JP4060164B2 - カラートナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等の現像プロセスに用いられるカラートナーに関し、より詳しくは、オイルレス定着システムでの使用に適したカラートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法、静電記録法、静電印刷法等を用いた複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置においては、静電潜像を可視像に変えるための現像剤としてトナーが用いられている。現像により得られたトナー像を紙等の被転写体上に定着する工程では、定着ローラ(熱ローラ)でトナー像と被転写体の表面を加熱または加圧する方法が採用されている。
【0003】
ここで、上記定着ローラは、溶融した状態のトナー像と接触することから、トナー像の一部が定着ローラの表面に付着、転移して、さらに別の被転写体に再転移する、いわゆるホットオフセット現象を生じ易い。このホットオフセット現象は形成画像の汚染につながることから、定着ローラとトナーとの離型性を向上させるべく、定着ローラの表面にオイルを塗布して定着工程を行うのが一般的である。
【0004】
ところで、近年、カラーコピーのように、複数色のトナー画像を1の被転写体上に転写、定着させてカラー画像を形成する技術が広く普及しつつある。しかしながら、とりわけカラートナーによるカラー画像は、定着ローラの表面に塗布されたオイルがトナー上に付着することに起因して生じる、画像表面の光沢(いわゆる、グロス、テカリ)が顕著なものとなり易く、満足のいく画像品質が得られにくくなるという問題がある。さらに、近年、形成画像に加筆性を持たせることの要求も高まっているのに対し、トナー上にオイルが付着することによって、加筆性が損なわれるという問題もある。
【0005】
そこで、定着ローラにオイルを塗布しない、いわゆるオイルレス定着システムの採用が求められているが、この場合、ホットオフセット現象を防止するために、定着ローラとトナーとの剥離を生じ易くする必要がある。
定着ローラに対するトナーの剥離性能を向上させる手段としては、従来、トナー粒子中にワックスを高い濃度で配合する方法が採用されている(特許文献1および2参照)。
しかしながら、この方法では、ワックスがトナーから脱離してキャリヤに付着するという現象が生じ易く、画像劣化の原因となる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−296692号公報(段落〔0043〕〜〔0044〕)
【特許文献2】
特開2001−296693号公報(段落〔0044〕〜〔0045〕)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、ワックスの配合量を抑制しつつ、定着ローラに対するトナーの剥離性能を向上させることが求められている。
本発明の目的は、オイルレス定着システムでの使用に適したカラートナーを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ねていくなかで、カラートナーの高温時における粘弾性特性に着目して鋭意研究を重ねた。その結果、画像形成装置の一般的な定着温度に相当する160〜200℃の範囲(高温領域)において、カラートナーを形成するバインダ樹脂についての貯蔵弾性率G’の低下率(温度の上昇につれて貯蔵弾性率G’が低下する程度)が所定の値よりも小さくなるように(温度が上昇しても、貯蔵弾性率G’の低下の度合いが所定の値よりも小さくなるように)設定したときは、当該カラートナーの定着ローラに対する剥離性能(離型性)を高めることができ、バインダ樹脂中にワックスを多量に添加しなくても離型性に優れたカラートナーを得ることができるという全く新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明のカラートナーは、定着ローラにオイルを塗布しないオイルレス定着システムに用いるカラートナーであって、バインダ樹脂と、着色剤と、ワックスとを含み、かつ上記バインダ樹脂の温度上昇に伴う貯蔵弾性率G’(周波数10Hz、圧縮率12%)の低下が、160〜200℃の範囲で0.11〜0.3Pa/℃であることを特徴とする。
