JPH0219041B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ラツクに収納されている平パレツト
と脚付きパレツトとを出庫装置のランニングフオ
ークで搬出するパレツト類出庫方法に関するもの
である。

（従来の技術及びその問題点） 平パレツトと脚付きパレツトとをラツクの各荷
受部に収納する場合、従来は、例えば特開昭52−
7575号公報に開示されているように、平パレツト
の場合はその底面を支持部材で支持し、脚付きパ
レツトの場合はその脚の下端を支持部材で支持し
ていた。このように脚付きパレツトをその脚の下
端で支持させるときは、当該脚付きパレツトを、
その脚を除く底面で支持させる場合と比較して不
安定であり、地震発生時等に於いて脚付きパレツ
トの不測の落下事故を招く恐れがある。

そこで脚付きパレツトの場合でも、平パレツト
と同様に、脚を除く底面を荷受部の支持部材で支
持させることにより、ラツク内での脚付きパレツ
トの安定性を向上させることが出来るのである
が、このようにラツク内に於いて平パレツト、脚
付きパレツトの何れの場合も底面で支持するとき
は、前記公知例で知られているような従来の出庫
方法を採用することが出来ない。

即ち、平パレツトと脚付きパレツトの何れを出
庫する場合でも、ランニングフオークの上昇量を
必要最小限に抑えて出庫時のサイクルタイムの短
縮を図る必要があるが、ラツク内に於ける従来の
パレツト支持状態では、出庫時に出庫装置のラン
ニングフオークで受け取る両パレツトの底面のレ
ベルが異なることになる。このような場合には、
前記公知例に開示されているように、パレツト底
面下に於いて上昇するランニングフオークがパレ
ツト底面に当接したことを検出器で検出させ、こ
の検出後、ランニングフオークを一定高さだけ更
に上昇させることにより、平パレツトの場合はそ
の底面を、そして脚付きパレツトの場合はその脚
の下端を、荷受部側のパレツト支持面より一定高
さだけ持ち上げることが出来る。即ち、パレツト
底面に当接するまでのランニングフオークの上昇
量が、平パレツトの場合と脚付きパレツトの場合
とで異なるので、上記のような制御により、パレ
ツトの種類に応じてランニングフオークの上昇量
を必要最小限に抑えることが出来るのであるが、
上記のようにラツク内でのパレツト支持状態に於
いて、平パレツトと脚付きパレツトの何れであつ
てもパレツト底面レベルが同じである場合には、
ランニングフオークがパレツト底面に当接した後
のランニングフオーク上昇量を、平パレツトの場
合と脚付きパレツトの場合とで変えなければなら
ないので、前記公知例に開示されたような制御方
法は利用することが出来ない。

換言すれば、平パレツトの底面と脚付きパレツ
トの脚を除く底面とを同一レベルで支持する左右
一対の支持部材を備えた多数の荷受部を有するラ
ツクと、前記左右一対の支持部材間で平パレツト
及び脚付きパレツトの底面を支持する出退昇降自
在なランニングフオークを備えた出庫装置とを使
用するシステムに於いて、平パレツトと脚付きパ
レツトの何れを出庫する場合でも、ランニングフ
オークの上昇量を必要最小限に自動的に抑えてサ
イクルタイムを短くし得る出庫方法は、従来、知
られていなかつたのである。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記のような従来の問題点を解決する
ために、上記のようなシステムに於いて、前記出
庫装置に、前記支持部材のパレツト支持レベルよ
り若干低いパレツト出庫開始レベルに前記ランニ
ングフオークを位置させたとき、前記支持部材よ
り下方に突出している脚付きパレツトの脚の有無
を検出する検出器を設け、この検出器の検出結果
から出庫対象パレツトが平パレツトか脚付きパレ
ツトかを判別させ、脚付きパレツトを検出した場
合は平パレツト検出時よりも前記ランニングフオ
ークの上昇量を大きくし、脚付きパレツトは、そ
の脚の下端が前記支持部材のパレツト支持レベル
よりも高くなる高レベルまで持ち上げることを特
徴とするラツクからのパレツト類出庫方法を提案
するものである。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、第１図及び第２図に於て、１は
ラツクに設けられた荷受部であつて、各荷受部１
は、前後両端近傍部をアーム２によつて前後のト
ラス３に支承された左右一対の支持部材４を備え
ている。５は荷６を上面に於て支持する平パレツ
トである。７は脚付きパレツトであつて、一般に
はネツト状の荷収納ボツクス８の底面四隅から脚
部９が突設されている。この等平パレツト５及び
脚付きパレツト７は、何れもその底面の左右両側
縁近傍が前記左右一対の支持部材４に支持される
状態で荷受部１内に収納されるが、脚付きパレツ
ト７の場合、その脚部９は前記支持部材４と前後
一対のアーム２とで囲まれた空間１０内に遊嵌す
ることになる。

