JPH0224894B2 - - Google Patents
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- JPH0224894B2 JPH0224894B2 JP10451786A JP10451786A JPH0224894B2 JP H0224894 B2 JPH0224894 B2 JP H0224894B2 JP 10451786 A JP10451786 A JP 10451786A JP 10451786 A JP10451786 A JP 10451786A JP H0224894 B2 JPH0224894 B2 JP H0224894B2
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- steel wire
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Metal Rolling (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は直接軟化処理鋼線材の製造方法に係
り、特に鋼線材の鍛造、引抜き、切断、切削等の
塑性加工または機械加工前の軟化処理を省略また
は簡略できる直接熱処理方法に関し、鋼線材の製
造の分野で利用される。 〔従来の技術〕 通常、熱間加工された冷間鍛造用炭素鋼、機械
構造用炭素鋼あるいは合金鋼、軸受鋼、ばね鋼、
工具鋼等の線材は2次および3次加工工程におい
て、伸線、引抜き、切断、鍛造、切削などを経
て、自動車、産業機械用部品に加工される。熱間
圧延された上記の鋼線材はフエライト・パーライ
ト相、ベイナイト相あるいは一部マルテンサイト
相を有する組織であり、強度が高く延性が低いた
め軟化焼純として焼きなましあるいは球状化処理
をして使用される。 この軟化処理は長時間を要し、多大の熱エネル
ギーを消費しコスト低減のネツクとなるばかり
か、熱処理中に脱炭やスケール生成もあり、表面
品質の劣化あるいは酸洗を必要とする等多くの問
題がある。 このような問題を解決するため、種々の熱間圧
延による直接熱処理方法が開示されている。すな
わち、特公昭59−31573は熱間圧延後700〜850℃
まで急冷し、その後700〜775℃まで保持または5
℃/sec以下の速度で冷却し再結晶を完了させ、
パーライトラメラーの粗大化等を行うために600
〜675℃まで0.025〜0.25℃/secの速度で冷却する
方法、あるいは熱間圧延直後の温度を900℃以下
となるよう制御し、前記冷却条件で冷却する方法
が開示されている。この方法は熱間圧延によつて
導入された歪を利用しないばかりか、単に粗大パ
ーライトラメラーの組織を得るだけであり、球状
化されて使用されるものの、苛酷な冷間加工に耐
えることはできず、得られる強度・延性に限界が
あり、単に軽度の冷間加工に耐える材料が得られ
るだけである。 また、特開昭58−27926においては(A1変態点
−30℃)以上(A3変態点−20℃)以下の範囲で
累積圧下率で20%以上の圧下を加え、次いで加工
温度より640℃までを2.0℃/sec以下の冷却速度
で冷却する球状化組織を有する線材の製造方法が
開示されている。しかし、この方法は50〜
120m/secの速度で圧延される現在の線材圧延機
においては、加工温度の上昇が大きく、(A1変態
点−30℃)以上(A3変態点−20℃)以下の範囲
内で鋼線材温度を制御することは不可能であり、
この方法は低速圧延に適するものであつて高速圧
延では使用できない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決
し、多段の圧延機群による高速連続圧延おいて圧
延中および圧延後の望ましい組織を得るべく、圧
延温度、冷却速度を制御する直接軟化処理鋼線材
の製造方法を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段および作用〕 本発明の要旨とするところは次の如くである。
すなわち、粗圧延、中間圧延およびブロツクミル
による仕上圧延から成る直接軟化処理鋼線材の製
造方法において、前記粗圧延後700〜850℃の温度
で20〜80%の圧下率によつて前記中間圧延を行う
段階と、前記中間圧延後圧延仕上温度が700〜850
℃の温度域の前記1次仕上圧延を行う段階と、前
記1次仕上圧延後20〜60%の圧下率で圧延仕上温
