JPH02232399A - 磁束密度が極めて高い低鉄損一方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

磁束密度が極めて高い低鉄損一方向性けい素鋼板の製造方法

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JPH02232399A
JPH02232399A JP5215289A JP5215289A JPH02232399A JP H02232399 A JPH02232399 A JP H02232399A JP 5215289 A JP5215289 A JP 5215289A JP 5215289 A JP5215289 A JP 5215289A JP H02232399 A JPH02232399 A JP H02232399A
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JP
Japan
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annealing
steel sheet
subjected
magnetic flux
flux density
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Application number
JP5215289A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kami
力 上
Ujihiro Nishiike
西池 氏裕
Hirotake Ishitobi
石飛 宏威
Shigeko Sujita
筋田 成子
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、磁束宙度が極めて高い低鉄損一方向性けい
素鋼板の製造方法に関し、とくに電解処理による表面性
状の改質によって磁気特性の有利な改善を図ったもので
ある。
一方向性けい素泪板は、製品の2次再結晶粒を(110
) (001)すなわちゴス方位に集積させたもので、
主として変圧器その他の電気機器の鉄心として使用され
る。このため一方向性けい素網板には、その特性として
磁束密度(B,。値で代表される)が高く、かつ鉄損(
W+t7s。値で代表される)が低いことが要求される
(従来の技術) 従来の一方向性けい素鋼板の製造方法は、たとえばSt
を2.0〜4.Q wt%(以下単に%で示す)含有さ
せた素材を、熱間圧延したのち、1回または中間焼鈍を
挟む2回以上の冷間圧延によって最終板厚とし、脱炭焼
鈍後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから
コイルに巻き取り、ついで2次再結晶焼鈍および純化焼
鈍を行い、しかるのち必要に応じてりん酸塩系絶縁コー
ティングを施す方法が通常行われている。
なお上記の純化焼鈍の際には、脱炭焼鈍時に鋼板表面に
生成したSingを主成分とする酸化層と焼鈍分離剤中
のMgOとが反応してフォルステライト(MgzSiO
n)被膜が形成される。
ところでゴス方位集積度の高い2次再結晶組織を形成す
るためには、鋼中にインヒビターと呼ばれるMnS, 
MnSe,AIN等の微細析出分散相や粒界偏析型元素
を適量含有させる必要がある。
従来、粒界偏析型元素としてS+ Se, Te+ S
b,八s,BiおよびSnなどを鋼中に含有させる方法
が、たとえば特公昭49−6732号、特公昭51−1
3469号、特公昭51−29496号、特公昭54−
32412号、特開昭55−6412号、特開昭55−
34633号、特開昭55−89428号各公報に開示
されている。
しかしながら発明者らの研究によると、上記の各元素は
いずれもゴス方位集積度の高い2次再結晶組織を発達さ
せる上では極めて有効ではあるものの、その反面、以下
に示すような鋼板の表面欠陥を誘発することを突き止め
た。
すなわち )不純物元素が粒界に偏析すると、熱延工程で引張り応
力が加わったときに粒界割れが発生し、この割れが最終
製品において線状の表面疵となる。
ii)粒界偏析型元素は、表面濃化傾向が強いため、脱
炭焼鈍における表面酸化層の生成および仕上げ焼鈍工程
における上記酸化物層と焼鈍分離剤との反応に悪影響を
及ぼし、最終製品のフォルステライトガラス質被膜が薄
くなって下地金属の結晶組織が見えるいわゆるスパング
