JPH02243603A - 徐放性フェロモン製剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、徐放性フェロモン製剤、とくには害虫防除に
使用されるフェロモン物質を長期間一定の速度で徐々に
放出し得るフェロモン製剤に関するものである。

（従来の技術） 近年、害虫駆除に有効な性フエロモン物質などを容器中
に封入し、これを圃場などの所定の場所に長期間安定的
に設置して、内蔵するフェロモン物質を徐々に継続的に
放散させるようにした。フェロモン製剤に対する需要が
増大し、その技術的な課題の解決のため番；数多くの提
案が出されている。

これらの提案には、まずその第１のグループとして、フ
ェロモン物質を吸着剤に担持したり、またこれをポリマ
ー担持層に混合して保持させたものが知られている。す
なわち、米国特許筒４，１６０゜３３５号明細書にはフ
ェロモンを混合したポリマー担持層からの放出量を制御
するため、担持層としてポリマーをラミネートした層を
用いたものが示されている。これは初期のフェロモン放
出速度が過大で、その後経時的に低下するほか、ポリマ
ー担持層に吸着されたまま残留するフェロモンロスが大
きいなどの欠点がある。一方、ドイツ連邦共和国特許筒
２，８３２，２４８号明細書にはキクイムシの誘引剤と
して（Ｓ）−シスーベルベノールとメチルブチノールと
を多孔質担体にしみこませ、これをポリエチレンなどの
プラスチックフィルムで包装したものが示されている。

この製剤も放出の後半において担体に吸着されたまま放
出されずに残留するフェロモンロスが大きいという欠点
がある。

このようにフェロモン製剤として求められる重要な特性
は、フェロモン物質を長期にわたり均一な速度で放出す
ると共に、製剤に吸着されたままで残留するフェロモン
物質の量を最小限に止めることである。

このような要求を充たす製剤形態は、液状のフェロモン
物質をこれに対して適度の透過性を有するバリアー層を
備えた容器中に封入したものである。このタイプの製剤
には１例えば■フェロモン物質をマイクロカプセル化し
たちのく米国特許節２．８００，４５７号および第２，
８００，４５８号明細書など）、■フェロモン物質をポ
リエチレン細管中に封入したもの（特開昭５５−１４２
２０２号および５７−９７０５号公報など）、■フェロ
モン物質をポリエチレンなどの熱可塑性樹脂で成形した
容器中に封入したもの（特開昭６３−１４５２０１号）
、■フェロモン物質を袋状の高分子フィルムに包み込ん
だもの（Ｊｏｕｒｎａｌ　ｏｆｌ：ｃｏｎｏｍｉｃ　１
４ｎｔｏｍｏｌｏｇｙ、　　Ｖｏｌ、６２．　　Ｎｏ、
２．　　（１９６９）ｐ。

５１７〜５１８）など数多くの提案がなされている。

しかしながら、■のマイクロカプセル化したものは、コ
ストが高いこと、マイクロカプセル化に際してフェロモ
ンの損失が少なくないこと、表面積が大きいために放出
速度が過大で寿命が短いことなどの理由により、あまり
利用されるに至っていない。■のポリエチレン細管に封
入したものは、一般に肉厚のものが使用され、これには
徐放性があって寿命が長いという利点がある反面、放出
の後半に速度が低下する欠点がある。■の熱可塑性樹脂
容器に封入したものでは空隙容積を大きくして収納保持
量を増大し有効期間を長くする工夫が図られている。こ
れは放出を均一にする利点がある反面、放出の実表面積
が小さいために、高沸点（難揮発性）のフェロモンの放
出には向かないという欠点がある。■の袋状の高分子フ
ィルムを用いるものについて前記文献には、イラクサキ
ンウワバ（Ｃａｂｂａｇｅ　Ｌｏｏｐｅｒ）の性フエロ
モンであるｚ−７＝ドデセニルアセテートを肉厚５０〜
１５０ｐのポリエチレン環の３　ｃｓ　Ｘ　５　ｃｓ大
の袋の中に砂と一緒に封入し、誘引用製剤として使用す
る例が示されている。これは放出速度が均一な反面、ポ
リエチレンのバリアー性が不充分なために、その寿命が
２ａ間程度しかないという欠点がある。

