JPH022191Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はコンバインやバインダ等の穀稈刈取機
における刈刃装置の改良に関するものである。

（従来の技術及び問題点） コンバイン等の穀稈刈取機の刈刃装置は一般に
レシプロ型のものが採用されている。そしてこの
レシプロ型刈刃装置は、第５図に示すように、刈
取フレーム（図示せず）に支持された固定受刃１
上に機体進行方向に対して左右方向摺動自在に重
合した可動刃２にナイフヘツド３を固着し、刈刃
駆動軸４の回転によりクランク５を介して前後方
向に往復動する駆動ロツド６の先端部に揺動プレ
ート６ａを介して連繋枢支されたローラ７を上記
ナイフヘツド３に設けた長溝８内に嵌装して可動
刃２を左右往復移動させるようになつている。し
かしこのような構造のものではローラ７が殆んど
回転せず、略同一個所にてナイフヘツド３の長溝
８内縁に繰返し反復衝当して駆動していたため衝
当部のみが偏摩耗しローラ７と長溝８との隙間が
広くなり、これにより可動刃２が左右往復移動す
る度毎に衝撃音が発生し、また衝撃による振動も
大きかつたため長時間の使用に耐えられないとい
う欠点あつた。

（問題点を解決するための手段） そこで本考案は、ナイフヘツドに設けた長溝
を、ローラを枢支した駆動ロツドの軸線方向に対
して交差する方向に傾斜させたことにより、ロー
ラが常に長溝内縁に案内されて同一方向に回転し
ながら刈刃を駆動するためローラ及びナイフヘツ
ドの長溝部に偏摩耗をきたすのを防止できこれに
より耐用命数を大巾に高めることができると共
に、可動刃が往復移動する際の衝撃音や振動の発
生を解消することができる穀稈刈取機の刈刃装置
を提供しようとするものである。

（実施例） 本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、第１図はコンバインＡの機体進行
方向前部に油圧シリンダ１０を合して上下動自在
に装着された刈取装置の全体構造を示すもので、
引起し装置１１で引起された圃場の立毛穀稈は引
起し装置１１の後方下部に配設された刈刃装置Ｂ
により刈取られると共に、掻込搬送装置１２で掻
込集束された後、扱深さ調整機構を備えた揚上搬
送装置１３に搬送され、その搬送終端部から更に
脱穀部１４のフイードチエン１５に受継がれて脱
穀処理されるようになつている。

第２図及び第３図は本考案に係る刈刃装置Ｂを
示すもので、伝動ケース１６より取出した刈刃駆
動軸１７にクランク１８を固定し、該クランク１
８の回動先端側にアーム１９を介して駆動ロツド
２０の後端ボス部２０ａを枢結すると共に、該ロ
ツド２０の後端ボス部２０ａを刈取フレーム２１
に固定したガイド２２の長孔２２ａに貫挿するこ
とにより刈刃駆動軸１７の回転を駆動ロツド２０
の前後往復運動に変換し、またロツド２０の長手
方向中途部をガイド２３に摺動自在に貫挿支持せ
しめることにより、ロツド２０の左右及び上下方
向の移動を規制するようになつている。そしてロ
ツド２０の先端ボス部２０ｂにベアリング２４を
介してローラ２５を回転自在に装着し、このロー
ラ２５をナイフヘツド２６に設けた長溝２７内に
嵌装してロツド２０の前後往復運動を可動刃２８
の左右往復運動に交換させるようになつている。
２９は刈取フレーム２１に支持された固定刃で、
該固定刃２９上に上記ナイフヘツド２６を固定し
た可動刃２８が左右方向摺動自在に重合してい
る。３０は刃押さえである。

ところで上記ナイフヘツド２６に設けた長溝２
７は、その長手方向が駆動ロツド２０の軸線方向
に対して交差する方向にくるように駆動ロツド２
０に対して所定角度傾斜させてある。この傾斜角
度は30゜〜45゜程度が好ましい。

叙上の如き構成において、刈刃駆動軸１７を回
転させるとクランク１８が回転し、該クランク１
８とアーム１９を介して連結された駆動ロツド２
０は前後方向に往復運動するが、ロツド２０及び
ローラ２５は長溝２２ａ及びガイド２３により上
下及び左右方向の移動を規制され常に同一線上を
前進及び後進する。さていま、ロツド２０及びロ
ーラ２５が第４図におけるＣ方向へ移動（前
進）すると、長溝２７がロツド２０の軸線方向に
対して交差する方向へ傾斜しているため、ローラ
２５がＤ方向へ回転しながら長溝２７の一辺を押
し、ナイフヘツド２６及び可動刃２８を矢印Ｅ方
向に移動させる。また、ロツド２０及びローラ２
５が第４図におけるＦ方向へ移動（後退）する
とローラ２５及びナイフヘツド２６と可動刃２８
は各々矢印Ｇ，Ｈ方向へ回転及び移動するためロ
ーラ２５は長溝２７の内縁に沿つて常に同一方向
に回転するることとなり、これによりローラ２５
及びナイフヘツド２６の長溝２７が従来のものの
ように偏摩耗をきたすことがないので、長時間の
使用に耐えるようになつた。また駆動ロツド２０
の往復運動の際、第５図に示す従来の構造のもの
ではローラ７とナイフヘツド３がその都度衝当す
るため衝撃音や振動を発生させていたが、本考案
においては長溝２７をロツド２０に対して傾斜さ
せた構造なので、従来のものに比較し衝撃が大巾
に緩和され振動や衝撃音の発生をなくすことがで
きた。

上記したように本考案は、固定受刃上に左右方
向摺動自在に重合した可動刃にナイフヘツドを固
着し、刈刃駆動軸の回転により前後方向に往復動
する駆動ロツドの先端部に連繋枢支されたローラ
を上記ナイフヘツドに設けた長溝内に嵌装して可
動刃を左右往復動させるようにした穀稈刈取機に
おいて、上記長溝を駆動ロツドの軸線方向に対し
て交差する方向に傾斜させたから、ローラが常に
ナイフヘツドの長溝内縁に案内されて同一方向に
回転しながら刈刃を駆動するため、ローラ及びナ
イフヘツドの長溝部に偏摩耗をきたすのを防止で
きるうえ、可動刃の左右往復運動を極めて円滑且
つ確実に行なうことができ、これにより、刈刃部
の耐要命数を大巾に高めることができると共に、
可動刃が往復移動する際の衝撃音や振動の発生を
解消することができる等構造簡単なものでありな
がら極めて有用な実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンバインの刈取装置の側面図、第２
図は要部の平面図、第３図は要部の側面図、第４
図，は夫々要部の作用説明図、第５図は従来
例の平面図である。 図中、１７は刈刃駆動軸、２０は駆動ロツド、
２５はローラ、２６はナイフヘツド、２７は長
溝、２８は可動刃、２９は固定刃。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 固定受刃上に左右方向摺動自在に重合した可
   動刃にナイフヘツドを固着し、刈刃駆動軸の回
   転により前後方向に往復動する駆動ロツドの先
   端部に連繋枢支されたローラを上記ナイフヘツ
   ドに設けた長溝内に嵌装して可動刃を左右往復
   動させるようにした穀稈刈取機において、上記
   長溝を駆動ロツドの軸線方向に対して交差する
   方向に傾斜させたことを特徴とする穀稈刈取機
   の刈刃装置。 (2) 駆動ロツドに対する長溝の傾斜角度を30゜〜
   45゜に設定したことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の穀稈刈取機の刈刃装
   置。