JPH0219692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、表示部や設定操作部をフロントマ
スク表面に有する計器に関し、とくにフロントマ
スクおよびこれに付属する電子回路部を必要に応
じて引き出せるようにした計器に関する。

表示部や設定操作部を有するフロントマスクを
パネル表面に出し、これに付属する電子回路部を
後部シヤーシに設け、このシヤーシ部分をケース
に挿入して計装するようにした計器で、内部回路
の可変抵抗やスイツチなどを計装後に調整する必
要のあるものにあつては、ケース内に納まつてい
るシヤーシ部分を中途まで引き出せる構造になつ
ていなければならない。この場合、引き出された
シヤーシは、内部操作が可能な一定位置で確実に
停止し、その位置にロツクされることが安全上必
要である。また補修や保全などの目的でシヤーシ
全体を抜き去ることが必要な場合もあるので、こ
の中間位置でのロツクは複雑な操作なしに解除で
きることが望ましい。

この考案は、上記のような動作が確実に得られ
る構造の簡単な計器を提供することを目的として
いる。

つぎにこの考案の一実施例について図面を参照
して説明する。第１図および第２図において符号
１はフロントマスク、２はケース、３はリヤパネ
ル、４はシヤーシをそれぞれ示す。シヤーシ４は
フロントマスク１の背面側に固定され、所定の電
子回路部を構成するのに必要な電子回路部品（図
示せず）が取付けられる。そしてシヤーシ４は、
好ましくは金属板で構成されたケース２内に引き
出し可能に挿入されている。またリヤパネル３に
は、電子回路部を外部回路と接続するためのター
ミナル４が設けられている。

一方、フロントマスク１は、好ましくはプラス
チツクからなるフレーム５と、このフレーム５に
その前面側から挿入されたプリント板６と、この
プリント板６に取付けられた表示ユニツト７およ
び複数の押ボタン８とを有し、表示ユニツト７の
前面は半透明なパネル９によつて、また押ボタン
８の前面は保護用の開閉可能なカバー１０によつ
てそれぞれ覆われている。この例では、表示ユニ
ツト７は、所定のデータをデイジタル表示するた
めの表示器１１〜１４と、選択された機能などを
表示する多数の表示灯１５とを有する。また各押
ボタン８は、計器の機能や表示内容を選択するた
めのものである。

また第２図に示すように、シヤーシ４には、そ
の両側面において、ケース２に対する移動方向と
直交し、かつケース２の底面と平行な軸心を中心
として回動可能に係止レバー１６が軸１７によつ
て支持されている。各係止レバー１６は、その先
端に形成した係合部１６ａを有し、シヤーシ４が
ケース２内の所定の位置に収納された状態で、ケ
ース２の底壁に形成された係合孔１９ａ内に係合
部１６ａが突入するように、スプリング２０によ
つて第２図の反時計方向に付勢されている。また
ケース２の底壁には、ケース２からシヤーシ４を
所定の位置まで引き出した状態で係合レバー１６
の係合部１６ａと係合する第２の係合孔１９ｂが
設けられている。

さらにシヤーシ４には、係合孔１９ａまたは１
９ｂから係止レバー１６を引外すためのスライダ
２１がシヤーシ４の移動方向と平行な方向に移動
可能に支持されている。このスライダ２１は、シ
ヤーシ４の前端部に位置してその底面に沿つて移
動方向と直交する方向に延びる第１の部分２２
と、この第１の部分２２の両端からそれぞれシヤ
ーシ４の側面に沿つて後方に延びる第２の部分２
３とからなつている。第２の部分２３の各々は、
シヤーシ４の側壁の外側に位置してその外面と平
行に配置された細長い板状をなし、そしてその後
端から後方に向けて、シヤーシ４の底面と平行に
配置された第３の部分２４が延び、この第３の部
分２４とシヤーシ４との間に設けられたスプリン
グ２６の作用で、スライダ２１全体はシヤーシ４
に対してその移動範囲の後端に保持されている。
さらに第１の部分２２の中央には、前方に向けて
斜め下方に延びる操作部２５が設けられ、この操
作部２５は、フロントマスク１のフレーム５に形
成された切欠き５ａ内に達している。