【0010】
従来のカラートナーは高温領域でのバインダ樹脂の粘弾性特性について特別の考慮がなされておらず、それゆえ、一般に用いられるバインダ樹脂では高温領域で貯蔵弾性率G’が著しく低下し、すなわち高温領域でトナーの粘性が極端に低下して、いわゆるどろどろの状態になり易いという問題があった。
これに対し、本発明のカラートナーでは、160〜200℃(いわゆる高温領域)でのバインダ樹脂の貯蔵弾性率G’の低下率が0.3Pa/℃以内に抑えられていること、すなわち160〜200℃の範囲で温度が1℃上昇したときに貯蔵弾性率G’が0.3Paを超えて低下しないことから、優れた剥離性能を発揮させることができる。
【0011】
従って、本発明のカラートナーは、定着ローラに対するトナーの剥離性能に優れており、とりわけオイルレス定着システムでの使用に好適である。
【0012】
本発明において貯蔵弾性率G’とは、バインダ樹脂の剛性を示すパラメータである。貯蔵弾性率G’は複素弾性率G* における実数部分であって、式:
* =G’+iG''
(式中、G''は損失弾性率を表し、iは虚数(−1)1/2 を表す。)
で表される。なお、複素弾性率G* は、粘弾性材料に正弦波振動による動的剪断応力を加えたときの最大応力σ0 と最大ひずみε0 との比(σ0 /ε0 )により求められる。貯蔵弾性率G’と損失弾性率G''との関係は次式のとおりである。
tanδ=G''/G’
(式中、δは損失角であって、ひずみとせん断応力との間の位相角を示す。)
【0013】
本発明において、貯蔵弾性率G’等の測定条件は次のとおりである。試験周波数10Hz、試験振幅25μm、試料の圧縮率(厚み方向)12%、チャック間距離24mm、測定試料の大きさ8mm×8mm。貯蔵弾性率G’等の測定にはレオロジー社製の粘弾性スペクトロメータ(型番「DVE−V4」)を使用した。
【0014】
本発明のカラートナーを形成するバインダ樹脂について、その高温領域での貯蔵弾性率G’の低下率を上記範囲に設定するには、一般に、バインダ樹脂の分子量を大きくすればよい。しかしながら、バインダ樹脂の分子量を大きくすることによって、形成画像の光沢が極端に損なわれるおそれもある。
形成画像のいわゆるテカリを適度に抑え、かつ十分な加筆性を持たせつつ、カラー画像における十分な光沢を維持するには、バインダ樹脂の分子量を大きくして、その高温領域での貯蔵弾性率G’の低下率を所定の範囲に設定することに加えて、さらにバインダ樹脂の分子量分布をシャープにするのが好ましい。
【0015】
具体的に、本発明のカラートナーにおいては、バインダ樹脂の重量平均分子量〔Mw〕が10,000〜200,000となるように、かつバインダ樹脂の重量平均分子量〔Mw〕と数平均分子量〔Mn〕との比〔Mw〕/〔Mn〕が1〜15となるように設定するのが好ましい。
バインダ樹脂の重量平均分子量〔Mw〕を上記の範囲に設定しつつ、数平均分子量〔Mn〕との比〔Mw〕/〔Mn〕が上記範囲を満足するように設定することによって、形成画像のいわゆるテカリを適度に抑えつつ、カラー画像における十分な光沢を維持し、さらには形成画像の加筆性を十分なものとすることができる。
【0016】
さらに、本発明のカラートナーにおいては、トナーの耐熱性と保存安定性とをより一層良好なものにするという観点から、バインダ樹脂の貯蔵弾性率G’の変化率が70〜100℃の範囲にピークを有するものとするのが好ましい。
従来のカラートナーに用いられるバインダ樹脂では、その貯蔵弾性率G’が比較的低い温度において急激に減少する(変化率がピークを示す)傾向がある。しかしながら、貯蔵弾性率G’の変化のピークを70〜100℃という比較的高い温度になるまで現れないように、すなわち70〜100℃という比較的高い温度になるまで貯蔵弾性率G’が急激な変化を示さないようにすることで、トナーの耐熱性と保存安定性とを向上させることができる。
【0017】