ル状態となったり、また斑点状にガラス質被膜が欠落し
て全く存在しない部分が発生するいわゆるベアースポッ
トが発生したり、さらにはガラス質被膜の色調が不均一
となるいわゆる焼鈍模様等の被膜欠陥を発生する欠点が
ある。
とくにゴス方位集積度の高い2次再結晶組織を発達させ
る上では、インヒビターとして粒内分敗型のMnS, 
MnSeと共に粒界偏析型元素であるSb,Sn,Bi
.As,Teなどを複合添加するのが有効であることが
知られていて、そのうちとくにAs,Bi,Teは磁束
密度の向上に偉効を発揮するけれども、反面で−L述し
たi),ii)のような表面欠陥の発生程度も大きいた
め、工業的利用は事実上困難視されていた。
ところで上記の問題の解決策としては、表面欠陥層の除
去が考えられる。
たとえば特公昭52−24499号公報では、仕上げ焼
鈍後の方向性けい素綱仮表面の酸化物を酸洗により除去
したのち、表面を化学研磨または電解研澄によって鏡面
状態に仕上げる技術が開示されている。
また特公昭56−4150号公報には、一方向性けい素
鋼板表面の非金属物質を除去したのち、その表面を化学
研麿または電解研磨によって鏡面状態に仕上げ、ついで
この鏡面仕上げ表面にセラミックス薄膜を被成する技術
が開示されている。
さらに特開昭60−89589号公報には、アルミナを
主成分とする焼鈍分離剤を用いて行った2次再結晶後の
方向性けい素調板の表面酸化物を除去後、化学研磨また
は電解研磨を施す技術が開示されている。
またさらに特開昭60−39123号公報には、アルミ
ナを主成分とする焼鈍分離剤を用いて鋼板表面の酸化物
量を規制した上で、酸洗なしに直接化学研?または電解
研磨を施す技術が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら洞板表面を鏡面化することによる鉄損低減
効果は非常に明確であるにもかかわらず、未だ工業的に
実施されるまでには至っていないのが現状である。
その理由は、化学研磨の場合、研磨液として用いられる
HF+}1.0■や}IaPO4+ HzO■などが高
価である上、液の劣化がはやいためコスト高になること
である。同様に電解研磨の場合も、研磨液として通常用
いられるりん酸系浴、硫酸系浴、りん酸−硫酸系浴およ
び過塩素酸系浴などはいずれも高濃度の酸を主成分とし
、しかも添加物としてクロム酸塩、ぶつ酸、有機化合物
等を使用するためコスト高となり、さらに大量に鋼板を
処理するには、均質性、生産性および液の早期劣化など
未解決の問題も多い。
その他、工業化を妨げるもう一つの理由として、鏡面に
仕上げられた表面には絶縁コートがのりにくいことが挙
げられる。すなわち従来知られているりん酸塩コートや
セラミックコートは鏡面故に密着性が悪く、現実の使用
には耐え得なかったのである。
この発明は、上記の実情に鑑み開発されたもので、電解
研磨または化学研磨による鏡面化処理を施さずとも、磁
気的に平滑すなわちヒステリシス用の原因となる磁壁の
移動を妨害するようなことがなくしかも被膜密着性にも
優れた面を形成し、たとえ粒界偏析型元素を使用した場
合であっても、被膜欠陥を生じる不利なしに、高磁束密
度で低鉄損の一方向性けい素畑板を得ることができる脊
利な方法を提案ずることを目的とする。
(課題を解決するための手段) この発明は、以下の知見に基づく。
すなわち鉄損とくにヒステリシス損に対して大きく影響
を与えているのは、主として表面酸化物であり、表面の
凹凸に関しては必ずしも鏡面状態とする必要はないこと
、および表面酸化物を除去すると磁束密度はむしろ向上
することである。ここに鏡面状態とは光学的な概念であ
り、定量的に定義づけられていないが表面粗さが中心線
平均粗さで0.4μm以下望むらくは0.1μm以下の
ことを指す。
第1図に、酸化物が表面に存在する方向性けい素鋼板、
鏡面化処理を施した方向性けい素鋼板およびその後さら
に酸洗を施して表面が荒れた方向性けい素鋼板の各鉄損
を比較して示したが、同図から明らかなように酸洗によ
って鏡面が失われても鉄損はさほど劣化していない。
このように低ヒステリシス損のけい素鋼板を得るために
は、必ずしも鏡面にする必要はなく、鋼板の表面を磁気
的に平滑な面、すなわちヒステリシス損の原因となる磁
壁の移動を妨害することがない表面にすればよい。した
がって電解研磨や化学研磨は必要不可欠の条件ではなく
、もっと自由に表面処理手段を選択できることになる。
そこで発明者らは、従来、けい素鋼板に対して実施され
