JPH02189560A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は電子写真に於ける静電荷像現像用トナーに関し
、特に熱ロール定着に於ける熱ロールの温度を下げた場
合のトナー、あるいは熱ロールの押え圧を従来より弱く
した場合のトナー、更にはロールの回転数を速くした高
速複写機用のトナーに於いてトナーの熱特性として要求
される低エネルギ一定着用のトナーに関する。

〈従来の技術〉 電子写真方式を用いた複写機及びプリンターはその普及
が広まるにつれて、家庭への普及を主な目的とした低エ
ネルギー化、印刷機と複写機との境に位置するいわゆる
グレイエリアへの普及を目的とした高速化、あるいは機
械コストを下げるための定着ロールの簡素化に付随する
低ロール圧力化、更には複写機及びプリンターの多機能
化に付随する低エネルギー化が望まれている。

上記の要求に対してトナーとしては定着時の低エネルギ
ー化が望まれている。従来技術では主にトナーの樹脂に
ついて低エネルギー化の検討がなされており、たとえば
樹脂の分子量や分布を改良したもの、樹脂の組成を変更
したもの、樹脂中に添加剤を加えたものなどが提案され
ている。

前記トナーの樹脂の分子量あるいはその分布を変える方
法としては、低分子部分の分子量を下げ高分子部分の分
子量を上げることにより分子量の分布を広くする方法や
、あるいは高分子部分を架橋させたりすることが行なわ
れている。しかしながら、この方法に於いては定着性を
充分に持たせるために、樹脂のガラス転移点を下げざる
を得すトナーとしたときの保存性を損なうことが避けら
れない。また、保存性を維持したまま定着性を向上させ
ようとしても、充分な定着性を持たせることが困難であ
るという欠点を有する。

他の低エネルギー化の方法として、トナーの樹脂中に第
二成分としてのサブレジンを加え、トナーの定着性を向
上させる方法が提案されている。

この方法は樹脂系のガラス転移点を下げない前提のもと
に結晶性の高いサブレジンを加えるため、定着性とトナ
ーの保存性に於いては良好な結果を得られるが、結晶性
の高いサブレジンのためトナーの熱ロール定着時に於け
る溶融粘度が急激に低下し、且つ溶融時のトナーの凝集
力が弱いためオフセント現象を起こしやすい。また、以
上の欠点を改良するために結晶性の高いポリオレフィン
ワックスなどを加えることが提案されているが、ポリオ
レフィンワックスにはトナー中に分散すべきカーボン、
帯電制御剤などが分散されにくく均一なトナーとするこ
とが難しいという欠点を有する。

〈発明が解決しようとする課題〉 本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものである。す
なわち、本発明の目的は定着温度を下げると共にトナー
の保存性を悪化させず、またオフセット性に於ても実用
上なんら問題を発生せず、更には熱特性のみならずトナ
ーとしての実用特性であるライフ性、画質等に於いても
問題を発生しない低エネルギ一定着トナーを提供するこ
とにある。

く課題を解決するための手段〉 本発明者等は、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、水酸基、カルボキシル基などの極性基を持つ硬化ヒ
マシ油またはその変性物をトナーに配合することにより
きわめて良好な結果を示すことを見いだした。即ち本発
明は、硬化ヒマシ油またはその変成物をトナー重量に対
して１〜２５重量％含有することを特徴とする静電荷像
現像用トナーに関する。

以下、本発明について更に説明する。

本発明でいう硬化ヒマシ油とは、通称カスターワックス
ともいわれヒマシ油の水素添加物である。

また、硬化ヒマシ油の変性物は、側鎖の水酸基を利用し
て、二塩基酸などと反応させカルボキシル基などの酸を
導入して酸価を変えたものである。

導入する酸としては、二塩基酸ならば特に選ぶものでは
ないが、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸などの炭素数
が２〜２０程度の二塩基酸が好ましい。酸をあまり多く
導入し、酸価が高くなると、トナーとしたときの吸湿性
が高くなり実用上特に高温高湿下で問題を起こし易い。

