JPH0224614Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野： 本考案は合成樹脂フイルム等で袋若しくは筒状
に形成した手挿入保持部を有し、その片面に柔軟
性を備えた拭払シートを付し、このシートには適
度な加圧力もしくは擦過力を付加することにより
艷出し剤が滲出して拭きと磨きとの両操作が合理
的に行えるポリツシヤーに関するものである。

従来技術： 筒状または袋状にして内部に手を挿入できるよ
うにしたものの片面に不織布のようなシートを貼
付して、このシートによつて靴や家具などを払拭
することができるハンドポリツシヤーを先願考案
（実願昭58−99636号など）によつて得たのである
が、この払拭用のシートにつや出し効果を有する
化学剤などを付着させたものでは製作後長い期間
保存しておくと、その期間中に付着した化学剤の
溶剤成分が揮散して使用に際し充分に目的を達成
し難くなる等の欠点が判明した。そこでこの溶剤
成分が製作後から使用時までの揮散することなく
保存できるようにするには、頑丈な気密性を有す
る包装袋に収容包装しておかねばならないことに
なつて包装費が嵩み高価となり、携帯用として、
或いはちよつとした軽便用のポリツシヤーとして
は経済的な点で実用性に欠けるものとなり不都合
であつた。

考案の目的： 本考案は斯かる従来品の問題点を解決して、密
封包装することなく使用時に外力を加えるまでは
安定した状態でつや出し剤を付着させておき、低
廉で簡便に使用できるようにしたハンドポリツシ
ヤーを目的とする。

考案の構成： 斯かる目的を達成するために、本考案にては、
合成樹脂フイルム等で袋状又は筒状に形成した本
体の一側面に柔軟な材料にてなるシートを付着
し、該柔軟なシートの外表面には所要の範囲にシ
リコーン油の如きつや出し液剤のマイクロカプセ
ルを塗着した磨き剤層を形成したものである。

実施例： 以下本考案ポリツシヤーを実施例について図面
により詳述すれば、第１図に示すものはポリツシ
ヤー本体が袋状に形成した場合のものであつて、
この本体１は合成樹脂製フイルムで内部に手が挿
入し得る袋状に形成したものであり、その片面に
感圧性接着剤層２を塗布し、この接着剤層２によ
つて不織布のような柔軟性を有する払拭磨きシー
ト３を付着してある。そしてこの磨きシート３の
表面にはシリコーンオイルを封入したマイクロカ
プセル（公知の方法によつてゼラチン膜によつて
形成されたカプセル内にシリコーンオイルを封入
したもの）を溶剤に分散したインキを中央部に所
要の模様４に印刷し、この印刷によつてシート面
に磨き剤層４′を塗着形成したものである。

なおこの磨き剤層４′の塗着に際し着色インキ
にしたものを用いることで宣伝広告文、図柄など
を印刷表示するようにし、また本体１の表面には
使用説明や広告文などを印刷しておけば効果的で
ある。

このように構成したことにより、磨き剤層４′
は製品の状態で使用に供するまでは、つや出し剤
（シリコーンオイル等）がマイクロカプセルに封
入された状態で磨きシート３面に塗着されている
ので、そのまま保持されて何等支障なく、家具や
カバン類、靴などの表面を払拭し、磨くときに
は、袋本体１内に手を挿入して磨きシート３の表
面を軽くなでつけることで塵などをはらい、強く
なでつければ磨き剤層４′を形成するマイクロカ
プセルが破れて内部からつや出し剤が流れ出して
目的物の表面を磨き上げることができるのであ
り、この際該つや出し剤はシート３表面に拡散し
て少量のものであつてもシート全面を用いて磨き
上げることができる。

このように外力を加えない限りつや出し剤はマ
イクロカプセルに封入して磨きシート表面に塗着
されているので、特別な包装を施さなくとも通常
の保管方法でいつでも使用に供し得るのである。

また、本考案の趣旨に則すれば、第２図に示す
ように合成樹脂フイルムにより手が挿入できる筒
状本体５の片面に、接着剤層２を介して柔軟な材
料にてなる磨きシート３′を付着させ、該磨きシ
ート３′の表面に前記実施例と同様の磨き剤層を
所要模様４に印刷付着したものであつても、同様
に使用できるものである。

そして磨きシートとしては不織布のほかに薄肉
の発泡樹脂シートのようなものを使用して更に柔
軟性を所有せしめるようにしてもよい。また、磨
きシート３，３′の本体に対する接着面側に剥離
層を塗布形成しておくようにすれば、磨きシート
の用済み後、これを剥離すれば露出した接着剤塗
布面によつてダストの付着除去に役立て得る。

なお、袋本体に磨きシートを付着させた場合の
外形については前記実施例に限定れるものではな
く、必要に応じて変形した外形のものであつても
よい。

考案の効果： 叙上の如く本考案によれば磨きシートに塗着す
るつや出し剤を、マイクロカプセルに封入したも
のにて、該磨きシートの適所に印刷塗着し、使用
に供するまでは揮散しない安定な状態で保持さ
せ、使用時の加圧力乃至擦過力によつてカプセル
内からシート面に流出させて拡散させて目的物の
表面に塗布し、磨き上げるようにできるので、包
装に特殊な手段を必要とせず、従つて取扱いも簡
単で目的が達成でき、しかもその磨き剤塗布層を
模様に付着して広告等の役目も兼用できることが
でき、低廉にして合目的な携帯用のポリツシヤー
を得ることができたのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は袋状の手挿入部を備えたものの一部拡大
断面表示の全体斜視図、第２図は筒状の手挿入部
を備えたものの斜視図である。 １，５……本体、２……接着剤層、３，３′…
…磨きシート、４……模様、４′……磨き剤層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂フイルム等で袋状又は筒状に形成した
   本体の一側面に柔軟な材料にてなるシートを付着
   し、該柔軟なシートの外表面には所要範囲にシリ
   コーン油の如きつや出し剤のマイクロカプセルに
   よる磨き剤層を塗着形成したことを特徴とするハ
   ンドポリツシヤー。