JPH02255864A - 導電摺動部材用樹脂組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気車両等に用いられる導電摺動部材用樹脂
組成物に関する。更に詳しくは、特に電気抵抗が低く、
かつ摺動性に優れた導電性摺動部材用樹脂組成物に関す
るものである。

〔従来技術〕

近年、電気車両等の摺動部材としては、車両の高速化と
冷房設備等による消費電力の増大に対応するため、炭素
系のすぐれた摺動特性と導電性を生かした摺動部材の開
発が望まれ炭素−金属系複合材料が注目されつつある。

このような炭素−金属系複合材料の製造方法としては例
えば、炭素材のもつ気孔に特定の金属を加圧含浸させる
方法（特公昭５６４４７３２号公報）、特定の金属に炭
素繊維を１０〜７ＱＶｏｊ！％介在させる方法（特公昭
５Ｂ−３９２１６号公報）が提案されている。しかし前
者の方法では、炭素材の数μｍ以下の微細気孔に金属が
十分に充填されないため、電気抵抗の低下効果が悪く、
また金属を含鏝するために高温で減圧、加圧のできる特
殊な設備が必要となる。また後者の特定金属に炭素繊維
を介在させる方法ζは、炭素繊維の配合率が７０Ｖｏｆ
ｆｉ％以下のため、炭素繊維の有するすぐれた摺動性が
十分発揮されないという欠点を有する。

また、最近プラスチック製摺動部材の用途分野は拡大さ
れる傾向にあり、従来の金属材料に代る新素材とし”で
有望視されはじめた。しかしながら、プラスチック材料
は、摺動部材に要求される特性である自己潤滑性を有し
ている反面、金属材料と比較して限界１）Ｖ値が低く、
剛性等の機械的性質に劣り、また非導電性であるために
摺動による静電気が滞留するとい・う欠点を有し、てい
る。従って軸受等の摺動部材としてのプラスチック材料
は、強度、剛性等の機械的物性、耐熱性、難燃性、成型
品の形状、寸法精度等に優れ、さらに摺動により発生す
る静電気を逃すための導電性を有していることが要求さ
れる。また摺動部品としては、動摩擦係数が小さく限界
ｐｖ値が良く、摩耗量が少なく、しかも相手材料を傷め
ないという摩擦摩耗特性も備えた材料であることが望ま
れている。

上記各種性能を有する摺動部材として従来より種々の樹
脂組成物が提案されているが、未だ実用に適した材料が
開発されていない。

従来より提案されている材料としては、各種熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、多価アルコールや多価アルコールの
脂肪酸エステル等の親水基を有する帯電防止剤、導電カ
ーボンブラック、金属ファイバー、ガラス繊維等の摺動
性改良材からなる樹脂組成物が知られている。しかしな
がら、例えば親水基を有する帯電防止剤を使用した場合
、該樹脂組成物を成形して得られた製品の体積固有抵抗
値はせいぜい１０１０Ω・ｃｍ程度しか低下せず、しか
も長時間の使用において帯電防止効果が失われるという
欠点を有している。

また、成分として導電性カーボンブラックを使用した場
合には、導電性カーボンブラックの嵩密度が小さく飛散
し易いためコンパウンド化の際に極めて取扱い難い上、
得られた成形品の機械的特性、及び潤滑特性が劣るとい
う欠点がある。

さらに導電性カーボンブラックのコンパウンド化に際し
これら欠点を補うためにガラス繊維を使用した場合、ガ
ラス繊維の径が大きいためガラス繊維が成形品の表面に
浮き出易く、成形品表面の平滑性が損われると共に、ガ
ラスの硬度が高いために相手材を摩耗し易く、摺動部材
としては不適当である。

更に、成分として金属ファイバーを使用する場合、導電
性能を付与するために多量の金属ファイバーを用いるの
で該樹脂組成物の成形加工性が悪く、成形品内に導電性
のバラツキを生じるという欠点を生じる。またこの成形
品は、金属ファイバーが相手材を傷つけるので摩耗特性
に劣り、しかも機械特性も不充分であるという欠点を有
する。

このように従来から提案されている樹脂組成物はいずれ
も摺動部材として要求される性能を満足しておらず、電
気機器等の重要な部分には金属材料が依然として使用さ
れているのが現状である。

しかるに、金属材料からなる部品は、コスト高であり、
また注油を要するために油汚れや埃の付着による問題が
あり、摺動部材として要求される性能を満足する高性能
のプラスチック材料が望まれている。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は、相手材を傷つけることなく優れた潤滑
（摺動）特性を有すると共に、電気特性、機械特性にも
優れた導電摺動部材用樹脂組成物を提供することにある
。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者等は、これまで新しい炭素材料として気相成長
法炭素繊維の開発並びにこの素材の特性、反応について
研究を進めてきたが、該繊維の特異な形態と化学的性質
、熱安定性、導電性に注目し各種の実用試験を行ってい
たところ、導電摺動部材として要求される性質を全て満
足する高性能の樹脂組成物であることが鋭意研究の結果
判明した。

