JPH02199432A - 非線形光学素子およびその製造方法 - Google Patents

非線形光学素子およびその製造方法

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JPH02199432A
JPH02199432A JP2032789A JP2032789A JPH02199432A JP H02199432 A JPH02199432 A JP H02199432A JP 2032789 A JP2032789 A JP 2032789A JP 2032789 A JP2032789 A JP 2032789A JP H02199432 A JPH02199432 A JP H02199432A
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glass matrix
crystals
pores
organic
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Toshikuni Kaino
戒能 俊邦
Michiyuki Amano
道之 天野
Takashi Kurihara
隆 栗原
Yoshito Shudo
義人 首藤
Takao Kimura
隆男 木村
Takeshi Kitagawa
毅 北川
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、有機結晶の持つ非線形光学効果あるいは電気
光学効果などの光学機能を発現させるための非線形光学
素子およびその製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、高い非線形光学効果を有する非線形光学素子とし
ては、例えば、特開昭63−282721号公報に開示
されているように、非線形光学応答を示す有機成分を含
有する微孔構造を持った無機酸化物ガラス質一体構造体
から構成されたものが知られており、これは、大きな非
局在π電子系の有機材料あるいは高分子材料の持つ高い
光非線形性を有効に発現させようとした非線形光学素子
である。
この非線形光学素子において上記有機成分は、微孔構造
領域全体に均質に分散するように、あるいは無機酸化物
ガラス質一体構造体の表面に隣接した微孔構造領域に集
中して存在するように、あるいは含有量が無機酸化物ガ
ラス質一体構造体の微孔構造内で傾斜分布するように、
あるいは外場(電場(電界)、磁場(磁界)もしくは機
械的応力場)により誘起された配列分子配向するように
して含有させている。
また、従来の他の非線形光学素子としては、第2図に示
すような、円筒形状のガラスキャピラリ1中で、光非線
形性を有する有機結晶2を単結晶成長させたものが知ら
れており、これは有機材料を結晶状態で用いて高い光非
線形性を発現させようとした非線形光学素子である(米
国化学会(ACS)シンポジウムシリーズ233(19
83)参照)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前者の非線形光学素子においては、薄膜
状、プレート状、立方体、円筒、角柱体、繊維などの種
々の形態をとりうるものの、非線形性を発現させるにあ
たり重要な有機成分は、均一分散あるいは分布分散され
ているため、第三高調波発生などの三次非線形光学効果
を発現させることはできても、有機材料から構成される
非線形光学媒体に外場により誘起された整列分子配向を
与えない限り、二次の非線形光学効果を付与するために
重要な非中心対称性を付与することは原理的に不可能で
あった。このため、外場を与えるために、特殊な装置、
方法が必要となり二次の光非線形性を活用する上で大き
な問題があった。
また、有機成分に対し、外場により誘起された整列分子
配向が与えられた場合であっても、分散された状態であ
ることには変わりなく、高い効率を得る上では有機成分
の結晶状態での光非線形性にくらべ劣っているという状
況にあった。さらに、三次の非線形光学効果に関しても
、有機非線形光学材料が分散された状態で用いられるた
め、有機材料が本質的に有する光非線形性を十分に発揮
させることが困難であった。