本発明のカラートナーによれば、バインダ樹脂の高温領域での粘弾性特性が所定の範囲に設定されていることによって、定着ローラに対するトナーの剥離性能が優れている。従って、トナーから脱離してキャリヤに付着するといった問題が生じるのを十分に防止する上でワックスの含有量は少ないのが好ましく、具体的には、バインダ樹脂100重量部に対して10重量部以下に設定するのが好ましい。
【0018】
本発明のカラートナーにおいて、バインダ樹脂は、スチレン−アクリル系樹脂、またはポリエステル樹脂を含むものであるのが好ましい。すなわち、バインダ樹脂としては、上記例示の樹脂のいずれかを単独で用いたり、上記例示の樹脂とその他の樹脂との共重合体を用いたり、上記例示の樹脂と他の樹脂とのブレンド物を用いたりすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のカラートナーについて詳細に説明する。
〔バインダ樹脂〕
本発明のカラートナーに用いられるバインダ樹脂は、定着性を良好なものとする上で熱可塑性樹脂であるのが好ましいが、ソックスレー抽出器を用いて測定される架橋部分量(ゲル量)が10重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%の範囲にあるものであれば、熱硬化性樹脂であってもよい。バインダ樹脂として一部架橋構造を備えるものを用いることによって、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性や形態保持性、あるいは耐久性をより一層向上させることができる。従って、バインダ樹脂として熱可塑性樹脂のみを用いる必要はなく、架橋剤を添加したり、熱硬化性樹脂を一部混合したりしてもよい。
【0020】
上記熱可塑性樹脂としては、例えばスチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。一方、熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本発明に用いられるバインダ樹脂には、上記例示の樹脂のなかでも特に、スチレン−アクリル樹脂やポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。
【0021】
本発明に用いられるバインダ樹脂は、前述のように、温度上昇に伴う貯蔵弾性率G’(周波数10Hz、圧縮率12%)の低下が、160〜200℃の範囲(いわゆる高温領域)で0.11〜0.3Pa/℃であることが求められている。上記温度範囲におけるバインダ樹脂の貯蔵弾性率G’(周波数10Hz、圧縮率12%)の低下は、上記範囲の中でも特に0.11〜0.2Pa/℃であることが好ましい。
【0022】
バインダ樹脂の高温領域での貯蔵弾性率G’の低下率を低く抑えるには、前述のように、バインダ樹脂の分子量を大きくするほかにも、バインダ樹脂を形成するモノマーについて、C−C結合等の柔軟な部位を極力少なくし、芳香環等の剛性部位を極力多くするといった手段を採ることができる。
但し、この場合には、バインダ樹脂の高温領域での強度を高くすることができるものの、加工の際に混練しにくくなったり、粉砕しにくくなったりするおそれがある。そこで、例えば造粒後の粉砕工程は粗粉砕と微粉砕との2重にするなどの処置を要する。
【0023】
本発明に用いられるバインダ樹脂は、前述のように、トナーの耐熱性と保存安定性とをより一層良好なものにする上で、貯蔵弾性率G’の変化率のピークが70〜100℃の範囲に、好ましくは70〜85℃の範囲に現れるように設定するのが好ましい。
貯蔵弾性率G’の変化率のピークが70〜100℃といった、比較的高い温度に現れるようにするには、貯蔵弾性率G’の低下率を調整する場合と同様に、バインダ樹脂の分子量を大きくしたり、バインダ樹脂を形成するモノマーについて、C−C結合等の柔軟な部位を極力少なくして、芳香環等の剛性部位を極力多くしたりすればよい。
【0024】
本発明に用いられるバインダ樹脂は、前述のように、形成画像のいわゆるテカリを適度に抑え、かつ十分な加筆性を持たせる上で、その重量平均分子量〔Mw〕を10,000〜200,000の範囲に、重量平均分子量〔Mw〕と数平均分子量〔Mn〕との比〔Mw〕/〔Mn〕を1〜15の範囲に、それぞれ設定するのが好ましい。
