JPH0224929Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0224929Y2
JPH0224929Y2 JP19938684U JP19938684U JPH0224929Y2 JP H0224929 Y2 JPH0224929 Y2 JP H0224929Y2 JP 19938684 U JP19938684 U JP 19938684U JP 19938684 U JP19938684 U JP 19938684U JP H0224929 Y2 JPH0224929 Y2 JP H0224929Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
maximum
cylinder
margin
average value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP19938684U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61116148U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP19938684U priority Critical patent/JPH0224929Y2/ja
Publication of JPS61116148U publication Critical patent/JPS61116148U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0224929Y2 publication Critical patent/JPH0224929Y2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はデイーゼル機関の最適シリンダ内最高
圧力設定装置に関し、詳しくは、機関の運転条件
の変化に応じて最適なシリンダ内最高圧力を設定
できるようにした装置に関する。これは、燃料噴
射タイミングを調整することができるようにした
デイーゼル機関などの分野で利用されるものであ
る。
〔従来技術〕
デイーゼル機関では、圧縮比、空気過剰率が一
定の場合、シリンダ内最高圧力が高い程、熱効率
が増加して燃料消費率は向上することが知られて
いる。しかし、使用燃料油の性状、大気温度の変
動に伴つてシリンダ内最高圧力は変化する。この
変化に対応して燃料噴射タイミングを調整し、シ
リンダ内最高圧力を機関の運転上安全な範囲で高
く設定すれば、調整しない場合に比較して燃料消
費量を低減させることができる。
ところで、最近低速2サイクル機関では、運転
中に燃料噴射タイミングを調整して、シリンダ内
最高圧力の設定を変えることができるようになつ
ているものがある。しかし、シリンダ内最高圧力
の調整を機関の運転員が行なおうとすると、機関
性能と多くのデータを検討する必要があり、手間
と時間を要すること、また、経験を必要とするこ
とから、機関の運転状態に応じた最適なシリンダ
内最高圧力の設定が困難となる。
このような観点からデイーゼル機関のシリンダ
内最高圧力を自動的に制御するようにした装置と
して、特開昭59−23041号公報に提案された筒
(以下、シリンダと記す)内最高圧自動制御装置
がある。これは、燃料性状や負荷条件が変わる
と、機関回転数、平均有効圧、圧縮終り時のシリ
ンダ内圧、シリンダ内最高圧が変化することに着
目し、これらを全て逐次検出し、検出した機関回
転数、平均有効圧、圧縮終り時のシリンダ内圧の
それぞれに対して機関の熱効率が最良となるよう
なシリンダ内最高圧の目標値を発生させ、このう
ち機関回転数および平均有効圧に対するシリンダ
内最高圧の目標値を機関室温度に応じて補正した
後、この補正された2つの目標値と圧縮終り時の
シリンダ内圧に対するシリンダ内最高圧の目標値
とのうち最小の目標値とシリンダ内最高圧の検出
値との偏差に応じて燃料噴射開始タイミングを制
御し、これによつてシリンダ内最高圧が最良の熱
効率の状態で対応できるようにしたものである。
このような装置によれば、燃料の性状や機関室
温などの運転条件の変化に応じてシリンダ内最高
圧力を高精度で自動的に適切な値に調整すること
ができるかもしれないが、そのためには、数多く
の種類のデータを検出してそれを演算に供する必
要がある。そして、機関室温を検出しそれに基づ
いて演算値に補正を加え、さらには、その演算が
単一のシリンダごとに行なわれるようになつてい
ることなどから、装置における演算処理が繁雑と
