JPH0218476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、乾燥機本体への穀物張込作業時又は
循環流動作業時に、穀物をより一層均平状態のも
とに正確に乾燥機本体内へ配穀することができる
穀物乾燥機における配穀装置に関する。

従来技術 従来、乾燥機本体の頂部に、落下口を底部長手
方向に沿い開口した搬入樋を横設し、上記搬入樋
の落下口は回動支持軸を軸として左右に擺動でき
る開閉板で開閉口せしめると共に、搬入樋の側壁
には長手方向に沿つて細長状の穀物落下窓を開口
して、搬送穀物中に例え多くの藁屑或は穂切粒が
混入されていた場合にあつても、前記藁屑或は穂
切粒が穀物落下窓の切欠端部に引掛ることなく穀
物と共に穀物落下窓から乾燥機本体内に落下され
るようにして、穀物の張込作業時又は循環流動作
業時に穀物がより均平状態のもとに乾燥機本体内
へ落下充填させることができる穀物乾燥機におけ
る配穀装置は本出願前例えば実開昭60−106095号
公報に記載されていて公知である。

考案が解決しようとする問題点 ところで、従前のこの種穀物乾燥機における配
穀装置においては、搬送される穀物が高水分状態
であつたり、或は搬送穀物が枝梗付着粒の多い状
態時等では、搬送過程中における穀粒間の抵抗の
増大により穀物落下窓に穀物の架橋を形成して穀
物落下窓の一部を閉塞し、これが原因で搬送穀物
の総てを均等量宛穀物落下窓から排出させること
ができなくなつて、均平な穀物の配穀作業を達成
できず、その結果、流動ムラを発生して穀物に乾
燥ムラが生ずる問題があつた。

そこで本考案は、搬送穀物が高水分状態或は枝
梗付着粒の多い状態時であつても、搬送穀物の一
部を穀物落下窓に向けて跳ね飛ばし、穀物落下窓
に形成されようとした穀物の架橋を積極的に崩
し、もつて搬送穀物が穀物落下窓より均等量宛乾
燥機本体内へ配穀されるようにして均一に乾燥さ
れた乾燥穀物を能率よく得ることができるという
目的をもつた穀物乾燥機における配穀装置を提供
して上記の問題を解決したものである。

問題を解決するための手段 したがつて、本考案に係る技術的課題は、穀物
落下窓に形成されようとした穀物の架橋を、搬送
穀物の跳ね飛ばし衝撃作用で積極的に崩すことに
ある。

この技術的課題を解決するため、その構成を、
特に、前記搬入樋内に回転自在に軸架した搬送ス
クリユー軸の搬送翼片には穀物落下窓へ向けて搬
送穀物の一部を跳ね飛ばす穀物飛散体を設けたこ
とを特徴とする穀物乾燥機における配穀装置とし
たものである。

作 用 次に本考案の技術的手段は次のように作用する
（図面参照）。

今、乾燥機本体１内に所定量の穀物を略均平状
態となるように張込ませ、次いで該穀物を循環流
動させながら均一に乾燥させたい場合には、先ず
搬入樋２の底部落下口３を回動支持軸１２を軸と
して左右回動できる開閉板１０により閉口させる
と共に昇降機１８および搬送スクリユー軸５を作
動し、穀物を昇降機１８に供給する。さすれば該
穀物は昇降機１８より搬入樋２内に供給され、次
いで搬送スクリユー軸５の搬送翼片６により搬送
末端側に向け順次搬送されて搬出側末端位置の落
下口３より乾燥機本体１内に落下充填されると共
に、穀物の一部はその搬送途中において長手方向
に沿い細長状に開口された穀物落下窓４より次々
と乾燥機本体１の搬入始端側より略中央位置にか
けて落下充填され、略均平状態のもとに配穀され
る。

ところで、上記配穀作業時にたまたま高水分状
態の穀物或は枝梗付着の多い穀物が搬入樋２内に
供給された時には、搬送過程中における穀粒間の
抵抗により穀物落下窓４部に穀物の架橋を形成し
て前記穀物落下窓４の一部を閉塞してしまい、均
等量の配穀作業を正確に行うことができなくな
る。

しかしながら、本考案にあつては、前記搬入樋
２内に回転自在に軸架した搬送スクリユー軸５の
搬送翼片６には穀物飛散体７を設けて、搬送穀物
の一部を穀物落下窓４へ向けて跳ね飛ばしている
ため、穀物落下窓４部に形成されようとした穀物
の架橋は、跳ね飛ばされた穀物の衝撃作用で速か
に崩され、常に穀物落下窓４を開口状態に維持さ
せる。従つて、高水分状態の穀物或は枝梗付着の
多い穀物を搬入樋２に供給しても、これらの穀物
を均平状態のもとに乾燥機本体１内へ配穀せしめ
て流動ムラや乾燥ムラを発生させることなく均一
に乾燥させることができる。

なお、穀物乾燥作業が終了したら、開閉板１０
を回動支持軸１２を軸として第３図において反時
計方向に擺動して落下口３を全開させれば、開閉
板１０上の乾燥穀物は総て乾燥機本体１内に落下
されるものである。

実施例 本考案に係る穀物乾燥機における配穀装置を添
附図面に示された好適な実施例について説明す
る。

図面において、１は所定量の穀物は勿論のこと
少量の穀物といえども流通する乾燥風により所定
含水率に乾燥させることができる乾燥機本体であ
つて、該乾燥機本体１の頂部には長手方向に沿つ
て底部に落下口３を開口した搬入樋２を横設して
ある。そして搬入樋２の搬入側は乾燥機本体１外
に延出せしめると共に延出した部分の搬入樋２は
有底部に形成して、落下口３を乾燥機本体１上に
位置した部分のみに設ける。