１１は従来周知の入出庫作業用走行クレーンの
昇降キヤレツジであつて、ラツクの任意の位置の
荷受部１内に対して出退自在なランニングフオー
ク１２を備えている。このランニングフオーク１
２による出庫作業は、第３図に矢印で示すよう
に、左右一対の支持部材４より若干低レベルでの
ランニングフオーク１２の進出移動１３、昇降キ
ヤレツジ１１の上昇移動に伴う前記ランニングフ
オーク１２の上昇移動１４、及び支持部材４より
高レベルでの後退移動１５から成る出庫フオーキ
ング動作によつて行われる。１６，１７は昇降キ
ヤレツジ１１に設けられた検出器であつて、検出
器１６は、昇降キヤレツジ１１が任意の荷受部１
に対する出庫のための所定レベルに停止している
条件に於て、当該荷受部１内に収納されている平
パレツト５又は脚付きパレツト７を支持部材４よ
り若干高レベルに於て検出し得る箇所で、ランニ
ングフオーク１２による入出庫作業を妨害しない
箇所に設けられており、検出器１７は、上記と同
一条件に於て、当該荷受部１内に収納されている
脚付きパレツト７に於ける脚部９のアーム２より
下方に突出している部分を検出し得る箇所で、ラ
ンニングフオーク１２による入出庫作業を妨害し
ない箇所に設けられている。従つて、出庫対象の
パレツトが脚付きパレツト７であるときは、両検
出器１６，１７の両方から検出信号が出力され、
出庫対象のパレツトが平パレツト５のときは、検
出器１６のみから検出信号が出力される。尚、こ
れ等検出器１６，１７としては、例えば反射式光
電スイツチが利用出来る。

第４図に於て１８は、出庫指令が与えられてい
る状態で昇降キヤレツジ１１が出庫対象の荷受部
１に対する定位置に停止したときANDゲート１
９から出力される起動信号２０によつて第３図の
矢印で示す出庫フオーキング動作を自動的に行わ
せる制御手段であつて、昇降キヤレツジ１１の昇
降駆動装置を制御して所要時期に昇降キヤレツジ
１１に所定の上昇移動１４を行わせると共に、ラ
ンニングフオーク１２の出退駆動装置を制御して
所要時期にランニングフオーク１２に所定の出退
移動１３，１５を行わせる。この制御手段１８に
対する制御信号の一部に、両検出器１６，１７が
共に検出信号を出力したときANDゲート２１か
ら出力される脚付きパレツト検出信号２２と、検
出器１６のみが検出信号を出力したときにAND
ゲート２３から出力される平パレツト検出信号２
４とが利用され、脚付きパレツト検出信号２２が
入力されたときには、出庫フオーキング動作に於
けるランニングフオーク１２（昇降キヤレツジ１
１）の上昇移動１４の量が大きくなり、平パレツ
ト検出信号２２が入力されたときには、前記上昇
移動１４の量が小さくなるように昇降キヤレツジ
１１の昇降駆動手段が制御される。