なる問題がある。
〔考案の目的〕
本考案は、上述した問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、デイーゼル機関の運転におい
て、燃料の性状が悪化したり、機関室温度が上昇
するとシリンダ内最高圧力が低下し、さらに、機
関の出力・回転数特性が変化するとシリンダ内最
高圧力も変化する事態において、最適なシリンダ
内最高圧力を設定してそれを実現するように燃料
噴射タイミングを調整し、シリンダ内最高圧力を
運転条件の変化に応じた最適な圧力にして、燃料
消費量の低減を図ることができるデイーゼル機関
の最適シリンダ内最高圧力設定装置を提供するこ
とである。
〔考案の構成〕
本考案のデイーゼル機関の最適シリンダ内最高
圧力設定装置の特徴を第1図を参照して説明する
と、機関回転数の平均値に基づいて、機関の
強度上許容される許容シリンダ内最高圧力
PmaxLを演算する許容最高圧力設定手段31と、
機関回転数の平均値と軸馬力の平均値
とに基づいて、その状態における機関の最適なシ
リンダ内目標最高圧力PmaxOを演算する目標最
高圧力設定手段32と、シリンダ内最高圧力の平
均値とシリンダ内圧縮圧力の平均値との
差△Pmcを演算すると共に、その差△Pmcと予
め設定されている機関部品の強度上の許容値△
PmcLとの大小を判定し、さらにその許容値△
PmcLまでの余裕量△Rpcを演算する差圧余裕量
演算手段33と、燃料噴射ポンプに指示されてい
るPmaxラツク目盛値RPとPmaxラツク設定制限
値RPmaxとから、噴射タイミングの調整余裕量
△RPmaxを演算する噴射タイミング調整余裕量
演算手段34と、許容最高圧力設定手段31で演
算された許容シリンダ内最高圧力PmaxLとシリ
ンダ内最高圧力の平均値との大小を判定す
ると共に、その平均値から許容シリンダ内
最高圧力PmaxLまでの余裕量△RPLを演算する
許容圧力余裕量演算手段35と、目標最高圧力設
定手段32で演算されたシリンダ内目標最高圧力
PmaxOとシリンダ内最高圧力の平均値と
の差が予め設定された領域にあるかを判定すると
共に、その平均値からシリンダ内目標最高
圧力PmaxOまでの余裕量△RPoを演算する目標
圧力余裕量演算手段36と、余裕量△RPoが余裕
量△RPLおよび△RPcより小さいことを確認す
ると共に、余裕量△RPmaxが余裕量△RPLおよ
び△RPcより小さいことを確認し、かつ、余裕量
△RPoと△RPmaxの小さい方を燃料噴射ポンプ
の燃料噴射タイミングの調整量△RPとして選定
する燃料噴射タイミング調整量選定手段37とを
具備したことである。
〔実施例〕
以下に本考案の最適シリンダ内最高圧力設定装
置を含む全制御系統を、その実施例の図面に基づ
いて詳細に説明する。
第2図a,bはその一実施例における系統図
で、大別して、各種のデータを検出するデータ検
出装置1、その検出値の平均値を必要に応じて演
算する平均値演算装置2、各種データに基づいて
運転状態に応じた最適なシリンダ内最高圧力を演
算すると共にそれが可能であるかを判定し、燃料
噴射ポンプ6の燃料噴射タイミングの調整量を選
定する最適シリンダ内最高圧力設定装置3、燃料
噴射タイミングを調整するための噴射タイミング
調整機構駆動装置4、現在の運転状態でのPmax
の値が機関の許容範囲を逸脱していることを警告
するPmax過大警報装置5、燃料噴射ポンプ6、
表示装置7、をその構成としている。
順次詳細に説明すると、データ検出装置1は、
機関の回転数、rpmを検出する機関回転数検出部
11、機関の出力BHPを直接または間接的に検
出する軸馬力計12、シリンダ内圧力を検出する
シリンダ内圧力検出部13、1ストローク中のク
ランク角を検出するクランク角検出部14、燃料
噴射ポンプ6に設けられている燃料噴射の開始タ
イミングを示すラツクに目盛られたPmaxラツク
目盛値RPを検出するPmaxラツク目盛検出部1
5を有する。これらの各検出部11〜15は機関
から検出するそれぞれに適した各種のセンサや検
出装置などが使用される。
前記平均値演算装置2は、サンプリングタイム
例えば1分間において変動する検出対象について
必要とされるもので、機関回転数検出部11で検
出された機関の回転数rpmの平均値を演算する回
転数平均値演算部21、シリンダ内圧力検出部1
3で検出されたシリンダ内最高圧力Pmaxの平均
値を演算する最高圧力平均値演算部22、シリン
ダ内圧力検出部13で検出されたシリンダ内圧力
とクランク角検出部14で検出されたクランク角
を指標にして見出されたシリンダ内圧縮圧力Pc