ることがなかった処理も含めて種々の表面処理について
検討したところ、ハロゲン化物浴中で陽極電解処理する
ことが所期した目的の達成に関し、極めて有効であるこ
との知見を得た。
すなわち方向性けい素鋼板を、ハロゲン化物水溶液中で
陽極電解処理した場合に、鏡面とは異なる独特の網目状
文様を呈する表面(電解エッチングC丁)際に得られる
グ」/イf−ング( graining )面に酷似し
,ているのご、以下グレイニング様面という)が得られ
、しかもかかるグレイニング様面をそなえる鋼板は、ヒ
ステリシス損が極めて小さいだけでなく、被llW密着
性にも優れていることを究明し、だのである。
第2図に、高磁束密度材および低磁束密度材両者につい
て陽極電解処理ついでTiNコートを施したときの鉄損
値について調べた結果を示す。
同図より明らかなように、高磁束密度材および低磁束密
度材とも陽極電解処理さらにはTjNコートを施すこと
によって鉄損特性は向上する。なおTiNコートによっ
て両者とも鉄損値は低下するけれども高磁束密度材の方
が鉄損改善効果がより大きいことが注目される。
なお上記したグレイニング様面は、{110}面を有す
るけい素鋼板をハロゲン化物水溶液中で陽極電解処理し
た場合にのみ得られるものである。
この発明は、上記の知見に立脚する。
すなわちこの発明は、 C:0.025〜0.060%、 St:2.0〜4.0%、 Mn : 0.01〜0.20%、 SおよびSeのうちから選んだ1種または2種合計: 
0.005〜0.050%、As. BiおよびTeの
うちから選んだ少なくとも1種: 0.003〜0.0
50% を含み、さらに必要に応じて、 SnおよびSbのうちから選んだ少なくとも1種: o
.oi〜0,05% を含有する組成になる含けい素鋼スラブを、常法に従っ
て熱間圧延し、ついで1回または中間焼鈍を挟む2回以
上の冷間圧延を施して最終製品厚の冷延板としたのち、
脱炭・1次再結晶焼鈍を施し、さらに焼鈍分離剤を塗布
してから最終仕上げ焼鈍を施したのち、水溶性のハロゲ
ン化物をIN以上含む水溶液中で陽極電解処理を施し、
ときにはさらにその後該鋼板表面に張力コーティングを
施すことからなる磁束密度が掻めて高い低鉄損一方向性
けい素鋼板の製造方法である. 以下、この発明を具体的に説明する. この発明において、素材の成分組成を上記の範囲に限定
したのは、次の理由による。
C : 0.025〜0.060% Cは、熱延中にγ相を生成させ、これに伴ない熱延組織
の微細化均一化を促進するためには少なくとも0.02
5%が必要である。しかしながらC量があまりに過剰に
なるとスラブ加熱温度の上昇、脱炭不良を招き鉄榎劣化
を起こすため0.060%以下とした。
Si ; 2.0〜4.0% Si濃度の増加とともに磁束密度は低下するが、一方で
比抵抗が高くなり渦電流損が減少する。また、Siの添
加により延性脆性遷移温度が上昇するので冷延が困難に
なる。これらの兼合いよりSi:2.0〜4.0%とし
た。
M.n : 0.01〜0.20% Mn濃度が低いとインヒビター不足が生じ、一方過剰に
添加すると熱間脆性が発生するので、Mn、0.01〜
0.20%とした。
Sおよび/またはSe : 0.005 〜0.050
%濃度が低いとインヒビター不足を生と,、一方過剰に
添加されるとインヒビターの完全固溶が困難になったり
熱間圧延時に内部割れなどが発生することから、適正濃
度として0.005〜0.050%の範囲に限定した。
As. B(およびTeのうちから選んだ少なくとも1
種:0.003〜0.050% As+ BtおよびTeはいずれも、粒界偏析型イン叫
、ビターとして均等であり、とくに磁束密度の向上に有
効に寄与する.しかしながら添加量が0.003%に満
たないとその添加効果に乏しく、一ブi’ 0.050
%を超えて多量に添加してもその効果が飽和に達するだ
けでなく、むしろ粒界偏析割れなどの欠陥が生じるので
、含有量は0.003〜0.050%の範囲に限定した
Snおよび/またはSb : 0.01〜0.05%S
nおよびSbはそれぞれ、インヒビターとしてのMnS
やMnSeの抑制効果を助成する補助インヒビターとし
て有用である。しかしながら添加量が0.01%に満た
ないと十分な効果が得られず、一方0.05%を超える
と結晶粒界の脆化を招くので、0.01〜0.05%の
範囲で添加するものとした。
上記の好適組成に調整された溶鋼は、常法に従って造塊
