JPH02213445A - サーメット合金 - Google Patents

サーメット合金

Info

Publication number
JPH02213445A
JPH02213445A JP63330570A JP33057088A JPH02213445A JP H02213445 A JPH02213445 A JP H02213445A JP 63330570 A JP63330570 A JP 63330570A JP 33057088 A JP33057088 A JP 33057088A JP H02213445 A JPH02213445 A JP H02213445A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
hard
cermet
alloy
cermet alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP63330570A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Iyori
裕介 井寄
Nobuhiko Shima
順彦 島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Moldino Tool Engineering Ltd
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Hitachi Tool Engineering Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd, Hitachi Tool Engineering Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP63330570A priority Critical patent/JPH02213445A/ja
Priority to AT89710081T priority patent/ATE102659T1/de
Priority to EP89710081A priority patent/EP0376878B1/en
Priority to DE68913704T priority patent/DE68913704T2/de
Priority to US07/457,172 priority patent/US5149361A/en
Priority to PT92739A priority patent/PT92739A/pt
Publication of JPH02213445A publication Critical patent/JPH02213445A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高温耐摩耗性、高温強度および耐チッピング性
に優れたサーメット合金に関する。
〔従来の技術〕
従来、サーメット合金は硬質の炭化チタン(以下TiC
と記す)が主成分であり、このTiC粒子若しくは同様
の硬質粒子である炭窒化チタン(以下TiCNと記す)
粒子と金属からなる結合相とのぬれ性を改善する目的で
炭化モリブデン、炭化タングステン、炭化タンタル、炭
化ニオブ(以下夫々M o * C、W C、T a 
C、N b Cと記す)等の成分を添加するのが一般的
である。これらの添加成分は高温度の焼結中において結
合相への溶解、前記TiC粒子およびTicN粒子中へ
の析出という過程を経て、TiC粒子およびTiCN粒
子を中心として取り囲み2周辺&1lvaを形成して前
記結合相とのぬれ性改善に寄与するのである。従って従
来のサーメット合金においては前記のような複炭窒化物
が二重有芯構造であり2中心組織はチタン(以下TJと
記す)に富み2周辺&11織は硬質粒子と結合相とのぬ
れ性改善成分であるM ox C、W C。
TaC,NbC等の成分に富み、TIに乏しい組成を有
するものが一般的である(例えば特公昭5651201
号、特開昭61−73857号、同61−201750
号5同6−1−210150号公報参照)。
第7図は上記従来のサーメット合金の金属組織を示す写
真であり、走査電子顕微鏡によって盪影したものである
。第7図において二重有芯構造の複炭窒化物の中心&1
1織は黒色を呈し、軽元素であるTiに富み2周辺組織
は白色を呈し1重元素であるタングステン、タンタル(
以下W、Taと記す)等に富んでいることが認められる
。一方透過分析電子顕微鏡によって前記二重有芯構造の
複炭窒化物を分析した結果、中心組織においては重量比
でTi 65.8%、 W 5.0%1周辺組織におい
てはTi 49.5%、 W23.2%であり、前記の
ように中心組織は周辺組織と比較してTlに富み、Wに
乏しく、一方周辺組織は中心組織と比較してWに富み。
TIに乏しい組成となっている。
上記のような金属組織を有する従来のサーメット合金を
切削工具として使用した場合には、高速切削時において
比較的硬度が低い結合相が摩耗して復炭窒化物粒子が表
面に現われるが、Wに富み5TIに乏しい組成を有する
周辺&[l織は酸化し易くまた硬度も低いため容易に摩
耗が進行することとなり、折角の硬質成分であるTiの
存在が有効に発揮されないという欠点がある。またMo
zC。
W C、T a C、N b Cのような結合相とのぬ
れ性改善のための成分が周辺m織を形成するため、焼結
時において複炭窒化物粒子が粒成長し、相互に接触する
現象を招来する。このように複炭窒化物粒子相互の接触
部分は、当然に接合強度が小であるため、外部応力が印
加された場合に微小クランクの発生源となるのみならず
、クランクの伝播経路としてへき関し易い、従って上記
のような接触部分が多い程サーメット合金の破壊靭性値
を低下させると共に、耐チンピング性を劣化させること
となる。一方上記複炭窒化物粒子相互の接触部分を減少
させるために上記周辺組織形成成分を少なくすると、サ
ーメット合金としての高温強度が著しく劣化することと
なる。このための現状では相当量の周辺&U織影形成成
分添加をさけることができず、従ってかなりの複炭窒化
物粒子相互の接触部分の存在を余儀なくされている。
上記の欠点を改良するものとして1例えば耐摩耗性を改
善するために、複炭窒化物粒子とは別個にTic成分に
