JPH022230Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は集魚用まき餌入れ容器に関し、特に互
いに遊嵌した一対の両筒相対的な往復運動に従つ
て少なくともいずれか一方の筒の放出口の窓が開
閉されてまき餌を散布するものにおいて、一方の
筒の底壁に錘が固定され、両筒の相対的運動を制
限する線部材が両筒の中心に存し、該線部材の上
端を一方の筒の頂壁に直接又は間接的に連結し、
下端を他方の筒の底壁と錘の孔に相対的移動可能
に遊嵌させることにより、錘は容器を沈下させる
本来の機能と共に線部材を案内する機能を有し、
構造が簡略化されるものを提供し、さらに一方の
筒の頂壁に蓋を回転可能に取り付け、該蓋を回転
させることにより、上記頂壁と蓋に穿設された流
通孔の開口面積を変化させて、まき餌の放出口の
窓からの散布量を最適にできるものを提供しよう
とするものである。

以下本考案の実施例を説明する。

互いに遊嵌して相対的に往復運動する一対の筒
は外筒１と内筒２で構成され、両筒は軸方向へ相
対的に摺動できる他に周方向にも相対的に回転で
きる。

両筒の中心には線部材３が設けられ、該線部材
の上端は外筒１の頂壁４に固定され、下端は内筒
２の底壁５からその孔を通つて下方に延出し、こ
の線部材が両筒間の往復運動の距離を制限する。

外筒１と内筒２は、各々円筒形の周壁６，７を
有し、外筒２はその上端から円錐形の頂壁４が形
成され、内筒２はその下端に平らな底壁５が形成
されている。内筒２の直径は外筒１の直径より
やゝ小いさく形成されて内筒が外筒にがたつかな
い程度に遊嵌され、両筒の周壁の縦方向の長さは
ほヾ等しい大きさである。

外筒の頂壁４と、該頂壁に近接した周壁６の部
分に流入用の楕円形の孔８と円形の孔９が複数個
環状に穿設され、周壁６の中央部にまき餌の放出
と充填に使用される縦長の長方形の窓１０が１個
穿設されていて、該窓の円弧の長さは全円周の
ほヾ1/5の大きさに形成されている。内筒の周壁
７の中央部にも前記窓１０と類似のまき餌の放出
と充填に使用される縦長の長方形の窓１１が穿設
され、該窓１１の幅は窓１０と同一であるが、高
さはより長くその下辺が周壁７の下端まで延びて
いる。

内筒２が外筒１に対して引込位置まで引込む
と、窓１１の上辺１２は窓１０の上辺１３と一致
し、窓１１の下方の部分は窓１０の下方の帯状の
周壁部分１４で閉じられる。内筒２が突出位置に
突き出るに従い、窓１１はその開口面積が大きく
なるように開口する。

内筒２はまた別のまき餌放出用の窓１５を具備
し、該窓１５は周壁７の下部に窓１１の反対側に
形成され、幅は互いに同一であるが高さはほヾそ
の1/5弱であり、内筒２が引込んでいるときは外
筒１の周壁の周壁部分１４で閉じられ、突き出る
と開口される。底壁５の周縁１６の直径は内筒２
の周壁７の直径より大きく、外筒１の周壁６の下
端に突き当つて内筒がそれ以上引込まないように
する。

外筒１の頂壁４には該壁と同様な円錐形の上蓋
１７が回転可能にかぶせられ、該上蓋は頂壁の孔
８と同じ流入用の楕円形の複数個の孔１８を有
し、上蓋の回転に従つてその孔１８が頂壁の孔８
と完全に一致する状態から、互いに部分的に一致
する状態を経て、完全に一致しない状態まで変化
する。この変化により、頂壁の孔８が開閉され、
その開口面積が調節される。指掛１９は上蓋１７
の孔１８間に起立されていて、上蓋の回転のため
に使用される。

頂壁４と上蓋１７の各頂部には短い筒状部２
０，２１が形成され、これらの筒状部の間には組
立状態において環状空間が形成され、該空間に圧
縮ばね２２を挿入する。筒状部２０の内周面はめ
ねじを有し、該めねじに調節ねじ２３を螺合し、
該ねじの頭部２４を前記筒状部２０，２１の上端
にのぞませている。圧縮ばね２２の両端は調節ね
じの頭部２４と筒部２１の下端のフランジ２５で
受け止められていて、該ばね２２が上蓋１７を頂
壁４に押しつけて上蓋の不必要な回転を阻止す
る。調節ねじ２３はその中心に貫通孔を有し、該
貫通孔を線部材３の上端が通り抜けて頭２４の上
方に突き出ていて、この突出部のねじ部にキヤツ
プ２６を螺合させて線部材の上端を調節ねじに連
結している。

