JPH0221867B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えば連続鋳造機の２次冷却帯に使用
する気水噴霧ノズルに関するものである。

従来連続鋳造機の２次冷却帯には主に鋳片に冷
却水をスプレイする方式のノズルが使用されてい
る。しかしこの冷却水スプレイノズルでは、噴射
された冷却水は鋳片面のノズル対向部に最も多く
当るが、該ノズル対向部から巾方向側端側に行く
につれ鋳片面に当たる冷却水の量は急激に減少す
る。このように鋳片面のノズル直下位置に狭巾の
ピークを持つ山型のスプレイパターンで鋳片が冷
却効果の大きい冷却水により冷却されると、鋳片
の成長しつつある凝固シエルに過大な熱応力が発
生し、表面割れが発生することになる。また使用
中ノズル詰りが発生することがあるから、ノズル
の定期的な保守点検が欠かせないという不具合を
免れなかつた。

前記の冷却水スプレイノズルに対して、水に加
圧空気を混合して鋳片に霧状の微小水滴をスプレ
イする方式のノズルも知られている。この気水噴
霧ノズルは微小水滴を鋳片面の広範囲に飛散させ
ることができ、冷却水スプレイノズルよりもスプ
レイ範囲が大きいから、鋳片の均一冷却に有効で
あり、また冷却水スプレイノズルのようなノズル
詰りが発生せず、それだけメンテナンスが容易に
できるものであるが、スプレイパターンは未だ冷
却水スプレイノズルと同様に鋳片面のノズル直下
位置に狭巾のピークを持つ山型のものであつたた
め、鋳片を均一に冷却することができなかつた。
従つて、鋳片を均一に冷却するためには、鋳片面
の巾方向の水量分布をできるだけ均一に近づける
ようそのピーク平坦部を大きくする必要がある。

本発明は前記従来の問題点を解決するために創
案されたもので、空気配管の先端に気水噴霧用ノ
ズルチツプを装着し、前記空気配管の先端部分に
挿設された水配管の先端に、気水噴霧用ノズルチ
ツプに向かつて該ノズルチツプと同心に開口する
水噴射用ノズルチツプを装着した気水噴霧ノズル
において、水噴射用ノズルチツプと気水噴霧用ノ
ズルチツプの間に混合部を形成し、かつ気水噴霧
用ノズルチツプの先端部の内側端部を凹んだ球面
状に形成すると共に、該先端部に開設された先端
開口部の入側部に凹んだ流入ガイド面を設けたこ
とを特徴とする。

以下本発明を第１図及び第２図に示す第１実施
例により説明する。

図中１は空気配管で、該空気配管の先端には有
底筒状の気水噴霧用ノズルチツプ２が装着されて
いる。

このノズルチツプ２の先端部の内側端面３は内
側側面４と連続する凹んだ球面状に形成されてお
り、先端開口部５は該先端部に前記空気配管１と
同心に開設されている。この先端開口部５の入側
部には凹んだ球面状の流入ガイド面６が設けられ
ている。

７は水配管で、前記空気配管１の先端部内に同
心に挿設された該水配管の先端には、前記ノズル
チツプ２に向かつて該ノズルチツプ２と同心に開
口する水噴射用ノズルチツプ８が装着されてお
り、該ノズルチツプ周面と空気配管１の内周面間
に流路狭窄部９が形成されると共に、オリフイス
８とノズルチツプ２間に混合部１０が形成されて
いる。

以上の構成において、水配管７から供給された
水１１はノズルチツプ８を通り混合部１０に導入
される。空気配管１から供給された加圧空気１２
はノズルチツプ８の周りの流路狭窄部９を通り加
速されて混合部１０に導かれる。水１１は加圧空
気１２と混合しつつそのノズル直下方向流に乗つ
てノズルチツプ２の内側端面３と流入ガイド面６
に衝突し、これらの形状効果として水１１と加圧
空気１２のノズル直下方向流は充分撹乱されると
共に、加圧空気１２により混合部１０に生じた押
込力によつてノズルチツプ２の先端開口部５に押
込まれる際流入ガイド面６に衝突し、その形状効
果としてさらに撹乱される。