即ち本発明方法に於ては、第１図に示すように
出庫対象の荷受部１内に脚付きパレツト７が収納
されているときは、前記両検出器１６，１７のパ
レツト種別判別機能によつて脚付きパレツト検出
信号２２が出庫フオーキング動作制御手段１８に
与えられ、ランニングフオーク１２は所定レベル
で進出移動１３を行つた後に、当該脚付きパレツ
ト７の脚部９が空間１０内から上方に脱出するの
に必要な量L1だけ当該パレツト７を支持部材４
から持ち上げるべく予め設定された上昇移動量
L2だけ上昇移動１４を行い、当該脚付きパレツ
ト７を支持部材４から持ち上げる。そして続いて
行われる後退移動１５により荷受部１内から脚付
きパレツト７を昇降キヤレツジ１１上へ引き出
す。又、出庫対象の荷受部１内に平パレツト５が
収納されているときは、前記検出器１６，１７の
パレツト種別判別機能によつて平パレツト検出信
号２４が出庫フオーキング動作制御手段１８に与
えられ、ランニングフオーク１２は所定レベルで
進出移動１３を行つた後に、当該平パレツト５を
支持部材４から必要最小限の量L3だけ浮上させ
るべく予め前記脚付きパレツト出庫時の上昇移動
量L2より小さく設定された上昇移動量L4だけ上
昇移動１４を行い、当該平パレツト５を支持部材
４から持ち上げる。そして続く後退移動１５によ
つて荷受部１内から当該平パレツト５を昇降キヤ
レツジ１１上へ引き出す。

（発明の作用及び効果） 以上のように本発明のパレツト類出庫方法によ
れば、ラツク内では、平パレツトと脚付きパレツ
トの何れであつても、パレツト底面を支持部材で
安定的に支持収納するシステムでありながら、出
庫対象パレツトの底面下に進出させたランニング
フオークを上昇させる前に、出庫装置が備える検
出器（実施例では検出器１７）により前記支持部
材より下方に突出している脚付きパレツトの脚の
有無を検出させ、この検出結果から出庫対象パレ
ツトが脚付きパレツトであることが判明した場合
には、平パレツト検出時よりも前記ランニングフ
オークの上昇量を大きくし、脚付きパレツトは、
その脚の下端が前記支持部材のパレツト支持レベ
ルよりも高くなる高レベルまで持ち上げるのであ
るから、脚付きパレツトであつても安全に出庫さ
せることが出来、しかも平パレツトを出庫させる
ときにはランニングフオークの上昇量を必要最小
限に抑えて、出庫作業時のサイクルタイムを短縮
することが出来るに至つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はラツクの荷受部に収納されている平パ
レツト及び脚付きパレツトを示す正面図、第２図
は荷受部に対して進出移動したランニングフオー
クを示す平面図、第３図は荷受部とこの荷受部内
のパレツトの種別を判別するための検出器、及び
この検出器を取付けた昇降キヤレツジを示す側面
図、第４図は制御系のブロツク線図である。 １……荷受部、２……前後一対のアーム、４…
…左右一対の支持部材、５……平パレツト、７…
…脚付きパレツト、９……脚部、１０……脚部９
が遊嵌する空間、１１……昇降キヤレツジ、１２
……出退自在なランニングフオーク、１６，１７
……パレツト種別判別用検出器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 平パレツトの底面と脚付きパレツトの脚を除
   く底面とを同一レベルで支持する左右一対の支持
   部材を備えた多数の荷受部を有するラツクと、前
   記左右一対の支持部材間で平パレツト及び脚付き
   パレツトの底面を支持する出退昇降自在なランニ
   ングフオークを備えた出庫装置とを使用するシス
   テムに於いて、前記出庫装置に、前記支持部材の
   パレツト支持レベルより若干低いパレツト出庫開
   始レベルに前記ランニングフオークを位置させた
   とき、前記支持部材より下方に突出している脚付
   きパレツトの脚の有無を検出する検出器を設け、
   この検出器の検出結果から出庫対象パレツトが平
   パレツトか脚付きパレツトかを判別させ、脚付き
   パレツトを検出した場合は平パレツト検出時より
   も前記ランニングフオークの上昇量を大きくし、
   脚付きパレツトは、その脚の下端が前記支持部材
   のパレツト支持レベルよりも高くなる高レベルま
   で持ち上げることを特徴とするラツクからのパレ
   ツト類出庫方法。