JPH02243727A - 金属ガリウムの精製方法 - Google Patents

金属ガリウムの精製方法

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JPH02243727A
JPH02243727A JP1063481A JP6348189A JPH02243727A JP H02243727 A JPH02243727 A JP H02243727A JP 1063481 A JP1063481 A JP 1063481A JP 6348189 A JP6348189 A JP 6348189A JP H02243727 A JPH02243727 A JP H02243727A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、金属ガリウムの精製方法に関し、更に詳細に
は、回転引上げによる結晶化を施すことからなる金属ガ
リウムの精製方法に関するものである。
(従来技術及びその問題点) 低純度金属ガリウムは、アルミナ生産、亜鉛製練の副産
物として生産され、一般には、ガリウム酸ナトリウムを
電解することによって得られる。
その他、半導体スクラップを真空熱分解する際にも得ら
れる。
このような低純度金属ガリウムを高純度化する方法とし
て回転引上げ結晶化法が知られている。
しかし、精製金属ガリウムを回転引上げ結晶化法によっ
て精製する場合、下記に示すようないくつかの理由によ
り結晶純度を向上させることは非常に困難である。つま
り、低純度の金属ガリウムに含まれている濃縮された不
純物の微粒子は再結晶によってもほとんど減少しない上
、回転引上げされた棒状の金属ガリウム表面は凹凸が大
きいために、その不純物を含んだ母液が付着してしまい
、純度の高いガリウム結晶を得ることができない。
また、母液相の保持湿度に比べて、種子結晶を含む結晶
相の温度はガリウムの融点よりもかなり低温に保持され
るために、その母液相の最上層はガリウムの融点近くの
温度にまで低下してしまい、その結果、母液最上層の自
由界面でガリウムが結晶化しやすくなり、この結晶化に
よって生成した微結晶が結晶相に付着して引上げられる
ことになる。ところが、自由界面で成長したガリウム結
晶は種子結晶から成長したガリウム結晶に比べて、不純
物を著しく多く含んでいるので、当然ながら自由界面で
成長した結晶が伺着したガリウム結^7相は純度が低く
なってしまう。
(発明の課題) したがって、従来用いられている回転引」―げ結晶化に
よる金属ガリウムの精製法に固有の前記問題点を解消し
て純度の高い金属ガリウムを得ることができる金属ガリ
ウムの精製方法が強く要望されていた。そこで、本発明
は、回転引上げ結晶化による金属ガリウムの精製方法に
おいて、製品ガリウム結晶の純度を向上させることので
きる金属ガリウムの精製方法を提供することをその課題
としている。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1のプロセスによれば、ガリウム
融液からガリウム結晶を回転しながら引上げて結晶化す
るに際し、該ガリウム融液の表面に酸性溶液層を形成す
ることを特徴とする金属ガリウムの精製方法が提供され
る。
また、本発明の第2のプロセスによれば、ガリウム融液
からガリウム結晶を回転しながら引上げて再結晶化する
に際し、該ガリウム融液として、回転引上げ法により得
られたガリウム結晶を融解し、その中に含まれる固体不
純物粒子を除去した後のガリウム融液を用いることを特
徴とする金属ガリウムの精製方法が提供される。
さらに、本発明の第3のプロセスによれば、ガリウム融
液からガリウム結晶を回転しながら引上げて結晶化する
に際し、該回転引上げられるガリウム結晶棒の表面を加
熱融解させることを特徴とする金属ガリウムの精製方法
が提供される。
さらにまた、本発明の第4のプロセスによれば、ガリウ
ム融液からガリウム結晶を回転しばから引上げて結晶化
するに際し、該カリウ11融液の表面に断熱ノCグを形
成することを特徴とする金属ガリウムの精製方法が提供
される。
本発明に使用される原料ガリウ11としては、各種の金
属ガリウムが用いられ、その純度は特に限定されるもの
ではない。本発明の場合、例えば、スクラップから回収
したような粗ガリウムであっても十分に原料として使用
