JPH0219413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、所望量の粒状体物を携帯収納する粒
状体物の収納用携帯容器に関するものである。

〔従来の技術〕

粒状体物の携帯用収納容器としては、従来から
種々の構造、形状のものが製作されそして使用さ
れているが、この粒状体物の収納容器は、コンパ
クトであり、かつ開閉操作が簡単で確実であり、
さらに構造が簡単であることが要求されている。

このような要求を満たす従来の粒状体物の収納
容器の代表的な構造は、有底筒形状をした容器本
体にスライド可能に蓋体を組付け、この蓋体によ
つて容器本体に形成された内容物取出し口を開閉
するようにしたものとなつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記した従来の粒状体物の収納容器は、容器本
体に対する蓋体の一定姿勢を保持したままのスラ
イド変位を可能とする蓋体の容器本体に対する組
付け構造が複雑であり、また容器本体に対する蓋
体の組付け姿勢が特定されるものとなつているた
め、容器本体と蓋体との組立て作業が煩雑なもの
となると共に、容器の価格が割高となる不満があ
つた。

また、一旦組付けられた蓋体を容器本体から簡
単に取外すことのできない構造であると共に、容
器の開口部は小さな内容物取出し口だけであるの
で、空となつた容器内に新たな内容物を収納させ
るのが極めて面倒となつていた。

さらに、バネ等の弾材を利用して容器本体に対
する蓋体の閉鎖姿勢を弾力で自己保持するように
した複雑な構造の容器ではなく、構造をより簡単
なものとすべく、容器本体に対する蓋体の組付き
を単にスライド可能にしただけのものは、携帯時
に不正に開放する事故が発生し易く、携帯容器と
して安定した機能を発揮することができない不都
合があつた。

本考案は、上記した従来例における問題点およ
び不満を緩衝すべく考案されたもので、構造が簡
単で、かつ取扱が容易である粒状体物用容器を提
供することを目的としたものである。

〔問題題を解決するための手段〕

以下、本考案を、本考案の一実施例を示す図面
を参照しながら説明する。

本考案による粒状体物用容器は、平行に相対向
した一対の平板状の側壁２，２を有すると共に、
上端面４を平坦面とした有底筒体の前記した両側
壁２の内面上端部分に、この側壁２の全幅範囲に
わたつて一方のアンダーカツトである第１の係合
ガイド部５を形成し、この第１の係合ガイド部５
の前端部に第１の係止部６を設けた容体１と、こ
の容体１と同一平面形状をした本体８の平坦とな
つた下端面９の両側端部の前寄り部分に一対の組
付き弾片１０を垂下設し、この一対の組付き弾片
１０の外側面に第１の係合ガイド部５に係合する
他方のアンダーカツトである第２の係合ガイド部
１１を形成し、さらにこの第２の係合ガイド部１
１の前端部に第１の係止片６に係止する第２の係
止部１２を設けた蓋体７とから構成されている。

蓋体７は、その下端面９を容体１の上端面４上
に面接触させた状態で容体１上に組付け配置され
るが、この際、蓋体７の両組付き弾片１０は、そ
の外側面を容体１の両側壁２の内面に弾接させた
状態で容体１内に侵入位置することになる。

第１および第２の係合ガイド部５，１１は、組
付き弾片１０が容体１内に侵入位置して、容体１
の上端面４と蓋体７の下端面９とが密接触した蓋
体７の容体１に対する組付け限位置に達した所
で、相互に係合し合つて、容体１に対する蓋体７
の抜け出し不能な組付きを達成すると共に、容体
１に対する蓋体７の前後方向へのスライド変位自
在な組付きを達成するものとなつている。

第２の係止部１２は、蓋体７が容体１に対して
前進限位置に位置した際、すなわち容器が閉鎖状
態となつている際に、第１の係止部６と係止し合
つて、蓋体７の容体１に対するスライド変位が妄
りに生じないように保持し、もつて容器の閉鎖状
態を自己保持するようにしている。

さらに、組付き弾片１０の前後方向の幅は、容
体１の側壁２の前後幅よりも小さい値に設定され
ていて、この側壁２の前後幅と組付き弾片１０の
前後方向の幅との差が容体１に対する蓋体７のス
ライド変位可能な距離、すなわち蓋体７のスライ
ド変位によつて開放された容体１上端面に形成さ
れる開口の大きさとなり、またこの組付き弾片１
０が容体１の端壁３に突当たることによつて、容
体１に対する蓋体７のスライド移動限が設定され
ることになる。

〔作用〕

本考案による粒状体物用容器は、上記した如き
構造となつているので、容体１に対する蓋体７の
組付けは、単に蓋体７を容体１の上方から、その
両組突き弾片１０を容体１内に下端面９が上端面
４に突き当てるまで侵入させることによつて達成
される。

すなわち、蓋体７の下端面９が容体１の上端面
４に突き当たるまで蓋体７が容体１に対して組付
けられると、第１の係合ガイド部５に対して第２
の係合ガイド部１１が係合し、もつて蓋体７は、
容体１に対して抜け出し不能に組付くと共に、両
係合ガイド部５，１１にガイドされて前後方向に
スライド変位可能に組付くのである。