富んだ擬Tic相を分散させる内容の提案がされている
(特開昭61−199048号公報参照)。
また複炭窒化物粒子の粒成長を抑制すると共に。
結合相強度を向上させるために、硬質相を有芯構造のN
aC1型固溶体相と窒化チタン(以下TiNと記す)相
の二相構造Mi織とすると共に、結合相中にN1.A 
1 (Tf)の組成を有する微細粒子を分散析出させる
内容の提案がされている(特開昭6339649号公報
)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来のサーメット合金は耐摩耗性の点で未だ若干の
改良を要する点があるが、前記特開昭61199048
号公報記載の提案により若干の耐摩耗性の改善が認めら
れる。しかしながら所謂擬TiC相以外の他の複炭窒化
物粒子は、依然として従来同様の周辺&ll織を有する
ものであり、しかも体積的にも硬質相の大半を構成する
ものである。従って比較的硬度が低い結合相が摩耗して
硬質相が表面に現れた場合には、比較的硬度が高いとさ
れる前記擬TiC相は格別として、従来同様のMi織構
成の複炭窒化物粒子表面がWに富みTiに乏しい組成で
ある以上、耐摩耗性改善には殆ど寄与し得ない、また前
記擬TiC相は比較的硬度が高いとされるものの、硬質
相全体に占める割合が最大20体積%であることを勘案
すれば、耐摩耗性の大幅な向上を期待することができな
いという問題点がある。
また前記特開昭63−39649号公報記載の提案にお
いても、硬質相の構成においては前記の改善提案と本質
的には同様である。すなわち硬質相としてのTiNを比
較的多量に含有し得ると記載されてはいるが、このT 
i N成分はNaCj!型固溶体相とTiN単独の相と
に分散されるものであるから。
単独に存在するTiN相の量も硬質相全体に占める割合
が低い値となり、前記改善提案と同様に耐摩耗性改善に
対する寄与率は小であると認められる。なお結合相中に
N15A 1 (Ti)の組成を有する微細粒子を分散
析出させることにより、結合相の強度を向上させ得ると
の記載がある。しかしながら上記微細粒子を結合相中に
分散させる手段は。
例えば結合相がニッケルとアルミニウム(以下各々Ni
、AJと記す)、またはNi とコバルトC以下Coと
記す〉とAA’からなるものにおいて。
焼結過程において析出させるものであるため、lk量の
添加AIの量および微細粒子の平均粒径、析出量その他
の制御が極めて煩雑とならざるを得ないという問題点が
ある。
本発明は上記従来技術に存在する問題点を解決し、硬質
相を形成する周辺組織の硬度、耐摩耗性を向上させると
共に、結合相の強度を増大させ。
更に硬質相相互間の接触部分を著しく減少させて耐チッ
ピング性を向上させたサーメット合金を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために1本発明においては。
硬質相と鉄族金属の1種または2種以上の成分からなる
結合相とからなるサーメット合金において。
結合相中に平均粒径2000Å以下の微細硬質粒子を分
散させた組織に構成する。という技術的手段を採用した
。この場合微細硬質粒子の平均粒径が2000人を越え
ると、結合相中に分散させた場合の所謂分散強化作用が
期待できないため不都合である。
本発明において、微細硬質粒子を単層構造とすることが
好ましい。ここにおいて単層構造とは。
若干の不可避的不純物の存在は許容するが、前記従来技
術における複炭窒化物粒子におけるような有芯構造若し
くは二重有芯構造を示さない構造のものを称する。
また上記微細硬質粒子は、 TiCN、炭窒化ジルコニ
ウム(以下ZrCNと記す)、炭化ハフニウム(以下H
fCと記す)、アルミナ(以下A 1 t Oxと記す
)、イントリア(以下Y t Osと記す)、酸化ディ
スプロシウム(以下D Y s O重と記す)、ジルコ
ニア(以下Zr0zと記す)5酸化ネオジウム(以下N
 d 30 !と記す)の群から選ばれた1種または2
種以上とすることができる。
次に硬質相はNa族、Va族およびVia族の2種以上
の元素の炭化物、窒化物若しくは炭窒化物またはこれら
の混合物とすることができる。
更に上記の硬質相は、相対的にTiに乏しくWに冨む中
心組織と、相対的にTiに富みWに乏しい周辺&[l織
とからなる二重有芯構造とするのが好ましい。
本発明において上記硬質相の他に、平均粒径1μm以上
であり、かつTiを含有する炭化物、窒化物若しくは炭
窒化物またはこれらの混合物からなる単層構造の他の硬
質相を全硬質相の0.5〜40体積%存在させることが
好ましい。
このような他の硬質相は、前記Na族、Va族およびV
ia族の2種以上の元素からなる硬質相より硬度が大で
あるため耐摩耗性を向上させるので全硬質相の0.5体
積%以上存在させることが好ましい、しかしこの硬質相
は前記のように結合相とのぬれ性が不充分であるため、
 40体積%以上存在させると結合相との結合力が低下
し、サーメット合金全体の靭性を低下させるため不都合
である。なお平均粒径が1μm未満であると2合金金体
の硬さが高くなり過ぎて、靭性を低下させるため不都合
である。
次に全組成中の炭素(以下Cと記す)Nを健全相領域の
下限を越え健全相領域の172以下、好ましくはl/4
以下の値とするとよい、ここにおいて健全相領域とは;
結合相中に遊離Cが析出する上限と、脱炭層が現われる
下限との間に存在するC量の領域を称する。上記健全相
領域内においては。
結合相の格子定数はC量と略反比例の関係にあり。
C量が低い値である程格子定数が大であり、すなわち結
合相中に例えばW、Mo等の耐熱性を存する金属元素の
固溶量が増大するため、結合相が固溶強化され、高温度
における塑性変形を防止する作用が大となるので好まし
い。従ってC量を健全相領域の172以下、好ましくは
174以下とするのがよい、C量が健全相領域の下限を
越えると結合相の格子定数は略飽和するのみならず2例
えば(CosWs)C,M+tC,M&C等の脆弱な特
性を有する脱炭層が出現し、靭性を著しく低下させるた
め好ましくない。なおこの場合低炭素化するに伴なって
、結合相中に固溶するW、Mo等の量が増加するため2
合金の保磁力が減少する。本発明合金の保磁力は上記の
C領域においては、CoとNi との含有量の比によっ
て異なるが、何れの場合においても5006以下である
本発明においてNt/(Go+Ni)を3710以上と