第１図に示した状態は、シヤーシ４がケース２
内の所定の位置に収納され、フロントマスク１が
ケース２の前端に密着した状態に対応している。
この状態においては、係止レバー１６の係合部１
６ａはケース２の係合孔１９ａ内に突入している
ので、このままではシヤーシ４をケース２から引
き出すことはできない。

ケース２からシヤーシ４を引き出す必要が生じ
た場合には、切欠き５ａ内に位置している操作部
２５に指をかけてこれを前方に引く。これによつ
てスライダ２１はスプリング２６に抗して前進
し、その過程で第３の部分２４が係止レバー１６
の下方に進入してこれを回動させ、その係合部１
６ａが係合孔１９ａから離脱する。この結果、ケ
ース２に対するシヤーシ４のロツクが解除され、
ケース２からフロントマスク１およびシヤーシ４
を引き出すことができる。シヤーシ４をわずかに
引き出したのちに操作部２５を解放すると、スプ
リング２６の作用でスライダ２１が後退し、係止
レバー１６はスプリング１８の作用で係合部１６
ａがケース２の底面に圧接するように回動する。
この状態でシヤーシ４をさらに引き出し、係合部
１６ａが係合孔１９ｂと合致する位置に達する
と、係合部１６ａが係合孔１９ｂ内に進入し、シ
ヤーシ４はケース２から中途まで引き出された状
態で再びロツクされる。またこの状態で操作部２
５を引くと、係合レバー１６は再び第２図の時計
方向に回動し、前述の場合と同様にケース２に対
するシヤーシ４のロツクが解除され、シヤーシ４
をケース２から抜き去ることができる。なお収納
位置からシヤーシ４を引き出す際に、操作部材２
５を引いたままにしておけば、中途位置での停止
を経ずにケース２からシヤーシ４を抜き去ること
も可能である。

またケース２内にシヤーシ４を収納する場合に
は、操作部２５を引いて係止レバー１６の係合部
１６ａを上昇させた状態でケース２内にシヤーシ
４を挿入すればよい。なお図示のように係合部１
６ａの後端面を傾斜させておけば、シヤーシ４の
挿入時には操作部２５を引かなくてもよい。

以上のようにこの考案によれば、係止レバーを
ケースの係合孔と係合させることによつてシヤー
シを所定の位置にロツクするとともに、スライダ
を引いて係止レバーを回動させるだけでロツクを
解除できるようにしたので、ロツクおよび解除機
構が簡略になり、安定で確実なシヤーシ引き出し
動作が容易に得られるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による計器の正面
図、第２図はその一部切欠側面図、第３図は要部
の平面図である。 １……フロントマスク、２……ケース、３……
リヤパネル、５……フレーム、６……プリント
板、７……表示ユニツト、８……押ボタン、９…
…パネル、１０……カバー、１１〜１４……表示
器、１５……表示灯、１６……係止レバー、１６
ａ……係合部、１７……軸、１８……スプリン
グ、１９ａ，１９ｂ……係合孔、２１……スライ
ダ、２２……第１の部分、２３……第２の部分、
２４……第３の部分、２５……操作部、２６……
スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントマスクの背面側に固定されたシヤーシ
   と、このシヤーシを収納するケースと、このケー
   スの底面と平行な軸心を中心として回動可能に上
   記シヤーシに支持され該シヤーシを上記ケース内
   に収納した位置、および中途まで引き出した位置
   の各々で、該ケースの底壁に形成した係合孔と係
   合する係合部を有する係止レバーと、上記シヤー
   シに該シヤーシの移動方向と平行な方向に移動可
   能に支持され上記係合部が上記係合孔から離脱す
   るように上記係止レバーを回動させるスライダ
   と、常時上記スライダを上記ケースに引入れ方向
   に付勢するスプリングとを備えた計器。