従つて水１１がノズルチツプ２の先端開口部５
を通つて外部に霧状に噴射されると、前記の充分
な混合撹拌効果によつて、鋳片面のノズル直下位
置にピークを持つ山型のスプレイパターンのピー
ク平坦部を大巾に大きくできる。

実験例 本発明のノズルを、鋳片面までのノズル直下距
離（ノズル高さ）200mm、水量５／min、空気
量20Nm³／Ｈの条件下で使用した結果、第５図に
示すように鋳片面巾方向の拡がり約500mmのうち
約200mm、即ち約40％をピーク平坦部とするスプ
レイパターンを得ることができた。

比較例 本発明のノズルの流入ガイド面６が設けられて
いない第４図に示すノズルを同一の条件下、即ち
ノズル高さ200mm、水量５／min、空気量20N
m³／Ｈで使用した結果、第６図に示すように鋳片
面巾方向の拡がり約500mmのうち約50mm、即ち約
10％をピーク平坦部とするスプレイパターンしか
得られなかつた。

以上実験例及び比較例で明らかなように、本発
明によれば、スプレイパターンのピーク平坦部を
大巾に大きくできるのである。

次に本発明を第３図に示す第２実施例により説
明する。尚図中前記第１実施例と作用効果を同一
にする部分には同一の符号を付して説明を省略す
る。

本実施例が前記第１実施例と異なる点は円柱面
状の流入ガイド面１６を球面状の流入ガイド面６
に代えて使用したことである。

流入ガイド面１６は水１１と加圧空気１２のノ
ズル直下方向流を衝突により撹乱すると共に、ノ
ズルチツプ２の先端開口部５に押込まれる際も衝
突により撹乱することができる点で凹んだ球面状
の流入ガイド面６と同効であるから、本実施例に
よつても、前記第１実施例と同様にスプレイパタ
ーンのピーク平坦部を大巾に大きくできる。

この他本発明の要旨を変更しない範囲で種々の
変更が可能であることは勿論である。例えば第
１、第２実施例の流入ガイド面６，１６を併せた
形の截頭円錐状の流入ガイド面等であつてもよ
い。

以上の通り本発明は気水噴霧用ノズルチツプの
先端部に開設された先端開口部の入側部に凹んだ
流入ガイド面を設け、該先端部の凹んだ球面状の
内側端面と相俟つて、水と加圧空気の混合撹拌を
確実にかつ充分に行なえるようにした構成であ
り、スプレイパターンのピーク平坦部を大巾に大
きくできるから、連続鋳造における鋳片の均一冷
却等に有効に利用できる。また前記の極めて簡単
な構成から既存のノズル装置に簡単かつ確実に適
用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す縦断面図、
第２図は第１図の気水噴霧用ノズルチツプの拡大
図、第３図は本発明の第２実施例における気水噴
霧用ノズルチツプを示す縦断面図、第４図は流入
ガイド面がない型の気水噴霧用ノズルチツプの縦
断面図、第５図は本発明の第１実施例によつて得
られるスプレイパターンを示す線図、第６図は比
較例によつて得られるスプレイパターンを示す線
図である。 １……空気配管、２……気水噴霧用ノズルチツ
プ、３……内側端面、４……内側側面、５……先
端開口部、６，１６……流入ガイド面、７……水
配管、８……水噴射用ノズルチツプ、９……流路
狭窄部、１０……混合部、１１……水、１２……
加圧空気。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 空気配管の先端に気水噴霧用ノズルチツプを
   装着し、前記空気配管の先端部内に挿設された水
   配管の先端に、気水噴霧用ノズルチツプに向かつ
   て該ノズルチツプと同心に開口する水噴射用ノズ
   ルチツプを装着した気水噴霧ノズルにおいて、水
   噴射用ノズルチツプと気水噴霧用ノズルチツプの
   間に混合部を形成し、かつ気水噴霧用ノズルチツ
   プの先端部の内側端面を凹んだ球面状に形成する
   と共に、該先端部に開設された先端開口部の入側
   部に凹んだ流入ガイド面を設けたことを特徴とす
   る気水噴霧ノズル。