（発明が解決しようとする課題） このようにフェロモン製剤には各種のタイプがあるもの
の、その多くは材料としてポリエチレンを採用している
。これはポリエチレンがフェロモン物質に対して適度の
親和性を持ち、不活性で吸着量が少なく、フェロモン物
質を封入する際の加工性、成形性に優れ、さらにはフェ
ロモン製剤として使用する際の強度、耐水性、耐候性な
どに優れていることによるものであるが、■のタイプに
関連して述べたように、肉厚の薄いポリエチレンではバ
リアー性が小さく、放出速度が過大になる欠点がある。

本出願人は先にフェロモン物質に対して適度のバリアー
性を持つ高分子材料を用いたラミネートフィルムからな
る袋状のフェロモン製剤を提案した（特開昭６３−２２
５３０３号公報）、この製剤はバリアー壁の内面が常に
均一に液状のフェロモン物質に接しているため、経時的
な放出速度の変化がなく２力月以上にわたって均一な放
出が期待でき、また放出後のフェロモン物質の吸着残留
によるロスが少ないなどの長所がある。

この袋状の製剤では加工性、袋の柔軟性などの性能を保
つために、使用するフィルムの厚みは０．２ｍｍ未満で
なければならないが、　０．２ｍｍ未満のポリエチレン
フィルムでは、比較的高沸点（難揮発性）のフェロモン
の場合、バリアー壁のフェロモンの透過速度が膜表面か
らの蒸発速度を上回って膜表面にフェロモンが浸出した
状態となり、ゴミ、ホコリの付着、フェロモンの変質な
ど著しく性能を低下させる不利がある。したがって、フ
ェロモン製剤の制御層としてポリエチレンを用いるには
膜厚を０．２ｍ以上とすることが必要とされた。これは
前述した加工性等に基づく０．２１１ｆｉ未満の要件と
矛盾することになる。

本発明は液状のフェロモン物質を一製剤当り４０■以上
という多量に内臓できる徐放性製剤において、袋状製剤
としての長所を生かしつつ、膜厚が０．２ｍｍ以上のポ
リエチレンを制御層とする袋状の徐放性フェロモン製剤
を得ることを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明による徐放性フェロモン製剤は、一方の面が厚さ
０．２〜０．８＋＋ｎ＋のポリエチレンフィルムからな
り、他方の面がポリエチレンに対してシール性のある層
とフェロモン物質に難透過性の層とを有する厚さ０．０
２〜０．２ｍのラミネートフィルムからなる袋内に、フ
ェロモン物質を封入してなるものとしたことを要旨とす
るものである。

すなわち、本発明によるフェロモン製剤は、片面にフェ
ロモン物質の難透過性層を有するラミネートフィルムを
使用したことによって袋状製剤としての長所を生かし、
他の面に厚さ０．２〜０．８ｍ＋のポリエチレンフィル
ムからなる制御層を用いたことにより優れた徐放性を発
揮させるもので、以下その詳細を添付した図面に基いて
説明する。

第１図において１で概括的に示したものが本発明に係わ
る徐放性フェロモン製剤で、これはポリエチレンフィル
ム２とラミネートフィルム３との左右両縁部４を接合さ
せて形成した袋状のものである。５はこの袋状をした製
剤１の内部に封入された液状のフェロモン物質である。

このラミネートフィルム３は、第２図に示すように、ポ
リエチレンに対してシール性を有する５Ａとフェロモン
物質に難透過性の層Ｂとの２種類の層から構成されてい
るものでも、第３図に示すように、これらの層Ａ、Ｂの
ほかに、さらに保護層Ｃを加えた３種類の層からなるも
のでもよい。

