JPH0225026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、ソレノイドに印加する制御電流に応
じてレリーフ圧を制御し得る電磁レリーフ弁に関
するものである。

〈従来技術〉 バルブ本体内にスプールを摺動可能に嵌挿し、
このスプールの一端側に圧力流体が導入されるレ
リーフ通路を開口した弁座部材を設け、この弁座
部材に前記レリーフ通路を開閉する弁体を当接さ
せ、この弁体と前記スプールの一端側との間にレ
リーフ圧設定用スプリングを介挿し、前記スプー
ルをソレノイドにより吸引して前記スプリングの
ばね力を制御するようにした電磁レリーフ弁にお
いては、レリーフ通路からの圧力流体をスプール
と弁座部材との間に開口した通路を介してタンク
側へ流出させているため、流体中に混入する鉄粉
が磁化されたスプールに吸着されやすく、スプー
ルの摺動面に鉄粉をかみ込んでスプールロツク等
の不具合を発生する問題点があつた。

〈考案の目的〉 本考案の目的とするところは、流体中に混入す
る鉄粉がスプールに吸着されないようにして、ス
プール摺動面への鉄粉のかみ込みによるスプール
ロツク等の不具合を防止することである。

〈考案の構成〉 上記した目的を達成するために本考案は、バル
ブ本体側に円筒状の邪魔板を固定し、この邪魔板
の先端部を弁体に僅かな隙間を有して遊嵌させて
この隙間を介して弁座部材側とスプール側とを連
通させ、弁座部材側の室にタンク側に通ずる流出
ポートを開口させたものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図において、１０は電磁レリーフ弁のバ
ルブ本体を示し、このバルブ本体１０は本体部材
１０ａとこの本体部材１０ａに一体的に固着され
た磁性体からなる本体部材１０ｂとによつて構成
されている。本体部材１０ｂには弁孔１１が形成
され、この弁孔１１内に磁性体からなるスプール
１３が収納され、このスプール１３の上下両端部
は後述する一対の非磁性体リングに摺動可能に嵌
合される。本体部材１０ｂの下端には非磁性体リ
ング１２が固着され、このリング１２に磁性体か
らなるプラグ１４が螺着され、プラグ１４は本体
部材１０ａに嵌合されている。プラグ１４には弁
座部材１５が螺着され、この弁座部材１５の一端
に連通路２０を介して圧力流体が導入されるレリ
ーフ通路１６が開口されており、その開口端にボ
ール弁１７を当接する弁座が形成されている。プ
ラグ１４内にはボール弁１７に当接するボールシ
ート１８が内装され、このボールシート１８と前
記スプール１３との間にレリーフ圧を設定するた
めの非磁性体からなるスプリング１９が介挿され
ている。しかしてこのスプリング１９の撥力によ
りボール弁１７を弁座部材１５の弁座に当接する
とともに、スプール１３を上方向に付勢してい
る。

前記バルブ本体１０の本体部材１０ｂの外周に
は非磁性体からなるスリーブ２１がロー付等によ
つて固着され、このスリーブ２１の内周に磁性体
からなるスリーブ状のヨーク２２がその下端が非
磁性体リング２３を介して本体部材１０ｂの上面
に接合する位置に嵌合固定されている。ヨーク２
２の内周には取付ねじ２４が形成され、この取付
ねじ２４に螺合する磁性体からなるヨークプラグ
２５がヨーク２２に嵌合固定されている。ヨーク
プラグ２５にはセツトねじ軸２６が位置調整可能
に螺合され、このセツトねじ軸２６と前記スプー
ル１３との間にバランス用スプリング２７が介挿
されている。前記スリーブ２１の外周には非磁性
体からなるボビン２８に巻かれたソレノイド２９
が取付けられ、このソレノイド２９を包囲し下端
が本体部材１０ｂに接合するカバー３０がセツト
ねじ軸２６に螺合するナツト３１によりヨークプ
ラグ２５の上端に固着されている。しかしてソレ
ノイド２９には制御電流が印加されるようになつ
ており、その制御電流に応じた吸引力でスプール
１３が吸引され、これによりレリーフ圧設定用ス
プリング１９のばね力が変更される。

なお、前記スプール１３には軸線方向に貫通孔
が形成され、この貫通孔によつて前記スプリング
１９，２７が挿設されたスプール１３の両端室を
互いに連通している。

前記非磁性体リング１２とプラグ１４との間に
は、非磁性体からなる円筒状の邪魔板３６の一端
鍔部が挟着され、この邪魔板３６の先端部は前記
ボールシート１８に半径方向に微少隙間を存して
遊嵌されている。かかる邪魔板３６によつてスプ
ール１３と弁座部材１５との間を、スプール１３
が収納された第１の室Ｃ１と、レリーフ通路１６
が開口された第２の室Ｃ２とに区画している。前
記プラグ１４および非磁性体リング１２には第２
の室Ｃ２側に開口する流出ポート３７が形成さ
れ、この流出ポート３７は連通路３８を介してタ
ンク側に連通されている。

従つて弁座部材１５のレリーフ通路１６に導入
された圧力流体が、ボール弁１７をスプリング１
９に抗して押し開いて流出ポート３７より流れで
る際に、その流出流体は邪魔板３６によつてスプ
ール１３側の室Ｃ１には殆ど流れなくなるので、
流体中に鉄粉が混入されていてもその鉄粉がスプ
ール１３に付着することがなく、スプール１３の
摺動面へのかみ込みを防止できるようになる。

なお、上記実施例においては、邪魔板３６の先
端部をボールシート１８に遊嵌した例について述
べたが、ボール弁１７とボールシート１８とを一
体形の弁体にしてその弁体の一部に邪魔板３６を
遊嵌してもよい。

〈考案の効果〉 以上述べたように本考案は、バルブ本体側に円
筒状の邪魔板を固定し、この邪魔板の先端部を弁
体に僅かな隙間を有して遊嵌させてこの隙間を介
して弁座部材側とスプール側とを連通させ、弁座
部材側の室にタンク側に通ずる流出ポートを開口
させた構成であるので、レリーフ通路より流れ出
た流体がスプールに作用することが殆どなくな
り、従つて流体中に混入した鉄粉がスプールの摺
動面にかみ込み等の不具合を防止できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す電磁レリーフ弁の
断面図である。 １０……バルブ本体、１３……スプール、１５
……弁座部材、１６……レリーフ通路、１７……
ボール弁、１８……ボールシート、１９……スプ
リング、２９……ソレノイド、３６……邪魔板、
３７……流出ポート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルブ本体内に軸線方向に貫通孔を形成したス
   プールを摺動可能に嵌挿し、このスプールの一端
   側に圧力流体が導入されるレリーフ通路を開口し
   た弁座部材を設け、この弁座部材に前記レリーフ
   通路を開閉する弁体を当接させ、この弁体と前記
   スプールの一端側との間にレリーフ圧設定用スプ
   リングを介挿し、このスプリングのばね力をソレ
   ノイドによるスプールの吸引力に応じて変化させ
   るようにした電磁レリーフ弁において、前記バル
   ブ本体側に円筒状の邪魔板を固定し、この邪魔板
   の先端部を前記弁体に僅かな隙間を有して遊嵌さ
   せてこの隙間を介して弁座部材側とスプール側と
   を連通させ、前記弁座部材側の室にタンク側に通
   ずる流出ポートを開口させてなる電磁レリーフ
   弁。