されてスラブとされたのち、熱間圧延し、必要に応じ熱
延板焼鈍を施してから、中間焼鈍を挟む冷間圧延を施し
て最終板厚とする。このとき熱延板焼鈍および中間焼鈍
は850〜1150゜C,10s〜10m i n程度
とするのが好ましい。
′〕いで脱炭・1次再結晶焼鈍を施して、圧延板の冷延
組織を1次再結晶組織にすると同時に、その後の2次再
結晶工程において有害となる炭素を除去する。この脱炭
・1次再結晶焼鈍は通常、湿水素中において750 〜
850 ’C.1〜20a+in程度で行うが、その他
公知の方法を排除するものではない。
次に、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから
、800〜iooo”c程度の温度域での2次再結晶焼
鈍および水素雰囲気中1100〜1250″C程度の温
度域での純化焼鈍からなる最終仕上げ焼鈍を行う。
この最終仕上げ焼鈍の際の焼鈍分離剤としては、従来か
らフォルステラ・イト被膜も同時に形成させるために用
いられてきたFIgO @主成分とする焼鈍分離剤も勿
論使用できるが、かかるフォルステライト被膜を生成さ
せない様に配合された、たとえばA f zoz等を主
成分とし、これに不活性のMgOやCa, Sr化合物
を添加し、た分離剤がとりわけ有利である。
次に最終仕上げ焼鈍板の表面酸化層を必要に応じて除去
する。除去方法としては、酸洗等の化学的方法とエメリ
ー研磨等の機械的手法とがあり、特に限定はしないが、
機械的手法で表面酸化層を除去した場合には、鋼板内部
に歪みが入り易く、かかる歪は続く電解処理によっても
完全には解放できないので、表面酸化物の除去は酸洗処
理で行う方が好ましい。
ついでこのように表面酸化層を除去した表面を陽極電解
処理によって磁気的平滑面、すなわち結晶粒界がR..
8で0.4μ1以上の段差状または溝状の凹部を形成す
るとともに、結晶粒の表面が凸部の境界を介して窪みが
隣接したいわゆるダレイニンゲ欅面とする. ここに磁気的に平滑面なグレイニング様面は、水溶性の
ハロゲン化物を1種以上含む水溶液を電解′/:¥とr
る陽極電解処理によー・,て容易に得ることり<7′ 
 き る。
゜ζで水溶性のハロゲン化物とは、Cj!.F,Br.
■を陰イオンとする酸、またはそのアルカリ、アルカリ
土類、、その他の金属塩類およびアンモニウム塩のうち
の水溶性のもの、さらにはほうふつ化物(BF,塩)お
よびけいふっ化物(Sih塩)のうちの水溶性のものを
意味する。その代表例を例示すると、HF+ Nap,
 Kp, NHnP, HBr. NaBr, KBr
,MgBrz, CaBrt+ NH4Br,旧+ N
aL KI+ NHaL CalzMglz. HzS
iPa, MgSiFal(NHa)zsiPb+ H
BF41 NH4BPa,NaBFa+ HCL Na
Cl, KC1+ NH4C1+ MgC]z, Ca
Clzお.よび^IcIff等である。これらはいずれ
も(110}面を有する仕上げ焼鈍後の方向性けい素鋼
板に対し磁気的平滑化効果を持つものであるが、実操業
においては陰極への金属析出の防止等を考慮して、これ
らの中から適宜に選択して使用することが望ましい。こ
こに浴濃度は、浴の電気伝導度を確保するうえから20
g#2以上、また浴温は常温〜90゜C程度が望ましい
.さらに一流密度は、数+A/dm”〜数百4/daz
の広い範西.ご一定できる。なお鉄損を低下させる見地
::l・・“・、こ・′)ネ明における電、:騨の電気
量および電解除去@ l.fイれぞれ 300C/cl
m”以上、片面当り1〃IllレソJ:番、′t′ろ1
二とが好ま1.,い,、以上のようにこの発明において
は従来の方法にくらべてきわめて広範囲な条件下で磁気
的平滑化効果を得ることができ、この点もこの発明が工
業的に実施されるうえで有利であることの重要な根拠と
である。
ここで電解反応による浴の変化をNaC l水溶液を例
にとって示すと次のとおりである。
陽極: Fe+2CI− −+ FeC1z +2e−
       −(1)陰極: 2Na”+2HzO+
2e− −4 2NaOH十Hz↑   −(2)バル
ク: FeCIz +2NaOH −+2NaCl +
Fe(OH)z ↓ −(3)すなわち(1)式によっ
て生成したPeCl,と、(2)式で生成したNaOH
とは、(3)式に示した反応によって自動的にNaC1
を再生する。したがって浴組成の制御は、基本的には(
3)式で生成するFe (OH) zの沈澱の除去と、
