JPH0221353Y2 - - Google Patents

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JPH0221353Y2
JPH0221353Y2 JP14181686U JP14181686U JPH0221353Y2 JP H0221353 Y2 JPH0221353 Y2 JP H0221353Y2 JP 14181686 U JP14181686 U JP 14181686U JP 14181686 U JP14181686 U JP 14181686U JP H0221353 Y2 JPH0221353 Y2 JP H0221353Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は、各種の農作業機を後方に連結し、そ
れを接地けん引したり、リフトアツプ支持したり
する乗用トラクタ等の4輪作業車に関する。
〔従来の技術〕
乗用トラクタ等の4輪作業車(以下トラクタと
記す)は、けん引力の増加、不整地走行の安定性
等のために、一般に、駆動輪である後輪側に重量
配分を多くし、又後輪には大径車輪を使用するよ
うに設計されている。
従つて重心点がもともと後輪寄りに存在するこ
とに加えて、近年は各種の農作業機が大型化・重
量化しており、そのような作業機をトラクタ後方
に連結して、発進、接地けん引、リフトアツプ支
持したりすると、トラクタの重心点が大きく後輪
寄りに移行して前輪側荷重が過度に不足した状態
となり勝ちである。
前輪側の過度の荷重不足は前輪の接地荷重不足
で前輪側の浮き上りを招来し、かじとりが充分に
できず走行操縦性に不安定を生じ、又発進、畦畔
越え、傾斜地登降作業、輸送時のトラツクへの積
みおろし等において転倒事故などをまねき易い。
そこで従来は補完的にトラクタ前部にバランス
ウエイトを装着して前輪の接地荷重を調整してい
る。
〔考案が解決しようとする問題点〕
しかし重量物であるバランスウエイトの装着・
取外しは手作業であり、重く、煩わしく、又該ウ
エイトの装着・取外し時に不用意に落してけがな
どしないように扱いを慎重にする必要がある。
本考案はこの問題点を解決することを目的とす
る。
ロ 考案の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本考案は、駆動源と、車体の後輪軸側に配設さ
れ、前記駆動源により作動するワイヤ引張り装置
と、先端部を車体の前輪軸側に固着され、前記ワ
イヤ引張り装置により引張られて車体の前輪側に
後輪軸を中心とする前輪接地方向への回動モーメ
ントを与えるワイヤと、を具備する、ことを特徴
とする乗用トラクタ等の4輪作業車である。
〔作 用〕
即ち、駆動源によりワイヤ引張り装置を作動さ
せワイヤに引張り力をかけると、車体の前輪側に
後輪軸を中心とする前輪接地方向への回動モーメ
ントが働き、これにより前輪の接地荷重が増大
し、バランスウエイトを装着した場合と同様に前
輪浮き上り阻止効果が得られる。
この場合ワイヤ引張り装置を作動させる駆動源
は、専用の油圧装置・ウインチなどをトラクタに
装備させてもよいし、農作業機を駆動したり、昇
降させる等のためにトラクタに装備されている既
存の油圧装置・モータ・エンジンなどを駆動源と
して利用することもでき、上記ワイヤの引張りは
その駆動源制御でなされるので、従来のウエイト
装着式のような煩わしさ等は解消される。
〔実施例〕
第1図aにおいて1は乗用トラクタの全体、2
は前輪、3は該前輪よりも大径の後輪、4は該後
輪の車軸、5はドライブシヤフト、6はトラクタ
後部の油圧装置、7はその油圧装置により軸7a
を中心に回動駆動されるリフトアーム、8はロア
ーリンクを示す。各種の作業機(不図示)はリフ
トアーム7とロアーリンク8を介してトラクタ後
方に連結される。又トラクタ側の動力軸(不図
示)と、作業機側の主軸とが自在継手を介して連
結されて作業機への動力伝達がなされる。リフト
アーム7の軸7aを中心とする上下回動により連
結作業機のリフトアツプ・リフトダウンがなされ
る。第1図bはリフトアーム7が上げ回動された
状態を、同図cは下げ回動された状態を、同図a
はその両者の略中間の回動位置にある状態を示し
ている。
10は車体フレーム下面の後輪軸側に配設した
ワイヤ引張り装置、11は車体フレーム下面の前
輪軸側に設けたフツク、Wは先端部を上記フツク
11に引掛けて該フツク11と前記ワイヤ引張り
装置10間にコイルばね27,37、連結板1
2、ターンバツクル13を介して張設したワイヤ
である。
ワイヤ引張り装置10の駆動源は本実施例では
前記の作業機用の油圧リフトアーム7を利用し
た。具体的には油圧装置6で回動されるリフトア
ーム7に該アームの上下回動に連動して上下動す
