JPH022656Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、車高調整装置に関し、特に車両の駆
動用エンジンと連動するオイルポンプからの圧油
によつて作動する油圧サスペンシヨンシリンダを
有した車高調整装置に関する。

〈従来の技術〉 車両の車高調整をピストンロツドの上端が車体
側にシリンダの下端が車輪側に連結された油圧サ
スペンシヨンシリンダの伸縮によつて行なおうと
する車高調整装置にあつて、当該油圧サスペンシ
ヨンシリンダへの圧油の供給は、車両の駆動用エ
ンジンと連動するオイルポンプによつてなされる
のが好都合であり、車両の駆動用エンジンが作動
しているときに、油圧サスペンシヨンシリンダへ
の圧油の供給が可能となり、その伸縮が期待され
ることとなる。

〈本考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら、オイルポンプは駆動用エンジン
と連動されるものであるから、車両の走行時にお
いて好ましい車高調整装置が行ない得るようにオ
イルポンプの吐出油量を設定することとすると、
車両の停車時には駆動用エンジンの回転数が低下
することからオイルポンプからの吐出油量が少な
くなり、油圧サスペンシヨンシリンダへの圧油の
供給に迅速性を欠き、速やかな車高調整を行なう
ことができない欠点がある。

そこで本考案は、前記した事情に鑑み、車高調
整を迅速に行ない得るようにした車高調整装置を
新たに提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 上記した問題点を解決するために、本考案の構
成を、車両の駆動用エンジンによつて駆動される
オイルポンプからの圧油で作動する油圧サスペン
シヨンシリンダを有すると共に、当該油圧サスペ
ンシヨンシリンダは車高調整部による油圧の給排
により伸縮されるように形成されてなる車高調整
装置において、車高調整部にはコントローラを接
続すると共に、当該コントローラを駆動用エンジ
ンに連設されたスロツトル調整器に接続してな
り、車高調整部からの信号をコントローラに入力
すると共に、当該コントローラからの出力をスロ
ツトル調整器に入力し、車高調整部からの車高調
整信号に基づき駆動用エンジンの回転数を上昇さ
せてオイルポンプの吐出油量を増大し得るように
形成されてなるとしたものである。

〈実施例〉 以下、図示した実施例に基づいて本考案を説明
する。

第１図は、本考案に係る車高調整装置の一実施
例を示すものであつて、当該車高調整装置は、車
両の駆動用エンジン１で駆動されるオイルポンプ
２からの圧油の供給で伸縮する油圧サスペンシヨ
ンシリンダ３を有すると共に当該油圧サスペンシ
ヨンシリンダ３への圧油の供給を制御する車高調
整部４を有してなる。

上記オイルポンプ２は、上記駆動用エンジン１
と連動するように形成されているものであつて、
オイルタンク（図示せず）から吸引した油を圧油
として通路２ａ中に吐出するものである。当該通
路２ａは、上記車高調整システム４に連結されて
いる。

なお、本実施例において、上記油圧ポンプ２
は、車両のパワーステアリング機構PSの作動に
必要な圧油の供給をも可とするように形成されて
いるものである。

上記油圧サスペンシヨンシリンダ３は、ピスト
ンロツドの先端が車両の車体側に連結され、シリ
ンダの下端が車両の車輪側に連結されているもの
であつて、上記車高調整部４を介しての圧油の供
給があるとピストンロツドの有効受圧面積とアキ
ユムレータ（図示せず）内圧変化に基づく推力を
得て伸縮し、車両の車高を調整し得るように形成
されている。またなお、本実施例において、油圧
サスペンシヨンシリンダ３は車両の前輪側左右お
よび後輪左右にそれぞれ配設されているものであ
る。

上記車高調整システム４は、前記通路２ａを介
してのオイルポンプ２からの圧油を流量制御等し
て上記各油圧サスペンシヨンシリンダ３に通路４
ａを介して供給し、各油圧サスペンシヨンシリン
ダからの排出油をオイルタンクに適宜戻し得るよ
うに形成されているもので、図示してはいない
が、流量制御弁、減衰力発生弁、アキユムレー
タ、各種開閉切換弁等を有してなるものである。

そして、本実施例においては、当該車高調整シ
ステム４は、前記油圧サスペンシヨンシリンダ３
の伸縮状態を検知する車高インジケータあるいは
車高センサ等からなる車高検知手段（図示せず）
を有してなり、当該車高調整部に接続されている
外部のコントローラ５に上記車高検知手段からの
信号若しくは車高調整信号を入力し得るように形
成されている。

上記コントローラ５は、外部のスロツトル調整
器６に接続されてなるもので、上記車高調整部か
らの車高調整信号入力によつて、その出力をスロ
ツトル調整器６に入力するように形成されてい
る。そして、当該スロツトル調整器６は、上記コ
ントローラ５からの入力によつて作動し、当該ス
ロツトル調整器６を連設する前記駆動エンジン１
の回転数を上昇させるように形成されているもの
である。