することが好ましい。
次に本発明においては1重量比でTiCN10〜70%
、WC5〜30%、NbC5〜30%、 MozC1〜
10%,VC0.5〜5%,ZrC0.05〜3%。
(Ni 、Co )5〜25%および全窒素量2.5%
以上の組成とすることが好ましい。
まずTiCNは二重有芯構造の硬質相、単層構造の他の
硬質相および結合相中に分散させる微細硬質粒子を形成
するために含有させるのであるが。
10%4未満では所望の高温耐摩耗性、高温強度を得る
ことができず、一方70%を越えると合金の靭性を劣化
させるため、10〜70%とした。
WCは靭性および高温強度を改善する成分であるが5%
未満では改善作用が期待できず、一方30%を越えて含
有させると耐摩耗性を劣化させると共に硬質相の周辺組
織形成量を増大させて靭性を劣化させるため、5〜30
%とした。
NbCは高温強度を改善する成分であるが、5%未満で
はその効果が少なく、一方30%を越えて含有させると
前記WCと同様に硬質相の周辺組織形成量を増大させて
靭性を劣化させるため5〜30%とした。
なおTaCはNbCより靭性を向上させる作用が大であ
るため1機械的衝撃の大なる切削条件下においてはNb
Cより存利である。従ってNbCの一部または全部をT
aCで置換してもよい。
MozCは二重有芯構造の硬質相の結合相とのぬれ性を
改善し、靭性の向上および微粒化に寄与する成分である
が、1%未満では上記作用が期待できず、一方10%を
越えて含有させるとそれ自体の硬さが低いため、高温に
おける耐摩耗性を著しく劣化させるので、1〜lO%と
した。
VCは耐摩耗性を向上させる成分であるが。
0.5%未満ではその効果が少なく、一方5%を越えて
含有させると靭性を低下させるため、0.5〜5%とし
た。
ZrCは前記NbCおよびTaCと同様に高温強度およ
び靭性を向上させる成分であるが、  0.05%未満
ではその効果が少なく、一方3%を越えて含有させると
耐摩耗性を低下させるため0.05〜3%とした。
Ni、Coは前記硬質相を結合する結合相を形成する成
分であり、サーメット合金の靭性を向上させる作用があ
るが1合計で5%未満では所望の靭性を確保できず5一
方25%を越えて含有させると相対的に硬質相が不足し
て耐摩耗性が劣化するため5〜25%とした。
窒素(以下Nと記す)は硬質相を構成する周辺組織の過
大な生成を抑制すると共に、結合相の格子定数を増大す
る効果があるが、含有量が少なすぎると上記効果を期待
することができないため。
全N量を2.5%以上とした。
〔作用〕
上記の構成により結合相の耐熱性および耐塑性変形性を
飛躍的に増大させ得る作用を期待できる。
すなわち結合相中に高温でも安定である平均粒径200
0Å以下の微細硬質粒子を分散させることにより、結合
相を分散強化させ、高温クリープ強度を大幅に向上させ
得る。なお結合相中には硬質特性を有するWその他の元
素が必然的に固溶するため結合相は当然に従来合金同様
の固溶強化作用を受ける。従って本発明のサーメット合
金においては。
結合相は上記固溶強化に加えて微細硬質粒子による分散
強化が付加されるため、結合相の耐塑性変形性を飛躍的
に増大させ得るのである。なお上記微細硬質粒子は、焼
結時において角部が一部結合相中に溶解するため、焼結
後には略球状若しくは楕円球状を呈するため、結合相の
内部切欠き効果を防止することも上記耐塑性変形性を向
上させる一部となっている。
次に上記微細硬質粒子は、硬質相を構成する周辺組織中
に一部取り込まれるが2本質的には周辺組織とは親和性
がない、従って硬質相を結合する結合相中に分散して存
在することにより、硬質相相互間の接触、結合を防止す
る作用がある。この結果熱クラックの発生を未然に防止
し、耐熱性を大幅に増大させ得るのである。
次に本発明の硬質相は、相対的にTiに乏しくWに冨む
中心組織と、相対的にTiに富みWに乏しい周辺m織と
からなる二重有芯構造とすることができるが、このよう
な硬質相は1例えば複炭窒化物からなる固溶体原料にT
iCN粉末を外部添加して得られる。TiCNは高温で
熱力学的に不安定であり、特に周辺にCの供給源が存在
する場合には著しく不安定である。従って上記のように
TiCNを外部から添加することによりTiCNが焼結
中に熱分解し、結合相中に優先的に固溶する。この結果
前記複炭窒化物中に含有される周辺組織形成成分である
例えばMo、Ta、Nb等の成分の結合相中への固溶が
抑制される。従って硬質相の周辺組織形成量が抑制され
、硬質相相互の接触を著しく減少させ、耐熱性若しくは
耐チッピング性を向上させ得るのである。
また上記焼結時において、複炭窒化物からも結合相中に
一部Wその他の硬質成分が固溶するが。
複炭窒化物の組成が比較的周辺&ll織の組成に近いた
め、前記硬質成分はTiCNには析出せず、複炭窒化物
の表面へのみ析出する。従って外部添加するTiCNの
量を多くすると1合金組織若しくは結合相中にT i 
CNの単独粒子が残存する。このように硬質のTiCN
粒子が存在することは。
単に耐摩耗性を増大させるのみならず、結合相の摩耗進
行を抑制する作用を期待できる。
更に焼結時において原料粉末中のTiおよびNが熱分解
によって複炭窒化物からなる硬質相へ拡散固溶するため
、硬質相は周辺組織がTiに冨む前記のような二重有芯
構造、すなわち表面が硬(耐酸化性を有する構造となる
のである。一方摩耗の進行を考察するに、まず結合相が
摩耗して硬質相の表面が現われることから始まる。この
場合硬質相の表面がTiに冨む構造であることは耐酸化
性も含めて耐摩耗性を著しく向上させる一因であり、前
記のように結合相中にTiCN粒子が存在すれば、耐摩
耗性は相乗的に向上する。
次に前記のようにして結合相中に固溶したTiおよびN
が複炭窒化物からなる硬質相へ拡散固溶する際に、複炭
窒化物中に含有され、かつNとの親和力のないWが硬質
相から排出されて結合相中に拡散する。この結果結合相
を著しく強化することができ、高温強度を大幅に向上さ
せ得るのである。
また本発明においては、前記硬質相の他に平均粒径1μ
m以上であり、かつTlを含有する炭化物、窒化物若し
くは炭窒化物またはこれらの混合物からなる単層構造の
他の硬質相を0.5〜40体積%存在させることができ
るが、このような構成により更に耐摩耗性を向上させ得
る作用がある。
〔実施例〕
実施例I 硬質相を形成する成分の原料として市販の平均粒径1.