バインダ樹脂の〔Mw〕は、上記範囲の中でも特に20,000〜150,000であるのが好ましく、50,000〜100,000であるのがより好ましい。
また、比〔Mw〕/〔Mn〕は、上記範囲の中でも特に1〜12であるのが好ましく、3〜12であるのがより好ましい。
【0025】
〔着色剤〕
本発明に用いられる着色剤は特に限定されるものではなく、トナー用として従来公知の種々の着色剤、具体的には従来公知の種々の染料や顔料が使用可能である。
【0026】
〔ワックス〕
本発明に用いられるワックスは特に限定されるものではなく、トナー用として従来公知の種々のワックスがいずれも使用可能である。
かかるワックスの具体例としては、例えば脂肪族系炭化水素、脂肪族金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種天然ワックス類、石炭を原料とするワックス類等が挙げられる。ワックスの重量平均分子量は、1,000〜10,000程度であるのがより好ましい。
【0027】
上記例示のワックスなかでも、特に、石炭を原料としてフィッシャー−トロプシュ法により製造される、いわゆるフィッシャートロプシュワックス〔例えば、シューマンサソール社(南アフリカ共和国)製の登録商標「パラフリント」〕は、ポリエステル樹脂等と組み合わせて使用することによってトナーの定着特性、帯電特性、耐久性等を向上させることができることから、本発明において好適に用いられる。
【0028】
ワックスの配合量は、ワックスの添加による離型効果とトナーからの脱離の防止とを考慮して、前述のように、バインダ樹脂100重量部に対して10重量部以下となるように設定される。ワックスの含有量は、上記範囲の中でも特に5重量部未満であるのが好ましく、4.5重量部以下であるのがより好ましい。
本発明においては、前述のように、バインダ樹脂の高温領域での粘弾性特性が所定の範囲に設定されており、定着ローラに対するトナーの剥離性能が本来的に優れていることから、ワックスの配合量を極めて少なく設定することができる。なお、ワックスの配合量が多くなるとトナーから脱離してキャリヤに付着するなどの問題を生じるおそれがあることから、ワックスの配合量は、上記範囲の中でも極力少なくするのが好ましい。
【0029】
〔その他の成分〕
着色剤やワックスとともにバインダ樹脂中に配合される他の成分としては、例えば電荷制御剤、各種安定剤等が挙げられる。
電荷制御剤としては、トナーの帯電極性に応じて正電荷制御用と負電荷制御用のいずれかが用いられる。これらの電荷制御剤は特に限定されるものではなく、トナー用として従来公知の種々の電荷制御剤が使用可能である。
【0030】
電荷制御剤の配合量は特に限定されるものではないが、バインダ樹脂100重量部に対して10重量部以下、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲で設定される。
バインダ樹脂に着色剤、ワックス等を分散させて得られるトナー粒子に外添される他の成分としては、例えば表面処理剤が挙げられる。
キャリヤや表面処理剤としては特に限定されるものではなく、従来公知の種々のものを使用することができる。
【0031】
〔カラートナーの製造方法等〕
本発明のカラートナーは、上記例示のバインダ樹脂に着色剤、ワックス等を分散させて粉体(トナー粒子)を作製し、必要に応じてシリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機系微粒子を外添することによって得られる。
上記粉体(トナー粒子)は、バインダ樹脂に、着色剤、ワックス、その他の成分を配合し、乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等によって均質に予備混合して得られた混合物を、バンバリミキサー、ロール、1軸または2軸の混練押出機等の混練装置を用いて均一に溶融、混練した後、得られた混練物を冷却して粉砕し、さらに必要に応じて分級する、いわゆる粉砕法によって製造することができる。