水の補給、および鋼板が系外へ持ち出すNaClの補給
を行えばよいことになり、従来の化学研磨あるいは電解
研磨にくらべ、はるかに容易かつ低コストなものとなる
。この点もこの発明方法が工業的に優れたものであるこ
との一つの理由である。
上記の磁気的平滑化処理を施すことによって、磁気特性
の効果的な向上を図ることができるが、処理後の鋼板表
面ば地鉄が露出しているので積層時における眉間抵抗が
ない。従って鋼板の表面には絶縁コーティングを施す必
要がある。その際、絶縁被膜として鋼板表面に対し、引
っ張り応力を付与できるものを用いれば、渦電流損の低
下による鉄損の#.滅が期待できる。しかしながら従来
の磁気的平滑面を得る手段である鏡面研磨によって得ら
れた面は、絶縁コーティングを施し難いだけでなく、被
膜の密着性に問題があったことは前述したとおりである
この点、この発明に係るグレイニング様面は、網目上粒
の境界に凸部を有するだけでなく、結晶粒解が段差や溝
状の凹部を形成しているので、コーティング被膜の密着
性は極めて良好である。
(実施例) 表1に示す種々の組成になるけい素鋼素材スラブを、熱
間圧延し、ついで中間焼鈍を含む2回の冷間圧延を施し
て板厚7 0.23mmの最終冷延板としたのち、80
0゜Cの湿水素中で脱炭・1次再結晶焼鈍を施した。そ
の後MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、
860″0.50時間の2次再結晶焼鈍、ついで120
0゜C,  5時間の純化焼鈍を施した。
次に、表面の酸化物を除去したのち、表2に示す種々の
組成になる電解液を用いて陽極電解処理を行った。
かくして得られた製品板の磁気特性について調べた結果
を表2に示す。
なお同表には、比較のため、りん酸一クロム酸を用いた
鏡面研磨および機械的研磨(エメリー51000仕上げ
)を行った場合についての調査結果も併せて示す。
この発明法に従って得られたもの(適合例1〜25)は
いずれも、高い磁束密度と共に低い鉄損値が得られてい
る。
これに対し、化学成分は満足するものの、従来法に従う
りん酸一21”コ!゛、酸液で処理したもの(比較例1
)は、鉄tJJ tri向!―は認められたけれども、
磁束密度の改善効果は小さかった。また機械的研磨法で
処理したもの(比較例2)は、鉄損および磁束密度とも
かえって劣化した。
さらに化学成分がこの発明の適正範囲を逸脱した試料番
号25〜26についごは、この発明法に従って処理した
場合(比較し・!13.6)であ.っても、磁束密度お
よび鉄損の改5″F Qb果はこの発明に及ばフ,Cか
った3またり.4、ゲ!一/メロl、酸液で処理した場
合(比較例4,’?)は、鉄I口の向上は認められたも
のの、磁束密度゛−1、依然ばてシて低いままであった
なお機械的研磨法で卵..理した場合(比較例5.8)
に到っては、磁気特性は劣悪であった.ついで適合例1
.2および比較例1.3について、電解処理後、さらに
PvDにて1um厚のTiN張力コーティングを施した
ところ、得られた鉄…特性は次のとおりであり、 W+ff/so(W/kg) 適合例1     0.65 適合例2    0.63 比較例1     0.70 比較例3    0.79 この発明に従う場合には、より一層の鉄損改善効果が見
られた. 次に、上記のTiNコーティングを施したものについて
、20mmφの曲げ密着性テストを行った結果4cL、
次表3 表3 のとおりであり,この発明に従いハロゲン化物浴中で電
解処理したものについては、TIN被膜密着性は極めて
良好′ごめった.このTiNコーティングは、itい素
崎板表Ifi]に幻しーと等方的な張力を付与し、還流
磁区を消失、きω’.′r 180゜磁区幅を細分化さ
拷る効果がある, 実施例2 表4に示す種々の組成になるけい素調素材スうブを、熱
間圧延し・、ついで中間焼鈍を含む2回の冷間圧延を施
して板厚: 0.23mmの最終冷延板としたのち、8
00 ’Cの湿水素中で脱炭・1次再結晶焼鈍を施した
4その後恥りを主成分とrる焼鈍分離削を塗布してか・
′:I、860 ’C. 50時間の2.次再結晶焼鈍
、ついで118Q’C.  5時間の純化焼鈍を施し,
.上,.次に、表面の酸化物f:除去したのち、表5に
承す種々の岨膚.1.7!・イ)電解液を用いて陽極電
解処理を行った。
さらに一部にー・いては PvDにて片面1〃脅戸のT
iN張カコーティングを両面に施した.かくして得られ
た製l1^板の磁気特性について羽べた結果を表5に示
