JPH0221245Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はボールペン等の筆記具やライター、化
粧用具等の尾端に取付けて使用するのに便利な携
行用の印判に関するものである。

（従来技術） 無数の連続気泡を有する多孔性印字体を使用し
た印判は使用の都度インクを印字面に付着させる
ことなく、捺印を行えるので広く使用されている
が、従来のこの種印判はインク吸蔵体に吸蔵され
ているインクが多孔性印字体に自然に流下して印
字面にインクを補給するような構造であるため、
印字面を上向きとしておくと印字面のインクが不
足して鮮明な捺印を行うことができず、特に認印
のようにインク吸蔵量が少ない小型の印判にあつ
てはこの傾向が顕著であり、この点からこの種印
判の小型化が困難とされていた。

（考案の目的） 本考案は前記のような従来のこの種印判の問題
点を解消して印字面を上向きとしておいても印字
面に適量のインクが常時供給されるコンパクトな
印判を目的として完成されたものである。

（考案の構成） 本考案は無数の連続気泡を有する多孔性印字体
をその印字面が下端開口より露呈した状態として
嵌装保持させた枠金を短筒体の一端に嵌着して該
短筒体内にキヤツプ付のインク吸蔵棒を嵌挿する
とともに短筒体の他端には該インク吸蔵棒を多孔
性印字体に向けばねを介し圧接させる栓体を着脱
自在に装着したことを特徴とするものである。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例について詳細に説
明すれば、１はポリアセタール樹脂等の耐インク
性に優れた強靭な合成樹脂材よりなる短筒体であ
つて、該短筒体１はその中間に環状隆起部２が設
けられてその一端方部を枠金嵌着部３に形成する
とともに他端方部には拡開補助用の縦切込４が複
数個配設されており、前記枠金嵌着部３にはスポ
ンジゴム等の無数の連続気泡を有する多孔性印字
体５をその印字面６のみが下端開口より露呈した
状態として嵌装保持させた枠金７が嵌着されてい
る。８はポリプロピレン樹脂等の合成樹脂材より
なる帽状のキヤツプ９付のインク吸蔵棒であつ
て、該インク吸蔵棒８はポリビニルアセタール系
の多孔質体のような適度の硬度を有したスポンジ
よりなるもので、帽状のキヤツプ９の頂部にはば
ね係合用の筒状突起１０が突設され、該キヤツプ
９付のインク吸蔵棒８は前記短筒体１内に嵌挿さ
れている。１１は短筒体１の他端に着脱自在に装
着される栓体であつて、該栓体１１は空気流通孔
１２を有する頭部１３に係止用リブ１４を周面に
形成した挿込用筒部１５を続かせ、さらに、頭部
１３の内面にばね係合用の筒状突部１６を設ける
とともに挿込用筒部１５に複数個の縦切込１７を
配設したものとして該筒状突部１６にコイル状の
ばね１８の一端を係合保持させ、栓体１１を短筒
体１の他端に装着するとばね１８の他端がキヤツ
プ９の筒状突起１０に係合するとともに該ばね１
８は圧縮されてインク吸蔵棒８を多孔性印字体５
に向けばね１８を介し圧接するようになつてい
る。また、図示の実施例では栓体１１の挿込用筒
部１５内にキヤツプ９も係合されて栓体１１を短
筒体１の他端から取り外すとキヤツプ９付のイン
ク吸蔵棒８も同時に取り出されるようになつてい
るが、栓体１１とキヤツプ９付のインク吸蔵棒８
とは完全に分離されたものとしてもよい。なお、
図中１９は枠金７に装脱自在に装着されて多孔性
印字体５の印字面６を覆う金属製のキヤツプであ
る。

このように構成されたものは、短筒体１内に嵌
挿されているインク吸蔵棒８に予めインクを吸蔵
させておけば、該インク吸蔵棒８を多孔性印字体
５に向けばね１８を介し圧接する栓体１１が短筒
体１の他端に装着されているので、インク吸蔵棒
８に吸蔵されているインクは該短筒体１の一端に
嵌着した枠金７に嵌装保持されている多孔性印字
体５に強制的に供給されることとなるものであつ
て、多孔性印字体５の印字面６を上向きとしてお
いても印字面６には適量のインクが常時浸出し、
使用の都度スタンプ台を利用することなく鮮明な
捺印を行うことができるものである。しかして、
インク補充時には短筒体１の他端に着脱自在に装
着されている栓体１１を取り外してキヤツプ９付
のインク吸蔵棒８を抜き出し、このインク吸蔵棒
８をインク瓶に挿し込んで所要量のインクを吸蔵
させたのち再び短筒体１内に嵌挿し、栓体１１を
短筒体１の他端に装着すればインクの補充ができ
るので、インク補充に手数を要することがないも
のである。さらに、短筒体１、多孔性印字体５、
枠金７、キヤツプ９付のインク吸蔵棒８、ばね１
８、栓体１１という小数の部品よりなるもので組
立が容易で小型化できる利点もあり、前記したよ
うに印字面６を上向きとしておいても鮮明な捺印
ができる点と相俟つてボールペン等の筆記具やラ
イター、化粧用具のような携行品２０の尾端に取
付けるにも好都合なものとなる。

（考案の効果） 本考案は前記説明から明らかなように、一端に
多孔性印字体を装着した短筒体内に嵌挿されてい
るキヤツプ付のインク吸蔵棒を該短筒体の他端に
装着される栓体と前記キヤツプとの間に介装され
るばねをもつて常時多孔性印字体に向け圧接する
ようにしたので、多孔性印字体へのインク供給が
常時適切に行われることとなるもので、部品点数
が少なくて小型化、量産化が容易な利点と相俟ち
通常の認印はもとより携行品に付設する認印等に
好適な印判として実用的価値極めて大なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠正面
図、第２図は筆記具の尾端に取付けた状態におい
て示す一部切欠正面図である。 １：短筒体、５：多孔性印字体、６：印字面、
７：枠金、８：インク吸蔵棒、９：キヤツプ、１
１：栓体、１８：ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 無数の連続気泡を有する多孔性印字体５をその
   印字面６が下端開口より露呈した状態として嵌装
   保持させた枠金７を短筒体１の一端に嵌着して該
   短筒体１内にキヤツプ９付のインク吸蔵棒８を嵌
   挿するとともに短筒体１の他端には該インク吸蔵
   棒８を多孔性印字体５に向けばね１８を介し圧接
   させる栓体１１を着脱自在に装着したことを特徴
   とする印判。