内筒２の底壁５には、円錐形の錘２７が固着さ
れている。その固着方法として、錘２７と底壁５
の中心に貫通孔が穿設され、これらの孔に案内筒
２８を挿入し、案内筒の肩部を孔の肩部２９にか
み合わせ、底壁より上方に延びた部分のねじ部に
ナツト３０を螺合して締めつける。線部材３の下
端は案内筒２８の孔内に延びて、そのねじ部にナ
ツト３１が螺合されている。ナツト３１は案内筒
２８の孔に沿つて摺動可能であり、そのナツト３
１が案内筒の孔の肩部３２にかみ合うことによ
り、内筒２が線部材３から外れるのを阻止してい
る。

次にこのまき餌入れ容器の使用方法について述
べると、内筒２をその底壁５の周縁１６が外筒１
の周壁６の下端面に突き当るまで外筒内に押し込
んで、内筒と外筒の窓１０，１１を合わせて（第
３図）、これらの窓からまき餌を容器内に詰め込
み、内筒２と外筒１を相対的にほヾ180度回転さ
せて、内筒の窓１１，１５を外筒の周壁６で閉じ
る。

容器を海中に沈めると、この容器は沈下する間
内筒２の底が海水の抵抗を受けて内筒２が外筒１
内に引込んだ状態に保持されて、まき餌は外に出
ない。容器が所望の水深に達したとき、竿を引き
上げると、外筒１が内筒２に対して上昇して窓１
１，１５と孔９が開き（第４図）、竿を下げると
外筒１が内筒２に対して下降して窓１１，１５と
孔９を閉じる。以下同様に竿の上下運動に従つて
窓と孔がそれらの開閉を繰り返す。その結果まき
餌が主として窓１１，１５から海中に散布され
る。この散布をより円滑にしたり、潮の流れに順
応させるために、細孔３３，３４を内筒と外筒の
周壁に設けている。

まき餌の出方は、まき餌の種類と大きさにより
異るので、放出口や流入孔の開口面積を拡大した
り縮小したりして、まき餌がその種類等のいかん
にかゝわらず常に最適の状態に出るように調節す
る。放出口としての窓１１，１５の開口面積の調
節は、ねじ２３を左右いずれかの方向にまわして
案内筒２８の肩部３２とナツト３１の間隔Ｈを変
えることにより行われる。流入孔８の開口面積の
調節は、上蓋１７を外筒の頂壁４に対して回転さ
せることにより行われる。

尚本考案の容器は次のように種々変形し得るも
のである。前記外筒１と内筒２の嵌合関係は第５
図のように逆にしてもよい。本考案は上記のよう
に、一方の筒の底壁５に錘２７が固定され、両筒
１，２の相対的運動を制限する線部材３が両筒の
中心に存し、該線部材の上端を一方の筒の頂壁４
に直接又は間接的に連結し、下端を他方の筒の底
壁５と錘２７の孔に相対的移動可能に遊嵌させる
ことにより、錘２７は容器を沈下させる本来の機
能と共に線部材３を案内する機能を有し、構造が
簡略化される。さらに本考案は蓋１７の回転で頂
壁４の流入孔８の開口面積の広さを調節するよう
に構成されているので、種々の異るまき餌を最適
の散布状態に設定することができ、かつその設定
が極めて容易であり、しかも蓋１７はばね２２で
筒の頂壁４に押しつけられているので、使用に際
し水の抵抗等の力により回転されることなく、蓋
１７を所定の設定回転角に保持することができ、
まき餌の最適の散布状態を維持することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は組立斜
視図、第２図は内筒の斜視図、第３図はまき餌を
埋込む状態を示す縦断面図、第４図は使用状態を
示す縦断面図、第５図は他の変形例で第４図に類
似の一部断面図である。 図中１は外筒、２は内筒、３は線部材、４は頂
壁、５は底壁、６と７は周壁、８と９は孔、１０
と１１と１５は窓、１７は上蓋、１８は孔、２２
は圧縮ばね、２３は調節ねじ、２６はキヤツプ、
２７は錘、２８は案内筒、３０と３１はナツト、
３３と３４は細孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに遊嵌した一対の両筒の相対的な往復運動
   に従つて少なくともいずれか一方の筒の放出用の
   窓が開閉されてまき餌を散布するまき餌入れ容器
   において、一方の筒の底壁に錘が固定され、この
   底壁と錘はその中心に穿設された貫通状の孔を有
   し、両筒の中心には両筒の相対的運動を制限する
   線部材が設けられ、該線部材の上端は一方の筒の
   頂壁に直接又は間接的に連結され、下端は上記底
   壁の孔と錘の孔に遊嵌してその先端に抜け止め手
   段が設けられ、さらに一方の筒の頂壁に前記放出
   用の窓からのまき餌の放出を助ける第１流入孔が
   穿設され、上記頂壁に蓋が回転可能に取り付けら
   れ、該蓋に上記第１流入孔に連通する第２流入孔
   が穿設され、この蓋の回転に従つて第１流入孔の
   開口面積を変化させ、上記蓋を上記筒の頂壁に押
   しつけるばねを具備し、該ばねにて蓋を所定の回
   転位置に保持させることを特徴とする集魚用まき
   餌入れ容器。