の平均値を演算する圧縮圧力平均値演算部23を
有している。
なお、上述したデータ検出装置1と平均値演算
装置2は、本考案の最適シリンダ内最高圧力設定
装置3のために是非必要とされるものではなく、
それらによつて入手されたデータが別途存在し、
かつ、それらが磁気テープやキーボードを介して
最適シリンダ内最高圧力設定装置3に入力される
ようになつていてもよい。
前記最適シリンダ内最高圧力設定装置3は、許
容最高圧力設定手段31、目標最高圧力設定手段
32、差圧余裕量演算手段33、噴射タイミング
調整余裕量演算手段34、許容圧力余裕量演算手
段35、目標圧力余裕量演算手段36、燃料噴射
タイミング調整量選定手段37とを具備してい
る。
前記許容圧力設定手段31は、機関回転数に関
連する軸受などの機械的強度の限界を規定するた
め、機関回転数に対する許容シリンダ内最高圧力
PmaxLが第3図aのように予め設定されている。
そして、機関の回転数のrpmの平均値が入力され
ると、許容シリンダ内最高圧力PmaxLが演算さ
れ、それが許容圧力余裕演算手段35に出力され
るようになつている。
前記目標最高圧力設定手段32は、本例では、
機関の力率を演算する機関出力特性判別部32a
と、その力率と軸馬力の平均値とから、機
関の最適なシリンダ内目標最高圧力PmaxOを演
算する目標最高圧力演算部32bとからなつてい
る。機関出力特性判別部32aでは演算された力
率が、設計値からどの程度軽または重方向にずれ
ているかを演算する。例えば、第3図bに示した
rpmととの関係において、演算された力率
が設計値より左の重力率にあると、機関出力の割
には回転数が上がつていない状態であつて、積荷
が重かつたりプロペラや船体に異物が付着したり
海象が悪く、同じBHPを得るためにより多くの
燃料を消費している状態にあることが判る。一
方、力率が右の軽力率にあると、回転数が上り気
味にあるわけであり、例えば積荷が軽かつたりプ
ロペラや船体に付着物がなかつたり、海象が良く
て航行条件がよく、同じBHPをより少ない燃料
消費量で得ている状態であることが判る。したが
つて、その時の力率における機関の最適なシリン
ダ内目標最高圧力PmaxOが第3図cのように、
目標最高圧力演算部32bに設定されていて、演
算された力率に応じたシリンダ内目標最高圧力
PmaxOが、そのときのBHPから求められるよう
になつている。なお、そのシリンダ内目標最高圧
力PmaxOは予め種々の検討により得られるもの
であるが、許容最高圧力設定手段31内に設定さ
れた許容シリンダ内最高圧力PmaxLよりは幾分
小さくなるよう配慮されていることは勿論であ
る。
前記差圧余裕量演算手段33は、シリンダ内最
高圧力の平均値とシリンダ内圧縮圧力の平
均値との差△Pmcを演算する差圧演算部33
aと、その差△Pmcと対比するためにピストン
リングなどの機関部品の強度上の観点から許容さ
れる許容値△PmcLが予め設定されている差圧許
容値設定部33bと、差△Pmcと許容値△PmcL
との大小を判定する許容値内確認部33cと、そ
の許容値△PmcLまでの余裕量△RPcを演算する
差圧余裕量演算部33dとからなつている。
前記噴射タイミング調整余裕量演算手段34
は、燃料噴射ポンプ6に指示されているPmaxラ
ツク目盛値RPと対比するために、燃料噴射ポン
プ6におけるPmaxラツク設定制限値RPmaxが
予め設定されているPmaxラツク設定制限値設定
部34aと、その制限値RPmaxまでの綻調整余
裕量△RPmaxを演算する噴射タイミング調整余
裕量演算部34bとからなつている。
前記許容圧力余裕量演算手段35は、許容最高
圧力設定手段31で演算された許容シリンダ内最
高圧力PmaxLとシリンダ内最高圧力の平均値
Pmaxとの大小を判定する許容値内確認部35a
と、シリンダ内最高圧力の平均値から許容
シリンダ内最高圧力PmaxLまでの余裕量△RPL
を演算する許容圧力余裕量演算部35bとからな
つている。
前記目標圧力余裕量演算手段36は、目標最高
圧力設定手段32で演算されたシリンダ内目標最
高圧力PmaxOとシリンダ内最高圧力の平均値
Pmaxとの差を求めると共に、その圧力差が予め
設定された領域にあるかを判定する圧力範囲確認
部36aと、許容される領域の上下限を設定する
範囲値設定部36bと、シリンダ内最高圧力の平
均値からシリンダ内目標最高圧力PmaxO
までの余裕量△RPoを演算する目標圧力余裕量演
算手段36cとからなつている。
前記燃料噴射タイミング調整量選定手段37
は、前述した余裕量△RPo、△RPmaxと余裕量
△RPLおよび△RPcの大小が判定され、噴射タ