度が650〜750℃の温度域の前記2次仕上圧延を行
う段階と、前記2次仕上圧延後2℃/sec以下の
冷却速度で徐冷する段階と、を有して成ることを
特徴とする直接軟化処理鋼線材の製造方法であ
る。 鋼線材圧延は粗圧延機から中間圧延機までの前
段圧延機群と仕上圧延機が連続して条材等を圧延
することにより、高生産性をあげ条材温度を一定
に確保して材質および寸法を制御している。従つ
て前段圧延機と仕上圧延機間の距離は100m以下
の短距離に制限されている。 本発明者らは、上記の設備条件下において直接
軟化処理鋼線材の製造を試みたが十分な低温での
圧延が不可能であつた。すなわち、仕上圧延機の
圧下量は通常減面率40〜90%の圧下を加える必要
があり、仕上圧延機入側の温度を700〜800℃にし
てもその後の冷却調整のみでは加工性の良好な微
細な組織を得ることは容易ではない。 本発明者らは、従来の仕上圧延機の役割と付加
的に設ける2次仕上圧延機の役割を研究した結
果、従来の仕上圧延機をオーステナイト結晶粒径
の微細化およびオーステナイト相からフエライ
ト・パ−ライト相への変態を促進する加工歪導入
用に利用し、その組織を2次の仕上圧延機で更に
圧延することにより、引続く冷却過程で加工性が
優れた組織を得ることが可能なことを見い出し
た。 すなわち、700〜850℃の中間圧延および700〜
850℃の仕上圧延によりオーステナイト粒径の微
細化およびフエライト・パ−ライト相への変態を
促進し、更に2次の仕上圧延で20〜60%の圧下を
加え650〜750℃で仕上げ、2次仕上圧延後2℃/
sec以下の冷却速度で徐冷することにてフエライ
ト・パ−ライト組織への変態を促進する。また、
微細な組織が得られるので炭化物析出サイトが増
大し冷却中に球状化が進行または完了する。 次に本発明における条件の限定理由について説
明する。 中間圧延はオーステナイト結晶粒の微細化を図
るもので、圧下率が20%未満では仕上圧延前のオ
ーステナイト結晶粒の細粒化が不十分であり、80
%を越すと中間圧延仕上温度が850℃を越え、温
度上昇によりオーステナイト結晶粒が粗大化する
ので中間圧延の圧下率を20〜80%に限定した。 次に中間圧延の圧延温度が700℃未満では圧延
機の過大な能力が必要となり、高速圧延では加工
熱の発生を冷却するため大きな冷却設備を必要と
するので現実的ではなく下限を700℃とした。ま
た、850℃を越すとオーステナイト結晶粒が粗大
化し、引続く仕上圧延の効果を減じるので上限を
850℃とした。 次に従来の1次仕上圧延の仕上温度が700℃未
満では圧延機の過大な能力を必要とし、圧延速度
を低下せざるを得ないので下限を700℃とした。
また、850℃を越えると、1次仕上圧延の役割で
あるオーステナイト粒径の微細化更にはオーステ
ナイト相からフエライト・パ−ライト相への変態
促進ができないばかりか、引続く冷却過程で急激
な冷却による材料内外の温度不均一を生ずるので
上限を850℃とした。また、1次仕上圧延におけ
る圧下率を限定しなかつたのは、この1次仕上圧
延は引続く2次仕上圧延前の組織を調整する作用
を有しており、かつ高速連続圧延では圧下率は圧
延温度に強く依存し、圧下率はあまり重要ではな
いためである。 引続く2次仕上圧延においては、圧下率が20%
に達しないとオーステナイト相からの変態促進お
よび変態組織の微細化が不十分であり、また、60
%を越えると仕上温度が750℃を越え導入された
加工歪の解放が早く、オーステナイト相のフエラ
イト・パ−ライト相への変態が促進されないので
圧下率は20〜60%に限定した。 また、2次仕上圧延の仕上温度が650℃未満で
あれば、圧延機の能力を過大にする必要があり、
また圧延後の冷却中の炭化物の凝集が不十分であ
るので下限を650℃とした。また、750℃を越える
と上記の如く加工歪の解放が早く、オーステナイ
ト相のフエライト・パ−ライト相への変態が促進
されないので上限を750℃とした。 次に、圧延後の冷却においては、オーステナイ
ト相からのフエライト・パ−ライト相への変態を
微細化し、炭化物析出サイトの増大、析出促進を
図り、加工されたフエライト・パ−ライト相を球
状化するには、冷却速度を2℃/sec以下とする
必要がある。一方、恒温保持によつても同じ効果
が得られるので、冷却速度の下限は設けなかつ
た。 本発明は、上記の如き限定条件の中間圧延、1
次仕上圧延および2次仕上圧延を行い、引続いて