することができるし、また、再結晶化工程により得られ
た比較的高純度のものも使用される。
本発明の第1のプロセスにおいては、が(料ガリウム融
液を回転引上げ法により結晶化するに際し、母液として
存在するガリウム融液の表面を酸性溶液層で被覆する。
酸性溶液としては、塩酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、ギ酸
等の強酸を含む水溶液が好ましいものとして挙げられる
。酸濃度としては、一般に、0.05〜5N、好ましく
は0.1〜1Nの範囲が選ばれる。また、この酸性溶液
には、溶液の融点を低下させる目的で、アルコール類、
エステル類、エーテル類、有機酸、エチレングリコール
、グリセリン等の凝固点の低い液状有機化合物を添加す
ることができる。酸性溶液を母液であるガリウム融液と
接触させる時には、ガリウム融液中に含まれている不純
物金属が酸性溶液中に溶解除去されるとともに、不純物
金属が酸性溶液中の溶存酸素により酸化されて固形物と
して析出する。この不純物金属の溶解及び酸化析出を促
進させるために、過酸化水素水を酸性溶液に加えること
もできる。
この場合、酸性溶液中の820□濃度は0.1〜10重
量2程度である。また、母液表面を酸性溶液で被覆する
時には、この酸性溶液からなる被覆層が断熱層としての
役割を果し、ガリウム融液の表面温度がガリウム融点以
下になることが防止されるため、自由界面でのガリウム
微結晶の生成が防止され、その結果、引上げられる結晶
棒表面への微結晶の付着も防止される。
前記のようにして原料ガリウムを回転用」二げ結晶化す
る時には、その母液表面に存在する酸性溶液の作用によ
り、ガリウム融液中に含まれる不純物が除去され、また
自由界面でのガリウム微結晶生成が防止されるので、原
料ガリウ11を非常に効率よく精製することができる。
この第1プロセスにおいて用いられる原料ガリウムの種
類は制約されず、スクラップから回収したような粗ガリ
ウムであってもよいし、再結晶化された比較的純度の高
いものであってもよい。
本発明の第2のプロセスにおいては、回転引上げ結晶化
により得られたガリウム結晶を再結晶化するに先立ち、
ガリウム融液に固体微粒子除去処理を施して、それに含
まれる固体微粒子を除去し、その後、固体微粒子の除去
されたガリウム融液から再び回転引上げ法によりガリウ
ムを結晶化させる。
前記したように、低純度の金1.’JEガリウムに含ま
れている濃縮された不純物の微粒子は再結晶処理によっ
てもほとんど減少せずにガリウム結晶に含まれるように
なる。また母液から回転引上げられる金属ガリウムの結
晶棒は、その表面に凹凸があり、この凹凸表面に不純物
の濃縮された母液が付着1M化してくる。さらに、母液
の内界界面で生成した、種子結晶から成長した結晶に比
べて不純物濃度の大きい微結晶が結晶棒に付着する場合
もある。これらのことから、従来の回転引上げ結晶化法
は非常に精製効率の悪いものであり、この方法により純
度の低いガリウム結晶を高純度化しようとすると、非常
に大きな困難が伴う。これに対し、本発明の第2のプロ
セスによる時には、回転引上げ結晶化処理に先立ち、ガ
リウム融液には固形微粒子除去処理が施され、同機粒子
があらかじめ除去されていることから、母液からの微結
晶の析出が抑制されるとともに、引上げられるガリウム
結晶棒の表面は滑らかなものとなり、結晶棒を回転引上
げるに際しての母液の表面付着が防止される。
このようにして得られたガリウム結晶の不純物濃度は、
あらかじめ固形微粒子除去処理を行わなかった場合に比
べて著しく少ない。従って、本発明の第2のプロセスに
よれば、従来の多段結晶化法に比べて、より少ない再結
晶化段数でより高純度のガリウム結晶を得ることができ
る。本発明において、第1のプロセスと第2のプロセス
を結合させて高純度ガリウム結晶を製造することは、再
結晶化段数及び精製効率の点から非常に有効な方法であ
る。
ガリウム融液からの固体微粒子の除去は、従来公知の各
種の方法で行うことができるが、好ましくは遠心分離法
や濾過法が採用される。固体粒子除去処理は、ガリウム
の融点以上、例えば約30℃〜40℃の低温で行なうの
が好ましい。濾過法としては、任意の方法であってよく
、何ら特定の方法に限定されるものではない。また、使
用する濾材にしても何ら限定されるものではなく、濾布