従来、厚さ０．２ｍｍ以上のポリエチレンのみからなる
袋状製剤では剛性が大きくて袋の柔軟性に欠けることか
ら、放出が進むにつれて袋が潰れて平たくなることがな
いのが、本袋状製剤では片面に厚さ０．２ｍ以下のラミ
ネートフィルム３を用いたことにより、この心配がなく
なり液状のフェロモンが一ケ所に滞留するという問題も
解決される。

また他方の面に放出の制御層として厚さ０．２〜０．８
冨のポリエチレンフィルムを使用しているため、バリア
ー性が小さすぎて放出速度が過大になったり、フェロモ
ンの膜透過速度が膜表面からの蒸発速度を上回り膜表面
にフェロモンが浸出したりすることもない、しかも、眞
述したポリエチレンのメリットをすべて生かすことがで
きる。

本製剤におけるラミネートフィルム３の具体例としては
、ポリエチレンに対してシール性を有する層Ａにポリエ
チレンもしくはその共重合体などを、またフェロモン物
質に難透過性の層已にポリエチレンテレフタレート、ナ
イロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、または
アルミ箔などの金冠箔を用いて第２図に示す構成とした
もの、この難透過性の層Ｂの外側にさらに金Ｊｆｔ箔の
保護やエチレン−ビニルアルコール共重合体などの防湿
のための保護層Ｃを用いて第３図に示す構成としたもの
などが挙げられる。なお、このＡ、Ｂ両層を構成する各
重合体には必要に応じて紫外線吸収剤、可塑剤、安定剤
、安定化助剤、加工助剤、滑剤、およびその他の添加剤
を添加配合してもよい。

このラミネートフィルムの総厚は０．０２〜０．２ｒｒ
ｎであることが必要とされる。これが０．２ｎｎを超え
るとフィルムの柔軟性がなくなり、袋状製剤の特徴であ
る放出速度の均一性が保持できなくなるほか、袋状への
加工性が著しく低下する。他方、０゜０２悶未満では製
剤の強度が低すぎて十分な性能のものが得られない。

フェロモン物質５はバリアー壁としてのポリエチレンフ
ィルム２を透過して放出されるが、このフィルムの厚さ
は０．２〜０．８ｎｖ＊であることが必要とされる。こ
れが０．２ｎｎ未満ではフェロモンの透過速度が大きす
ぎ、また０、８ｍを超えると透過速度が小さすぎてフェ
ロモン製剤として好ましくない。

なお、放出の速度はポリエチレンフィルムの厚さのほか
袋の大きさにも依存し、これが大きいほど、その速度も
大きくなる。このため袋の実表面積は１００〜３，００
０ｍｍ”となるように、その大きさを決めることが好ま
しい。

袋状製剤１内に封入されるフェロモン物質５は、液状を
した。炭素数１２〜２０の不飽和脂肪族の、炭化水素、
アセテート、アルデヒド、またはケトン化合物で、これ
にはＺ−９−トリコセン、１４−メチル−１−オクタデ
センのような炭化水素化合物、Ｅ−５−デセニルアセテ
ート、Ｅ−４−トリデセニルアセテート、ｎ−ドデシル
アセテート、Ｚ−７−ドデセニルアセテート、ｚ−８−
ドデセニルアセテート。

