JPH0219560Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は水冷４サイクル内燃機関のシリンダ
の改良に関するものである。

従来より、この種のシリンダはシリンダライナ
の周囲に冷却水室を設けると共に、シリンダライ
ナの上部周壁に冷却水室に連通する多数の流水路
を穿設して、冷却水によりシリンダを冷却するよ
うに構成されている。

そして、シリンダライナの上部周壁に穿設され
る各流水路は、一般に同一断面積で、全周に亘り
等間隔に設けられているため、給気弁孔および排
気弁孔に近接するシリンダライナ部分は、ガス流
や機関構造の関係等からして他の部分に比べて温
度が高くなるので、その熱分布が不均一になり、
熱ひずみを生じることがあつた。

この考案は上述の点に鑑みなされたもので、給
排気弁孔に近接するシリンダライナ部分の冷却効
果を他の部分よりも高めて、シリンダライナ全体
の熱分布の均一化を図ることを目的としている。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

１は４サイクルデイーゼル機関のシリンダ部分
を示し、シリンダジヤケツト２内にシリンダライ
ナ３が装着されており、ライナ３の上端開口は、
燃料噴射弁４を備えた水冷式のシリンダヘツド５
により閉鎖されている。

そして、ライナ３の周囲の上端部、中間部およ
び下端部には冷却水室６，７，８（但し、８は冷
却空気室の場合もある）が設けられ、上端冷却水
室６と中間水室７との間のライナ３上部周壁に
は、その縦方向および円周方向に多数の流水路９
が穿設してあり、また、これらの流水路９の上下
端は両冷却水室６，７に連通され、冷却水が強制
的に循環されるようになつている。

ところで、第１図の−線断面を示す第２図
において、１０はライナ３上方の給気弁孔位置
を、また１１は同様の排気弁孔位置を示している
が、同一断面積からなる流水路９が、給気弁孔１
０および排気弁孔１１に近接するライナ３部分に
は間隔を小さくして多数設けられているが、他の
部分では間隔を大きくして少数にし、冷却効果を
給排気弁孔１０，１１近傍で高めている。

なお、第１図の１２はピストンを示す。

従つて、上記したようにシリンダ上部の熱分布
は通常、給排気弁孔近傍でやや高くなり、当然シ
リンダライナも給排気弁孔近接部分は他の部分よ
りも温度が高まる傾向にあるが、本考案のシリン
ダによれば、この部分の冷却効果は他の部分より
も高く、積極的に冷却されるため、リンダライナ
の熱分布は全体に亘り略均一になり、熱ひずみが
生じにくくなる。

なお、上記実施例では、同一断面積の流水路を
間隔を変えることによつて冷却効果に差をつけた
が、これ以外にも流水路の断面積を変化させた
り、或いは流水路の数、間隔および断面積の全て
を適当に設定して、給排気弁孔に近接するシリン
ダライナ部分の冷却効果を他の部分より高くする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の実施例を示すシリンダの縦断面
図、第２図は第１図の−線断面図である。 １……シリンダ、２……シリンダジヤケツト、
３……シリンダライナ、４……燃料噴射弁、５…
…シリンダヘツド、６，７，８……冷却水室（冷
却空気室）、９……流水路、１０……給気弁孔、
１１……排気弁孔、１２……ピストン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シリンダライナの周面に冷却水室を設けると共
   に、該シリンダライナの上部周壁に上下方向に貫
   通する該冷却水室に連通する多数の流水路を穿設
   したシリンダにおいて、 給気弁孔および排気弁孔に近接するシリンダラ
   イナ部分においては冷却効果を他の部分より高め
   てシリンダライナ全体の熱分布の均一化を図るべ
   く前記流水路の間隔を小さくして設けたことを特
   徴とする水冷４サイクル内燃機関のシリンダ。