JPH0224932Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、エンジンのシリンダヘツドの構造に
関するものである。

（従来技術） 一般に、エンジンのシリンダヘツドに対して
は、点火プラグが取り付けられるものであるが、
このシリンダヘツドの上部には動弁機構等が配設
される関係から、点火プラグはその側方から斜め
に装着されている（実開昭47−19611号公報参
照）。

しかして、上記シリンダヘツドが水平面に対し
て傾斜して配設されるエンジン、例えば、Ｖ型エ
ンジンもしくは傾斜搭載エンジン等においては、
点火プラグの取付け方向がさらに横方向に向くよ
うに傾斜するものであつて、この場合に点火プラ
グの脱着の作業性が低下する問題を有する。すな
わち、エンジンのシリンダヘツド周辺には各種補
機類が配設されるとともに、エンジンの設置スペ
ースが挟くなつて、エンジン側方に充分な空間が
ない場合には、エンジン上方から上記点火プラグ
の取付部を正確に見ることができず、手探りの作
業となり、その作業の途中で点火プラグを下方に
落下させると、その取り出しが困難でさらに作業
性の低下をもたらすものである。また、特に、排
気ポートの排気マニホールドとの接続合せ面が、
シリンダヘツド側面より各々独立して突設された
ものでは、点火プラグ取付孔の下方部分の排気ポ
ート間に隙間ができ、この隙間からエンジン下部
に点火プラグが落下するとともに、突設された排
気ポートの接続部分の剛性が低下する恐れがあ
る。

（考案の目的） 本考案は上記事情に鑑み、脱着時における点火
プラグのエンジン下部への落下の防止を図るとと
もに、排気ポートの突出部分の剛性を向上するよ
うにしたエンジンのシリンダヘツドを提供するこ
とを目的とするものである。

（考案の構成） 本考案のシリンダヘツドは、一側方に傾斜搭載
されたエンジンにおいて一側方の外方空間に開口
する点火プラグ取付孔と、各々独立して突設され
た排気ポートとを有し、上記点火プラグ取付孔の
開口端よりも下方で、点火プラグ取付孔の形成壁
に連続して上記一側方の外方空間へ延出するとと
もに気筒列方向に直線的に延びて上記一側方の外
方空間に突設した各排気ポートの形成壁間を連結
するリブを設けたことを特徴とするものである。

（考案の効果） 本考案によれば、点火プラグ取付孔の下方部分
にリブを設けたことにより、脱着時に点火プラグ
が落下してもリブで止まつて下方への落下が防止
できる。また、上記点火プラグ取付孔の形成壁に
連続して気筒列方向に直線的に延びるリブで排気
ポートを連結したことにより、排気ポートの突出
部の剛性が向上し、しかも、点火プラグ近傍の熱
がリブによつて放熱されて冷却性が改善されるも
のである。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例を説明する。
第１図はシリンダヘツドの側面図、第２図は第１
図の−線に沿う設置状態の断面図である。

多気筒エンジンのシリンダヘツド１は底面に燃
焼室２を有し、この燃焼室２に対して吸気ポート
３および排気ポート４が開口するとともに、点火
プラグ（図示せず）を装着する点火プラグ取付孔
５が開口し、該シリンダヘツド１の底面が水平線
Ｌ（第２図参照）に対して傾斜した状態でシリン
ダブロツク６上に設置されてエンジンを構成する
ものである。そして、上記傾斜によつて下方に向
くシリンダヘツド１の一側面１ａに、前記点火プ
ラグ取付孔５と排気ポート４が配設され、反対側
の側面（図示せず）には吸気ポート３が配設され
ている。各気筒の排気ポート４はその開口合せ面
４ａが、各々独立してシリンダヘツド１の側方基
本構成面より外側に突設されている。なお、７は
吸気弁、８は冷却水通路を示し、上記シリンダヘ
ツド１の上部には図示しない動弁機構が配設され
ている。

上記点火プラグ取付孔５の中心線は横方向に傾
斜し、シリンダヘツド１の上部壁１ｂによつて該
取付孔５の上方が覆われ、設置状態ではエンジン
上方から見えない部分に位置している。この点火
プラグ取付孔５の外周部には、プラグレンチ（図
示せず）の先端部を案内する筒状の形成壁９が形
成されている。該形成壁９は、プラグレンチ先端
部より若干大きな内径を有し、その一部がシリン
ダヘツド１の側壁１ｂで構成され、他の部分は環
状壁が立設されてなり、この形成壁９の外側部分
の一部が切り欠かれて排水部１０が形成されてい
る。

また、上記各気筒の排気ポート４の突設された
合せ面４ａに、排気マニホールドガスケツト１１
を介して排気マニホールド１２が接続される。上
記ガスケツト１１は、排気ポート合せ面４ａ以外
の前記形成壁９の側方部分にも延設されている。
さらに、上記形成壁９の下方部分には、この点火
プラグ取付孔５の形成壁９に連続して気筒列方向
の横方向に直線的に延びるリブ１３が設けられ、
このリブ１３によつて各気筒の排気ポート４の形
成壁１４が連結されている。なお、排気マニホー
ルド１２は、独立した取付フランジ面でもつて各
排気ポート４に接続された分岐通路が１本の排気
管に集合されている。

上記のような実施例によれば、点火プラグの着
脱は、プラグレンチの先端部を形成壁９に沿つて
挿入し点火プラグを回転操作して行う。また、上
記形成壁９内に入つた水等は排水部１０から下方
に排出されて溜ることがなく、点火プラグの脱着
時に燃焼室２内に侵入するのが防止できる。

一方、上記点火プラグの着脱時に、点火プラグ
が誤つて点火プラグ取付孔５近傍で落下しても、
この点火プラグ取付孔５の下方および側方部分に
は、リブ１３およびガスケツト１１が配設されて
いることから、この部分に係止してエンジン下方
への落下が阻止される。さらに、上記リブ１３の
形成により、排気ポート４の突出した形成壁１４
部分が補強されて剛性が増大し、かつ点火プラグ
近傍のシリンダヘツド１の放熱性が向上するもの
である。

なお、上記実施例においては、ガスケツト１１
が各気筒で連結されて点火プラグ取付孔５の側方
に延設されているが、排気マニホールド１２の取
付フランジ面が連続して形成されたものではこの
ガスケツトの延設は不要である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるシリンダヘ
ツドの側面図、第２図は第１図の−線に沿う
設置状態の断面図である。 １……シリンダヘツド、４……排気ポート、５
……点火プラグ取付孔、９……形成壁、１０……
排水部、１１……ガスケツト、１３……リブ、１
４……形成壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一側方に傾斜搭載されたエンジンであつて、一
   側方の外方空間に開口する点火プラグ取付孔が設
   けられるとともに、排気ポートが各々独立して突
   設された多気筒エンジンのシリンダヘツドにおい
   て、上記点火プラグ取付孔の開口端よりも下方
   で、点火プラグ取付孔の形成壁に連続して上記一
   側方の外方空間へ延出するとともに気筒列方向に
   直線的に延びて上記一側方の外方空間に突設した
   各排気ポートの形成壁間を連結するリブが設けら
   れたことを特徴とするエンジンのシリンダヘツ
   ド。