JPH0219363Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、一般食品保存品のポリエチレン樹脂
包装袋は勿論、レトルト食品の耐熱性包装袋を
も、溶着、かつ溶断することができる家庭用の卓
上真空パツク器に関するものである。

（従来の技術と問題点） 家庭用の卓上真空パツク器は、第３図に示すよ
うに、内部に機器（吸気フアンモータ、変圧器、
マイクロスイツチ等−図示せず）を収納した本体
１の上面に、断熱材２を介して包装袋の溶着用ヒ
ータ３と、該ヒータ３と時間当り同一発熱量の包
装袋溶断用ヒータ４とが平行して配設されると共
に、上面中央に吸気５ａを有する偏平な吸気筒５
が上下回動自在に取付けられ、また蓋体６の下面
には、前記各ヒータ３，４上に包装袋を押圧する
帯状の弾性体７ａ（耐熱ゴム等からなる）及び前
記吸気筒５の先端部上面に嵌合する凹部７b₁を形
成した包装袋の開口部密閉用の帯状の弾性体７ｂ
（耐熱ゴム等からなる）が取付けられている。

而して、食品類を入れた包装袋をその開口部を
前記吸気筒５に挿入して本体１の上面に載せ、蓋
体６を閉じて弾性体７ａ，７ｂにより包装袋の開
口部を押圧密閉し、吸気フアンモータを作動させ
て包装袋内の空気を吸気筒５より吸引して真空状
態とする。

次に、溶着用ヒータ３に通電して包装袋の開口
部を直線的に溶着した後、溶断用ヒータ４に通電
して溶断するものである。

従つて、包装袋を完全に溶融するまで加熱する
溶断用ヒータ４の加熱量は溶着用ヒータ３の加熱
量よりは大きくなければならない。

然しながら、家庭用の卓上真空パツク器は家庭
に普通し易い価格で提供する必要があり、製作時
における組立工数を低減するためには、一種類の
電熱線でもつて溶着用ヒータ及び溶断用ヒータを
製作することが望ましい。

又、一方において、従来、前記真空パツク器に
使用される包装袋は一般食品保存用のポリエチレ
ン樹脂のものに限られ、レトルト食品用の耐熱性
包装袋（例えば、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミ
ド樹脂等からなる）は使用されていなかつた。

その理由は、包装袋の溶断時のヒータの高熱化
もさることながら、特に塩化ビニリデン樹脂の包
装袋においては溶断時に塩化水素ガスが発生し、
該ガスによりヒータの裸ニクロム線が腐蝕してし
まうということにあつた。

本考案は、かかる問題点に着目して成されたも
のであり、溶着用ヒータ及び溶断用ヒータを同一
の電熱線で製作して組立工数を減小すると共に、
溶着用ヒータ及び溶断用ヒータが直接包装袋に接
触しないようにした家庭用の卓上真空パツク器を
提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、本体上面に断熱材を介して平行に配
設される溶着ヒータと溶断用ヒータを同一発熱量
の同一電熱線をポリ四弗化エチレン樹脂で被覆し
て構成し、溶着用ヒータの被覆厚さを溶断用ヒー
タの被覆厚さよりも厚くした。

溶着用ヒータの被覆厚さを厚くするには、溶着
用ヒータの外周面をポリ四弗化エチレン樹脂テー
プでシールした後に、溶着用ヒータ及び溶断用ヒ
ータとをポリ四弗化エチレン樹脂テープで共通に
シールすることもできるし、或いは、溶着用ヒー
タ及び溶断用ヒータそれぞれを単独にポリ四弗化
エチレン樹脂テープで被覆し、溶着用ヒータの被
覆厚さの方を厚くしてもよい。

（実施例） 本考案の実施例を図面を参照して説明する。

本考案が前記第３図に示した従来の真空パツク
器と相違する点は、溶着、溶断の各ヒータ部にあ
るので、その部分の実施例のみについて説明し、
従来例と同一部分には同一符号を付す。

第１実施例 第１図に示すように、本体１の上面に断熱材２
を介して平行に設置された時間当り同一発熱量を
有する溶着用ヒータ３と溶断用ヒータ４の、溶着
用ヒータ３の上面を単独に0.18mm厚のポリ四弗化
エチレン樹脂テープ８でシールすると共に、該テ
ープ８上と溶断用ヒータ４の上面とを0.13mm厚の
ポリ四弗化エチレン樹脂テープ９で共通にシール
し、各テープ８，９の両端を断熱材２に接着した
ものである。

第２実施例 第２図に示すように、0.31mm厚のポリ四弗化エ
チレン樹脂テープ１０を外周に被覆した溶着用ヒ
ータ３と、該ヒータ３と時間当り同一発熱量を有
し、0.13mm厚のポリ四弗化エチレン樹脂テープ１
１を外周に被覆した溶断用ヒータ４とを、本体１
の上面に断熱材２を介して平行に設置したもので
ある。

したがつて、溶断用ヒータ４はポリ四弗化エチ
レン樹脂テープ９，１１でシールされているの
で、レトルト食品用の塩化ビニリデン樹脂等から
なる耐熱性包装袋の溶断時に発生する塩化水素ガ
スから保護されて腐蝕することがなく、また溶着
用ヒータ３はポリ四弗化エチレン樹脂８，１０で
厚くシールされているので、包装袋が溶着するに
適した熱量を供給すると共に、塩化水素ガスから
も保護される。

（効果） 本考案は次の効果を有する。

(a) 溶断用ヒータは、包装袋溶断時に発生する塩
化水素ガスから保護されているので、腐蝕する
ことがなく、耐寿命性が向上する。

(b) 溶着用ヒータは、溶断用ヒータと同一の発熱
量を有するにも拘らず、包装袋に溶着熱を供給
するので、同一の電熱線で溶着用ヒータと溶断
用ヒータを製作することができ、家庭用の卓上
真空パツク器を安価に製作することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係る要部の第１及
び第２の各実施例の拡大断面図を示し、第３図は
従来の家庭用の卓上真空パツク器の斜視図であ
る。 １……本体、２……断熱材、３……溶着用ヒー
タ、４……溶断用ヒータ、５……吸気筒、６……
蓋体、７ａ，７ｂ……弾性体、８〜１１……ポリ
四弗化エチレン樹脂テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体上面に断熱材を介して溶着用ヒータ及び溶
   断用ヒータを平行に配設し、真空包装袋の開口部
   を溶着並びに溶断する家庭用の卓上真空パツク器
   において、上記溶着用ヒータと溶断用ヒータとは
   共に時間当たりの発熱量が同一の伝熱線で構成さ
   れ、上記溶着用ヒータの外周面をシールするポリ
   四弗化エチレン樹脂テープの被覆層厚さを、上記
   溶断用ヒータの外周面をシールするポリ四弗化エ
   チレン樹脂テープの被覆層厚さよりも厚くしたこ
   とを特徴とする家庭用の卓上真空パツク器。