【0032】
トナー粒子の粒径は特に限定されるものではないが、通常、3〜12μmの範囲で、好ましくは5〜10μmの範囲で設定される。形成画像の高画質化を目的とした小粒径のトナーの場合には、トナー粒子の粒径が4〜8μm程度であるのが好ましい。
トナー粒子に対する表面処理剤の外添や、キャリヤとの混合方法については特に限定されるものではなく、従来公知の方法で行なえばよい。
【0033】
【実施例】
〔カラートナーの製造〕
(実施例1)
ポリエステル樹脂(バインダ樹脂)100重量部、着色剤5重量部、天然のエステル系ワックス4.5重量部および電荷制御剤2重量部の混合物を2軸押出機にて溶融混練した後、これを冷却し、粉砕、分級して、平均粒径8.0μmの粉体を得た。
使用したポリエステル樹脂は、重量平均分子量〔Mw〕が65,000、数平均分子量〔Mn〕が7,150、両者の比〔Mw〕/〔Mn〕が9.1、160〜200℃の範囲での温度上昇に伴う貯蔵弾性率G’の低下率が0.25Pa/℃、および貯蔵弾性率G’の低下率がピークを示したときの温度が71℃であった。
【0034】
次いで、上記粉体に酸化チタンを2重量%、シリカ(SiO2 )を0.5重量%の割合で外添し、撹拌混合によってこれらを上記粉体の表面に付着させてカラートナーを得た。
こうして得られたカラートナー5重量部とフェライトキャリア95重量部とを混合して二成分現像剤とした。
【0035】
(実施例2〜7および比較例1)
異なるポリエステル樹脂を使用したほかは、実施例1と同様にして粉体、ブラックトナーおよび二成分現像剤の製造を行った。
使用したポリエステル樹脂の重量平均分子量〔Mw〕、数平均分子量〔Mn〕、比〔Mw〕/〔Mn〕、160〜200℃の範囲での貯蔵弾性率G’(周波数10Hz、圧縮率12%)の低下の程度(低下率)、および貯蔵弾性率G’の低下率ピーク時の温度(℃)は、それぞれ表1に示すとおりである。
【0037】
(実施例8)
スチレン−アクリル樹脂(バインダ樹脂)100重量部、着色剤5重量部、フィッシャートロプシュワックス8重量部および電荷制御剤2重量部の混合物を2軸押出機にて溶融混練した後、これを冷却し、粉砕、分級して、平均粒径8.0μmの粉体を得た。
使用したスチレン−アクリル樹脂は、重量平均分子量〔Mw〕が65,000、数平均分子量〔Mn〕が19,500、両者の比〔Mw〕/〔Mn〕が4.1、160〜200℃の範囲での温度上昇に伴う貯蔵弾性率G’の低下率が0.26Pa/℃、および貯蔵弾性率G’の低下率がピークを示したときの温度が72℃であった。
次いで、上記粉体を用いたほかは、実施例1と同様にしてカラートナーおよび二成分現像剤の製造を行った。
【0038】
(実施例9)
スチレン−アクリル樹脂とポリエステル樹脂とのブレンド物(バインダ樹脂)100重量部、着色剤5重量部、フィッシャートロプシュワックス8重量部および電荷制御剤2重量部の混合物を2軸押出機にて溶融混練した後、これを冷却し、粉砕、分級して、平均粒径8.0μmの粉体を得た。
上記バインダ樹脂は、前出のスチレン−アクリル樹脂と前出のポリエステル樹脂とを20:80(重量比)の割合でブレンドしたものであって、その重量平均分子量〔Mw〕は100,000であって、数平均分子量〔Mn〕は16,500、両者の比〔Mw〕/〔Mn〕は6.1、160〜200℃の範囲での温度上昇に伴う貯蔵弾性率G’の低下率は0.24Pa/℃、および貯蔵弾性率G’の低下率がピークを示したときの温度は75℃であった。
次いで、上記粉体を用いたほかは、実施例1と同様にしてカラートナーおよび二成分現像剤の製造を行った。
【0039】
〔実機試験〕
上記実施例および比較例で得られた二成分現像剤を使用し、京セラミタ(株)製のページプリンタにて、直径40mm、線速120mm/秒の定着用熱ローラによる画像形成試験を行うことによって、トナーの物性を評価した。
評価は、定着性とホットオフセット性との2項目について、形成画像を目視で観察することによって行った。評価方法および評価の基準は次のとおりである。
【0040】
(定着性)