Ｚ−９−ドデセニルアセテート、Ｅ−９−ドデセニルア
セテート、１１−ドデセニルアセテート、Ｅ、Ｚ−７，
９−ドデカジェニルアセテート、Ｚ−７−テトラデセニ
ルアセテート、Ｚ−９−テトラデセニルアセテート、Ｚ
−Ｕ−テトラデセニルアセテート、Ｚ−１１−へキサデ
セニルアセテート、Ｅ、Ｚ−３，１３−オクタデカジェ
ニルアセテート、Ｅ、Ｚ−２，１３−オクタデカジェニ
ルアセテート、Ｚ、Ｚ−３，１３−オクタデカジェニル
アセテート、Ｚ、Ｅ−９，１１−テトラデカジェニルア
セテート、Ｚ、Ｅ−９，１２−テトラデカジェニルアセ
テート、Ｚ、Ｚ／Ｅ−７，１１−ヘキサデカジェニルア
セテートなどのアセテート化合物、Ｚ−７−チトラデセ
ナール、Ｚ−９−テトラデセナール、ｚ−１１−テトラ
デセナール、Ｚ−７−ヘキサデセナール、Ｚ−９−へキ
サデセナール、Ｚ−１１−へキサデセナール、ｎ−ヘキ
サデカナール、Ｚ、Ｚ−１１，１３−ヘキサデカジェナ
ール、　Ｚ−１３−オクタデセナールなどのアルデヒド
化合物、Ｚ−１３−イコセンー１０−オンなどのケトン
化合物、およびこれらの混合物。

並びにこれらを主成分とする混合物が挙げられ。

これらは１種または２種以上の混合物として使用される
が、これには必要に応じて各種の酸化防止剤、紫外線吸
収剤、着色剤などを添加混合してもよい。

前述したフィルム２および３からの製袋、この袋状製剤
１内へのフェロモン物質５の注入・封止、および個別の
製剤にするための切断は、汎用の充てん包装機を利用す
ることができ、そのシール方法としては、ヒートシール
法、インパルスシール法、超音波シール法などが好まし
い。

（実施例） 以下１本発明の具体的態様を実施例゛および比較例によ
り説明するが１本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。

実施例　１．および比較例　１゜ 片面に厚さ０．３１の高密度ポリエチレンフィルム、他
方の面に厚さ０．０１２ｍのポリエチレンテレフタレー
トと厚さ０．０５＋ａｍのポリエチレンとのラミネート
フィルムを用い、互いにその四辺で熱シールして、内の
りが３０ｗｍＸ４０ｍの大きさの袋にし、その中にワタ
アカミムシの性フエロモンであるＺ。

Ｚ／Ｅ　−７，１１−ヘキサデカジェニルアセテートを
７０■封入した。

この徐放性製剤を気温４０℃、風速０．３ｍ／秒の条件
下に放置して上記フェロモン物質の放出速度の経時変化
を測定した。

比較のため、公知のポリエチレン細管（長さ２０個、内
径０．８ｎｎ、外径１．４１）に上記と同じフェロモン
物質を７８１１１ｇ充てんしたものについて、上記と同
条件で放出速度を測定した。

これらの結果を第４図に示した。ポリエチレン細管の製
剤では０．７ｍノ日の均一な放出を約６０日間維持し、
フェロモン残が約４０％位のときから放出速度が漸減し
てか、本発明による製剤では０．６ＩＩＩｇ／日の均一
な放出を約９０日間維持し、フェロモン残が２５％にな
っても放出速度の漸減は認められないという良好な結果
が得られた。

比較例　２゜ 袋の材料として実施例１の厚さ０．３ｍｍの高密度ポリ
エチレンフィルムに代えて厚さ０．１３ｍの高密度ポリ
エチレンフィルムを用いたほかは、実施例１と同様に製
袋しフェロモン物質を封入し、同一の条件下に放置して
放出速度を測定したところ、フェロモン物質の表面浸出
が速ぐ製剤の表面に液層を形成し徐放性製剤として好ま
しくなかった。

比較例　３゜ 両面に厚さ０．３ｍの高密度ポリエチレンフィルムを用
いて、実施例１と同様に製袋し、フェロモン物質を封入
し、同一の条件下に放置して放出速度を測定したところ
、この製剤は当初１．１■／日の放出をしていたが、途
中から袋内のフェロモン液が１カ所に溜り、放出速度が
漸減するという結果になり１袋状製剤としての特徴が生
かされなかった。

