JPH0218262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、エンジンのシリンダ内で発生した
ガスを外部へ排気する排気装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

シリンダ内で燃焼したガスを外部へ排気する排
気装置は、エキゾースト・マニホールドと接続す
る排気管の途中にプリマフラとメインマフラとが
設けられ、ガスの圧力および温度を下げて音を消
して大気中に排出するようになつている。

ところが、前記排気装置は、プリマフラとメイ
ンマフラとの間の排気管の長さに応じて気柱共鳴
が発生する。そこで、この気柱共鳴を除去するた
めに、第１図で示すように、前記プリマフラ１と
メインマフラ２との間の排気管３にサイドブラン
チ管４を接続している。このサイドブランチ管４
は一端が開口、他端（前端）が閉塞され、その開
口端が前記排気管３の途中に接続されている。し
たがつて、サイドブランチ管４は片持ち支持であ
るため、第２図で示すような振動モードとなり、
サイドブランチ管４の接続部から外れることがあ
る。そこで、第１図で示すようにサイドブランチ
管４の自由端を排気管３の側壁に溶接固定してい
る。しかし、高温ガスが流れる排気管３とガスが
流れないサイドブランチ管４との間に温度差によ
る歪みが生じ、サイドブランチ管４が溶接部から
外れることがある。

〔考案の目的〕

この考案は、排気管とサイドブランチ管とをク
ランプし、両者に熱膨張差が生じても管が軸方向
に滑り吸収することにより、溶接部の歪みを防止
し、かつサイドブランチ管の脱落を防止すること
ができる排気装置を提供しようとするものであ
る。

〔考案の概要〕 前記目的を達成するために、排気管とサイドブ
ランチ管とを並設するとともに、これら両管の上
下にプレートを添設し、これらプレートをその中
央部でボルト締めして両管をクランプするととも
に、プレートの下部に遮熱板を固定して両管の下
方を覆つたことにある。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

排気装置の基本的構成は第１図と同一であるた
め同一番号を付してその説明を省略する。第３図
乃至第５図中、５は上部のプレートで、６は下部
のプレートである。これらプレート５，６は金属
板を折曲することにより形成され、その両端部に
前記排気管３およびサイドブランチ管４の外壁に
沿う円弧状の接合部７，７が形成されている。さ
らに、この接合部７と７との間には透孔８が穿設
され、この透孔８にはボルト９が挿通されるよう
になつている。

しかして、前記排気管３とサイドブランチ管４
とをクランプする場合には、並設された排気管３
とサイドブランチ管４の上下にプレート５と６を
添設する。そして、互いに対向する透孔８，８に
ボルト９を挿通し、このボルト９の先端にナツト
１０を締付ける。これによつて、排気管３とサイ
ドブランチ管４は上下からプレート５，６によつ
て挟持され、両者は締付け固定される。なお、ク
ランプ箇所は１箇所に限ることなく第３図で示す
ように２箇所または３箇所でもよい。

このように構成することによつて、サイドブラ
ンチ管の接合部の曲げモーメントを軽減すること
ができ、また排気管３とサイドブランチ管４に熱
膨張差が生じても排気管３およびサイドブランチ
管４はプレート５，６に対して滑つて吸収するた
め歪みが生じることはない。さらに、上記下部の
プレート６には遮熱板１１が取付けられている。
すなわち、遮熱板１１のプレート６の両端部には
耳部６ａ，６ａが設けられ、この耳部６ａ，６ａ
には取付けねじ１２，１２によつて前記遮熱板１
１が取付けられ、遮熱板１１によつて排気管３と
サイドブランチ管４の両方を覆つている。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、排気
管とサイドブランチ管とに熱膨張差が生じてもク
ランプ部を滑つて吸収するため歪みが生じること
はなく、また、両管をクランプしているため、振
動が加わつてもサイドブランチ管の接合部の曲げ
モーメントを軽減することができ、サイドブラン
チ管の脱落を防止することができる。さらに、両
管をクランプするプレートの下方に位置するプレ
ートには遮熱板を設け、両管を覆つたから、専用
のブラケツトを必要とすることなく、効率良く遮
熱板を取付けることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の排気装置を示す斜視図、第２図
は片持ち振動モードを示す説明図、第３図乃至第
５図はこの考案の一実施例を示し、第３図は排気
装置の斜視図、第４図はその断面図、第５図はプ
レートの斜視図である。 １……プリマフラ、２……メインマフラ、３…
…排気管、４……サイドブランチ管、５，６……
プレート、９……ボルト、１１……遮熱板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ内で発生したガスを外部へ排気する排
   気管の途中にプリマフラおよびメインマフラを有
   し、このプリマフラとメインマフラとの間の前記
   排気管に前端が閉塞された前記サイドブランチ管
   の後端を接続して前記排気管とサイドブランチ管
   とを並設した排気装置であつて、前記サイドブラ
   ンチ管の前部においてこれら両管の上下にプレー
   トを添設し、これらプレートをその中央部におい
   てボルト締めして両管をクランプすると共に、下
   方に位置する前記プレートには遮熱板を固定して
   上記両管の下方を覆つたことを特徴とする排気装
   置。