す。
なお同表には、比較のため、りん酸一クロム酸を用いた
鏡面研磨および機械的研磨(エメリー” 1tlQO仕
上げ)を行った場合についての調査結果一、、併仕て示
す. 同表より明らかなように、この発明法に従いハロゲン化
物浴中で電解処理、さらにはTjNコーティングを施し
たもの(適合例26〜49)はいずれも、高い磁束密度
と共に低い鉄損値が得られた。
これに対し、インヒビターとしてAs+ ax, Te
を含有せず、化学成分がこの発明の適正範囲から逸脱し
た試料番号51〜52については、この発明法に従って
処理した場合(比較例9.12)であっても、磁束密度
および鉄損の改善効果は小さかった。またりん酸一クロ
ム酸液で処理した場合(比較例10.13)は、鉄損の
向上は認められたものの、磁束密度は依然として低いま
まであった。なお機械的研磨法で処理した場合(比較例
11. 14)に到っては、磁気特性は劣悪であった。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、磁束密度ならびに鉄攬特性
に優れ、しかも被膜密着性に優れた方向性けい素鋼板を
、低コストの下で安定して得ることができる,
【図面の簡単な説明】
第1図は、酸化物が表面に存在する方向性けい素鋼板、
鏡面化処理を施した方向性けい素鋼板およびその後さら
に酸洗を施して表面が荒れた方向性けい素調板の各鉄堝
を比較して示したグラフ、第2図は、高磁束密度材およ
び低磁束密度材両者について陽極電界処理ついでTfN
コートを施したときの鉄損値を示したグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、C:0.025〜0.060wt%、 Si:2.0〜4.0wt%、 Mn:0.01〜0.20wt%、 SおよびSeのうちから選んだ1種また は2種合計:0.005〜0.050wt%、As、B
    iおよびTeのうちから選んだ少なくとも1種:0.0
    03〜0.050wt%を含む組成になる含けい素鋼ス
    ラブを、常法に従って熱間圧延し、ついで1回または中
    間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終製品厚の
    冷延板としたのち、脱炭・1次再結晶焼鈍を施し、さら
    に焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上げ焼鈍を施したの
    ち、水溶性のハロゲン化物を1種以上含む水溶液中で陽
    極電解処理を施すことを特徴とする磁束密度が極めて高
    い低鉄損一方向性けい素鋼板の製造方法。 2、C:0.025〜0.060wt%、 Si:2.0〜4.0wt%、 Mn:0.01〜0.20wt%、 SおよびSeのうちから選んだ1種また は2種合計:0.005〜0.050wt%、As、B
    iおよびTeのうちから選んだ少なくとも1種:0.0
    03〜0.050wt%を含む組成になる含けい素鋼ス
    ラブを、常法に従って熱間圧延し、ついで1回または中
    間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終製品厚の
    冷延板としたのち、脱炭・1次再結晶焼鈍を施し、さら
    に焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上げ焼鈍を施したの
    ち、水溶性のハロゲン化物を1種以上含む水溶液中で陽
    極電解処理を施し、しかるのち該鋼板表面に張力コーテ
    ィングを施すことを特徴とする磁束密度が極めて高い低
    鉄損一方向性けい素鋼板の製造方法。 3、含けい素鋼スラブが、 C:0.025〜0.060wt%、 Si:2.0〜4.0wt%、 Mn:0.01〜0.20wt%、 SおよびSeのうちから選んだ1種また は2種合計:0.005〜0.050wt%、As、B
    iおよびTeのうちから選んだ少なくとも1種:0.0
    03〜0.050wt%のほか、 SnおよびSbのうちから選んだ少なくと も1種:0.01〜0.05wt% を含むものである請求項1または2記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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