また、後者の非線形光学素子においては、光非線形性を
発現させる上での結晶の最適方位が、ガラスキャピラリ
1の長軸方向とたまたま一致した場合に高い光非線形性
(特にSHGのような二次の光非線形性)が発現される
が、このような有機結晶材料は限られており、通常は結
晶の光軸に合わせた偏光の入射が困難であって、有機結
晶の高い光非線形性を引き出すには限界がある。また、
ガラスキャピラリ1の形状が円筒形であるため、電気光
学効果を発揮させるために必要な電極の設置が困難であ
る。さらには、ガラスキャピラリ1中でファイバ状に単
結晶を成長させるため、ガラスと有機材料との熱膨張係
数の違いなどによって、有機単結晶中にクラックが発生
するという場合が多く、非線形光学素子としての使用に
は問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、高い光非線形性を有するとともに、加工性に
優れ、しかも、信頼性の高い非線形光学素子およびその
製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、請求項(1)では、非線形光
学素子を気孔部を有するガラスマトリクスと、該ガラス
マトリクスの気孔部中に形成した有機非線形光学結晶と
から構成した。
また、請求項(2)では、ガラスマトリクスの気孔部中
に有機非線形光学材料を含浸させて結晶を生成した後、
生成した結晶を加熱して融解し、次いで、ガラスマトリ
クスの片端より温度勾配を設けて加熱し単結晶化するよ
うにした。
また、請求項(3)では、水および水混和性有機溶媒か
らなるゾル−ゲル反応物質中で、酸性または塩基性条件
下に金属アルコキシドを当該反応物質のゲル化が完結す
るまで加水分解させて、気孔部を有するガラスマトリク
スを形成し、該ガラスマトリクスの気孔部中に有機非線
形光学材料を含浸させて結晶を生成した後、生成した結
晶を加熱して融解し、次いで、ガラスマトリクスの片端
より温度勾配を設けて加熱し単結晶化するようにした。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明において、気孔部を有するガラスマトリクスの製
造は、従来から知られているコーニング法、化学蒸着法
、ホワイトカーボン法、コロイドシリカ法、シリカゲル
法、ゾル−ゲル法などの方法が用いられる。特に、ゾル
−ゲル法が本願発明において有効な気孔部を有するガラ
スマトリクスの製造法と言える。
この方法は、金属アルコキシドの加水分解・縮合反応に
より室温で金属酸化物の三次元網目構造を形成したのち
、低温で脱水することによって行われ、場合によっては
、得られた気孔部を有する酸化物ガラス質構造体を高温
で焼結させることができる。この焼結する温度を適宜選
択することによって希望する気孔率のガラスマトリクス
を得ることができる。本発明においては、ガラスマトリ
クス中の気孔率は特に定めるものではないが、高い光非
線形性を発現させるためには気孔率の高いガラスマトリ
クスを用い、有機結晶の含有率を高めることか望ましい
。しかし、気孔率が高すぎる場合は、非線形光学素子と
しての加工性あるいは取扱上の問題が生じることから、
通常は気孔率25〜75%程度のガラスマトリクスが用
いられる。
本発明において、ガラスマトリクスとして上記の酸化物
ガラスマトリクスのみならず高分子マトリクスの使用も
可能である。このような高分子マトリクスとしては耐熱
性あるいは耐溶剤性に優れる高分子が望ましく、エポキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド
、ポリカーボネート、CR−39(ジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート) 、TPX (ポリ−4−
メチルペンテン−1)、あるいは熱硬化性メタクリル樹
脂などを用いることができる。このような高分子マトリ
クスへ気孔部を付与する方法は、有機過酸化物などの発
泡剤による方法、無機充填材の使用による方法などがあ
るが、特に限定するものではない。酸化物ガラスマトリ
クスと同様、気孔率が高い場合に高い光非線形性を達成
することができるが、高分子マトリクスでは25〜50
%程度の気孔率のものが用いられる。