すなわち本発明は、繊維径が０．０１〜５μ獄の気相成
長法炭素繊維を１〜８０重量％含有する樹脂からなるこ
とを特徴とする導電摺動部材用樹脂組成物である。

本発明で得られた導電摺動部材用樹脂組成物は、体積固
有抵抗値が１０−’〜１０１Ω・１を有するものである
。

本発明において、気相成長法炭素繊維とは、炭化水素な
どの炭素源を、触媒の存在下に加熱して気相成長させて
作られる繊維状の炭素質の物質、これを粉砕したり切断
したりした種々の形態の炭素物質、あるいは、これらを
加熱処理した炭素質物質であり、電子顕微鏡で観察する
と、芯の部分と、これを取巻く、−見して、年輪状の炭
素層からなる特異な形状の繊維及びこれが粉砕、破砕、
切断などの加工を受けたものである。

本発明において、気相成長法炭素繊維は、直径が０．０
１〜５　Ｊ！／　ｍであり、好ましくは０．０１〜４　
ｐｍ　。

更に好ましくは０．０１〜１μｍ、最も好ましくは、０
．０１〜０゜５μ−である。繊維の長さは特に制限はな
いが、一般には５０００μｍ以下であり、更に短くても
良＜　、１０００μｍや１００μｍ、あるいは３．０μ
ｍでも良く、又、これを更に短く破砕や切断あるいは粉
砕した繊維状物、あるいは、粒状や不定形状の物も使用
できる。

本発明の効果を最大に発揮させるには、繊維長さ／繊維
の径の比が、５以上好まり、　＜は１０以上、特に２０
以上、最も好ましくは１００以上あることである。

本発明の気相成長法炭素繊維は、炭素の純度が高く、一
般に９７．５％以上、特に９８％以上、最も好ましくは
９８．５％以上である。

また、本発明において気相成長法炭素繊維は、易黒鉛化
性の炭素質物、あるいは黒鉛性の高い炭素質物であり、
特に、易黒鉛化性の炭素質物が好ましく、更に、その中
でもＸ線回折による構造解析において、その格子定数Ｃ
ｏが７．１０〜６．８８の範囲のものが特に好ましく、
最も好ましくは７．０６〜６．８９の範囲のものである
。

本発明における導電摺動部材用樹脂組成物は、主成分と
して上記の気相成長法炭素繊維を含有する樹脂組成物で
あり、該組成物中の気相成長法炭素繊維の含有量は、１
〜８０重量％であり、好ましくは３〜６０重量％、より
好ましくは５〜５０重量％であり、特に好ましくは１０
〜４０重量％である。

本発明において、樹脂としては熱可塑性樹脂、硬化性樹
脂が用いられる。

熱可塑性樹脂とは、常温では可塑性は示さないが適当な
温度に加熱することにより可塑性があられれる樹脂であ
り、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ−ｐ−キシレン、ポリ酢酸ビニール、ポリアク
リレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエ
ーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボ
ネート、ポリエステル、ポリアミド、フッ素含有プラス
チック、ジエン系プラスチック、ポリウレタン系プラス
チック等があげられる。

また硬化性樹脂とは、常温又は加熱することにより低分
子化合物及び／又は高分子化合物間で架橋反応が進み、
組織が三次元的な構造になることにより、溶融又は可塑
状態から不溶、不融の状態に硬化するプラスチックを意
味し、例えばフェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・
ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニ
リン樹脂、アルギル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂などである。

本発明の組成物には、本発明の効果を損わない範囲で各
種の充填削、酸化防止剤、滑剤、安定剤、難燃剤、結晶
核剤、増粘剤、希釈剤、成形の際の金型からの離型性を
よくするための添加剤等、公知の種々の配合材を使用可
能である。その使用量が過多であると、導電摺動部材の
緒特性を低下させる慣れがあるので、使用目的に応じて
その量を適正に制御する必要がある。

本発明の樹脂組成物を製造するには、各種樹脂、例えば
熱可塑性樹脂を用いる場合には、そのベレット（好まし
くは粒径が５００μｍ以下のベレット）を、高速ブレン
ダー（例えばヘンシェルミキサー）にて気相成長法炭素
繊維と均−混合後、乾燥を充分に行い、該混合物を二軸
押出機等で溶融と混和を行った後ペレット化すればよい
。この気相成長法炭素繊維を含有する樹脂組成物のベレ
ットは、射出成形、プレス成形等の公知の成形手段によ
り所望の導電摺動部材の形状に成形される。