前述した搬入樋２の搬入始端側より略中央位置
迄の側壁には長手方向に沿つて細長状に開口され
た穀物落下窓４が設けられており、しかも、前記
搬入樋２内には、搬入された穀物を搬入側より搬
出側に向け搬送するための搬送スクリユー軸５が
回転自在に収蔵軸架されている。そして上記搬送
スクリユー軸５の搬送翼片６には搬送穀物の一部
を穀物落下窓４に向けて跳ね飛ばして、穀物落下
窓４部に形成されようとした穀物の架橋を穀物の
衝撃力で崩すことができる穀物飛散体７が適当間
隔をおいて複数設けられている。

上記の穀物飛散体７はその一例として、第４図
に示された如く、搬送翼片６の内側表面に放射方
向に沿つて突設した突起体８としたり、或は第５
図に示された如く、搬送翼片６の端部に内側へ向
け切り起した切り起し片９により形成せしめてあ
る。１０は乾燥機本体１頂部に位置した搬入樋２
の搬入始端側より略中央位置迄の落下口３を全
開、全閉状態とするための開閉板であつて、該開
閉板１０は両端縁１１，１１を折曲した横長板上
に形成されている。

１２は、搬入樋２の下部に、その両側を軸受部
材１３により回動自在となるように水平に軸架さ
れた回動支持軸であつて、該回転支持軸１２には
適当本数の支承杆１４…を同一放射方向に向け固
着して、該支承杆１４…の先端側に設けられた水
平状の支承板１５により開閉板１０を支承するよ
う装着せしめる。

前記回転支持軸１２の一端は乾燥機本体１の前
面側に延出され、これが端部には回動アーム１６
を固着すると共に回動アーム１６の端部には押引
操作のできる操作レバー１７の上端側を枢着し
て、該操作レバー１７の押引操作により開閉板１
０を回動支持軸１２を軸として左右方向に回転し
て落下口３を開閉口せしめる。

１８は搬入樋２の搬入側に面した乾燥機本体１
の一側に立設した昇降機であつて、該昇降機１８
の上部は搬入樋２の搬入側と接続されると共に、
下部は乾燥機本体１の下部に配設された搬出装置
（図示せず）の搬出側と接続されている。

１９は、乾燥機本体１外に延出した位置の搬入
樋２の底部側に上端を装着した排出樋であつて、
該搬入樋２と排出樋１９とはシヤツタ（図示せ
ず）により連通されたり、或は不連通状態に切替
えられるようにして乾燥穀物を排出樋１９より機
外へ排出せしめる。

従つて、高水分状態の穀物或は枝梗付着の多い
穀物を乾燥機本体１内に配穀せしめた際にあつて
も、穀物落下窓４部に形成されようとした穀物の
架橋を穀物飛散体７によつて跳ね飛ばされ穀物の
衝撃力で崩して、常に穀物を穀物落下窓４より均
等量宛排出させ、乾燥機本体１内へ均平に配穀せ
しめ、流動ムラおよび乾燥ムラを発生させること
なく均一乾燥穀物を容易に得ることができる。

考案の効果 要するに本考案は前記のような技術的手段およ
び作用を有するものであるから、開閉板１０の擺
動操作で落下口３を閉口して搬入樋２内に回転自
在に収蔵軸架した搬送スクリユー軸５により、高
水分の穀物又は枝梗付着の多い穀物を搬入樋２の
側壁に長手方向に沿い開口した穀物落下窓４より
乾燥機本体１内へ配穀せしめた際にあつても、搬
送スクリユー軸５の搬送翼片６には穀物飛散体７
を設けて、搬送穀物の一部を穀物落下窓４に向
け、跳ね飛ばし、その衝撃力で穀物間の抵抗の増
大により穀物落下窓４部に形成されようとした穀
物の架橋を崩して穀物落下窓４の開口状態を維持
させ、常に均等量の穀物が連続して乾燥機本体１
内へ均平状態のもとに配穀し、均一な乾燥穀物を
能率的に得ることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る穀物乾燥機における配穀装
置の実施例を示すものであつて、第１図は一部を
切欠した全体の斜視図、第２図は一部を切欠し、
かつ一部を破断した側面図、第３図は第２図Ａ−
Ａ線における横断側面図、第４図は穀物飛散体を
備えた搬送スクリユー軸の一部切欠した拡大斜視
図、第５図は穀物飛散体の他例を示す搬送スクリ
ユー軸の一部切欠した拡大斜視図である。 １……乾燥機本体、２……搬入樋、３……落下
口、４……穀物落下窓、５……搬送スクリユー
軸、６……搬送翼片、７……穀物飛散体、１０…
…開閉板、１２……回動支持軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 乾燥機本体の頂部に、落下口を底部長手方向
   に沿い開口した搬入樋を横設し、上記搬入樋の
   搬入始端側より略中央位置迄の落下口は回動支
   持軸を軸として左右に擺動できる開閉板で開閉
   口せしめると共に、搬入樋の側壁には長手方向
   に沿つて細長状の穀物落下窓を開口したものに
   おいて、前記搬入樋内に回転自在に軸架した搬
   送スクリユー軸の搬送翼片には穀物落下窓へ向
   けて搬送穀物の一部を跳ね飛ばす穀物飛散体を
   設けたことを特徴とする穀物乾燥機における配
   穀装置。 (2) 前記穀物飛散体は、搬送翼片の内側表面に放
   射方向に沿つて突設した突起体で構成したこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の穀物乾燥機における配穀装置。 (3) 前記穀物飛散体は搬送翼片の端部を内側へ向
   け切り起した切り起し片により構成したことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の穀物乾燥機における配穀装置。