JPH022204Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は脱穀部の横側部に、穀物貯留タンクと
エンジン部とを機体進行方向に沿つて配設し、か
つ、前記穀物貯留タンクの前後部で前記エンジン
部とは反対側に前記穀物貯留タンク内の穀物を外
部に取出すための搬出装置を備えた移動脱穀機に
関する。

〔従来の技術〕

この種の移動脱穀機では前記穀物搬出装置の搬
送筒がタンク内貯留穀物の搬出作用姿勢において
機体上方に大きく突出して樹木の枝などにぶつか
る恐れがあるため、穀物搬出作業時以外の走行時
等においては、その搬送筒を機体上方に突出しな
い姿勢に切換え保持させる手段が採られるが、そ
のための従来手段として前記搬送筒を、前記タン
クに連通する搬出装置の基端側筒部分に対して先
端側筒部分を横方向軸心周りで揺動折畳み自在に
或いは取外し自在に構成するとともに、その先端
側筒部分を、タンク又は脱穀部の上面に沿つた前
後向きの水平又はそれに近い姿勢で保持可能な受
止め部を前記タンク又は脱穀部に設けて構成され
ていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

これによる場合は搬出装置の非使用格納姿勢に
おいて、搬送筒がタンク又は脱穀の上部を通して
運転席又は機体後方に突出位置するため、乗降や
脱穀処理作業の邪魔になつたり、或いは路上走行
の障害になつたりする欠点がある。特に、この傾
向は搬送筒が長尺になればなる程顕著である。そ
こで、実開昭52−168851号公報において開示され
ているように、搬送筒の先端側筒部分を更に屈折
可能に構成して、この先端側筒部分基端側を水平
姿勢で穀物貯留タンクの横側方に倒伏させ更にそ
の最先端部を縦向き姿勢で穀物貯留タンクの後面
に沿つて格納するような構成も考えられるが、こ
の場合には、搬送筒の屈折箇所が２箇所になるの
で使用時の姿勢案内性及び強度面で十分でないの
で、搬送筒としての肉厚を上げたりする補強手当
が必要となる欠点があつた。又、第５図に示すよ
うに、搬送筒をそれの長手方向の中間部で横方向
軸心Ｘ周りに揺動折畳み自在に構成して、その先
端側筒部分１１ｂを基端側部分１１ａに沿つた上
下方向姿勢に重ね合せ倒伏させて格納する手段や
第６図で示すように、前後方向軸心Ｘ周りに揺動
自在にして、先端側筒部分１１ｂを排ワラ処理部
１７の上辺に機体横巾方向に沿つた倒伏姿勢で支
持させる手段とが考えられるが、これら手段によ
れば、倒伏姿勢に切換えられた先端側筒部分１１
ｂが、脱穀処理作業の邪魔や路上走行の障害にな
るなどの不都合がなく、かつデツドスペースの有
効利用が図れるなどの利点がある反面、何れの場
合も、折畳み揺動させた先端側筒部分１１ｂが機
体の上下方向又は横幅方向を利用して格納される
ものであるから、前記搬送筒の全長が機体上下幅
又は横幅の２倍以上に長い場合には、各幅を最大
限利用する構成を採つたとしても、第５図に示す
ものにおいては、先端側筒部分の先端部が機体下
端部より下方に突出したり、或いは横方向軸芯位
置が機体上端部よりも上方に突出した状態にな
り、また、第６図に示すものにおいては、前記先
端部が機体横端部より横外方に突出した状態にな
り、何れにしても、機体端部からはみ出して走行
時等においてそのはみ出し部分が他物に接当破損
する恐れがあつた。

