JPH0225087B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、家庭における暖房等に用いられる燃
焼装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、石油ストーブ等に用いられている灯芯式
の液体燃料燃焼装置では、第１図のごとく内炎筒
Ａの側壁に多数の空気孔Ｂと天板Ｃ上に複数個の
通気孔Ｄを設け、その外側に外炎筒Ｅと上端に２
次炎リングＦを設けている。この２次炎リングＦ
と内炎筒Ａ上方に設けられた拡炎板Ｇ間に２次炎
Ｈが形成されるため、次のような問題点を有して
いた。

(1) ２次炎Ｈは、拡炎板Ｇ端部で規制されるの
で、連続火炎状態となり、２次炎Ｈの細分割に
よる燃料と空気の混合が促進されず、２次炎Ｈ
が黄火炎となりススが発生しやすい。

(2) 天板Ｃの通気孔Ｄからの空気は、膨張しなが
ら流速も遅くなり、拡炎板Ｇに沿つて流出する
ので、２次炎Ｈの内部に突入するよりも覆う状
態となり、燃料と空気の混合が促進されず、２
次炎Ｈは黄火炎となりススが発生しやすい。

(3) 拡炎板Ｇと外側の２次炎リングＦの高さが、
ほぼ同じであるため、２次炎Ｈの立炎（特に局
部立炎）は、内側の拡炎板Ｇ上方に巻き込ま
れ、空気不足状態となりススや一酸化炭素が発
生しやすい。

発明の目的 本発明は、かかる従来の問題点を解消するもの
で、２次炎を内炎筒側壁上部からの流入空気によ
り、細分割混合を促進することにより、２次炎の
青火化および短炎化を行い、ススおよび一酸化炭
素の発生を防止し、燃焼特性を向上するものであ
る。

発明の構成 本発明は、内炎筒の上部側壁の一部に複数個の
長穴状の空気孔を傾斜させて設けると共に、互い
に隣接する空気孔の一部を内炎筒の上下方向に重
複させて設けたものである。

実施例の説明 以下本発明の一実施例について、第２図に基づ
き説明する。

第２図において、１は灯芯で、その上端を内炎
筒２、外炎筒３で構成される燃焼室４に燃焼時露
出させ、もと芯案内筒５、芯外筒６で構成される
間〓を上下に移動するように設けている。内炎筒
２は、側壁に多数の多様な空気孔２ａを設けてい
る。内炎筒２の上部側壁には複数個の長穴状の空
気孔２ｂを傾斜させて設け、その空気孔２ｂの互
いに隣設する空気孔２ｂの一部を内炎筒２の上下
方向で重複させ、内炎筒２の側壁周囲に均一に漏
れなく空気を流入させる。また空気孔２ｂは、内
炎筒２の最上部に設けられ、空気孔２ｂ単体の開
孔面積も内炎筒２の他の空気孔２ａよりも大きく
設け、多量の空気を２次炎７に向けて流入させ
る。８は内炎筒２の天板である。外炎筒３は側壁
に多数の多様な空気孔３ａを設け、その上部は開
孔径の大きな空気孔３ｂを多数設け、赤熱部３ｃ
を形成している。外炎筒３の上端部には２次炎リ
ング３ｄが設けられ、この２次炎リング３ｄの絞
り部３ｅにより燃焼室４の出口を構成している。
また絞り部３ｅは、前記長穴状の複数個の空気孔
２ｂの一部に対向して設けられている。９は外筒
で、その上部に耐熱ガラス筒から成る透過筒１０
を設けている。透過筒１０の上部には、チムニト
ツプ１１が設けられ、そのほぼ中央には大きな開
孔の主燃焼排ガス通路１１ａ、その周囲には複数
個の比較的小さな補助燃焼排ガス通路１１ｂが設
けられている。主燃焼排ガス通路１１ａの周壁か
ら、下方に向つて上部赤熱体１２が吊下げられて
いる。前記内炎筒２、外炎筒３、外筒９をクロス
ピン１３により略同心状に組み立て構成してい
る。