る連結棒14を設け、この連結棒14の下端側を
ワイヤ引張り装置10に関係させ、該連結棒14
の上下動力でワイヤWに引張り力を与えるもので
ある。
本実施例のワイヤ引張り装置10は輪軸を利用
した倍力装置である。
即ち第2〜4図において、15は該装置10の
外装ボツクス、20はこのボツクス内に軸23を
中心に回転自由に支持させた第1の輪軸であり、
ワンウエイクラツチ24(第2図b)を介して互
いに結合させた大径プーリ21と小径プーリ22
とからなる。ワンウエイクラツチ24は大径プー
リ21が第2図a上反時計方向に回動されるとき
のみ小径プーリ22を該大径プーリ21と一体化
させる関係に働く。
30は軸33を中心に回動自由に支持させた第
2の輪軸であり、ワンウエイクラツチ34(第2
図b)を介して互いに結合させた大径プーリ31
と小径プーリ32とからなる。ワンウエイクラツ
チ34は大径プーリ31が第2図a上時計方向に
回動されるときのみ小径プーリ32を該大径プー
リ31と一体化させる関係に働く。
40はボツクス15内に軸41を中心に揺動自
由に設けたガイドプーリ組付けフレーム、42は
そのフレーム40の一方側の側板40aの内側に
軸41を中心に回転自由に設けた第1のガイドプ
ーリ、43は他方の側板40b(第2図b)の内
側に軸44を中心に回転自由に設けた第2のガイ
ドプーリ、45,45は上記両側板40a,40
b間に設けた軸46の両端寄りに夫々該軸46を
中心に回転自由に設けたガイドコロ対、47は上
記第1・第2ガイドプーリ42,43とガイドコ
ロ対45,45との間に挿入した縦長板であり、
該板の上端と、前記連結棒14の下端とを一体に
結合させてある。
25は一端部25aを上記縦長板47にしつか
りと定着した第1ワイヤロープであり、第1ガイ
ドプーリ42の下側に沿わせて第1輪軸20の大
径プーリ21に第2図a上時計方向に巻き掛け、
その巻き掛け側の端部25bを該大径プーリ21
にしつかり定着させてある。26は一端部26a
を第1輪軸20の小径プーリ22にしつかりと定
着した第2ワイヤロープであり、該プーリに第2
図a上時計方向に巻き掛け、他端部26bを第1
コイルばね27・連結板12・ターンバツクル1
3を介して引張りワイヤWに連結させてある。
35は一端部35aを上記第1ワイヤロープ2
5の一端部25aの定着位置よりも下位において
同じく縦長板47にしつかりと定着した第3ワイ
ヤロープであり、第2ガイドプーリ43の上側に
沿わせて第2輪軸30の大径プーリ31に第2図
a上反時計方向に巻き掛け、その巻き掛け側の端
部35bを該大径プーリ31にしつかりと定着さ
せてある。36は一端部36aを第2輪軸30の
小径プーリ32にしつかりと定着した第4ワイヤ
ロープであり、該プーリ32に第2図a上反時計
方向に巻き掛け、他端部36bを第2コイルばね
37を介して前記連結板12に連結させてある。
(1) 第2図a,bはリフトアーム7が第1図aの
ように中間回動角位置にある状態時におけるワ
イヤ引張り装置10の内部機構の状態を示して
いるもので、この状態時でもワイヤWは充分に
緊張していて車体前輪側のフツク11を強く引
張つており、その引張り力により車体前輪側に
後輪軸4を中心とする前輪接地方向への回動モ
ーメントが働き、前輪2の接地荷重Fは増強さ
れている。
(2) リフトアーム7が第1図bのように上げ回動
されると、それに連動して連結棒14、その下
端に一体のワイヤ引張り装置10内の縦長板4
7が上昇動する。第3図はこのときのワイヤ引
張り装置10の内部機構の状態を示している。
即ち縦長板47の上昇動により第1ワイヤロ
ープ25が引き上げられ、それに伴い第1輪軸
20側の大径プーリ21が第2図a上反時計方
向に回動され、小径プーリ22もワンウエイク
ラツチ24を介して大径プーリ21と一体に反
時計方向に回動する。該小径プーリ22の反時
方向回動により第2ワイヤロープ26が該小径
プーリ22に対して大径プーリ21と小径プー
リ22の径差による輪軸倍力原理で強力に巻き
上げられる。これによりワイヤWに対して第1
コイルばね27・連結板12・ターンバツクル
13を介して強力な引張り力が作用して前輪2
の接地荷重Fが増大する。
一方第2輪軸30側の大径プーリ31はこれ
と縦長板47をつなぐ第3ワイヤロープ35が
縦長板47の上昇動に対してはゆるみ側にある
ため該ワイヤロープ35による時計方向への引
張り回転力は作用せず、小径プーリ32が第2
コイルばね37の引張り力で第4ワイヤロープ
36を介して第2図a上反時計方向へ大径プー
リ31に対して空転動する関係となり、第2コ
イルばね37は縮み戻る。
(3) 逆にリフトアーム7が第1図cのように下げ
回動されると、それに連動して連結棒14・縦
長板47が下降動する。リフトアーム7の下げ