定着温度を160℃に設定し、通常環境(20℃、65%RH)にて電源OFFの状態で10分間冷却した後、電源をONにして、定着パターンソリッド画像を連続5枚印字することにより、測定用の画像を得た。次いで、形成画像の表面を、綿布で包んだ黄銅製分銅(1kg)を用いて10往復擦った。この操作の前後における画像濃度をマクベス反射濃度計で測定し、その濃度の比率を定着率(%)とすることによって、トナーの定着性を評価した。
A:定着率が95%以上と高く、極めて良好であった。
B:定着率が90%以上、95%未満と多少低かったものの、実用上問題とはならない程度であった。
C:定着率が90%未満と低く、実用上不十分であった。
【0041】
(ホットオフセット性)
通常環境(20℃、65%RH)にて定着温度を230℃に設定し、オフセットパターン画像を連続10枚印字した。この画像を目視で観察することにより、ホットオフセット性を評価した。
A:ホットオフセットの発生が観察されなかった。
B:ホットオフセットがある程度発生していたものの、実用上問題とはならない程度であった。
C:ホットオフセットの発生が顕著であって、実用上不適当であった。
【0042】
以上の結果を表1および2に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0004060164
【0044】
【表2】
Figure 0004060164
【0045】
表1および2において、ポリエステル樹脂の重量平均分子量〔Mw〕、数平均分子量〔Mn〕、比〔Mw〕/〔Mn〕、G’の低下率G’の低下率ピーク時の温度、定着率、およびオフセット性の欄に記載されている符号の意味は、次のとおりである。
A+:極めて良好
A:良好
A− :当該物性値の好適範囲を満足する。
B:当該物性値の好適範囲を満足しない。
C:不適
【0046】
表2中、「バインダ樹脂の種類」欄の“Pes”はポリエステル樹脂を、“St−Ac”はスチレン−アクリル系樹脂を、“St−Ac/Pes 20:80”はスチレン−アクリル系樹脂とポリエステル樹脂とを20:80(重量比)の割合でブレンドしたものを、それぞれ示す。「ワックスの種類」欄の“ester”は天然のエステル系ワックスを、“F−T”はフィッシャートロプシュワックスを、それぞれ示す。
【0047】
表1および2より明らかなように、バインダ樹脂の温度上昇に伴う貯蔵弾性率G’の低下率を所定の範囲に設定して、カラートナーを製造したときは(実施例1〜9)、いずれの場合も定着性と剥離性とを良好なものにできることが分かった。
また、実施例1〜4と、実施例5〜7との対比により、バインダ樹脂の重量平均分子量〔Mw〕、数平均分子量〔Mn〕、両者の比〔Mw〕/〔Mn〕、または貯蔵弾性率G’の低下率がピークを示したときの温度を所定の範囲に設定することで、定着性と剥離性とをより一層良好なものにできることがわかった。

Claims (5)

  1. 定着ローラにオイルを塗布しないオイルレス定着システムに用いるカラートナーであって、
    バインダ樹脂と、着色剤と、ワックスとを含み、かつ
    上記バインダ樹脂の温度上昇に伴う貯蔵弾性率G’(周波数10Hz、圧縮率12%)の低下が、160〜200℃の範囲で0.11〜0.3Pa/℃であるカラートナー。
  2. 上記バインダ樹脂の重量平均分子量〔Mw〕が10,000〜200,000であり、かつバインダ樹脂の〔Mw〕と数平均分子量〔Mn〕との比〔Mw〕/〔Mn〕が1〜15である請求項1記載のカラートナー。
  3. 上記バインダ樹脂の貯蔵弾性率G’の変化率が70〜100℃の範囲にピークを有する請求項1または2記載のカラートナー。
  4. 上記ワックスの含有量が、上記バインダ樹脂100重量部に対して10重量部以下である請求項1〜3のいずれかに記載のカラートナー。
  5. 上記バインダ樹脂が、スチレン−アクリル系樹脂、またはポリエステル樹脂を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載のカラートナー。
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