JPH0221583Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は膜室型気化器のための吸引式プライマ
ーポンプの改良に関するものである。

（従来の技術）及び（本案が解決しようとする問
題点） 膜室型気化器は機関の下部燃料タンクより燃料
ポンプで燃料を吸引し、膜室内の調圧機構に燃料
を圧送し、膜室内を定負圧に保つことにより機関
の全方位運転が可能であり、携帯式作業機、例え
ば刈払機、チエンソー、ブロアー等に使用されて
いることは広く知られる所である。

燃料タンクが気化器より下位にある為、燃料タ
ンクへの最初の燃料補給直後、或いは高気温下に
於て作業終了後エンジンの伝導熱、雰囲気熱等に
より気化器温度が燃料蒸発温度以上になつた場合
等は、気化器内は空気或いは燃料蒸気で充満して
おり、之等空気或いは燃料蒸気を予め気化器内よ
り排除して燃料に入れ換えないとエンジンを容易
且つ確実に始動させる事が出来ない。

この為エンジンの容易確実な始動を図る為に燃
料を予め膜室内に保留するべく吸引式プライマー
ポンプを設けた膜室型気化器が既に商品化されて
いる。

従来の吸引式プライマーポンプは弁ばね付きの
入口弁及び出口弁との間に設けた椀形弾性材のポ
ンプ室を反復押圧する事により気化器より下位の
燃料タンクより燃料ポンプを経て膜室内に燃料を
吸引し出口弁から吐出し、外部に開放される導管
を通つて排出される。この燃料排出を確認して吸
引式プライマーポンプの反復押圧を中止すると、
出口弁は閉止し排出導管迄の吐出燃料は落下せず
そのまま残留するが、エンジン運転による燃料の
振動作用により吐出残留燃料は落下飛散し、作業
者の衣服、又は農作物等に付着し、悪臭汚染公害
となり或いは飛散付着燃料に煙草の火等の着火危
険の問題点があつた。本案はこの吸引式プライマ
ーポンプの吐出燃料の残留を無くして前記問題点
を解消する改良に関するものである。

（問題点を解決する為の手段）及び（作用） この為本案では吸引式プライマーポンプの出口
弁後位の排出管内に通気管を挿入して排出管内に
狭小部を形成し、この狭小部を通過する吐出燃料
の流速増加による圧力低下作用により通気管から
大気を導入し、吐出燃料の外部漏洩を防ぐと共に
吐出終了後は排出管内を通気管により大気と連通
する事により燃料を落下させて燃料残留を解消し
前記問題点を解決するものである。

（考案の実施例） 図面は本考案実施例の縦断面図を示す。図に於
て、１は燃料タンク、２は本考案実施例としてロ
ータリー絞弁式膜室型気化器を図示する。３は気
化器本体、４は燃料ポンプ部、５は図示していな
いエンジンクランク室からの脈動圧導入口、６は
燃料ポンプ膜、７は燃料導入口で図示の如く燃料
タンク１と連通してをり、エンジン運転時ポンプ
作用でタンク内燃料を吸引し、流入弁８に圧送す
る。９は調圧膜、１０は調圧膜支軸、１１は調圧
腕、１２は調圧ばね、１３は調圧膜外気室で外気
と連通している。調圧膜９内側の膜室１４は運転
中は前記一連の調圧機構により定負圧が保たれ
る。

気化器本体３には吸気孔１５が前後に貫通し、
之と直交するロータリー絞弁１６により吸気孔１
５が開閉される。１７は気化器本体３に固着され
た燃料噴出筒で、ロータリー絞弁１６内に垂下さ
れた燃料制禦桿１８は燃料噴出筒１７内に嵌稗さ
れ、ロータリー紋弁１６の開度に応じて昇降し燃
料噴出口１９の開口度を制禦して膜室１４から流
入する燃料調整を行う。

２０は吸引式プライマーポンプ部で、膜室１４
に連通する入口弁２１と、排出管２２、導管２３
に連通する出口弁２４との間に設けられた反復押
圧可能な椀形弾性材のポンプ室２５より構成され
ている。２６は膜室１４より燃料噴出口１９に連
通する通路に設けた逆止弁で、吸引式プライマー
ポンプ２０作動時、燃料噴出口１９から空気の逆
流を防止するものである。

以上従来公知の膜室型気化器に於て、始動操作
に先立ち吸引式プライマーポンプ２０のポンプ室
２５を反復押圧すると、燃料は燃料タンク１より
吸引され、気化器内に充満し、排出管２２、導管
２３を経て外部に排出され、ポンプ室２５の押圧
を止めると入口弁２１、出口弁２４は共に閉止す
る為、吐出燃料は排出管２２、導管２３内に残留
したままとなる。

このままエンジンを始動運転すると排出管２
２、導管２３内の残留燃料は振動により落下飛散
して前記問題点が発生する。

本考案では之の問題点を解決する為排出管２２
の内径より細い外径の通気管２７を排出管２２内
に挿入する事により排出管２２内に狭小部２８を
形成すると共に、通気管２７を大気と連通する如
く密封固着する。

吸引式プライマーポンプ２０の作動による吐出
燃料は排出管２２の狭小部２８を通過の際流速が
増加して圧力低下を生じ、通気管２７より大気が
吸引されるので、吸引式プライマーポンプ２０の
作動時に通気管２７より燃料が漏洩する事がな
い。又吸引式プライマーポンプ２０の作動終了後
は排出管２２、導管２３内の燃料は通気管２７に
よる大気との連通により直ちに落下し燃料が残留
しない為、従来の如き問題点を解消する事が出来
る。

（考案の効果） 従来構造に対し通気管２７を追設するだけの僅
少のコスト増加で、従来の問題点を解消出来ると
共に、膜室型気化器ならば絞弁形式の如何を間は
ず吸引式プライマーポンプに本考案を適用する事
が出来工業的効果大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施例の縦断面図を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入口弁２１が膜室型気化器の膜室１４に連通
   し、出口弁２４は排出管２２導管２３を通つて大
   気に開放する膜室型気化器の吸引式プライマーポ
   ンプ２０に於て、排出管２２内に排出管２２の内
   径より細い中空の通気管２７の一端を挿入し、排
   出管２２の内径と通気管２７の外径による狭小部
   ２８形成すると共に、通気管２７の他端を大気に
   連通した事を特徴とする膜室型気化器のための吸
   引式プライマーポンプ。