4 p mのTiCN粉末、同1.2 p mのWC粉
末、同1.5μmのNbC粉末および同1.2μmのM
oえC粉末を使用した。また結合相を形成する原料とし
て市販の平均粒径1.0μmのCo粉末および同1.1
μmのNi粉末を使用した0次に上記結合相を分散強化
するための微細硬質粒子を形成する原料としては、第1
表に示すように市販のTlCN、窒化ジルコニウム(以
下ZrNと記す)。
ZrCN、  HfC,AlzCh、 YzCh、 I
)y+oz 。
Z「0.およびN d s Ozを粉砕後、平均粒径0
.3μm以下に分級した原料を使用した。なお比較合金
として上記微細硬質粒子を欠如するものおよび結合相中
にN15TiAj!を析出させたものを作成した。なお
比較合金においては析出型の微細粒子を生成するために
、上記原料中に0.5重量%のAJを添加した。
上記夫々の原料を重量比で45 TlCN−20WC−
10NbC−5MoxC−s、s  Co  −8,5
N+−3(微細硬質粒子)なる組成となるように配合後
、湿式混合により96時間ボールミル粉砕を行ない、乾
燥後プレス成形を行ない、この成形体を1400〜15
50℃で1時間真空焼結を行なった。
第1図は実施例1における代表的な金属組織を示す写真
であり、前記第7図と同様に走査電子顕微鏡によって撮
影したものである。第1図において硬質相を形成する複
炭窒化物の中心組織は白色を呈し1周辺組織は黒色を帯
びている。上記硬質相を透過分析電子顕微鏡で分析した
結果、中心組織においてはTi 38.6%、 W32
.5%1周辺m織においてはTi 60.3%、 W1
4.2%であった。
第2図は実施例1における微細硬質粒子近傍の金属組織
を示す写真であり、透過電子顕微鏡によって撮影したも
のである。第2図において球形若しくはまゆ形を呈する
粒子は2例えばTiCN等の微細硬質粒子であり、結合
相中に分散して存在するものである。なお上記微細硬質
粒子は第1図に示す硬質相におけるような有芯構造若し
くは二重有芯構造とは異なり、若干の不純物の存在は許
容するが芯若しくはコアを持たない単層構造である。な
お上記微細硬質粒子は焼結処理中に角部が一部結合相中
に溶解するため、焼結後において第2図に示すような球
形、楕円形若しくはまゆ形を呈する。
次に上記のようにして得られた夫々の焼結体を。
5NGN432形状のチップ(12,7mm X 12
.7mm X4 、76111111厚)に加工し、ホ
ルダーに取付けてフライス切削を行ない切削性能の評価
を行なった。切削性能の評価は刃先の塑性変形量、熱ク
ランクの発生本数および欠損に至る送り量によった。
第3図および第4図は各々刃先に発生する塑性変形およ
び熱クランクの状態を模式的に示す斜視図である。まず
第3図において、1はチップであり前記焼結体により略
角板状に加工して、ホルダー(図示せず)に取付けて切
削を行なうのであるが、切削の進行につれて刃先1aが
図示ハンチングで示すように塑性変形によって摩耗する
。塑性変形量は刃先に発生した塑性変形部の最大深さδ
によって評価した。なおこの場合の切削条件は。
被削材としてS K D 61(Hs 45)を使用し
て切削速度200m /分、切込み2Mm、送り0.2
ms/刃とした。また第4図において刃先1aには切削
の進行につれて上記塑性変形と共に/または別個にチッ
プlの稜線と略直交する熱クランク1bが発生する。フ
ライス切削においては被削材を断続的に切削するため、
加熱と冷却とを交互に繰り返すから。
所謂熱サイクルが印加され、遂には第4図に示すような
熱クランクlbの発生をみる。複数本の熱クラツクlb
が連続するとチップ1の欠損に至るため、熱クランク1
bの発生が少ないものが好ましい。この場合の切削条件
は、被削材としてSCM 440 (Hs 32)を使
用し、切削速度150m/分。
切込み31.送り0.15m+w/刃とした。また欠損
に至る送り量は、逃げ角11゛のポジチップにより。
被削材としてS K D 61(Hs 30)を使用し
、切削速度が各々50m/分および200 m /分の
場合に。
切込み21で送りを0.05−N/刃宛増大させて測定
した値(10回の平均値)で比較した0以上の結果を第
1表に併記する。
以下余 第1表から明らかなように、まず比較合金嵐10におい
ては、結合相中に微細硬質粒子が全く存在していないた
め、結合相の強度が小であり、刃先の塑性変形量が大で
あり、 30秒後において欠損に至っている。また熱ク
ランク発生本数も極めて大であり、40分で欠損に至っ
ている0次に結合相を析出型のNLTIAj!粒子で強
化した比較合金漱11においては、刃先の塑性変形量は
比較的小であるが、熱クランク発生本数が大である。な
お欠損に至る送り量の値が比較的小であり、特に機械的
強度を要求される低速切削(50m/分)における耐欠
損性が低い、これは結合相中にNhTiAj!粒子が析
出することにより、結合相が脆くなりすぎた結果である
と推定される。これに対して本発明合金であるlh1〜
9においては、刃先の塑性変形量および熱クランク発生
本数が何れも小なる値であると共に、欠損に至る送り量
の値が大である。
これは微細硬質粒子の存在により結合相が耐熱化される
結果、耐塑性変形性が格段に向上するものと認められる
。また前記微細硬質粒子が複炭窒化物からなる硬質相の
接触、結合を防止若しくは抑制する結果、高温強度が向
上するものと認められる。
実施例2 市販の平均粒径1.4μmのTiCN粉末。
同1.2 tt mのWC粉末、同1.5 p mのN
bC粉末。
同1.ljmのMoxC粉末、同1.0μmのCo粉末
および同1.1μmのNi¥A末を使用し、硬質相を形
成する周辺組織の異なる合金を作製した。周辺組織の組
成調整は、まず合金組成を重量比で35TICN −2
0WC−20NbC−15MozC−5Ni 〜5’C
oで統一し1例えば周辺組織をWCに富ませたい場合は