本発明においては、ガラスマトリクスの気孔部中の有機
非線形光学材料は、有機材料が微孔構造を持った無機酸
化物ガラス質一体構造体中に均一分散あるいは分布分散
されている状態にある従来技術とは異なり、結晶状態で
存在するため、特に二次の光非線形性発現に適している
のは言うまでもなく、三次の非線形光学効果についても
、従来に比べ高い効率で発現させることができる。
本発明では、上記気孔部を有するガラスマトリクス中に
非線形光学応答を示す有機材料を含浸させる工程を経た
後、熱処理によって、ガラスマトリクスの気孔部中の非
線形光学応答を示す有機材料を単結晶化することにより
、より高効率な非線形光学素子を得ることができる。
気孔部を有するガラスマトリクスに非線形光学応答を示
す有機材料を含浸させる工程は一回でも良いが、結晶状
態を形成させるためには、同じ工程を複数回繰り返し、
高濃度に含浸させることが望ましい。
本発明において用いられる有機材料は、材料自体が高い
光非線形性を有することが望ましいことは言うまでもな
いが、有機材料が気孔部を有するガラスマトリクスのな
かで結晶状態で用いられるため、光非線形性が比較的小
さい材料であっても効果的に光非線形性を発現させるこ
とが可能である。
このような有機材料としては、従来より非線形光学材料
として検討されている、4−ニトロアニリン(p−NA
) 、4− (N、N−ジエチルアミノ)ニトロベンゼ
ン、2−メチル−4−ニトロアニリン、4−ニトロフェ
ニルプロリノール、4−シクロオクチルアミノニトロベ
ンゼン(COANB)などのニトロアニリンおよびその
誘導体、4−シクロオクチルアミノニトロピリジン、4
−アダマンタンアミノニトロピリジン(AANP)など
のニトロピリジン誘導体、4−メトキシ−4′ニトロス
チルベン、4−ブロモ−4′−二トロスチルベン、4−
 (N、N−ジメチルアミノ)4′−二トロスチルベン
、4− (N、N−ジエチルアミノ)−4′ −二トロ
スチルベンなどのパラアミノニトロスチルベン誘導体、
4− (N、N−ジメチルアミノ)−4′ −ニトロア
ゾベンゼン、4− (N、N−ジエチルアミノ)−4′
 −ニトロアゾベンゼンなどのパラアミノニトロアゾベ
ンゼン誘導体、4− (N、N−ジメチルアミノ)ベン
ジリデン−4′−ニトロアニリン、4−(N、N−ジエ
チルアミノ)ベンジリデン−4′−ニトロアニリンなど
のパラアミノベンジリデンニトロアニリン誘導体、4−
ニトロベンジリデン−4′(N、N−ジメチルアミノ)
アニリン、4−ニトロベンジリデン−4’ −(N、N
−ジエチルアミノ)アニリンなどのパラニトロベンジリ
デンアミノアニリン誘導体、4−メントキシ−4′−ニ
トロトラン(MNT) 、4−ブロモ−4′−ニトロト
ランなどのニトロトラン誘導体、ジエチルアミノ−β−
ニトロスチレン(DEANST)などのパラアミノニト
ロスチレン誘導体、5−ニトロインドールやクロロニト
ロベンゾオキサゾールなどのベンゾ複素環誘導体、4′
−ジメチルアミノN−メチル−4−スチルバゾリウムの
メトスルフェート塩(DMSM) 、4’  −ジエチ
ルアミノN−メチル−4−スチルバゾリウムのヨウ素塩
(DESI)などのジアルキルアミノスチルバゾリウム
誘導体などの結晶材料が挙げられる。
(作 用) 請求項(1)によれば、光が入射されるとガラスマトリ
クスの気孔部中に形成された、有機非線形光学結晶にお
いて、二次非線形光学効果あるいは三次非線形光学効果
が発現する。
また、請求項(2)によれば、まず、ガラスマトリクス
の気孔部中に有機非線形光学材料を含浸させて結晶を生
成する。次に、有機非線形光学材料を含浸させたガラス
マトリクスを、例えば加熱炉で所定の温度条件で加熱し
て、生成した結晶を融解させる。続いて、温度勾配を設
けた、例えば加熱炉でガラスマトリクスの片端側より加
熱して単結晶化させることにより、ガラスマトリクスの
気孔部中に有機非線形光学結晶が形成された非線形光学
素子が製造される。
また、請求項(3)によれば、まず、水および水混和性
有機溶媒からなるゾル−ゲル反応物質中で、例えば酸性
条件下に金属アルコキシドをゾル−ゲル反応物質のゲル
化が完結するまで加水分解する。
次に、ゲル化が完結したならば、残留する溶媒を除去し
、これにより気孔部を有する酸化物ガラスマトリクスが