徐冷することにより、直接軟化された鋼線材を熱
間圧延熱を利用して製造することが可能になつ
た。 〔実施例〕 第1表に成分を示した2種の供試材を転炉で出
鋼後、脱ガス、連続鋳造を経て鋼片とし、この鋼
片を950〜1050℃に加熱し、粗圧延後、第2表に
示す各種の条件で中間圧延、1次仕上圧延、2次
仕上圧延および冷却を行い14mm径の線材とした。
り、特に鋼線材の鍛造、引抜き、切断、切削等の
塑性加工または機械加工前の軟化処理を省略また
は簡略できる直接熱処理方法に関し、鋼線材の製
造の分野で利用される。 〔従来の技術〕 通常、熱間加工された冷間鍛造用炭素鋼、機械
構造用炭素鋼あるいは合金鋼、軸受鋼、ばね鋼、
工具鋼等の線材は2次および3次加工工程におい
て、伸線、引抜き、切断、鍛造、切削などを経
て、自動車、産業機械用部品に加工される。熱間
圧延された上記の鋼線材はフエライト・パーライ
ト相、ベイナイト相あるいは一部マルテンサイト
相を有する組織であり、強度が高く延性が低いた
め軟化焼純として焼きなましあるいは球状化処理
をして使用される。 この軟化処理は長時間を要し、多大の熱エネル
ギーを消費しコスト低減のネツクとなるばかり
か、熱処理中に脱炭やスケール生成もあり、表面
品質の劣化あるいは酸洗を必要とする等多くの問
題がある。 このような問題を解決するため、種々の熱間圧
延による直接熱処理方法が開示されている。すな
わち、特公昭59−31573は熱間圧延後700〜850℃
まで急冷し、その後700〜775℃まで保持または5
℃/sec以下の速度で冷却し再結晶を完了させ、
パーライトラメラーの粗大化等を行うために600
〜675℃まで0.025〜0.25℃/secの速度で冷却する
方法、あるいは熱間圧延直後の温度を900℃以下
となるよう制御し、前記冷却条件で冷却する方法
が開示されている。この方法は熱間圧延によつて
導入された歪を利用しないばかりか、単に粗大パ
ーライトラメラーの組織を得るだけであり、球状
化されて使用されるものの、苛酷な冷間加工に耐
えることはできず、得られる強度・延性に限界が
あり、単に軽度の冷間加工に耐える材料が得られ
るだけである。 また、特開昭58−27926においては(A1変態点
−30℃)以上(A3変態点−20℃)以下の範囲で
累積圧下率で20%以上の圧下を加え、次いで加工
温度より640℃までを2.0℃/sec以下の冷却速度
で冷却する球状化組織を有する線材の製造方法が
開示されている。しかし、この方法は50〜
120m/secの速度で圧延される現在の線材圧延機
においては、加工温度の上昇が大きく、(A1変態
点−30℃)以上(A3変態点−20℃)以下の範囲
内で鋼線材温度を制御することは不可能であり、
この方法は低速圧延に適するものであつて高速圧
延では使用できない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決
し、多段の圧延機群による高速連続圧延おいて圧
延中および圧延後の望ましい組織を得るべく、圧
延温度、冷却速度を制御する直接軟化処理鋼線材
の製造方法を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段および作用〕 本発明の要旨とするところは次の如くである。
すなわち、粗圧延、中間圧延およびブロツクミル
による仕上圧延から成る直接軟化処理鋼線材の製
造方法において、前記粗圧延後700〜850℃の温度
で20〜80%の圧下率によつて前記中間圧延を行う
段階と、前記中間圧延後圧延仕上温度が700〜850
℃の温度域の前記1次仕上圧延を行う段階と、前
記1次仕上圧延後20〜60%の圧下率で圧延仕上温
度が650〜750℃の温度域の前記2次仕上圧延を行
う段階と、前記2次仕上圧延後2℃/sec以下の
冷却速度で徐冷する段階と、を有して成ることを
特徴とする直接軟化処理鋼線材の製造方法であ
る。 鋼線材圧延は粗圧延機から中間圧延機までの前
段圧延機群と仕上圧延機が連続して条材等を圧延
することにより、高生産性をあげ条材温度を一定
に確保して材質および寸法を制御している。従つ
て前段圧延機と仕上圧延機間の距離は100m以下
の短距離に制限されている。 本発明者らは、上記の設備条件下において直接
軟化処理鋼線材の製造を試みたが十分な低温での
圧延が不可能であつた。すなわち、仕上圧延機の
圧下量は通常減面率40〜90%の圧下を加える必要
があり、仕上圧延機入側の温度を700〜800℃にし