回動状態は作業機の重量、けん引力等で強力に
保持される。第4図はこのときのワイヤ引張り
装置10の内部機構の状態を示している。
即ち縦長板47の下降動により第3ワイヤロ
ープ35が引き下げられ、それに伴い今度は第
2輪軸30側の大径プーリ31が第2図a上時
計方向に回動され、小径プーリ32もワンウエ
イクラツチ34を介して大径プーリ31と一体
に時計方向に回動する。該小径プーリ32の時
計方向回動により第4ワイヤロープ36が該小
径プーリ32に対して大径プーリ31と小径プ
ーリ32の径差による輪軸倍力原理で強力に巻
き上げられる。これによりワイヤWに対して第
2コイルばね37・連結板12・ターンバツク
ル13を介して強力な引張り力が作用して前記
のようにリフトアーム7を上げ回動した場合と
同様に前輪2の接地荷重Fが増大する。
一方第1輪軸20側の大径プーリ21はこれ
と縦長板47をつなぐ第1ワイヤロープ25が
縦長板47の下降動に対してはゆるみ側となる
ため該ワイヤロープ25による反時計方向への
引張り回転力は作用せず、小径プーリ22が第
1コイルばね27の引張り力で第2ワイヤロー
プ26を介して第2図a上時計方向へ大径プー
リ21に対して空転動する関係となり、第1コ
イルばね27は縮み戻る。
かくして上記1,2,3の何れの場合もワイヤ
Wの引張り力にもとずく、車体前輪側の後輪軸4
を中心とする前輪接地方向への回動モーメントで
前輪2に対して充分な接地荷重Fが作用して、車
体前輪側の浮きが防止され、常に安定・安全に作
業ができる。
使用する第1及び第2のコイルばね27,37
のばね強度を選択することによりワイヤWの引張
り力を自由に調節することができる。コイルばね
27,37を介在させることによりワイヤWの引
張り・解除とも急激でなくシヨツクを与えること
なく徐々になされる。
ワイヤ引張り装置10として本実施例のように
倍力装置を用いることにより駆動源としての油圧
リフトアーム7にかかる力は小さくてすみ、油圧
の主作業に障害を与えない。
ワイヤ引張り装置10を後車輪4の近くに設置
することにより後輪荷重が増加しけん引力も増加
する。
ハ 考案の効果 以上のように本考案に依れば、前輪側の接地荷
重増強が駆動源制御でなされるので、従来のウエ
イト装着式のような煩わしさ等が解消され、所期
の目的がよく達成される。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示すもので、第1図
aはリフトアームが上下回動範囲の略中間回動位
置にある状態のトラクタの一部切欠き側面図、第
1図bはリフトアームが上げ回動された状態のト
ラクタの部分図、第1図cはリフトアームが下げ
回動された状態の同上図、第2図aはリフトアー
ムが第1図aの略中間回動位置にあるときのワイ
ヤ引張り装置の内部機構状態を示す機構側面図、
第2図bはその平面図、第3図はリフトアームが
第1図bのように上げ回動されたときのワイヤ引
張り装置の内部機構状態を示す機構側面図、第4
図はリフトアームが第1図cのように下げ回動さ
れたときの同上図。 1……トラクタ、2……前輪、3……後輪、7
……駆動源としての油圧リフトアーム、10……
ワイヤ引張り装置(倍力装置)、W……引張りワ
イヤ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 駆動源7と、 車体の後輪軸側に配設され、前記駆動源によ
    り作動するワイヤ引張り装置10と、 先端部を車体の前輪軸側に固着され、前記ワ
    イヤ引張り装置10により引張られて車体の前
    輪側に後輪軸4を中心とする前輪接地方向への
    回動モーメントを与えるワイヤWと、 を具備する、ことを特徴とする乗用トラクタ等
    の4輪作業車。 (2) ワイヤ引張り装置10を作動する駆動源とし
    て、作業車に装置された作業機昇降装置の駆動
    源としての油圧リフトアーム7を利用した、実
    用新案登録請求の範囲第1項に記載の乗用トラ
    クタ等の4輪作業車。 (3) ワイヤ引張り装置10が、駆動源からの作用
    力を増強してワイヤを引張る倍力装置である、
    実用新案登録請求の範囲第1項に記載の乗用ト
    ラクタ等の4輪作業車。 (4) 倍力装置は輪軸を利用したものである、実用
    新案登録請求の範囲第3項に記載の乗用トラク
    タ等の4輪作業車。 (5) ワイヤ引張り装置10によるワイヤ引張りを
    スプリング27,37を介して行わせる、実用
    新案登録請求の範囲第1項、第3項、又は第4
    項に記載の乗用トラクタ等の4輪作業車。
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