JPH022568Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、上面の任意部分に設けた平面部表面
に、気泡による凹陥部の発生が許されない接合用
の均平度のたかい平面部を設けたコンクリート二
次製品の、製造用型枠に装着して用いる気泡抜き
装置で、ただ単に気泡を抜くのみでなく、気浮を
抜いた挿通孔内に充満して固まつたコンクリート
を、該型枠取りはづしのときにせん断する刃部を
設けた気泡抜き装置に関するものである。

本考案は、特に近年省力化、省資源が望まれ
て、実用期を迎えようとしている組立水路・組立
擁壁等の各部材間の接合面に要求される、均平度
のたかい平面部を作るため案出されたもので、該
コンクリート二次製品（以下製品と称す）の該平
面部に対応する該型枠の所定位置に、着脱自在に
装着して使用する。

従来の、第１図のような型枠５を用いて製造さ
れるこの種の製品は、コンクリートホツパー８よ
り、まだ固まらないコンクリートａを、該型枠５
の投入口９内へ投入し、振動機７等にて振動締め
固めを行ないながら、逐次コンクリートａを投入
して製造するのが普通であるが、振動を加えなが
ら投入していくとコンクリートａに含まれていた
空気の気泡が、上昇するブリージング水ｄととも
に該製品上面に浮上して、投入９から空中へ出て
いくが一部は該型枠のＡ部の平面部６に遮られて
停滞し、第２図のＡ部詳細図のように、集合して
大きくなつた気泡ｃはその浮力とブリージング水
ｄの表面張力のため、大きな偏平球冠状の気泡と
なつて該平面部６と該製品の境界面に残り、その
周辺はブリージング水ｄとともに上昇したレイタ
ンスｅ（ブリージング水中に浮遊するかす状の微
細物）が沈澱して、該製品完成後該製品側の平面
部１０は、偏平球冠状の凹陥部が表われ、しかも
レイタンスｅのため弱くて精度のわるい表面とな
る。

また、該平面部１０の手作業による鏝ならし等
の補修は不経済なうえ、均平度がわるく、接合螺
着時にクラツクが入る。接合面の不整合による組
立不能等の重大な欠点があり、他の機械加工も試
みられたが、この種の土木用の製品は極めて加工
コストが低いため、切削・研磨等の二次加工は実
施不可能であつた。

本考案は、該製品製造において、従来の上記欠
点を除去し、特に二次加工することなく、接合部
用の均平度のたかい平面部を成形する、コンクリ
ート二次製品製造用型枠の気泡抜き装置を提供す
ることを目的とする。

以下図面により本考案の構成をのべる。

第３図は、本考案の平面図であり、任意形状の
本体１の上面からテーパー孔状の抜気孔２を所要
数穿孔し、該抜気孔２の下端と該本体１底面の接
線部分に、コンクリートをせん断する刃部３を成
形させたもので、必要に応じ硬度のたかい金属・
表面硬化・剥離用表面処理した材質で作られ、側
面部を挿入ガイド等により、摺動可能な状態に装
着する。

第４図は、本考案の側面図であり、一部断面図
である。本体１の端部に挿脱用突出片を設け、該
型枠に装着・取りはづし時の把手とする。

第５図は、本考案のＢ部拡大断面図であり、本
体１に穿孔した抜気孔２およびせん断用の刃部３
を示している。

第６図は、従来技術の型枠（第１図参照）に本
考案の装着位置を示す。

第７図は、本考案の挿脱方向を示す。

第８図は、本考案の、コンクリート投入終了直
前の動作説明図である。

振動機７等により、振動締め固めを行ないなが
らコンクリートを投入していくと、その上面部に
浮上したブリージング水ｄとともに気泡ｂが上昇
し、集合して大きな気泡ｃとなつて抜気孔２を通
り空中へ逃げる。

第９図は、本考案の、コンクリート投入工程終
了時の動作説明図である。

本考案の、本体１上面に上昇したブリージング
水ｄ中に浮遊するレイタンスｅも、振動機７停止
後には、抜気孔２を通過していた余剰コンクリー
トｆ表面に沈澱して層を作る。この状態でコンク
リートの投入工程は終り、一定の時間おいて数時
間の蒸気養生（コンクリートの水和を促進し初期
強度を早く求めるため、60〜70℃湿度100％の養
生室に入れる。）を行ない該型枠の取りはづし工
程（脱型）にうつる。

第１０図は、蒸気養生を終了した該型枠より本
考案を取りはづすときの動作説明図である。

図中矢印方向に、本考案を手動または動力で、
こう打・引抜き等によつて摺動させ抜気孔２内に
充填している余剰コンクリートｆを、刃部３でせ
ん断すると、余剰コンクリートｆは、せん断時の
付勢力で抜気孔２内面から剥離し、該製品の平面
部は均平度のたかい表面が得られる。

第１１図は、本考案の一実施例を示す。

図は、該製品を同時に二個取りする型枠の、本
考案の装着部を示す斜視図であり、本考案の本体
１を該製品の平面部形状に合わせ、該側面部を挿
入ガイド１１，１２で、該型枠の中子１３側板１
４に着脱自在に装着するものである。

以上の構成になる本考案は、従来の手作業によ
る鏝ならし、または、型枠の一部にただ平面板を
取り付けたものからは、得られなかつた精度と螺
着に耐える均平度のたかい平面部が、二次加工な
くして成形できる、大きな特徴をもつものであ
る。

その効果をのべると、 イ 構造が簡単なため、製品に対応した各種形状
の、接合用平面部が容易に作れる。

ロ 熟練者による、鏝ならし作業が不用となる。

ハ 精度のよい平面部が作れる。

ニ 接合面に均等圧がかかるため、接合部のクラ
ツク等がなくなつた。

ホ 製品の不良率がよくなつた。

ヘ 製品の接合時、不整合によるやりなおしがな
くなり、設置現場での施工が、容易になつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の型枠を示す断面図である。第
２図は、従来の型枠のＡ部説明の断面図。第３図
は、本考案の平面図であり、第４図は、本考案の
側面図であり、第５図は本考案のＢ部の拡大断面
図である。第６図は、本考案の装着位置を示す図
である。第７図は、本考案の挿脱方向を示す断面
図。第８図は、本考案の動作説明図であり、コン
クリート投入終了直前の動作を示す。第９図は、
本考案の動作説明図であり、コンクリート投入工
程終了時の動作を示す。第１０図は、本考案の取
りはづし時の動作説明図である。第１１図は、本
考案の一実施例を示すとともに、本考案の装着部
を示す斜視図である。 １……本体、２……抜気孔、３……せん断刃
部、４……挿脱用突出片、５……型枠、６……型
枠の平面部、７……振動機、８……コンクリート
ホツパー、９……投入口、１０……製品の平面
部、１１，１２……挿入ガイド、１３………型枠
の中子、１４……型枠の側板、ａ……コンクリー
ト、ｂ……気泡、ｃ……大きくなつた気泡、ｄ…
…ブリージング水、ｅ……レイタンス、ｆ……余
剰コンクリート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 任意形状任意面積の平面板の上面より逆円錐断
   面形の挿通孔を所要数穿設し該平面板底面にせん
   断刃部を構成したことを特徴とするコンクリート
   二次製品製造用型枠の気泡抜き装置。