JPH0224863Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は各種の建具及び家具に使用して円滑
に摺動できるようにした戸車と軌条よりなるウイ
ング走行装置に関するものである。

一般にこの種の車輪は、戸車の軌条面に転動接
触する車輪は、外周が平型、丸型又は凹型等に形
成されたものが使用されている。然し、これ等の
戸車の車輪は、軌条を摺動する時に前後に移動す
るため、車輪自体を強固な構造とするために車輪
を一体的に成型したものを使用するのが一般的で
ある。この場合、戸車の内部回転部材の組立が大
変に面倒であると共に、成型金型等が複雑となる
等の欠点がある。

この考案は上述の様な従来の欠点を改良した簡
単な構造より構成する戸車と軌条よりなるウイン
グ走行装置で、その主たる構成とする所は、車輪
は相対向する輪体の接合で構成する。そして、そ
の輪体の外周縁に外側に向つて傾斜した傾斜接合
辺を各々形成する。この輪体の内面側には金属環
体を嵌装する凹円溝を各形成する。また、この金
属環体の内部には、所要間隔を設けた数個の保持
片の間にローラーを回動自在に収納したローラー
保持環を嵌合してある。また、軌条枠に嵌着する
軌条は長手方向の表面に該車輪と適合する凹溝を
形成したものである。

従つて、この考案によると、戸車の組立及び内
部転動部材の挿入が容易である効果と、車輪を構
成する相対向する輪体の金型が一個でよく大変に
経済的で安価となる効果等がある。

次に、この考案の実施例を図面について詳述す
ると、１の戸車は、各種の側枠１０に車輪３を車
軸１１を以つて軸着されている。その戸車１に使
用する該車輪３は、その構成材料を合成樹脂又は
合成ゴム等を以つて成型された相対向する軸体
４，４より構成されている。前記輪体４，４の外
周縁には、外側に向つて傾斜した傾斜接合辺５，
５を各々形成する。また、この輪体４，４の内面
側には、金属環体６を嵌装する凹円溝１５，１５
を相対して形成すると共に、中心部に貫通孔１
４，１４を各々穿設した構造となつている。

また、該輪体４の一方には内面側に所要間隔を
設けて数個の係合突起１２，１２……を突設する
と共に、他方の輪体４には該係合突起１２，１２
が嵌合する係合凹部１３，１３を各形成めしめて
ある。

次に、該戸車１を転動せしめる軌条２は、アル
ミニウム等の軽金属より断面を略方形状に形成す
ると共に、その長手方向の表面に該車輪３が適合
する凹溝９を形成せしめてある。

また、前記金属環体６の内部で車軸１１を貫通
する回転部分には、合成樹脂製よりなるローラー
保持環７を収納する。このローラー保持環７に
は、所定間隔を設けて数個の保持突片１６，１６
……を数個突設し、その保持突片１６，１６の間
にローラー８，８……を回動自在に嵌装せしめて
ある。符号１７は、前記軌条２を埋め込み設置す
る軌条用の下枠を示したものである。

この考案は上記の如き構成からなり、今この戸
車を組立製作するには、一方の輪体４の凹円溝１
５に金属環体６を嵌合し、その金属環体６の内部
に予めローラー８，８を収納したローラー保持環
７を嵌めるか、またはローラー保持環７の嵌めた
後からローラー８，８を収納するものである。そ
の後に他方の輪体４の凹円溝１５を金属環体６に
嵌着する。この時、各輪体４，４に各々形成した
係合突起１２，１２を係合凹部１３，１３とを嵌
め合せるものである。。そして、製作されたＶ型
車輪３は側枠１０に車軸１１を以つて軸着される
ものである。また、軌条２は下框等の軌条用の下
枠１７に埋め込みされた状態で装着使用されるも
のである。

以上の如くこの考案によると、軌条上を戸車が
安定して円滑に転動し、車輪の組立が簡単で強固
に製作できる効果と、車輪と適合する凹溝軌条に
よつて両者はガタ付く事なく確実に建付けされる
効果がある。そして、合成樹脂製よりなる相対向
する各輪体は、その外周縁に設けた外側に傾斜し
た傾斜接合辺によつて、容易に車輪が構成でき大
変に便利であると共に、一個の金型により成型に
よつて車輪が製作できると云う経済的な効果と、
凹溝の軌条に対して常時車輪の傾斜接合辺が圧接
するため接合した各輪体は各々押圧状著態となつ
て絶対に分離する等の憂れいがない効果がある。
また、輪体の内面側に設けた凹円溝は、金属環体
を安定確実に嵌着せしめると共に、内部のローラ
ー保持環をも安定保持する効果がある。該金属環
体の内部に位置する数個の保持突片の間にローラ
ーを回動自在に収納したローラー保持環によつ
て、ローラーは一定間隔を確実に保持して回転
し、且つ、ローラー保持体に力が平均して係り、
非常に安定強固となり、ローラーが容易に摩滅し
たり、緩んだりしてガタ付く等の憂いがなく、且
つ、常時ローラーを定位置に保持すると云う優れ
た効果がある。更に、長手方向の表面に凹溝を形
成した軌条によつて、車輪との嵌合が簡単確実で
安定よく、且つ、前後の移動が解決され、水平円
滑に作動すると云う優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は戸車と軌条との使用状態の正面図、第
２図は第１図Ａ−Ａ線の縦断側面図、第３図は車
輪の分解側面図、第４図は同じく分解斜面図であ
る。 符号１は戸車、２は軌条、３は車輪、４は輪
体、５は傾斜接合辺、６は金属環体、７はローラ
ー保持環、９は凹溝、１２は係合突起、１３は係
合凹部、１５は凹円溝、１６は保持突片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 戸車の車輪と戸車の軌条よりなるウイング走行
   装置に於いて、戸車の側枠に軸着する車輪は、相
   対向する輪体を接合して構成すると共に、その輪
   体の外周縁には外側に向つて傾斜した傾斜接合辺
   を各々形成し、該輪体の内面側には金属環体が嵌
   装する凹円溝を設けると共に、一方には所定間隔
   を設けて数個の係合突起を各形成し、且つ他方の
   輪体には該突合突起が嵌合する係合凹部を形成
   し、該金属環体の内部には、所定間隔を設けた数
   個の保持突片の間にローラーを回動自在に収納し
   たローラー保持環を嵌合し、且つ軌条枠等に嵌着
   する前記軌条は断面が略方形状より形成されると
   共に、その長手方向の表面に該車輪と適合する凹
   溝を形成したことを特徴とする戸車と軌条よりな
   るウイング走行装置。