前記構成において、灯芯１に点火すると燃焼を
開始し、燃焼による高温の燃焼ガスが燃焼室４を
上昇し、チムニトツプ１１の主燃焼排ガス通路１
１ａ、補助燃焼排ガス通路１１ｂを通ることによ
り熱ドラフトを生じて、燃焼に必要な空気が内炎
筒２、外炎筒３の各空気孔から流入し、また灯芯
１には、各空気孔に保炎した燃焼火炎の熱が供給
され、液体燃料を蒸発させ、燃焼を持続させる。
この時、内炎筒２の上部側壁の長穴状の空気孔２
ｂから多量の空気が流入し、２次炎７はその根元
から細分割され、しかも空気孔２ｂは傾斜させ、
かつ隣接する空気孔２ｂの一部を内炎筒２の上下
方向で重複させているので、内炎筒２周壁には、
漏れなく空気が流入し、また上昇してくる燃焼ガ
スを取込んで、混合を促進するので、２次炎７は
青火化、短炎化される。また充分な空気が供給さ
れることにより燃焼が促進され、ススおよび一酸
化炭素等の発生が防止され燃焼特性が向上する。
また、長穴状の空気孔２ｂが内炎筒２の最上部に
設けられたため、この空気孔２ｂから流入する空
気により２火炎７の形成が規制され、２次炎７が
燃焼室４中央に寄るので内炎筒２の天板８上に巻
きこまれることも無く、また上部赤熱体１２に触
れることも無いので燃焼特性が悪化しない。ま
た、長穴状の空気孔２ｂは内炎筒２の他の空気孔
２ａよりもその開孔面積が大きいので、燃焼室４
出口近傍には、絶えず充分な割合の空気が流入
し、上昇してくる燃焼ガスの燃え残りを完全に燃
焼させて、燃焼特性を向上している。

発明の効果 以上のように本発明によれば次の効果が得られ
る。

(1) 内炎筒の上部側壁に複数個の長穴状の空気孔
を設けたので、２次炎がその根元より斜めに流
入する空気流によつて細分割、混合促進が行わ
れ、燃料と空気の接触面積が増加し、燃焼効率
が向上する。この時、燃焼速度が増して２次炎
の青火化と短炎化が実現できる。

(2) 長穴状の空気孔を傾斜させて設けたので、燃
焼室を上昇してくる燃焼ガスは、この空気孔間
に導かれて、傾斜しながら上昇し順次流入して
くる空気と接触し、燃料と空気の混合が促進さ
れ、２次炎の青火化と短炎化が実現できる。

(3) 長穴状の空気孔の隣接する空気孔の一部を内
炎筒と上下方向で重複させて設けたので、内炎
筒の周壁では、漏れなく空気流が流入し、燃焼
ガスと接触するので、燃焼不良を防止できる。

(4) 長穴状の空気孔により２次炎の青火化が実現
するので、燃焼量の増加した場合の立炎、ある
いは局部的な立炎が発生しても、多量のススを
発生させる黄火炎を防止できる。

(5) 長穴状の空気孔により２次炎の短炎化が実現
するので、燃焼量の増加等で青火炎状の２次炎
が立炎したにしても大きく伸びず、上部赤熱体
への接触を防止して冷却による一酸化炭素の発
生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の部分断面図、第２図は本発明
の一実施例を示す燃焼装置の半断面図である。 ２……内炎筒、２ａ……内炎筒側壁の空気孔、
２ｂ……内炎筒上部側壁の傾斜させて設けられた
長穴状の空気孔、３……外炎筒、３ｄ……２次炎
リング、７……２次炎、８……内炎筒の天板、１
２……上部赤熱体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数個の空気孔を有する内炎筒および外炎筒
   と外筒とを内から外に同心状に設けると共に、前
   記内炎筒の上部側壁の一部に複数個の長穴状の空
   気孔を傾斜させて設け、かつ互いに隣接する空気
   孔の一部を内炎筒の上下方向に重複させて設けた
   燃焼装置。 ２ 複数個の長穴状の空気孔を内炎筒の最上部に
   設けた特許請求の範囲第１項記載の燃焼装置。 ３ 長穴状の空気孔の開孔面積を内炎筒に設けら
   れた他の空気孔の開孔面積よりも大きくした特許
   請求の範囲第１項、または第２項記載の燃焼装
   置。