てもその後の冷却調整のみでは加工性の良好な微
細な組織を得ることは容易ではない。 本発明者らは、従来の仕上圧延機の役割と付加
的に設ける2次仕上圧延機の役割を研究した結
果、従来の仕上圧延機をオーステナイト結晶粒径
の微細化およびオーステナイト相からフエライ
ト・パ−ライト相への変態を促進する加工歪導入
用に利用し、その組織を2次の仕上圧延機で更に
圧延することにより、引続く冷却過程で加工性が
優れた組織を得ることが可能なことを見い出し
た。 すなわち、700〜850℃の中間圧延および700〜
850℃の仕上圧延によりオーステナイト粒径の微
細化およびフエライト・パ−ライト相への変態を
促進し、更に2次の仕上圧延で20〜60%の圧下を
加え650〜750℃で仕上げ、2次仕上圧延後2℃/
sec以下の冷却速度で徐冷することにてフエライ
ト・パ−ライト組織への変態を促進する。また、
微細な組織が得られるので炭化物析出サイトが増
大し冷却中に球状化が進行または完了する。 次に本発明における条件の限定理由について説
明する。 中間圧延はオーステナイト結晶粒の微細化を図
るもので、圧下率が20%未満では仕上圧延前のオ
ーステナイト結晶粒の細粒化が不十分であり、80
%を越すと中間圧延仕上温度が850℃を越え、温
度上昇によりオーステナイト結晶粒が粗大化する
ので中間圧延の圧下率を20〜80%に限定した。 次に中間圧延の圧延温度が700℃未満では圧延
機の過大な能力が必要となり、高速圧延では加工
熱の発生を冷却するため大きな冷却設備を必要と
するので現実的ではなく下限を700℃とした。ま
た、850℃を越すとオーステナイト結晶粒が粗大
化し、引続く仕上圧延の効果を減じるので上限を
850℃とした。 次に従来の1次仕上圧延の仕上温度が700℃未
満では圧延機の過大な能力を必要とし、圧延速度
を低下せざるを得ないので下限を700℃とした。
また、850℃を越えると、1次仕上圧延の役割で
あるオーステナイト粒径の微細化更にはオーステ
ナイト相からフエライト・パ−ライト相への変態
促進ができないばかりか、引続く冷却過程で急激
な冷却による材料内外の温度不均一を生ずるので
上限を850℃とした。また、1次仕上圧延におけ
る圧下率を限定しなかつたのは、この1次仕上圧
延は引続く2次仕上圧延前の組織を調整する作用
を有しており、かつ高速連続圧延では圧下率は圧
延温度に強く依存し、圧下率はあまり重要ではな
いためである。 引続く2次仕上圧延においては、圧下率が20%
に達しないとオーステナイト相からの変態促進お
よび変態組織の微細化が不十分であり、また、60
%を越えると仕上温度が750℃を越え導入された
加工歪の解放が早く、オーステナイト相のフエラ
イト・パ−ライト相への変態が促進されないので
圧下率は20〜60%に限定した。 また、2次仕上圧延の仕上温度が650℃未満で
あれば、圧延機の能力を過大にする必要があり、
また圧延後の冷却中の炭化物の凝集が不十分であ
るので下限を650℃とした。また、750℃を越える
と上記の如く加工歪の解放が早く、オーステナイ
ト相のフエライト・パ−ライト相への変態が促進
されないので上限を750℃とした。 次に、圧延後の冷却においては、オーステナイ
ト相からのフエライト・パ−ライト相への変態を
微細化し、炭化物析出サイトの増大、析出促進を
図り、加工されたフエライト・パ−ライト相を球
状化するには、冷却速度を2℃/sec以下とする
必要がある。一方、恒温保持によつても同じ効果
が得られるので、冷却速度の下限は設けなかつ
た。 本発明は、上記の如き限定条件の中間圧延、1
次仕上圧延および2次仕上圧延を行い、引続いて
徐冷することにより、直接軟化された鋼線材を熱
間圧延熱を利用して製造することが可能になつ
た。 〔実施例〕 第1表に成分を示した2種の供試材を転炉で出
鋼後、脱ガス、連続鋳造を経て鋼片とし、この鋼
片を950〜1050℃に加熱し、粗圧延後、第2表に
示す各種の条件で中間圧延、1次仕上圧延、2次
仕上圧延および冷却を行い14mm径の線材とした。
【表】
これらの14mm径の圧延材の引張強さT.S、絞り
R.A.および組織を調査し、同じく第2表に示し
た。なお、2次仕上圧延の入り側組織は、供試材
を2次仕上圧延前に焼入(急冷)したものであ
り、組織の略号はγ:オーステナイト相、F:フ
エライト相、P:パーライト相、SP:球状炭化
物である。 第2表から、本発明実施例は球状化が進み、強
度は十分に低下し延性が高いことが明らかであ