イミングの調整可能範囲にあるかを確認する調整
量確認部37aと、余裕量△RPoと△RPmaxの
小さい方を燃料噴射タイミング調整機構駆動装置
4に出力する燃料噴射タイミング調整量△RPと
して選定する目盛調整指令部37bとからなつて
いる。なお、CRTなどの表示装置7が備えられ
ていれば、それにも目盛調整量△RPの信号を出
力し、その値を画面に表示させるようにしておけ
ばよい。
以上の最適シリンダ内最高圧力設定装置3は、
必要に応じて平均値演算装置2などと一体化さ
れ、1つのマイクロコンピユータなどで構成され
る。
前記噴射タイミング調整機構駆動装置4は、燃
料噴射タイミング調整量選定手段37からの燃料
噴射タイミング調整量△RPの信号を受けて燃料
噴射ポンプ6に設けられたラツクのPmaxラツク
目盛の設定を従前の目盛値から変更するもので、
例えば、ラツクを所望量移動させる機械的な装置
である。なお、このラツクの移動は機械を使用す
ることなく作業員が手作業で行なうこともでき
る。その場合、上述したような表示装置7に表示
された燃料噴射タイミング調整量△RPに従えば
よい。
前記Pmax過大警報装置5は、現在の機関の運
転状態が許容Pmax範囲を逸脱していることを警
告するもので、前述した差圧余裕量演算手段33
の許容内確認部33cにおいて△Pmcが△PmcL
より大きいことが確認されたり、許容圧力余裕量
演算手段35の機関内確認部35aにおいて
PmaxがPmaxLより大きいことが確認されると、
音や光など五感に訴えて警報を発するようになつ
ている。その警告は例えば上述した表示装置7に
も表示させるようにしておくとよい。
このような構成の実施例によれば、次のように
して燃料噴射タイミングを調整指令し、その運転
条件の変化に応じた最適のシリンダ内最高圧力を
実現することができる。
デイーゼル機関が運転されているとき、まず、
データ検出装置1により各種データが検出され、
データの種類によつては所定のサンプリングタイ
ムの間に検出された信号を基に平均値演算装置2
においてその平均値が演算され、それぞれが最適
シリンダ内最高圧力設定装置3に入力される。す
なわち、機関回転数検出部11で検出された回転
数信号は回転数平均値演算部21に入力され、機
関回転数の平均値が演算される。軸馬力計1
2において平均値軸馬力が検出され、同時
にシリンダ内圧力検出部13からの圧力信号を受
けて、最高圧力平均値演算部22でシリンダ内最
高圧力の平均値が演算され、かつ、クラン
ク角検出部14からの信号とから圧縮圧力平均値
演算部23においてシリンダ内圧縮圧力の平均値
Pcが演算される。後者はピストンが上死点に至
つたときの圧縮行程で得られる圧力であり、前者
は噴射された燃料が燃焼した直後の最高圧力であ
る。これらに加えて、燃料噴射ポンプ6のPmax
ラツクに目盛られたPmax目盛値RPが、そのラ
ツクの移動量を機械的に検出するなどしてPmax
ラツク目盛検出部15で検出される。
最適シリンダ内最高圧力設定装置3の許容最高
圧力設定手段31では、機関回転数の平均値
に基づいて、機関の強度上許容される許容シリン
ダ内最高圧力PmaxLが演算される。目標最高圧
力設定手段32では機関出力特性判別部32a
で、機関回転数の平均値と軸馬力の平均値
BHPとから、力率が演算され、その軽重程度が
求められる。そして、目標最高圧力演算部32b
でその力率と軸馬力の平均値とから、第3
図cにおける機関の最適なシリンダ内目標最高圧
力PmaxOが演算される。
差圧余裕量演算手段33では、最高圧力平均値
演算部22で演算されたと圧縮圧力平均値
演算部23で演算されたとの差△Pmcが演算
され、その差△Pmcと予め差圧許容値設定部3
3bに設定されている機関部品の強度上の許容値
△PmcLとの大小が、許容内内確認部33cで判
定され、さらにその許容値△PmcLまでの余裕量
△RPcが差圧余裕量演算部33dで求められる。
なお、余裕量△RPcは両許容値の差をある定数
k1で除した(△PmcL−△Pmc)/k1で求めら
れる。
噴射タイミング調整余裕量演算手段34では、
燃料噴射ポンプ6に指示されているPmaxラツク
目盛値RPが、Pmaxラツク設定制限値設定部3
4aに設定されたPmaxラツク設定制限値
RPmaxからどれ程余裕があるかを示す噴射タイ
ミングの調整余裕量△RPmaxが演算される。
許容圧力余裕量演算手段35では、許容圧力設
定手段31で演算された許容シリンダ内最高圧力
PmaxLと最高圧力平均値演算部22で演算され
たシリンダ内最高圧力の平均値との大小が
判定されると共に、その平均値から許容シ