得られる。
次に、このように形成したガラスマトリクスの気孔部中
に、有機非線形光学材料を含浸させて結晶を生成する。
次いで、有機非線形光学材料を含浸したガラスマトリク
スを、例えば加熱炉で所定の温度条件で加熱して、生成
した結晶を融解させる。続いて、温度勾配を設けた、例
えば加熱炉でガラスマトリクスの片端側より加熱して、
単結晶化させることにより、ガラスマトリクスの気孔部
中に有機非線形光学結晶が形成された非線形光学素子が
製造される。
(実施例1) 第1図に示すような、ガラスマトリクスの気孔部(10
a )中に有機非線形光学結晶11を保持する非線形光
学素子10を製造した。
まず、第3図の(a)に示すように、角型の鋳型20の
中に、水および水混和性有機溶媒からなるゾル−ゲル反
応物質21を加え、酸性条件下にテトラアルコキシシラ
ンを、このゾル−ゲル反応物質21のゲル化が完結する
まで加水分解させ、次いで、第3図の(b)に示すよう
に残留する溶媒を除去して気孔部10aを有する酸化物
ガラスマトリクス101を得た。得られた気孔部10a
を有する酸化物ガラスマトリクスを750℃で焼結させ
ることによって、気孔率65%の板状の酸化物ガラスマ
トリクスを得た。
引続き第3図の(c)に示すように、有機非線形光学材
料としてC0ANB40重量%を含有するアセトン溶液
22中に、ゾル−ゲル法で製作し、かつ、焼結させた6
5%の気孔部を有する板状の酸化物ガラスマトリクス1
01を浸漬し、第3図の(d)に示すように、2時間後
に取り出して50℃で減圧乾燥した。そののち再び第3
図の(e)に示すように、上記アセトン溶液22に浸漬
し、さらに第3図の(f)に示すように、2時間後に取
り出して50℃で減圧乾燥した。このガラスマトリクス
102は淡黄色で不透明であった。
このC0ANBを含浸させたガラスマトリクス102を
、第3図の(g)に示すように、所定の温度条件、例え
ば113℃に設定した、予熱ゾーン31、溶融ゾーン3
2、冷却ゾーン33からなる加熱炉34を備えたブリッ
ジマン炉30に設置し、生成した結晶を加熱炉34中で
融解した。次いで、温度勾配、例えば温度ゾーンに0.
5mm/分の速度で移動させるようにした加熱炉34中
で、ガラスマトリクス102の片端より徐々に単結晶化
させ、15時間で結晶育成を行った。ブリッジマン炉3
0より取り出した、ガラスマトリクスは透明であり、多
結晶の存在は見られなかった。
以上のようにして製造した、ガラスマトリクスの気孔部
(10a)中に有機非線形光学結晶11を保持する非線
形性光学素子10に、1.06μmのレーザ光を照射し
たところSHG光が観測された。
厚さ100μmの試料を製作して、石英の結晶(α石英
:χ(2)= 1.8 ’X 10−9esu )を基
準に二次非線形光学感受率χ  を求めたところ、2 
X 10−”esuであった。
(実施例2) 実施例1とほぼ□同様の製造方法を用い、10重量%の
AANPを含有するDMF溶液にゾル−ゲル法で製作し
た60%の気孔部を有する円柱状のガラスマトリクスを
浸漬し、1時間後に取り出して60℃で減圧乾燥した。
そののちこの工程を3回繰り返した。このガラスマトリ
クスは黄色不透明であった。このAANPを含浸させた
ガラスマトリクスを所定の温度条件173℃に設定した
ブリッジマン炉に設置し、20時間で結晶育成を行った
。ブリッジマン炉より取り出したガラスマトリクスは透
明であり、多結晶の存在は見られなかった。
以上のように製造した非線形光学素子に、1.06μm
のレーザ光を照射したところSHG光が観測された。実
施例1のC0ANBと同様の方法で二次非線形光学感受
率χ  を求めたところ、5×107esuであった。
(実施例3) 実施例1とほぼ同様の製造方法を用い、20重量%のM
NTを含有するエタノール溶液にゾル−ゲル法で製作し
た45%の気孔部を有する板状のガラスマトリクスを浸
漬し、1時間後に取り出して常温で減圧乾燥した。その
のちこの工程を2回繰り返した。このガラスマトリクス
は淡黄色で不透明であった。このMNTを含浸させたガ
ラスマトリクスを所定の温度条件128℃に設定したブ
リッジマン炉に設置し、25時間で結晶育成を行った。
ブリッジマン炉より取り出したガラスマトリクスは透明