一方、硬化性樹脂を用いる場合には、トライブレンド、
湿式ブレンド、含浸ブレンド等で得られた組成物を、圧
縮成形、真空成形などの成形法によって所望の導電摺動
部材の形状に成形される。

〔実施例〕

以下実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく
説明する。

尚、実施例および比較例における各特性値は、下記の方
法又はＪＩＳ基準に従って測定した。

体積固有抵抗値、　　ＪＩＳ　Ｌ６９１１動摩擦係数；
絵本式摩耗試験機、相手材料としては５４５Ｃを用い、
全て無潤滑の状［）、４で、摩擦速度３０ｃｍ／ｓｅｃ
、荷重１０ｋｇ／ｅ４で連続運転し、摩擦距離１０に！
Ｉｆに達した時の摩擦係数を求めノ、・、。

比摩耗量；上記動摩擦係数の測定と同様の方法により単
位距離あたりの摩耗量を求めた。

限界ｐｖ価値；擦速度３０ｃｍ／ｓｅｃを一定とし、荷
重を変化させて２時間運転後、摩擦面を観察し、判定し
た。〔尚、ここにいう「限界ｐｖ値」とは、摺動部材が
一定の荷重Ｐ（ｋｇ／ｅＪ）において、ある周速度Ｖ（
ｃｙｎ／５ｅｃ）以上になった時、溶けたり、焼付けた
りする負荷の限界値ＰとＶとの積を意味する。〕 相手表面状態；相手材の表面にひどい傷が生じたりした
場合を×、少々傷がついた場合をΔ、相手材が変化なし
の場合を○とと２で評価した。

曲げ強度、　ＪＩＳ　Ｋ−６８１０ 曲げ弾性率、　ＪＩＳ　Ｋ−６８１０ 実施例１〜４．比較例１〜６ 直径が０゜０５〜０．１μｍの気相成長法炭素繊維（ト
リスアセチルアセトン鉄とベンゼンを１４００°Ｃの加
熱空間に導入し浮遊状態で合成し２だ炭素含有量９９％
以上、格子定数７．０２の繊維）を、分散操作がし易い
ように若干破砕し、繊維長が実質的に５μ酒以上（電子
顕＠鏡観察）の気相成長法炭素繊維を得た。この気相成
長法炭素繊維を第１表に示す各種の成分を高速ブレンダ
ー（ヘンシェルミキザー）で所定量混合し、池貝鉄工製
ＰＣＭ３０二軸押出機の所定の条件下で押出してベレッ
ト化し、本発明の導電性摺動部材用樹脂組成物を得た。

このベレットを乾燥した後１、用ロ鉄−ｒ製Ｋｅ−２ｏ
の射出成形機で射出温度２８５°Ｃ１金型温度８５°Ｃ
１射出圧力３８０ｋｇ　／　ｍｓａ　”の条件下で射出
成形したテストピースを用いて各種物性を測定した。そ
の結果を第１表に示す。

尚、第１表中の各種成分は次に示す通りである。

ナイロン６６・・・レオナ、タイプ１３００Ｓ　　（旭
化成工業■商品名） ＨＤ　Ｐ　Ｅ・・・平均粒径３０μｍ、平均分子量７万
導電性カーボンブラツク・・・表面積；　　９５０ｎｆ
／ｇカーボンファイバー・・・ＰＡＮ系、６ｍ／ｍチゴ
ップドストランド 金属ファイバ・・・６−４黄銅、繊維長３　ｍ／ｍチタ
ン酸カリウム・・・デンドールＢＫ２０Ｏ（大塚化学■
商品名） ガラスファイバー・・・繊維径９μｍ、繊維長さ３　ｍ
／ｍ第１表より、次のことが明らかである。まず本発明
の樹脂組成物は、導電摺動部材としてきわめて好適であ
ることがわかる、また気相成長法炭素繊維の配合量を増
加させることにより限界ｐｖ値を向上させることが出来
た。

以下余白 〔発明の効果〕 本発明の導電摺動部材用樹脂組成物は、相手材を傷つけ
ることなく極めて優れた潤滑特性（摺動性）及び導電性
能を有し、また優れた機械特性、耐熱性及び成形品の形
状、寸法安定性を有する。

従って、本発明の樹脂組成物は、電気車両等の摺動、電
気機器の重要な部分の導電摺動部材として好適である。

適用される導電摺動部材としては、各種ブッシング、ヘ
アリング、スリーブ、スリップシリンダー、ガイドレー
ル、スイッチ部品、カム等を挙げるみごとができる。

特許出願人　　旭化成工業株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、繊維径が０．０１〜５μｍの気相成長法炭素繊維を
   １〜８０重量％含有する樹脂からなることを特徴とする
   導電摺動部材用樹脂組成物。