前記ジヨイント位置は未加硫タイヤにスタン
プを押して示してあり、又、成形履歴刻印位置は
ステンシルが貼付されている。また加硫機のタイ
ヤ支持腕によつて型内に設置される未加硫タイヤ
は受台１から持上げられた状態のまゝで常に所定
の位置関係をもつようになつている。従つて受台
１に対する未加硫タイヤの載置は、スタンプ位置
を考慮して行う必要があり、従来はその作業が困
難であつた。

なお、未加硫タイヤの上記ジヨイント位置を示
すスタンプ位置Ａ又は成形履歴ステンシル位置Ｂ
が未加硫タイヤが受台上に置かれた状態におい
て、予め定められた位置、即ち、金型内のモール
ドレタリング形成部を避けた位置に対応する位置
に位置していないと、当然タイヤ表面の表示（レ
タリング）がトレツドジヨイント位置に形成され
ることとなり、加硫後、タイヤレタリング部をバ
フしてレタリングを浮き出した際に凹凸状となり
タイヤ外観を損なうことになり（Ａの場合）、又、
成形履歴の刻印形成が不可能となる（Ｂの場合）。

この考案は上記のような受台１に対する未加硫
タイヤ載置作業の困難を除去できる未加硫タイヤ
受台を提供するものである。

以下この考案を図示の実施例に基づいて説明す
る。第２図は未加硫タイヤ受台１０を示し、受台
１０そのものは略々従来の受台と同じであるが、
受台１０が回転可能に設置されている点で従来の
ものと異なつている。この例では固定基盤１１に
対し、受台１０に設けられた中心軸１２を中心に
回転可能とされている。すなわち、固定基盤１１
は固定ボルト１３で所定位置に固定され、中心部
の軸孔に中心軸１２を回転可能に支持している。
受台１０の下面には中心軸１２の他に第３図に示
すようなボールキヤタ１４が設けられ、スラスト
荷重に対応できるようになつている。この回転支
持構造は、上記の構成のほかに、第４図に示すよ
うなスラスト軸受１５を介して支持するもの、ま
た第５図に示すような単に鍔状部１６を軸１２に
設けただけのもの、さらに図示していないが上記
のものとラジアルボールベアリングを組合わせた
もの等であつてもよい。要は受台１０が回転可能
で所望回転位置をとり得るようになつていればよ
い。より好ましくは所望回転位置において回転を
止めることができるものがよく、その意味では適
当なブレーキ装置を併設してもよい。

なお、加硫型との関係で未加硫タイヤ受台１０
上に載置された未加硫タイヤのスタンプが位置す
べき回転位置を示す目印は受台を立設した床面上
の適所に設けてある。

このように構成された未加硫タイヤ受台１０
は、作業者によつて未加硫タイヤが載置されてか
らも自由に回転可能であるから、その未加硫タイ
ヤのスタンプ位置を予め加硫型との関係で定めら
れた目印に簡単に一致させることができる。即
ち、受台上の未加硫タイヤを回転させて、加硫型
の周方向の所定位置（モールドレタリング形成
部）を避けた位置に対応して受台の床面上に設け
た目印に、受台上に載置した未加硫タイヤのトレ
ツドジヨイント位置等を示すスタンプ位置又は成
形履歴ステンシル位置を一致させて位置決めを行
うのである。従つて受台１０上の未加硫タイヤは
加硫機のタイヤ支持腕によつて加硫型内に運ば
れ、所定の位置関係でセツトされ、常に前記ジヨ
イント位置又はステンシル位置から外れた位置に
メーカー名あるいは商標等の表示が良好に形成さ
れる。すなわち第６図に示すように、加硫機２０
上に装着した金型２１において、金型上のメーカ
ー名、商標、性能表示などが刻印された表示部Ｑ
を避けた部分P1は固定的に金型上で決まつてい
る。この表示部Ｑを避けた部分P1に対応する床
面位置P2に矢印２２を付ける。生タイヤ受台１
０に未加硫タイヤ２３をのせ、受台１０を手で回
転させて、タイヤ２３上のジヨイント位置を示す
スタンプ印Ａ又はステンシルを貼付したステンシ
ル位置Ｂが床面位置P2の矢印２２に一致したと
き、受台を停止して、その位置で受台をロツクす
る。この状態で、アンローダーが受台１０上の生
タイヤ２３をチヤツクして吊上げ、旋回して加硫
機２０上の金型２１内に生タイヤを装填すると、
生タイヤのジヨイント位置Ａ又はステンシル位置
Ｂは、丁度、金型のP1位置に来る。

以上のようにこの考案によるときは、未加硫タ
イヤ受台を回転可能としたことにより、加硫型に
対する未加硫タイヤの円周方向の位置決め作業が
非常に容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の未加硫タイヤの受台を示す部分
縦断正面図、第２図はこの考案の１実施例の部分
縦断正面図、第３図は同実施例の部分拡大断面
図、第４図及び第５図は各々異なる別の回転支持
構造を示す部分拡大断面図、第６図はこの考案の
未加硫タイヤの受台の使用例を示す略平面図であ
る。 １０…未加硫タイヤ受台、１１…固定基盤、１
２…中心軸、１３…固定用ボルト、４…ボールキ
ヤスタ、１５…スラスト軸受、１６…鍔状部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) タイヤ加硫機に未加硫タイヤを供給するため
   に未加硫タイヤをその中心軸線を中心に回転可
   能に支持する未加硫タイヤ受台であつて、未加
   硫タイヤを載置した受台を回転させて未加硫タ
   イヤの周方向の特定位置を加硫機の周方向の表
   示部との関係で予め固定部に設けられた目印に
   一致させて位置決めし支持することを特徴とす
   る未加硫タイヤ受台。 (2) 未加硫タイヤの周方向特定位置が製造の履歴
   表示位置又はサイドウオールジヨイント位置又
   はトレツドジヨイント位置であり、又、固定部
   がタイヤ受台附近の床面であることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の未加硫
   タイヤ受台。