第２図は、第１図に示すコントローラ５の一実
施例を示すものであつて、図中Ｂは車両に搭載さ
れたバツテリ等の電源、MSは駆動用エンジン１
（第１図参照）の作動時にON状態にされるイグ
ニツシヨンスイツチ、Ａはエアコン等の作動によ
る駆動用エンジン１への負荷を検知する手段、
A′はＡからの信号によつてスイツチＳ１をON状
態にするように指令する手段、Ｐはパワーステア
リング機構PSの作動による駆動用エンジン１へ
の負荷を検知する手段、P′はＰから信号によつて
スイツチＳ２をON状態にするように指令する手
段、Ｌはライト等の点灯による駆動用エンジン１
への負荷を検知する手段、L′はＬからの信号によ
つてスイツチＳ３をON状態にするように指令す
る手段、Ｈは油圧サスペンシヨンシリンダ３（第
１図参照）の伸縮状態を検知する例えば、車高セ
ンサあるいは車高インジケータ等の車高検知手段
若しくは車高調整部４が作動中であることを示す
車高調整検知手段、H′はＨからの信号によつて
スイツチＳ４をON状態にするように指令する手
段、そして、５ａは上記各スイツチMS，Ｓ１，
Ｓ２，Ｓ３，Ｓ４が接続されるリレーである。な
お、６は、スロツトル調整器で駆動用エンジン１
に連設されていることは前記の通りである。

従つて、イグニツシヨンスイツチMSがON状
態になつていて、すなわち、駆動用エンジン１が
作動されているときに、油圧サスペンシヨンシリ
ンダ３の伸縮状態、特に、圧縮状態が検知されて
スイツチＳ４がON状態になると、リレー５ａを
介してスロツトル調整器６が作動され、これを連
設する駆動用エンジン１の回転数が上昇されポン
プ２の必要な吐出量を確保し維持することとな
る。

そして、油圧サスペンシヨンシリンダ３は、駆
動用エンジン１に連動されて作動するオイルポン
プ２からの好ましい吐出油量の供給とアキユムレ
ータとの協働によつて迅速に調整すなわち推力を
得て伸長されることになる。

そしてまた、油圧サスペンシヨンシリンダ３が
所望の伸長状態になつたとき、車高検知手段から
の信号が解除されスイツチＳ４はOFF状態にな
り、油圧サスペンシヨンシリンダ３の伸縮調整に
際して望まれる必要な駆動用エンジン１の回転数
の上昇が中止されることとなる。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によれば、油圧サスペンシ
ヨンシリンダの伸縮状態に応じて駆動用エンジン
の回転数を上昇させオイルポンプからの好ましい
吐出油量の確保を図ることができるので、車両の
停車時等の駆動用エンジンの回転数が低下するこ
ととなるときにも、迅速な車高調整をすることが
できることとなる。

また、オイルポンプから好ましい油量が吐出さ
れるので、短時間に車高調整を行なうことがで
き、例えば、車高調整が行なわれる迄の間ON状
態にされるアンロード回路中のソレノイドを長時
間に亘つて作動するような不都合がなくなり、ソ
レノイド等の他部品の耐久性を低下させる不都合
を生じなくなる利点もある。

さらに、車両の走行中にあつても、車高調整を
一層迅速に行なうようにすることが可能となる利
点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車高調整装置の一実施例
を示すシステム図、第２図は第１図におけるコン
トローラの一実施例を示す回路図である。 １……駆動用エンジン、２……オイルポンプ、
３……油圧サスペンシヨンシリンダ、４……車高
調整部、５……コントローラ、６……スロツトル
調整器、Ｂ……バツテリ、MS……イグニツシヨ
ンスイツチ、Ｈ……車高検知手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車両の駆動用エンジンによつて駆動されるオ
   イルポンプからの圧油で作動する油圧サスペン
   シヨンシリンダを有すると共に、当該油圧サス
   ペンシヨンシリンダは車高調整部による油圧の
   給排により伸縮されるように形成されてなる車
   高調整装置において、車高調整部にはコントロ
   ーラを接続すると共に、当該コントローラを駆
   動用エンジンに連設されたスロツトル調整器に
   接続してなり、車高調整部からの信号をコント
   ローラに入力すると共に、当該コントローラか
   らの出力をスロツトル調整器に入力し、車高調
   整部からの車高調信号に基づき駆動用エンジン
   の回転数を上昇させてオイルポンプの吐出油量
   を増大し得るように形成されてなる車高調整装
   置。 (2) コントローラは、車両のパワーステアリング
   機構からの信号の入力を可とするように形成さ
   れてなると共に、当該入力信号に基づく出力を
   スロツトル調整器に入力し得るように形成され
   てなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の車
   高調整装置。