であり、多結晶の存在は見られながった。
以上のように製造した非線形光学素子に、1,06μm
のレーザ光を照射したところSHG光が観測された。実
施例1のC0ANBと同様の方法で二次非線形光学感受
率χ  を求めたところ、8×1O−8eSuテあった
〇 (実施例4) 実施例1と同様に、角型の鋳型の中に、水および水混和
性有機溶媒からなるゾル−ゲル反応物質を加え、酸性条
件下にテトラアルコキシシランをこのゾル−ゲル反応物
質のゲル化が完結するまで加水分解させ、残留する溶媒
を除去して気孔部を有する酸化物ガラスマトリクスを得
た。続いて、得られた気孔部を有する酸化物ガラスマト
リクスを850℃で焼結させることによって、気孔率7
5%の板状の酸化物ガラスマトリクスを得た。
引続き、有機非線形光学材料としてp−NA20重量%
を含有するアセトン溶液にゾル−ゲル法で製作し、かつ
、焼結させた75%の気孔部を有する板状のガラスマト
リクスを浸漬し、1時間後に取り出して常温で減圧乾燥
した。そののちこの工程を5回繰り返した。このガラス
マトリクスは淡黄色で若干不透明であった。
以上のようにして製造したガラスマトリクスの気孔部中
にp−NA微結晶を含有する非線形性光学素子に、1.
06μmのレーザ光を照射したところSHG光が観測さ
れた。実施例1のC0ANBと同様の方法で二次非線形
光学感受率χ  を求めたところ、散乱光による効率低
下があったもののI X 10−8esuの値であツタ
(実施例5) 実施例3により製造した有機結晶を含有する気孔部を有
する板状のガラスマトリクスからなる非線形光学素子1
0の相対向する二つの面に、第2図に示すようにAρを
蒸着し、電極30を設けた。
He−Neレーザ光を偏光させて、このガラスマトリク
スに導入させたところ、半波長電圧Vπ−25Vを得た
(実施例6) 実施例1とほぼ同様の製造方法を用い、40重量%のD
EANSTを含有するDMF溶液にゾル−ゲル法で製作
した65%の気孔部を有する板状のガラスマトリクスを
浸漬し、1時間後に取り出して60℃で減圧乾燥した。
そののちこの工程を2回繰り返した。このガラスマトリ
クスは赤色透明であった。このDEANSTを含浸させ
たガラスマトリクスを所定の温度条件101°Cに設定
したブリッジマン炉に設置し、20時間で結晶育成を行
った。ブリッジマン炉より取り出したガラスマトリクス
は透明であった。
以上のようにして製造した非線形光学素子に1.9μm
のレーザ光を照射したところ、THG光が観測された。
厚さ100μmの試料を製作して、石英ガラス(χ  
−1,6X 10   esu )を基準にメーカフリ
ンジ法によって(久保寺他:応用物理学会講演会、19
87)三次非線形光学感受率χ  を求めたところ、8
 X 10   esuであった。
(実施例7) コロイドシリカ法で製作した40%の気孔部を有する板
状のガラスマトリクスを、非線形光学材料としてDES
 I 20重量%を含有するホルムアミド溶液に浸漬し
、2時間後に取り出して50℃で減圧乾燥した。そのの
ちこの工程を3回繰り返した。このガラスマトリクスは
赤色不透明であった。このDESIを含浸させたガラス
マトリクスを所定の温度条件101℃に設定したブリッ
ジマン炉に設置し、生成した結晶を加熱炉中で融解し、
温度勾配を設けた加熱炉中でガラスマトリクスの片端よ
り徐々に単結晶化させ、20時間で結晶育成を行なった
。ブリッジマン炉より取り出したガラスマトリクスは透
明であり、多結晶の存在は見られなかった。
以上のようにして製造した非線形光学素子に、1.9μ
mのレーザ光を照射したところ、THG光が観測された
。実施例6のDEANSTと同様の方法で三次非線形光
学感受率χ  を求めたところ、5 X 10   e
suであった。
(実施例8) マトリクスとして30%の気孔部を有するCR−39の
高分子フィルムを用い、非線形光学材料としてDEAN
ST20重量%を含有するアセトン溶液に浸漬し、1時
間後に取り出して常温で減圧乾燥した。そののちこの工
程を5回繰り返した。
このフィルムは赤色透明であった。
このDEANSTを含浸させたCR−39樹脂フイルム
に169μmのレーザ光を照射したところ、THG光が
観測された。また、実施例7と同様のメーカフリンジ法