(Ti、Nb、Mo)CNを作製した後、WC,Co、
Niを添加する手段によって行なった。すなわち周辺組
織に富ませたい成分を欠如する3元の固溶体原料を作製
し、これに富ませたい成分粉末を単独に添加するのであ
る。但し、Tiの場合は総量が多いため2例えばTiを
周辺am中に富ませたい場合には、Ti35%の15%
を固溶体中に添加し、残りの20%を外部から単独添加
するように配慮した。上記原料により、前記実施例1と
同様にして焼結体を作製した。なお焼結体の金属組織は
、前記第1図に示すものと同様な二重を芯構造であるこ
とを確認した。第2表にこれらの合金組成、中心組織お
よび周辺組織における夫々の成分の含有量ならびに物性
値を示す。
以下余白 [ 第 表 第2表から明らかなように、比較合金隘13〜15にお
いては、中心組織がTiに富みWに乏しく周辺組織はT
iに乏しくWに富む構造となっている。これに対して本
発明合金N11L12は、中心組織がTiに乏しくWに
富み1周辺組織はTiに富みWに乏しい構造となってお
り、硬質のTiが周辺組織中に相対的に多く含有されて
いる。
次に上記焼結体を前記実施例1同様にチップに加工し、
ホルダーに取付けて旋削による耐摩耗性評価を行なった
。この場合の切削条件は、被削材としてS K D 6
1 (Hs 28)を使用して切削速度250m 7分
2切込み21111.送り0.15mm/revとした
第5図は切削長と平均逃げ面摩耗との関係を示す図であ
る。第5図において夫々の曲線に付した番号は前記第2
表における番号と対応し、 IIkL12は本発明合金
および阻13〜15は比較合金を示す、第5図から明ら
かなように、比較合金隘13〜15においては切削開始
後急激に摩耗が進行し、切削長1001111前後にお
いて、摩耗の進行度が若干減少するものの、切削長の増
大に伴って再び急激に摩耗が進行する。特に切削長が3
00mm近傍における摩耗の進行は極めて大である。こ
れに対して本発明合金階!2においては、切削開始後切
削長の増大によっても摩耗の進行は略一定となり、前記
比較舎金隘13〜15と比較して平均逃げ面摩耗の値が
格段に小であり、切削長300+ssにおいてはN11
4の略1/4に留まっている。−船釣に硬さが大である
程耐摩耗性が優れると認められているが5上記合金阻1
2〜I5は硬さが略同−であるにも拘らず耐摩耗性に格
段の相違が現われることは、硬質相を形成する中心組織
および周辺mmの組成に起因するものと認められる。す
なわち前記第2表に示すように比較合金磁13〜15に
おける周辺組織はTi の含有量が中心組織より相対的
に少ない構造であるのに対し1本発明合金N112にお
いては逆にTiの含有量は中心&lI織より周辺組織の
方が多い構造であるため、耐摩耗性において格段に優れ
る結果を示すものと認められる。
実施例3 市販の平均粒径1.4μmのTiCN粉末同1. O/
j mのTic粉末、同1.3 p mのTiN粉末。
同1.5μmの窒化アルミニウム(以下AI!Nと記す
)粉末、同1.6μmの炭化バナジウム(以下VCと記
す)粉末、同1.3μmの窒化バナジウム(以下VNと
記す)粉末、同2.0μmの炭化ジルコニウム(以下Z
rCと記す)粉末および同2.0μmのZrN粉末を使
用し、単層構造の硬質相を形成すべき出発原料を作製し
た。すなわち上記原料を第4表に示す成分となるように
秤量後、湿式ボールミル混合を48時間行ない、乾燥後
2000℃にて1時間固溶体処理を行なった。なお組成
中にNを含有する場合には窒素分圧200Torrの雰
囲気中で、一方組成中にNを含有しない場合には真空中
で行なった。得られた粉末をボールミルにより平均粒径
】、5〜2.0μmとなるように粉砕を行ない。
乾燥して出発原料とした。
上記出発原料と前記実施例Iと同様の硬質相形成原料1
結合相形成原料および微細硬質粒子形成原料を使用して
、第4表に示す組成の合金を作製した。なお合金の製造
工程は前記実施例1におけるものと同様である。
第6図は実施例3における代表的な金属組織を示す写真
であり、前記第1図と同様に走査電子顕微鏡によって撮
影したものである。第6図から明らかなように前記第1
図に示した二重有芯構造の硬質相とは別に、黒色を呈す
る他の硬質相の存在が認められる。この黒色の硬質相は
TiCNまたは°Tiを含有する炭化物、窒化物、炭窒
化物若しくはこれらの混合物であり、若干の不可避的不
純物の存在は許容するが、前記二重有芯構造を有する硬
質相とは異なる単層構造を示している。
次に上記のようにして作製した合金から前記実施例と同
様のチップに加工し、第3表に示す切削条件により切削
性能の評価を行ない、結果を第4表に併記した。
第3表 但し耐熱クランク性は旋削にて行なったため。
送りの単位はmad/rayO値で表示しである。
第4表において切削性能中の耐摩耗性の欄は。
切削開始後30分経過後における平均逃げ面摩耗量を示
しである。また耐塑性変形性の欄は、切削開始後30秒
経過後におけるチップ刃先の塑性変形量(第3図参照)
を示す0次に耐熱クランク性の欄は、切削開始後60分
経過後における刃先に発生した熱クラック(第4図参照
)の発生本数を示す。
更に耐欠損性の欄は、送りを0.05mm/刃宛10秒
毎に増大した場合に欠損に至った時の送り量(10個の
平均値)を示しである。
第4表から明らかなように、比較合金階25〜28にお
いては、結合相中に微細硬質粒子を分散せず。
かつ単層構造の硬質相が存在しないため、耐摩耗性を初
めとする切削性能が劣り、特にNa26.28において
は途中欠損を惹起している。また微細硬質粒子としてN
15A、1 (Ti)を結合相中に析出分散させた比較
合金N129.30においては耐摩耗性の点で若干優れ
るものの、耐熱クランク性および耐欠損性が劣゛化して
いる。なお単層構造の硬質相として(Ti。、、A1゜
、、)Nを40体積%を越えて含有する比較合金811
31は耐摩耗性および耐塑性変形性において優れるもの