実施例　２゜ 片面に厚さ０．５１ｍの高密度ポリエチレンフィルム、
他方の面に厚さ０．０１２＋ｍのポリエチレンテレフタ
レートと厚さ０．０５ａｍのポリエチレンとのラミネー
トフィルムを用いたほかは、実施例１と同様に製袋し、
フェロモン物質を封入し、同一の条件下に放置して放出
速度を測定したところ、この製剤は０．５■／日の均一
な放出を１００日以上にわたって維持し、この間フェロ
モン物質の外表面への浸出もなく良好な結果が得られた
。

実施例　３〜９゜ 次表に示す材料からなる袋に、フェロモン物質を８０■
ずつ封入し、各種仕様の袋状製剤を得た。

これを実施例１と同じ条件下に放置して放出速度を測定
したところ、各製剤共６０日以上にわたって表に併記し
た通りの均一な放出速度を示し良好な結果が得られた。

なお１表中のフィルム材料およびフェロモン物質につい
ての略記号の内容は下記の通りである。

（フィルム材料） ＨＤＰＥ：高密度ポリエチレン ＬＤＰＥ　：低密度ポリエチレン ＰＥＴ　：ポリエチレンテレフタレートＰＥ　　：ポリ
エチレン Ｅ　ｖ　ＯＨ：エチレンービニルアルコール共重合体Ｅ
ＶＡ　　：エチレンー酢酸ビニル共重合体Ｎｙ　　：ナ
イロン Ａｌ　　ニアルミニウム箔 （フェロモン物質） ＴＤＡ　　：　Ｚ−１１−テトラデセニルアセテートＤ
ＤＡ　　：Ｚ−８−ドデセニルアセテートＩＣＮ　　：
Ｚ−１３−イコセンー１Ｏ−オンＨＤＡＬ　：　Ｚ−１
１−へキサデセナールＨＤＤＡ：　Ｚ、Ｚ／Ｅ−７，１
１−ヘキサデカジェニルアセテート ラミネートフィルムの表記はフィルムの種類と（厚さ）
を外側層よりの順で示す。

（発明の効果） 本発明の徐放性フェロモン製剤によれば、■製剤１個当
りのフェロモン物質の封入量を長期間にわたって放出で
きる４０■以上のものにすることができる。

■製剤のフェロモンに接している面積が一定しているた
め、経時的な放散量の変化がなく、長期間にわたって均
一な放出が維持できる。

■フェロモン物質の担持物がないため（液状で封入）、
放出後吸着されたままで残留するフェロモン物質のロス
が小さい。

■フェロモン物質の放出面積を、−袋状製剤の大きさを
変えることによって、容易に変えられるので、放散量の
設計が簡単にできる。また比較的放出面積を必要とする
高沸点のフェロモン物質の放出制御も可能となる。

■ポリエチレンフィルム面とは別の面に耐熱性の材料を
含むラミネートフィルムを用いることによって、熱シー
ル等の袋状加工が容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１〜第３図はいずれも本発明の徐放性フェロモン製剤
の実施例に係わるもので、第１図はその断面説明図、第
２図および第３図はそれぞれ異なる態様の第１図の部分
拡大断面説明図、第４図は実施例１および比較例１にお
ける、製剤１個当りのフェロモン物質の残存率（％）と
放出速度（■／日）の経時変化を示すグラフである。 （主要な符号の説明） １・・・袋状製剤、２・・・ポリエチレンフィルム、３
・・・ラミネートフィルム、５・・・フェロモン物質。 Ａ・・・ポリエチレンに対してシール性のある層、Ｂ・
・・フェロモン物質に難透過性の層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、一方の面が厚さ０．２〜０．８ｍｍのポリエチレン
   フィルムからなり、他方の面がポリエチレンに対してシ
   ール性のある層とフェロモン物質に難透過性の層とを有
   する厚さ０．０２〜０．２ｍｍのラミネートフィルムか
   らなる袋内に、フェロモン物質を封入してなる徐放性フ
   ェロモン製剤。