また、酸価が高くなると融点が下がる傾向となるため、
保存性を悪化させないために酸価を２００以下にするこ
とが好ましい。

硬化ヒマシ油またはその変性物のトナー中への添加量と
しては、重量％として１〜２５％が適量であり、添加量
が１％未満であると定着性の向上があまり見られず、２
５％より多いと定着性に於いてはきわめて良好となるも
のの、トナーの定着面の光沢が出すぎるなど画質の低下
を招くので好ましくない。

また硬化ヒマシ油またはその変性物の融点は、主にその
水素添加による硬化度と導入する酸の種類と量によるが
、融点が６０℃〜１００℃になるようにすることが好ま
しい。融点が６０℃未満であるとトナーとしたときの保
存性に問題を起こし易く、融点が１００℃より高いと定
着性が低下するので好ましくない。

本発明の静電荷像現像用トナーは、硬化ヒマシ油または
その変成物の他に熱可塑性樹脂、着色剤及びその他の添
加物から構成される。

上記の熱可塑性樹脂としては、例えばポリスチレン、ス
チレン−アクリル共重合体樹脂、ポリアクリレート、ポ
リエチレン、スチレン−ブタジェン共重合体樹脂、ポリ
アミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体樹脂、クマロン−インデン樹脂、ポリエステル樹脂
等が挙げられる。また、着色剤としては通常のトナーの
着色剤として使用される顔染料、例えばカーボンブラン
ク、ニグロシン染料、アニリン染料、クロームイエロー
、ウルトラマリンブルー、メチレンブルー・クロライド
、ローズベルガン、マグネタイト、フェライト等が挙げ
られる。更にその他の添加物として必要に応じて各種助
剤を用いてもよく、例えば帯電制御剤、ワックス類や金
属石ケン類等の滑剤、酸化防止剤、体質顔料、コロイド
状シリカ、コロイド状アルミナ等の流動性改質剤が挙げ
られる。

く作　用〉 本発明の静電荷像現像用トナーは、硬化ヒマシ油または
その変成物が、結晶性物質であるため融点を持ち、その
温度が６０℃〜１００℃となっているため熱ロールに於
ける定着温度に於いては、はぼ完全に溶解し定着強度の
向上に有効に働き、またその凝集力が強いこと、あるい
は熱ロールとの親和性が弱いためにオフセット現象を起
こすことが無い。また−船釣なトナーの保存限界とされ
ている５０℃付近では、なんら変化を起こさないため保
存性を悪くすることもない。更に、硬化しマシ油に存在
する水酸基を用いて酸などと反応させることにより様々
の極性のワックスを作ることが可能であるので、トナー
中に分散させるべき材料である着色剤や帯電制御剤ある
いはスチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹
脂などの第一成分としての熱可塑性樹脂との親和性を向
上させることができるため、トナー中の材料構成を均一
にすることが容易となる。

〈実施例〉 以下実施例により本発明を詳述する。

〔実施例１〕 上記の配合による混合物を熱溶融混練後粉砕分級をして
、平均粒子径１１μｍの本発明による静電荷像現像用ト
ナーを得た。

〔比較例１〕 実施例１から硬化ヒマシ油を除きスチレン−アクリル共
重合体樹脂Ａを８８．５重量％とした以外は、実施例１
と同様にして比較用のトナーを得た。

〔実施例２〕 実施例１のスチレン−アクリル共重合体樹脂Ａの代わり
にスチレン−アクリル共重合体樹脂Ｂ（Ｓｔ／ＢＡ／Ｍ
ＭＡ　、　Ｍｎ＝６５００、Ｍｗ　＝　１２４０００、
Ｍｗ／Ｍｎ＝１９．１）を用いた以外は、実施例１と同
様にして本発明による静電荷像現像用トナーを得た。

〔比較例２〕 実施例２から硬化ヒマシ演を除きスチレン−アクリル共
重合体樹脂Ｂを８８．５重量％とした以外は、実施例２
と同様にして比較用のトナーを得た。

〔実施例３〜４、比較例３〜５〕 第１表に示す配合による混合物を熱溶融混練後粉砕分級
して、平均粒子径１１μｍの本発明による静電荷像現像
用トナー及び比較用のトナーを得た。