の、耐熱クラック性および耐欠損性が劣化している。こ
れに対して本発明合金の岡16〜24は、何れも優れた
切削性能を有することがわかる。これは結合相中に微細
硬質粒子を分散させて、結合相を分散強化すると共に、
二重有芯構造の硬質相に加えて単層構造の他の硬質相を
存在させたことに起因するものと認められる。
実施例4 前記実施例3と同一手法により1合金中のC!tの異な
る合金を作製した。この場合C量の多いものはC粉末を
添加し、C量の少ないものはTiCNの一部をTjN″
i?置換して調整して第5表に示す合金を作製した。第
5表中のCfl1域は、健全相のC量の領域を10等分
した場合の下限からの相当区分を示しである。この場合
の健全相領域とは、前述のように結合相中に遊離Cが析
出する上限と5脱炭層が出現する下限との間に存在する
C量の領域を称する。
上記のようにして作製した焼結体を前記実施例1と同様
のチップに加工し、実施例1と同様の切削を行なって切
削性能を評価した結果を第5表に併記する。
以下余白 第5表から明らかなように、まず比較合金陽41゜42
においては、微細硬質粒子および単層構造の硬質相を欠
如すると共に、C量を健全相領域の上限側に設定したも
のであり、結合相の塑性変形量が比較的大である。すな
わち結合相の格子定数が小さいため、耐熱性を有するW
、Mo等の金属元素の結合相中への固溶量が少なく、結
合相の固溶強化が不充分であり、高温における塑性変形
防止作用が小である結果であると推定される。従って何
れも切削途中において欠損に至っており、耐熱クランク
性も極めて低い0次に比較合金?h43.44は。
結合相をY、0.によって分散強化したものであり、耐
摩耗性が若干向上してはいるが、clを健全相領域の上
限側に設定したものであるため、耐熱クランク性が劣化
する。また比較合金Nn39.40はTiCNによって
結合相を分散強化すると共に。
単層構造の硬質相を存在させたことにより、前記比較合
金より若干の切削性能の向上が認められるものの、C量
を健全相領域の上限側に設定したことにより結合相の固
溶強化が不充分であり、耐熱クラック性が劣化している
。これに対して本発明合金N132〜38においては、
塑性変形量および熱クランク発生本数の両者共極めて小
なる値であり耐塑性変形性および耐熱クランク性が格段
に優れている。これはC量を健全相領域の下限から17
2以内に設定したことにより、結合相の格子定数を増大
させ得る結果、耐熱性を有するW、Mo等の金属元素の
結合相への固溶量を増大させることとなり、結合相が固
溶強化されたためと認められるやなおC量を健全相領域
の下限から1/4以内に設定すると上記結合相の固溶強
化作用が格段に大となり、耐塑性変形性および耐熱クラ
ック性の向上が顕著であることが明らかである。
実施例5 実施例1と同様の市販原料粉末を使用して第6表に示す
組成の合金を作製した0合金の製造工程は実施例1と同
様である。得られた焼結体からチップを加工し、実施例
3と同様の切削性能の評価を行なった結果を第6表に併
記する。
第6表から明らかなように、比較合金N1163におい
てはWCの含有量が小であるため靭性および高温強度が
不足し、耐熱クランク性が劣化し、特に機械的強度を要
求される低速切削における耐欠損性の劣化が著しい、ま
た比較合金116164.65はWCの含有量が過大で
あるため、複炭窒化物からなる硬質相を形成する周辺組
織形成量を増大させて靭性を劣化させる結果となり8特
に耐摩耗性、・耐塑性変形性および高速切削における耐
欠損性の劣化が著しい。次に比較合金隘66はNbC量
が少ないため、高温強度が低く、このため耐摩耗性、耐
塑性変形性および高速切削時の耐欠損性が劣化している
。一方比較合金磁67においてはNbC3lが過大であ
るため、前記WCと同様に周辺組織形成量を増大させる
ので靭性を劣化させ、切削性能を著しく劣化させる結果
となっている。比較合金阻68においては低速切削時の
耐欠損性の他は全般的に切削性能が劣る。すなわちMo
tC量が過大であるため、硬さを低下させ、高温時の耐
摩耗性を劣化させる結果となっている。一方比較合金隘
69は耐欠損性において著しい劣化を示している。組成
中にMozCを欠如するため、硬質相と結合相とのぬれ
性が不充分であり、靭性を低下させるためと認められる
0次に比較合金磁70は耐摩耗性および高速切削時の耐
欠損性において著しい劣化を示す。
これは高温強度の向上に寄与するVCの欠如によるもの
と認められる。一方比較合金磁71においては低速切削
時の耐欠損性が劣化している。すなわちVC量が過大で
あるため3機械的強度が低下した結果である。比較合金
N1172は耐塑性変形性および高速時の耐欠損性の低
下が顕著であるが、これはZrCを欠如するため高温強
度および靭性の向上が不充分であるためと認められる。
一方比較合金隘73においては、ZrC,lが過大であ
るため耐摩耗性および低速時の耐欠損性を低下させる結
果となっている。次に比較合金阻74は切削性能全般的
に著しい劣化を示しており、途中欠損に至っている。す
なわち硬質相を形成すべきTiCN量が不足するため高
温耐摩耗性および高温強度を付与できないと共に、Nb
C量も過大であるため。
高温強度の改善よりむしろ周辺組織形成量を増大させる
ので靭性を低下させるためである。一方比較合金Na7
5においては、耐熱クランク性および低速切削時の耐欠
損性が劣る。すなわちTic N量が過大であるため靭
性を低下させると共に。
NbC量が小であるため高温強度が低くなる結果である
と認められる。これに対して本発明合金の。
隘45〜62においては、何れも所定の適量の組成であ
り、格段に優れた切削性能を示している。
よって形成した。
第7表 実施例6 実施例4と同様にしてN量を変化させた合金を作製し、
前記同様の切削性能評価を行なった。第7表にN8量(
重量%)および切削性能評価結果を示す、なおN、量の