本考案は上述の従来欠点を改善する点に目的を
有する。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による特徴構成は前記搬出装置の搬送筒
を、前記穀物貯留タンクから穀物を取出す縦姿勢
の基端側筒部分と、その基端側筒部分の先端に対
して横方向軸心周りで屈折揺動可能に連結してあ
る先端側筒部分とで形成し、前記横方向軸心位置
を前記穀物貯留タンクの上端又はその近くに対応
する高さ位置に設定するとともに、前記先端側筒
部分を前記横方向軸心周りの揺動により、前記穀
物貯留タンク及びエンジン部の横側方に位置する
状態でエンジン部側に位置す程下方に位置する斜
め下向き姿勢に倒伏切換可能に構成してある点に
あり、その作用効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、路上走行時等には、前記先端側筒部分
を基端側筒部分に対して揺動させることによつ
て、格納姿勢に切換えることができる。この場合
に、基端側筒部分と先端側筒部分との連結支点と
しての横方向軸心位置を穀物貯留タンクの上端対
応位置に設けてあるので、基端側筒部分を穀物貯
留タンクよりはみ出さない状態でかつ最大長さで
設置できるとともに、先端側筒部分も斜め下向き
に配置することによつて、前記タンク及びエンジ
ン横側部の機体前後方向に長いスペースを更に長
く活用して、設置できる。

〔考案の効果〕 搬出装置の非使用時には乗降や脱穀作業の邪
魔にならないよう、また、路上走行時の障害に
もならないように格納できるのは勿論、 搬送筒全長が機体の上下幅又は横幅の２倍以
上に長いものであつても、折畳み揺動させた先
端側筒部分を先端側筒部分を更に二つ折りにす
るといつた筒自体の強度不足を招来する方法を
採ることなく、斜め下向きに配置することによ
つて、機体から少しもはみ出させることなく格
納して、走行時等における他物との接当破損と
いつた不都合を確実になくすることができるに
至つた。

〔実施例〕

本考案構成の実施例を図面に基いて説明する。

第１図及び第２図に示すように、移動脱穀機の
一例であるコンバインを構成するに、クローラ式
走行装置１及び脱穀部２を備えた本機の前部に、
植立穀稈を引起して刈取つたのちこれを前記脱穀
部２に搬送供給する刈取部３、運転席４及びエン
ジン部５を配備すると共に、前記脱穀部２の後部
に、脱穀排ワラを細断した状態であるいは長ワラ
状態で放出する排ワラ処理部１７を、前記脱穀部
２及びエンジン部５の横外側部よりも機体内方側
に入り込ませた状態で配設している。

前記脱穀部２横側部には、穀物貯留タンク６及
び前記脱穀部２内で脱穀選別処理された一番穀物
を前記タンク６内の上部に揚送する揚穀装置７が
前記エンジン部５と機体進行方向に配置され、か
つ、前記タンク６がその後部の縦軸芯Ｐ周りの揺
動により横外側方に引出し可能に構成されてい
る。

前記タンク６内の底部に回収穀物を後方に搬出
するためのスクリユーコンベヤ９を架設するとと
もに、前記タンク６の後側板６ｂには、前記スク
リユーコンベヤ９にて搬出される穀物を所定箇所
に取出すためのスロワーつまり穀物搬出装置１０
が配備されている。

而して、前記スロワ１０を、前記タンク６に連
通し、かつ、前記スクリユーコンベヤ９のスクリ
ユー軸に固定されたスロワ羽根１０Ａを内装する
スロワケース１０Ｂと、このスロワケース１０Ｂ
の吐出筒部１０ｂに対してスロワ軸芯周りで回動
自在なスロワ筒つまり搬送筒１１とから構成する
とともに、前記スロワ筒１１を基端側筒部分１１
ａと先端側筒部分１１ｂとに２分割構成すると共
に、第３図に示すように、基端側筒部分１１ａの
先端部に固設した連結具１２と、先端側筒部分１
１ｂの基部に取付けた連結具１３とを、機体進行
方向に対する横方向軸芯Ｘ周りの揺動を許容する
連結軸１４により枢支連結し、前記両連結具１
２，１３を締付固定して先端側筒部分の揺動を規
制するネジ１５を解除操作することにより先端側
筒部分１１ｂの基端側筒部分１１ａに対する折り
曲げが行えるようにした腰折れ部１６を構成し、
前記横方向軸心Ｘが前記タンク６の上端又はその
近くに設けられた状態で、前記先端側筒部分１１
ｂを前記タンク６及びエンジン部５の横側部で、
エンジン部側程下方に位置するように上下方向に
亘つて対角線状に倒伏する姿勢、（つまり、前記
横側部において、最大長さの倒伏姿勢が取れる状
態）に切換可能に構成してある。又その姿勢に保
持可能な受止め部２１を前記タンク６に設けてい
る。