リンダ内最高圧力PmaxLまでの余裕量△RPL
が、許容圧力余裕量演算部35bで演算される。
なお、余裕量△RPLは両圧力の差をある定数k2
で除した(PmaxL−)/k2で求められる。
さらに、目標圧力余裕量演算手段36では、目
標最高圧力設定手段32で演算されたシリンダ内
目標最高圧力PmaxOとシリンダ内最高圧力の平
均値との差が、予め範囲値設定部36bに
設定された領域にあるかが判定され、その平均値
Pmaxからシリンダ内目標最高圧力PmaxOまで
の余裕量△RPoが、目標圧力余裕量演算部36c
で演算される。なお、余裕量△RPoは両圧力の差
をある定数k3で除した(PmaxO−)/k3
で求められる。ところで、−PmaxOをX
として、Xが正であればシリンダ内最高圧力がシ
リンダ内目標最高圧力を越えていることを意味
し、負であれば越えていないことを意味する。例
えば、第4図aに示すようにがシリンダ内
許容圧力PmaxLよりは低いがPmaxO+bより大
きければ、PmaxOより外れ過ぎているし、第4
図bに示すようにがシリンダ内目標最高圧
力PmaxOよりは低く、さらに、PmaxO−aより
小さければ、PmaxOより外れ過ぎているので、
燃料噴射タイミングを調整してPmaxOに近づけ
る調整が必要となる。一方、第4図cに示すよう
にがPmaxO−aより大きく、PmaxO+b
より小さいときには、PmaxOより外れていると
いえども許容し得る範囲であり、この範囲では燃
料噴射タイミングの変更を止め、頻繁な変更によ
る制御系の安定が害されるのを回避するようにし
ている。
燃料噴射タイミング調整量選定手段37では、
前述した余裕量△RPoが余裕量△RPLおよび△
RPcより小さいこと、および余裕量△RPmaxも
余裕量△RPLおよび△RPcより小さいことが調
整量確認部37aで確認される。そして、目盛調
整指令部37bで余裕量△RPoと△RPmaxの小
さい方が燃料噴射ポンプ6の噴射タイミング目盛
の変更量△RPとして選定される。
なお、許容内確認部35aにおいて、シリンダ
内最高圧力の平均値が許容シリンダ内最高
圧力PmaxLより大きければ、機関が損傷するこ
とになるので、燃料噴射タイミングを調整する必
要がある。この場合、当然にがPmaxO+
bを越えているので、燃料噴射タイミング調整量
選定手段37を介して燃料噴射タイミングが変更
されることになる。そのとき、同時にPmax過大
警報装置5に警告の必要な旨の信号が出力され、
それが音を発したり、表示装置7の画面に表示さ
れたりする。このような警報の出るのは上述の場
合のほかに、差圧余裕量演算手段33の許容内確
認部33cで、△Pmcが△PmcLより大きいとき
にも行なわれる。
燃料噴射タイミング調整量選定手段37の目盛
変更指令部37bから、燃料噴射タイミング調整
機構駆動装置4に噴射タイミング調整量△RPが
出力されると、それによつて燃料噴射ポンプ6の
ラツクに設けられたPmaxラツク目盛が、従前の
値からその調整量△RPだけ変更され、機関のシ
リンダ内最高圧力がシリンダ内目標最高圧力
PmaxOに調整される。なお、このようなラツク
の目盛調整は、前述したように作業員でも行なう
ことができる場合があるので、必らずしも燃料噴
射タイミング調整機構駆動装置4を使用しなけれ
ばならないものではない。
このようにして、機関のシリンダ内最高圧力が
機関の運転条件の変化に応じたPmaxOに調整さ
れると、機関の熱効率が向上し、その結果、燃料
消費率を低減させることができる。上述の実施例
においては、積荷量、プロペラや船体の汚れ具合
や海象によつて機関の力率が変わることを着目
し、機関の運転条件の変化を力率の変化で捉え、
それを基にシリンダ内目標最高圧力PmaxOを演
算するようにしているので、燃料の性状の悪化、
機関室温度の上昇、出力・回転数特性の変化によ
つて変動するシリンダ内最高圧力Pmaxを、燃料
噴射ポンプ6を介して最適値に調整することがで
きる。
〔考案の効果〕
本考案は以上詳細に説明したように、許容シリ
ンダ内最高圧力PmaxLを演算する許容圧力設定
手段、機関の最適なシリンダ内目標最高圧力
PmaxOを演算する目標最高圧力設定手段、シリ
ンダ内最高圧力の平均値とシリンダ内圧縮
圧力の平均値Pcとの差△Pmcとその許容値△
PmcLまでの余裕量△RPcを演算する差圧余裕量
演算手段、噴射タイミングの調整余裕量△
RPmaxを演算する噴射タイミング調整余裕量設
定手段、から許容シリンダ内最高圧力
PmaxLまでの余裕量△RPLを演算する許容最高
圧力余裕量演算手段、からシリンダ内目標