調整はTiCNにおけるC/N比が夫々?/3.515
.3/7であるものを使用して行なった0組成は重量比
で45TiCN−15WC15NbC7MotC2VC
IZrC−7,5Co −7,5Niに統一し、単層構
造の硬質相および微細硬質粒子は何れもTiCNに第7
表から明らかなように比較合金11m82.83におい
ては、耐摩耗性、耐塑性変形性および高速切削時の耐欠
損性において著しい劣化が認められる。
これはN2量が少ないため、結合相の格子定数が小であ
り1結合相中にW、Mo等の耐熱性を有する金属元素の
固溶量が少なく、結合相の固溶強化が不充分であるため
と認められる。これに対して本発明合金N176〜81
においては、N、を充分に含有するため前記元素の結合
相への固溶量を増大させ得る結果、結合相を充分に固溶
強化し得ることとなり、切削性能を大幅に向上させ得る
のである。
実施例7 実施例4と同様にしてC1を変化させて第8表に示すよ
うに保磁力の異なる合金を作製した0次に前記実施例1
におけるものと同様のチップに加工し、および同様の切
削条件における切削性能を評価した結果を第8表に併記
する。
以下余白 第8表から明らかなように、比較合金N188〜91に
おいては塑性変形量および熱クラツク発生本数が何れも
大であるのに対し9本発明合金Il&L84〜87にお
いては何れも小であり、長寿命である。なお保磁力は合
金中のC量の多寡によって変化するが。
本発明合金においては前述のようにC量を健全相領域の
下限から1/2以内に設定したものであり。
保磁力の値が低くなっている。従って第8表に示す結果
は、前記第5表に示す結果と類似している。
第8図は合金のC量と保磁力との関係を示す図である。
保磁力は同−C量においては、Go比が大である程大で
ある。第8図から明らかなように。
合金中のC量が健全相領域の下限を越え、同領域の1/
2未満の範囲においては、Ni/(Co+Ni)を37
10以上とすれば保磁力を500e以下とすることがで
き、前記第8表に示すような良好な切削性能を付与し得
る。
〔発明の効果〕
本発明は以上記述のような構成および作用であるから、
下記の効果を奏し得る。
(1)結合相中に微細硬質粒子を分散させたものである
ため、結合相が充分に分散強化され、耐熱性を有する金
属元素による固溶強化と相俟て。
耐塑性変形性を飛躍的に増大させ得る。
(2)結合相中に微細硬質粒子を分散させたため。
硬質相を形成する周辺組織の増大に伴なう粒成長があっ
ても、硬質相相互間の結合を防止し。
靭性および耐熱クランク性を大幅に増大させ得る。
(3)硬質相を5相対的にTiに乏しくWに冨む中心m
織と、相対的にTiに富みWに乏しい周辺組織とからな
る二重有芯構造に形成した場合には耐摩耗性を大幅に増
大さ−き得る。
(4)  単層構造の他の硬質相を形成して分散させる
ことにより、耐摩耗性を更に増大させ得る。
(5)C量および/またはNilを規制することにより
、結合相の格子定数を増大させる結果、結合相の固溶強
化を一段と向上させ得る。
(6)  上記によりエンドミル工具を初めとして、高
硬度材の切削分野へのサーメット合金の適用が可能であ
ると共に、高速切削においても長寿命化が可能である。
1  図 本 2
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1における代表的な金属組織を
示す写真、第2図は同実施例1における微細硬質粒子近
傍の金属&[l織を示す写真、第3図および第4図は各
々刃先に発生する塑性変形および熱クランクの状態を模
式的に示す斜視図、第5図は切削長と平均逃げ面摩耗と
の関係を示す図。 第6図は本発明の実施例3における代表的な金属mmを
示す写真、第7図は従来のサーメット合金の金属Mi織
を示す写真、第8図は合金のC量と保磁力との関係を示
す図である。 第 4 特許出願人  日立金属株式会社(外1名)代 理 人
 弁理士 森 1) 寛 干均龜庁酔粍−戦)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)硬質相と鉄族金属の1種または2種以上の成分か
    らなる結合相とからなるサーメット合金において、結合
    相中に平均粒径2000Å以下の微細硬質粒子を分散さ
    せた組織に構成したことを特徴とするサーメット合金。
  2. (2)微細硬質粒子が単層構造である請求項(1)記載
    のサーメット合金。
  3. (3)微細硬質粒子がTiCN、ZrN、ZrCN、H
    fC,Al_2O_3、Y_2O_3、Dy_3O_2
    、ZrO_2およびNd_3O_2の群から選ばれた1
    種または2種以上からなる請求項(1)若しくは(2)
    記載のサーメット合金。
  4. (4)硬質相がIVa族,Va族およびVIa族の2種以上
    の元素の炭化物,窒化物若しくは炭窒化物またはこれら
    の混合物である請求項(1)ないし(3)何れかに記載
    のサーメット合金。
  5. (5)硬質相が相対的にTiに乏しくWに富む中心組織
    と,相対的にTiに富みWに乏しい周辺組織とからなる
    二重有芯構造である請求項(1)ないし(4)何れかに
    記載のサーメット合金。
  6. (6)平均粒径1μm以上であり,かつTiを含有する
    炭化物,窒化物若しくは炭窒化物またはこれらの混合物
    からなる単層構造の他の硬質相が0.5〜40体積%存
    在する請求項(1)ないし(5)何れかに記載のサーメ
    ット合金。
  7. (7)全組成中の炭素量が健全相領域の下限を越え健全
    相領域の1/2未満,好ましくは1/4未満の値である
    請求項(1)ないし(6)何れかに記載のサーメット合
    金。
  8. (8)重量比でTiCN10〜70%,WC5〜30%
    ,NbC5〜30%,Mo_2C1〜10%,VC0.