、濾紙、金網等を使用することができ、特に網[1の小
さいもの、例えば約50メツシユより小さな網目を有す
る網体を用いるのが好ましい。なお、ガリウム結晶を融
解する場合には、窒素気流中で、例えば約40°C〜5
0℃で融解するのが好ましい。更に、固体微粒子除去処
理を行なう場合には、窒素の存在下で加圧下で行なうの
が好ましい。
本発明の第3のプロセスにおいては、生成されるガリウ
ム結晶中の不純物量を少なくするために原料ガリウム融
液から回転引上げられているガリウム結晶棒の表面を加
熱処理して、結晶棒の表面JFIを融解させる。この表
面層の融解により、結晶棒の回転引上げに際し、その表
面に付着して固化した低融点のガリウム母液が融解され
、流下して結晶棒から除去され、また同時に、その表面
に付着している固体不純物粒子もその表面から剥離・流
下する。
結晶棒における表面加熱帯域の位置は、できるだけ結晶
棒の下部、即ち、ガリウム融液表面にできるだけ近い部
分が好ましい。加熱する方法は特に限定されるものでは
なく、任意の方法を使用することができる。ただし、ガ
リウム結晶棒は回転させながら引き上げられるので、非
接触的加熱手段が好ましく、具体的には、赤外ランプ、
キセノンランプ、クリプ1〜ンランプ、赤外レーザー等
を用いて熱線を直接または間接的に照射する方式が好ま
しく使用される。なお、間接的に熱線を照射する方式で
は、鏡、光ファイバー等を用いることができる。また、
細いチューブから加熱した不活性ガスまたは液体を結晶
棒の表面に吹き付けることも有効な方法である。加熱面
は、結晶棒の円周全面でもよいが、ガリウム結晶棒は引
き」二げられながら回転しているので、その円周の1部
だけを加熱すれば、結果として円周全面が加熱されるこ
とになり好ましい。更に、加熱帯域の面積としても、特
に限定されるものではないが、小さい面積を集中的に加
熱する方が経済的に効率がよく、大きな面積を強熱する
ことは大きな加熱能力を要する他、得られるガリウム結
晶棒の強度が低下し、融解、脱落の可能性もあり一般的
には好ましくない。加熱を行う場合、加熱強度と加熱面
積を徐々に変化させることは、ガリウム結晶棒の表面か
ら融解・剥離したガリウムの流下を促進させることがで
き、得られるガリウム結晶を高純度化するために好まし
い。結晶棒の加熱帯域の上下部分は、これをガリウム融
点以下に冷却して冷却帯域とするのが好ましい。この冷
却によって、結晶棒の加熱による強度低下及び融解脱落
が防止される。
なお、ガリウム結晶棒表面の加熱帯域におけるガリウム
融解層の深さは、その結晶棒の冷却温度、ガリウム母液
の付着量などによって決められるが、通常結晶棒直径の
0.1〜5%程度であるのが好ましい。
前述したように引き」二げられたガリウム結晶棒表面に
融解帯域を形成させることにより、その表面に付着して
いる不純物に富む母液由来のガリウムならびに付着層を
融解流下させ、同時に表面に付着する不純物の濃縮した
固形分を剥離流下させることができ、得られるガリウム
結晶棒は高純度のものとなり極めて有効である。
前述したようにして回転引上げられるガリウム結晶棒の
表面を加熱して付着不純物や不純物の固体粒子部分を除
去する場合、その融解された不純物が結晶棒の表面に沿
って流下し結晶棒の末端部に付着する。従って、再結晶
化に使用するためには、その末端部を切り離して、純度
の高い部分だけを使用するのが好ましい。
本発明の第4のプロセスにおいては、ガリウム融液から
ガリウム結晶棒を回転引上げ法により結晶化させる際に
、ガリウム融液からなる母液表面に断熱層を形成する。
この断熱層は、ガリウム融液表面がガリウムの融点以下
になるのを防止すると共に、自由界面において不純物の
多いガリウム微結晶が生成することおよび回転引上げら
れる結晶棒の表面にそのガリウム微結晶が付着すること
を防止する作用を有している。断熱層としては、液体断
熱材の他に、固体断熱材を使用することができるが、固
体断熱材の場合には、固体断熱材がガリウム融液の表面
に直接接触すれば、その中に含まれる不純物がガリウム
融液中に溶解する可能性があり、またその固体断熱材が
結晶化種子となる可能性があるために、固体断熱材は液
体断熱材を介してその上部に配置するのが好ましい。
液体断熱材としては、前記した酸性溶液が使用される他