前記連結具１３を先端側筒部分１１ｂのフラン
ジ１７に回動自在に取付けて、先端側筒部分１１
ｂの連結具１３に対する回動操作を可能に構成す
ると共に、前記基端側筒部分１１ａをタンク６に
対してスロワ回転軸芯Ｙの周りで揺動操作できる
ように構成し、使用時において、先端側筒部分１
１ａを揺動操作することにより、排出口１８を機
体の上下及び左右方向に移動させられるように、
さらには、倒伏時において、先端側筒部分１１ｂ
の屈曲先端部を機体横側部内に沿つた姿勢にとれ
るようにしてある。

又、第２図に示すロツド２２は、所望の対タン
ク取付姿勢にされた基端側筒部分１１ａの揺動を
ロツクするためのものである。

２３は取出し収納自在に構成されたカバーで、
収納時は排ワラ処理部１７からの噴出煙が地表面
に当つてそのはね返りが舞上るのを防止し、スロ
ワ筒１１を立姿勢にする時はステツプとして利用
し、スロワ１０を整備する際にはカバー２３を取
外して、整備出来るようにしたものである。

以下は別実施例にかかるものである。

図には示さないが、上記コンバインの各部配置
において、エンジン部５とスロワ１０つまり搬出
装置１０を前後入れかえたものであつてもよい。

又前記搬出装置１０及び搬送筒１１をスロワで
なく、スクリユー方式にしたものであつてもよ
い。

腰折れ部１６における筒体連結構造を構成する
に、第４図に示すように、連結具１２，１３どう
しを固定して腰折れを規制するフツク１９を、一
方の連結具に揺動解除操作自在に取付けると共に
スプリング２０により作用状態に付勢しておく
と、腰折れのロツク、及びロツク解除が操作簡単
に行えて便利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動脱穀機の実施例を示
し、第１図は一部切欠全体側面図、第２図は一部
切欠全体背面図、第３図はスロワ筒の要部拡大縦
断面図、第４図は別実施例にかかるスロワ筒の要
部拡大側面図、第５図及び第６図は比較例として
の要部斜視図である。 ２……脱穀部、５……エンジン部、６……穀物
貯留タンク、１０……搬出装置、Ｘ……横方向軸
芯、１１……搬送筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀部２の横側部に、穀物貯留タンク６とエン
   ジン部５とを機体進行方向に沿つて配設し、か
   つ、前記穀物貯留タンク６の前後部で前記エンジ
   ン部５とは反対側に前記穀物貯留タンク６内の穀
   物を外部に取出すための搬出装置１０を備えた移
   動脱穀機において、前記搬出装置１０の搬送筒１
   １を、前記穀物貯留タンク６から穀物を取出す縦
   姿勢の基端側筒部分１１ａと、その基端側筒部分
   １１ａの先端に対して横方向軸心Ｘ周りで屈折揺
   動可能に連結してある先端側筒部分１１ｂとで形
   成し、前記横方向軸心Ｘ位置を前記穀物貯留タン
   ク６の上端又はその近くに対応する高さ位置に設
   定するとともに、前記先端側筒部分１１ｂを前記
   横方向軸心Ｘ周りの揺動により、前記穀物貯留タ
   ンク６及びエンジン部５の横側方に位置する状態
   でエンジン部５側に位置する程下方に位置する斜
   め下向き姿勢に倒伏切換可能に構成してある移動
   脱穀機。