    5〜5%,ZrC0.05〜3%,(Ni,Co)5〜
    25%および全窒素量2.5%以上からなる請求項(1
    )ないし(7)何れかに記載のサーメット合金。
  9. (9)NbCの一部または全部をTaCで置換した請求
    項(8)記載のサーメット合金。
  10. (10)合金の保磁力が500e以下である請求項(1
    )ないし(9)何れらに記載のサーメット合金。
  11. (11)硬質相と鉄族金属の1種または2種以上の成分
    からなる結合相とからなるサーメット合金において,重
    量比でTiCN10〜70%,WC5〜30%,NbC
    5〜30%,Mo_2C1〜10%,VC0.5〜5%
    ,ZrC0.05〜3%,(Ni,Co)5〜25%お
    よび全窒素量2.5%以上からなり,保磁力が50Oe
    以下であることを特徴とするサーメット合金。
  12. (12)Ni/(Co+Ni)が3/10以上である請
    求項(11)記載のサーメット合金。
JP63330570A 1988-10-06 1988-12-27 サーメット合金 Pending JPH02213445A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63330570A JPH02213445A (ja) 1988-10-06 1988-12-27 サーメット合金
AT89710081T ATE102659T1 (de) 1988-12-27 1989-12-18 Cermet-legierung.
EP89710081A EP0376878B1 (en) 1988-12-27 1989-12-18 Cermet alloy
DE68913704T DE68913704T2 (de) 1988-12-27 1989-12-18 Cermet-Legierung.
US07/457,172 US5149361A (en) 1988-12-27 1989-12-26 Cermet alloy
PT92739A PT92739A (pt) 1988-12-27 1989-12-27 Processo para a preparacao de uma liga cermet

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-252824 1988-10-06
JP25282488 1988-10-06
JP63330570A JPH02213445A (ja) 1988-10-06 1988-12-27 サーメット合金

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH02213445A true JPH02213445A (ja) 1990-08-24

Family

ID=26540897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63330570A Pending JPH02213445A (ja) 1988-10-06 1988-12-27 サーメット合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02213445A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7157044B2 (en) * 2002-11-19 2007-01-02 Sandvik Intellectual Property Ab Ti(C,N)-(Ti,Nb,W)(C,N)-Co alloy for finishing and semifinishing turning cutting tool applications
JP2007517978A (ja) * 2003-05-20 2007-07-05 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー 高温浸食−腐食サービスのためのマルチスケールサーメット
JP2007524758A (ja) * 2003-05-20 2007-08-30 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー 高性能耐侵食−腐蝕性ホウ化物サーメット
JP2009102734A (ja) * 2008-11-26 2009-05-14 Kyocera Corp サーメット製スローアウェイチップ
CN108570589A (zh) * 2018-04-09 2018-09-25 广东翔鹭钨业股份有限公司 一种硬质合金刀具材料及其制备方法
CN108950342A (zh) * 2018-07-24 2018-12-07 三峡大学 Ti(C,N)基金属陶瓷及其制备方法
CN109972014A (zh) * 2017-12-28 2019-07-05 厦门钨业股份有限公司 一种TiCN基金属陶瓷
CN113215470A (zh) * 2021-04-29 2021-08-06 西安建筑科技大学 一种纳米级氧化物强化低活化钢复合材料及其制备方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7157044B2 (en) * 2002-11-19 2007-01-02 Sandvik Intellectual Property Ab Ti(C,N)-(Ti,Nb,W)(C,N)-Co alloy for finishing and semifinishing turning cutting tool applications
US7645316B2 (en) 2002-11-19 2010-01-12 Sandvik Intellectual Property Aktiebolag Ti(C,N)-(Ti,Nb,W)(C,N)-Co alloy for finishing and semifinishing turning cutting tool applications
JP2007517978A (ja) * 2003-05-20 2007-07-05 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー 高温浸食−腐食サービスのためのマルチスケールサーメット
JP2007524758A (ja) * 2003-05-20 2007-08-30 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー 高性能耐侵食−腐蝕性ホウ化物サーメット
JP2009102734A (ja) * 2008-11-26 2009-05-14 Kyocera Corp サーメット製スローアウェイチップ
CN109972014A (zh) * 2017-12-28 2019-07-05 厦门钨业股份有限公司 一种TiCN基金属陶瓷
CN108570589A (zh) * 2018-04-09 2018-09-25 广东翔鹭钨业股份有限公司 一种硬质合金刀具材料及其制备方法
CN108570589B (zh) * 2018-04-09 2020-05-05 广东翔鹭钨业股份有限公司 一种硬质合金刀具材料及其制备方法
CN108950342A (zh) * 2018-07-24 2018-12-07 三峡大学 Ti(C,N)基金属陶瓷及其制备方法
CN113215470A (zh) * 2021-04-29 2021-08-06 西安建筑科技大学 一种纳米级氧化物强化低活化钢复合材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5149361A (en) Cermet alloy
JP4690475B2 (ja) サーメット及び被覆サーメット工具
WO2006134944A1 (ja) サーメット製インサート及び切削工具
WO2010104094A1 (ja) サーメットおよび被覆サーメット
JPH02213445A (ja) サーメット合金
JP5684014B2 (ja) 超硬質合金
US6057046A (en) Nitrogen-containing sintered alloy containing a hard phase
KR0180522B1 (ko) 질소 함유 소결 경질 합금
US7588621B2 (en) Ti(C,N)-(Ti,Nb,W)(C,N)-co alloy for milling cutting tool applications
US6231277B1 (en) Cermet tool and method for manufacturing the same
US4874577A (en) Wear-resistant intermetallic compound alloy having improved machineability
JP2893886B2 (ja) 複合硬質合金材
JP5381616B2 (ja) サーメットおよび被覆サーメット
JPH10298698A (ja) 超硬合金
JPS5914534B2 (ja) 軟化表層を有する強靭サ−メツト
JP2020033597A (ja) TiN基焼結体及びTiN基焼結体製切削工具
JPH08225877A (ja) 窒素含有焼結硬質合金
JP2001020029A (ja) ホブ用超硬材料
JPH10298700A (ja) 超硬合金
KR100497850B1 (ko) 고인성과 내마모성을 겸비한 탄화텅스텐(wc)계 소결합금및 이를 이용한 절삭공구
JPS61199048A (ja) 超硬質合金及びその製法
JPH01116050A (ja) サーメット合金
JPS6245291B2 (ja)
JPS6146542B2 (ja)
JPH01115873A (ja) 立方晶窒化ホウ素含有焼結体