、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、流動パ
ラフィン、各種オイル、ケロシン等の低融点でかつ熱伝
導率の体さい物質を好ましく使用することができる。
固体断熱材としては、例えば発泡ポリスチレンなどの有
機ポリマー微粒子、シラスバルーム、超微粒子シリカな
どの無機断熱等が挙げられる。また、使用される固体断
熱材の粒径は20メツシユ以下であるのが好ましく、ま
た固体断熱材の層厚は、5〜]、0nin程度が好まし
い。断熱WJを形成する方法としては、特に限定される
ものではなく、断熱用液体ををガリウム融液の上面に流
し込んでもよいし、加温した断熱用物質を不活性ガスと
一緒に吹き付けることもできる。また、断熱JCりの温
度を一定に保つために、断熱用液体を系外の恒温槽等と
連結して循環させてもよい。
本発明によって高純度のガリウム単結晶を得るためには
、前述したような回転引上げによる結晶化を複数回にわ
たって繰返して行なうことが好ましい。また、前記した
第1〜第4のプロセスを組合せて行うことが好ましく、
これによって、再結晶化の段数を少なくして、かつ高純
度のガリウム結晶が得られることになり好都合である。
(発明の効果) 前述した如く、本発明のカリウム精製方法は、従来法と
は異なり、高められた精製効率で高純度ガリウム結晶を
得ることができる。従って、本発明により高純度のガリ
ウム結晶を/p)る時には、再結晶の段数を少なくでき
ると同時に、より高純度のガリウム結晶を得ることがで
きるという利点があり、その産業的意義は多大である。
(実施例) 以下、この発明を実施例につき説明する。
実施例1 (原料ガリウム) 原料ガリウムとしては、スクラップから回収された粗ガ
リウムを使用した。この粗ガリウムには下記の不純物が
含まれていた。
第1表 (種子結晶) 市販の高純度金属ガリウムを融解し、予め種子結晶取付
用金具を取付けた吸引スポイトで、この融解したガリウ
ムを吸取った。次に、ガリウムを満たしたスポイトを2
8℃に保持しながら放置してガリウム詮固化させ、これ
を種子結晶として用いた。
(原料ガリウムの結晶化) 前述した原料ガリウムを融解して原料ガリウム融液を得
、この融液を円筒状容器に入れ、30.2℃〜30.4
℃の範囲の一定温度に保温し、この表面上部に0.25
N希硫酸水溶液を深さが20mmになるように満たした
。またこの希硫酸層の上部は高さ約300cmの自由空
間となるようにし、その容器外壁を0℃に保持し、回転
引上げられるガリウム結晶が冷却されるようにした。ま
た、この冷却された自由空間の上部に蓋を取付けて、冷
気が容器外に飛散しないようした。
次いで、前記種子結晶を取付けた金具を、回転引上げ結
晶化装置の回転引上げシャフトに固定させ、このシャツ
1〜を約70回転/分の割合で回転させながら徐々に、
ガリウム融液表面に接触させ、直ちに引き」二げシャフ
トを約50〜80mm1時間の引上げ速度で引上げた。
この引上げ速度は、引上げられた結晶の大きさが一定に
なるように前記割合の範囲内で変化させた。この第1回
目の結晶化では、結晶棒の表面には黒色の不純物微粒子
の付着が認められた。この原料ガリウムの結晶化は、J
jX料ガリウム融液の約9部が引上げられるまで続けた
なお、得られた原料ガリウム結晶に対する種子結晶の重
量比率は0.1z以下であった。
(固体微粒子除去処理) 前述のようにして得られたガリウム結晶棒には希硫酸水
溶液が付着しているので、先ず、20〜25℃で高純度
水を用いて十分に洗浄して付着水溶液を除去した。次い
で、アセトンで付着水を置換し、窒素気流中でこれを蒸
発乾燥した。乾燥したガリウム結晶を窒素気流中で約4
0〜50℃に加熱融解し、窒素加圧下で10μmの微細
孔を有するテフロン濾紙で濾過して微細固体微粒子を除
去した。分離した固体微粒子を分析したところ、Cuが
3000ppm、Feが700ppm、 Naが18p
pm含有されていた。
(再結晶化) 固体微粒子除去処理したガリウム融液を用いて、前記原
料ガリウムの結晶化の場合と同様にして回転引き上げに
よる再結晶化をさらに3回繰返し行った。なおこの再結
晶化によるガリウム結晶棒の表面には、前記第1回目の
結晶化で得られた結晶棒の表面に認められたような不純
物による黒色付着物はほとんど認められなかった。また
濾過処理においても微細固体粒子はほとんど認められな