この状態で蓋体７を前進限位置まで前進させる
と、第１の係止部６と第２の係止部１２とが係止
し合い、この両係止部６，１２の係止力によつて
蓋体７の閉鎖状態を保持することになる。

この容器の閉鎖状態から、両係止部６，１２の
係止力に打ち勝つ押圧力を蓋体７に作用させる
と、蓋体７は容体１に対して後退スライド変位
し、この後退スライド変位量に対応した大きさの
開口を容体１上端に形成し、もつて容器の開放が
達成され、この状態で容器全体を傾斜させること
によつて内容物である粒状体物を取出すことがで
きる。

開放された容器の閉鎖は、前記とは逆に、前進
方向に押圧力を作用させて蓋体７を前進スライド
変位させ、両係止部６，１２を係止させることに
よつて達成させる。

〔実施例〕 図示実施例の場合、容体１の両端壁３，３は、
この容体１の中心軸を含んで両側壁２に直交する
仮想される平面に関して面対象となつていると共
に、第１の係止部６は第１の係合ガイド部５の前
後両端部に成形されており、これによつて容体１
に対する蓋体７の組付け姿勢に前後関係がないよ
うにし、もつて容体１に対する蓋体７の組付け操
作が簡単なものとなるようにしている。

蓋体７は有頂板短筒形状をしていて、両組付き
弾片１０間には、この両組付き弾片１０の弾性変
形のし易さを制限して両係合ガイド部５，１１の
係合を強固に確保することができるようにするた
めの補強板１４が設けられている。

また、下端面９の内側端部分から組付き弾片１
０を垂下設した両側板１３のやや後半寄りの間に
は、蓋体７が容体１に対して後退限位置、すなわ
ち開放位置に位置した際に、容体１の後ろ側の端
壁３上に位置する止め壁片１５が設けられてい
て、蓋体７を開放状態にした際に、この蓋体７の
内部空間を通つて内容物が容体１の後ろ側から不
正に落下するのを防止している。

さらに、図示実施例の場合、組付き弾片１０
は、側板１３の下端面９内側端部分から垂下設さ
れているので、この組付き弾片１０に成形された
第２の係合ガイド部１１に組合わさつて容体１と
蓋体７との組付け部分を構成する第１の係合ガイ
ド部５は、両側壁２の内面上端部分を削つた状態
で形成されることになつている。

第１の係合ガイド部５は横溝状となつているの
に対して、第２の係合ガイド部１１は横突条状と
なつているが、この両係合ガイド部５，１１の係
合構造に対して、第１および第２の係止部６と１
２とは共に突片状となつているので、両係止部６
と１２の係止は、第２の係止部１２が第１の係止
部６を乗り越えることによつて達成されることに
なる。

そして、第２の係止部１２は、第２の係合ガイ
ド部１１が形成された組付き弾片１０部分よりも
弾性変性し易いようにやや肉薄となつた組付き弾
片１０の下端部に成形されており、開放操作時に
おける開放力をよつて両係止部６，１２の係止を
比較的容易に解くことができるように構成されて
いる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかな如く、本考案による粒
状体物用容器は、極めて構造が簡単であるので、
安価にかつ簡単に製造することができ、また取扱
が容易であると共に内容物の充填が簡単であるの
で使用し易いものであり、さらに閉鎖状態を自己
保持する機能があるので携帯時における不正な開
放事故を確実に防止して安全を使用状態を得るこ
とができ、そして蓋体を組付けるための大きなス
ペースを容体側に必要としないので、容体の内容
積をほとんどを内容物収納空間として利用するこ
とができることになり、これによつて大きさの割
には多量の内容物を収納保持することができる等
多くの優れた効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案容器の一実施例の開放使用状
態における全体斜視図である。第２図は、第１図
に示した実施例の分解斜視図である。第３図は、
第１図に示した実施例における容体の縦断面側面
図である。第４図および第５図は、第１図に示し
た実施例における蓋体を示す図で、第４図は側面
図、第５図は底面図である。第６図は、第１図に
示した実施例における容体と蓋体との組付き部分
の拡大縦断面図である。 符号の説明、１……容体、２……側壁、４……
上端面、５……第１の係合ガイド部、６……第１
の係止部、７……蓋体、８……本体、９……下端
面、１０……組付き弾片、１１……第２の係合ガ
イド部、１２……第２の係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平行に相対向した一対の側壁２，２を有すると
   共に、上端面４を平坦面とした有底筒体の前記側
   壁２の内面上端部分に、該側壁２の全幅範囲にわ
   たつて一方のアンダーカツトである第１の係合ガ
   イド部５を形成し、該第１の係合ガイド部５の前
   端部に第１の係止部６を設けた容体１と、該容体
   １と同一平面形状をした本体８の平坦となつた下
   端面９の両側端部の前寄り部分に一対の組付き弾
   片１０を垂下設し、該組付き弾片１０の外側面に
   前記第１の係合ガイド部５に係合する他方のアン
   ダーカツトである第２の係合ガイド部１１を形成
   し、さらに該第２の係合ガイド部１１の前端部に
   前記第１の係止片６に係止する第２の係止部１２
   を設けた蓋体７とから成る粒状体物用容器。