「以下余白」 〔実施例５〜７．比較例６〜８〕 硬化ヒマシ油（カスターワックス）を二塩基酸で変成す
ることにより酸価の異なる硬化ヒマシ油の変成物を作成
し、第２表の様な配合による混合物を熱溶融混練粉砕分
級して、平均粒子径１１μｍの本発明による静電荷像現
像用トナー及び比較用のトナーを得た。硬化ヒマシ油を
変成するための二塩基酸としてはマレイン酸を用いた。

マレイン酸を導入する方法としては、通常のエステル化
反応の方法を用いた。

「以下余白」 Ｃ比較例９〕 実施例１の硬化ヒマシ油の代わりに融点が４５℃の硬化
牛脂油を用いた以外は、実施例工と同様にして比較用の
トナーを得た。

以上の実施例１〜７及び比較例１〜９について次の項目
の試験を行なった。

（１１最低定着温度（Ａ） 表層がテフロンで形成された熱ローラと、表層がシリコ
ンゴムで形成された圧着ローラとより成る定着器をロー
ル圧力が３０ｋｇ／ａｍ及びロールスピードが１７０１
ｍ／ｓｅｃになるように８周節し、該熱ローラの設定温
度を段階的に変化させて、各設定温度において転写紙に
転写せしめた試料トナーによるトナー像の定着を行う。

形成された定着画像に対して綿パッド（ダイニック社製
商品名ＰＰＣバッド）によって摺擦を施し、十分な耐摺
擦性を示す定着画像に係る最低の設定温度をもって最低
定着温度とした。

（２）　　オフセット発生温度（Ｂ） 転写紙上にトナー像を転写して上述の定着器により定着
処理を行い、該転写紙余白部分にトナー汚れが生ずるか
否かの観察する操作を、前記定着器の熱ローラの設定温
度を変化させた状態で繰り返し行ない、トナーによる汚
れの生じた最低の設定温度をもってオフセット発生温度
とした。

（３）定着温度幅（（Ｂ）　−（Ａ））オフセット発生
温度から最低定着温度を引いた値を定着温度幅とした。

（４）保存性 試料トナーを温度４５℃の雰囲気中に２週間または温度
５０℃の雰囲気中に８時間放置後、トナーの流動性を目
視にて確認し保存性の評価を行なった。

（５）画質 試料トナーを用いて連続コピー試験を行い、コピー後の
画質を目視にて評価を行なった。

上記項目のうち最低定着温度、オフセット発生温度、定
着温度幅及び保存性の結果を第３表に示す。また、画質
については実施例１〜７はいずれも２００００枚以上の
連続コピーで良好な画像を示した。一方比較例のうち、
比較例４は５０００枚のコピーで画像部のむらが発生、
比較例５は１０００枚のコピーで画質の低下があり、画
像部に光沢が発生した。

「以下余白」 第３表および画質の結果より明らかなように、本発明の
静電荷像現像用トナーは評価項目の全般にわたって良好
な結果が得られたが、比較例においては、いずれかの評
価項目において不十分な結果が得られた。

すなわち、比較例１〜３においては、最低定着温度が高
く、低エネルギ一定着トナーとしては不十分なものであ
った。また比較例４〜９においては保存性が悪く、更に
コピー後の画質も不十分なものがあった。

〈発明の効果〉 本発明の静電荷像現像用トナーは、以上のようにトナー
に硬化ヒマシ油またはその変成物を特定量配合すること
により、定着性、オフセット性が良好であり、更に保存
性、画質に於いても良好な低エネルギ一定着トナーを提
供することができる。

特許出願人　株式会社巴川製紙所

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）硬化ヒマシ油またはその変成物をトナー重量に対
   して１〜２５重量％含有することを特徴とする静電荷像
   現像用トナー。
2. （２）前記硬化ヒマシ油またはその変成物の酸価が２０
   ０以下であることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の静電荷像現像用トナー。
3. （３）前記硬化ヒマシ油またはその変成物の融点が６０
   ℃〜１００℃であることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の静電荷像現像用トナー。