る。これに対し、比較例は組織、強度および延性
共に劣つている。
R.A.および組織を調査し、同じく第2表に示し
た。なお、2次仕上圧延の入り側組織は、供試材
を2次仕上圧延前に焼入(急冷)したものであ
り、組織の略号はγ:オーステナイト相、F:フ
エライト相、P:パーライト相、SP:球状炭化
物である。 第2表から、本発明実施例は球状化が進み、強
度は十分に低下し延性が高いことが明らかであ
る。これに対し、比較例は組織、強度および延性
共に劣つている。
本発明は上記実施例からも明らかな如く、中間
圧延で700〜850℃の温度域において20〜80%の圧
下を加え、オーステナイト結晶粒の細粒化を図
り、次いで仕上温度が700〜850℃の1次仕上圧延
を行つてオーステナイト粒の微細化およびオース
テナイト相からフエライト・パ−ライト相への変
態を促進して、引続き20〜60%の圧下率で650〜
750℃の2次仕上圧延を行い、直ちに2℃/sec以
下の冷却速度で徐冷することにより、熱間圧延熱
を利用して鋼線材の直接軟化処理を可能とし、機
械部品加工業界の省エネルギーに大きく寄与する
効果があげることができた。
圧延で700〜850℃の温度域において20〜80%の圧
下を加え、オーステナイト結晶粒の細粒化を図
り、次いで仕上温度が700〜850℃の1次仕上圧延
を行つてオーステナイト粒の微細化およびオース
テナイト相からフエライト・パ−ライト相への変
態を促進して、引続き20〜60%の圧下率で650〜
750℃の2次仕上圧延を行い、直ちに2℃/sec以
下の冷却速度で徐冷することにより、熱間圧延熱
を利用して鋼線材の直接軟化処理を可能とし、機
械部品加工業界の省エネルギーに大きく寄与する
効果があげることができた。
Claims (1)
- 1 粗圧延、中間圧延およびブロツクミルによる
仕上圧延から成る直接軟化処理鋼線材の製造方法
において、前記粗圧延後700〜850℃の温度域で20
〜80%の圧下率によつて前記中間圧延を行う段階
と、前記中間圧延後圧延仕上温度が700〜850℃の
温度域の前記1次仕上圧延を行う段階と、前記1
次仕上圧延後20〜60%の圧下率で圧延仕上温度が
650〜750℃の温度域の前記2次仕上圧延を行う段
階と、前記2次仕上圧延後2℃/sec以下の冷却
速度で徐冷する段階と、を有して成ることを特徴
とする直接軟化処理鋼線材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10451786A JPS62263923A (ja) | 1986-05-07 | 1986-05-07 | 直接軟化処理鋼線材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10451786A JPS62263923A (ja) | 1986-05-07 | 1986-05-07 | 直接軟化処理鋼線材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62263923A JPS62263923A (ja) | 1987-11-16 |
JPH0224894B2 true JPH0224894B2 (ja) | 1990-05-31 |
Family
ID=14382685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10451786A Granted JPS62263923A (ja) | 1986-05-07 | 1986-05-07 | 直接軟化処理鋼線材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62263923A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2804278B2 (ja) * | 1989-01-13 | 1998-09-24 | 川崎製鉄株式会社 | 直接軟化線棒材の製造方法 |
-
1986
- 1986-05-07 JP JP10451786A patent/JPS62263923A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62263923A (ja) | 1987-11-16 |
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