で三次非線形光学感受率χ(3)を求めたところ、2 
X 10   esuであった。
(実施例9) マトリクスとして20%の気孔部を有するシリコーン樹
脂製の高分子フィルムを用い、非線形光学材料としてD
MSM30重量%を含有するホルムアミド溶液に浸漬し
、1時間後に取り出して50℃で減圧乾燥した。そのの
ちこの工程を3回繰り返した。このフィルムは赤色透明
であった。
このDMSMを含浸させたシリコーン樹脂フィルムに1
,9μmのレーザ光を照射したところ、THG光が観測
された。また、実施例7と同様のメ一カフリンジ法で三
次非線形光学感受率χ  を求めたところ、4 X 1
0   esuであった。
(発明の効果) 以上説明したように、請求項(1)によれば、気孔部を
有するガラスマトリクスと、該ガラスマトリクスの気孔
部中に形成した有機非線形光学結晶とから構成したので
、二次の光非線形性のみならず、三次の光非線形性を高
効率で発現させることができる。
また、ガラスマトリクスを加工することによって任意の
形状とすることができるため、光学装置上の所定の位置
への固定が容易、あるいは光学装置からの光の導入が容
易、あるいは電気光学効果を発揮させるための電極の取
り付けが容易である等の利点を有する。
また、請求項(2)または請求項(3)によれば、ガラ
スマトリクスの気孔部中に有機非線形光学材料を含浸さ
せ、これを加熱融解させた後、加熱して、当該気孔部中
に有機単結晶を形成するため、結晶形成中および形成後
に結晶が破損することはなく、信頼性が高く、しかも高
い光非線形性を有する非線形光学素子を生産性よく製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による非線形光学素子の概念図、第2図
は従来の非線形光学素子の概念図、第3図は本発明によ
る非線形光学素子の製造工程図、第4図は本発明に係る
電気光学素子を示す図である。 図中、10・・・非線形光学素子、10a・・・気孔部
、11・・・有機非線形光学結晶、21・・・ゾル−ゲ
ル反応物質、22・・・アセトン溶液、30・・・ブリ
ッジマン炉、34・・・加熱炉。 特許出願人  日本電信電話株式会社 代理人 弁理士   吉 1)精 孝 23二

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)気孔部を有するガラスマトリクスと、該ガラスマ
    トリクスの気孔部中に形成した有機非線形光学結晶と からなる非線形光学素子。
  2. (2)ガラスマトリクスの気孔部中に有機非線形光学材
    料を含浸させて結晶を生成した後、 生成した結晶を加熱して融解し、 次いで、ガラスマトリクスの片端より温度勾配を設けて
    加熱し単結晶化する ことを特徴とする非線形光学素子の製造方法。
  3. (3)水および水混和性有機溶媒からなるゾル−ゲル反
    応物質中で、酸性または塩基性条件下に金属アルコキシ
    ドを当該反応物質のゲル化が完結するまで加水分解させ
    て、気孔部を有するガラスマトリクスを形成し、 該ガラスマトリクスの気孔部中に有機非線形光学材料を
    含浸させて結晶を生成した後、 生成した結晶を加熱して融解し、 次いで、ガラスマトリクスの片端より温度勾配を設けて
    加熱し単結晶化する ことを特徴とする非線形光学素子の製造方法。
JP2032789A 1989-01-30 1989-01-30 非線形光学素子およびその製造方法 Pending JPH02199432A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03274533A (ja) * 1989-11-30 1991-12-05 British Petroleum Co Plc:The ポリマー複合体

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JPH03274533A (ja) * 1989-11-30 1991-12-05 British Petroleum Co Plc:The ポリマー複合体

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