かったので、この再結晶化の場合には濾過処理を施すこ
となく、得られた結晶棒をそのまま融解使用して再結晶
化して製品ガリウム結晶を得た。
前記のようにして原料ガリウムを合計4回結晶化させる
ことによって得られた製品ガリウム結晶を、フレームレ
ス原子吸光分析により、含まれている不純物成分を分析
したところ、いずれの不純物成分も0 、 lppm以
下に減少していることが判明した。
実施例2 本実施例に使用した回転引」−げ結晶化精製装置は、引
上げられる結晶棒の表面部を加熱するためのランプ加熱
装置を備えたものであった。すなわち、キセノンランプ
およびレンズ(レンズ径30mnφ、焦点径約31ff
IIφ)が容器外部に取付けられていて、この加熱用キ
セノンランプおよびレンズは、加熱するガリウム結晶棒
の表面で焦点が結ぶように設置し、また光が効率よく加
熱に使用されるように反射鏡の焦点位置にランプを配置
した。更に、ランプから発生する熱で希硫酸水溶液の上
部における冷帯帯域の温度が上昇しないように、ランプ
および反射鏡は冷却帯域の外部に取付けて別途冷却し、
ランプ光は透明容器壁を透過させて結晶棒表面に当てる
ようにした。更にまた、引上げられるガリウム結晶棒表
面における加熱帯域において融解される表面からの深度
はランプの入力電圧を変えて調節した。
本実施例では、ガリウム結晶棒が回転引上げられる自由
空間の外壁を一5℃に冷却した。
前述したような結晶化装置を使用して実施例1で示した
原料ガリウムを融解して得られた原料ガリウム融液から
、実施例1と同様にして回転引上20〜 げによる結晶化を合計3回繰返し行った。なお、本実施
例においては、原料ガリウム結晶を融解した融液には濾
過処理を施こさなかった。但し、各結晶化工程で得られ
た結晶棒の下端部には、加熱帯域から流下した不純物の
多いガリウム(黒色付着物)に付着しているので、その
下端部を切断除去し、残りの純度の高い部分(原料ガリ
ウム融液の約80%相当分)のみを再結晶化用原料とし
た。
このように合計3回結晶化して得られたガリウム結晶棒
から不純物の多い下端部を切り離した精製ガリウム結晶
をフレームレス原子吸光分析で分析したところ、In、
Cu、Sn、Fe、Na、AMのいずれの不純物成分も
0.lppm以下であった。
実施例3 実施例2において、引上げられた結晶表面を加熱するこ
となく、原料ガリウム融液の結晶化率を約80%として
逐次結晶化精製したところ、3回目の結晶化で得られた
製品ガリウム結晶の不純物を分析したところ下記の通り
であった。
第2表 特許出願人 千代田化工建設株式会社

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ガリウム融液からガリウム結晶を回転しながら引
    上げて結晶化するに際し、該ガリウム融液の表面に酸性
    溶液層を形成することを特徴とする金属ガリウムの精製
    方法。
  2. (2)ガリウム融液からカリウム結晶を回転しながら引
    上げて再結晶化するに際し、該ガリウム融液として、回
    転引上げ法により得られたガリウム結晶を融解し、その
    中に含まれる固体不純物粒子を除去した後のガリウム融
    液を用いることを特徴とする金属ガリウムの精製方法。
  3. (3)ガリウム融液からガリウム結晶を回転しながら引
    上げて結晶化するに際し、該回転引上げられるガリウム
    結晶棒の表面を加熱融解させることを特徴とする金属ガ
    リウムの精製方法。
  4. (4)ガリウム融液からガリウム結晶を回転しながら引
    上げて結晶化するに際し、該ガリウム融液の表面に断熱
    層を形成することを特徴とする金属ガリウムの精製方法
  5. (5)請求項1〜4の方法において、それらのうちの2
    つ以上を組合せたいずれかの方法。
  6. (6)前記断熱層が液体断熱材からなる請求項4の方法
  7. (7)前記断熱層が固体断熱材からなる請求項4の方法
  8. (8)前記断熱層が液体断熱材と固体断熱材とからなり
    、固体断熱材が液体断熱材を被覆するように配置されて
    いる請求項4の方法。
  9. (9)前記固体断熱材が固体粒子からなる請求項7また
    は8の方法。
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