最高圧力PmaxOまでの余裕量△RPoを演算する
目標圧力余裕量演算手段、燃料噴射タイミングの
調整量△RPを選定する燃料噴射タイミング調整
量選定手段とを具備したので、燃料の性状が悪化
したり、機関室温度が上昇するとシリンダ内最高
圧力が低下し、さらに、機関の出力・回転数特性
が変化するとシリンダ内最高圧力も変化する事態
において、最適なシリンダ内最高圧力を設定して
それを実現するように燃料噴射タイミングを調整
し、シリンダ内最高圧力を運転条件の変化に応じ
た最適な値にして、燃料消費量の低減を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案のデイーゼル機関の最適シリン
ダ内最高圧力設定装置の構成図、第2図a,bは
その一実施例における系統図、第3図aは機関回
転数に対するシリンダ内許容圧力の関係を示すグ
ラフ、第3図bは機関出力特性図、第3図cは軸
馬力と力率に対するシリンダ内目標最高圧力の関
係を示すグラフ、第4図a〜cはと
PmaxOおよびPmaxLとの関連を説明する模式図
である。 3……最適シリンダ内最高圧力設定装置、6…
…燃料噴射ポンプ、31……許容最高圧力設定手
段、32……目標最高圧力設定手段、32a……
機関出力特性判別部、32b……目標最高圧力演
算部、33……差圧余裕量演算手段、34……噴
射タイミング調整余裕量演算手段、35……許容
圧力余裕量演算手段、36……目標圧力余裕量演
算手段、37……燃料噴射タイミング調整量選定
手段。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 機関回転数の平均値に基づいて、機関の
    強度上許容される許容シリンダ内最高圧力
    PmaxLを演算する許容最高圧力設定手段、 機関回転数の平均値と軸馬力の平均値
    BHPとに基づいて、その状態における機関の
    最適なシリンダ内目標最高圧力PmaxOを演算
    する目標最高圧力設定手段、 シリンダ内最高圧力の平均値とシリン
    ダ内圧縮圧力の平均値との差△Pmcを演算
    すると共に、その差△Pmcと予め設定されて
    いる機関部品の強度上の許容値△PmcLとの大
    小を判定し、さらにその許容値△PmcLまでの
    余裕量△Rpcを演算する差圧余裕量演算手段、 燃料噴射ポンプに指示されているPmaxラツ
    ク目盛値RPとPmaxラツク設定制限値RPmax
    とから、噴射タイミングの調整余裕量△
    RPmaxを演算する噴射タイミング調整余裕量
    演算手段、 前記許容最高圧力設定手段で演算された許容
    シリンダ内最高圧力PmaxLとシリンダ内最高
    圧力の平均値との大小を判定すると共
    に、その平均値から許容シリンダ内最高
    圧力PmaxLまでの余裕量△RPLを演算する許
    容圧力余裕量演算手段、 前記目標最高圧力設定手段で演算されたシリ
    ンダ内目標最高圧力PmaxOとシリンダ内最高
    圧力の平均値との差が予め設定された領
    域にあるかを判定すると共に、その平均値
    Pmaxからシリンダ内目標最高圧力PmaxOま
    での余裕量△RPoを演算する目標圧力余裕量演
    算手段、 前記余裕量△RPoが余裕量△RPLおよび△
    RPcより小さいことを確認すると共に、前記余
    裕量△RPmaxが余裕量△RPLおよび△RPcよ
    り小さいことを確認し、かつ、余裕量△RPoと
    △RPmaxの小さい方を燃料噴射ポンプの燃料
    噴射タイミングの調整量△RPとして選定する
    燃料噴射タイミング調整量選定手段、 とを具備したことを特徴とするデイーゼル機関
    の最適シリンダ内最高圧力設定装置。 (2) 前記目標最高圧力設定手段は、 機関回転数の平均値と軸馬力の平均値
    BHPとから、機関力率を演算する機関出力特
    性判別部、 その力率と軸馬力の平均値とから、機
    関の最適なシリンダ内目標最高圧力PmaxOを
    演算する目標最高圧力演算部、 とを有することを特徴とする実用新案登録請求
    の範囲第1項記載のデイーゼル機関の最適シリ
    ンダ内最高圧力設定装置。
JP19938684U 1984-12-29 1984-12-29 Expired JPH0224929Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19938684U JPH0224929Y2 (ja) 1984-12-29 1984-12-29

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19938684U JPH0224929Y2 (ja) 1984-12-29 1984-12-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61116148U JPS61116148U (ja) 1986-07-22
JPH0224929Y2 true JPH0224929Y2 (ja) 1990-07-09

Family

ID=30759261

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19938684U Expired JPH0224929Y2 (ja) 1984-12-29 1984-12-29

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0224929Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT515499B1 (de) * 2014-02-20 2016-01-15 Ge Jenbacher Gmbh & Co Og Verfahren zum Betreiben einer Brennkraftmaschine

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61116148U (ja) 1986-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5113821A (en) Vehicle speed governor
US4577718A (en) Apparatus for controlling the speed of a vehicle with internal combustion engine
EP0206091B1 (en) Method for control of idle rotations of internal combustion engines
US5263453A (en) Apparatus for detecting misfire in internal combustion engines for vehicles
US5461289A (en) Drive system for a motor vehicle
EP0358167B1 (en) Torque control system for engine performance test machine for internal combustion engines
KR900000220B1 (ko) 내연기관용 아이들 운전제어장치
JP3381179B2 (ja) 車両状態検出装置及び検出方法
EP2348214A1 (en) Electronically controlled diesel engine
US5365904A (en) Redundant speed sensor for engine control
KR102087680B1 (ko) 자동 진동 해석 및 검출을 이용하는 선박 진동 계측 및 보상을 위한 장치 및 방법
JPH0224929Y2 (ja)
JP2832031B2 (ja) 内燃機関のピストン保護装置
US4212278A (en) Safety device for diesel engines
JP3801503B2 (ja) 作業機の油圧駆動装置及び方法
RU2031388C1 (ru) Устройство для определения запасов устойчивости лопаток вентилятора
JPH03253787A (ja) 油圧ポンプの出力電子制御装置
JPH0523807Y2 (ja)
JPH01138346A (ja) エンジンの制御装置
KR100448720B1 (ko) 이시 익사이터 컨트롤러
SU1455023A1 (ru) Регул тор частоты вращени теплового двигател
JPS59120732A (ja) デイ−ゼルエンジンの電子制御式ガバナ
JPH0318677Y2 (ja)
JPH04237845A (ja) ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置
SU987442A1 (ru) Способ определени мощности дизельного двигател