JPH0218212Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、たとえば家具の引出し等に使用さ
れ、引出し等を押し入れただけで、自動的に仮錠
され、かつ必要に応じ、キーにより施錠しうるよ
うにした、自動仮錠装置付ロツクに関するもので
ある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

引出しを押し入れただけで、自動的に仮錠さ
れ、かつ必要に応じて施錠も行いうるようにした
従来のロツクにおいては、通常、仮錠用のラツチ
片は、ロツクの主要部より離れて設けられている
ため、大型となり、また取付けも面倒であるとい
う問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記問題点を解決することを目的と
するもので、その手段は、引出し等に装着され、
かつ前板の適所に手指挿入孔を有する箱体と箱体
の前板に取付けられ、キーの操作により、施錠杆
を、非施錠位置である側方と、施錠位置である上
方との間において回転させるようになつているシ
リンダ錠と、シリンダ錠の後方において上下方向
を向き、かつ圧縮ばねにより、上端部が、箱体の
上側板にあけた孔より上向突出するような弾性突
出力を付与して、箱体内に設けられ、かつ上方よ
り、垂直の係合部と、後下方に傾斜する中間部
と、垂直の施錠部とを備えるとともに、前記係合
部の後面と中間部には、左右方向の中間に位置す
る縦溝が上面より切設され、かつ前記施錠部の前
面には、前記シリンダ錠を施錠操作して、その施
錠杆を上方へ位置するべく回動させたときには、
下縁に施錠杆が当接することにより、押し上げ力
を受けるようになつている横溝が切設されている
昇降可能なロツク杆と、ロツク杆の係合部の縦溝
内に嵌入され、前上部が、左右方向の水平ピンを
もつて、ロツク杆に枢着され、かつ後方を向くと
ともに、上縁が後下方に向かつて傾斜する突片
と、該突片の前端より垂下するとともに、後面に
前向凹入溝を備える係合片とを備え、前記水平ピ
ンに巻装した捩りばねにより、後上方に向けて付
勢されているラツチ片と、手指挿入孔の後側上方
において、箱体の前板の後面に止着された左右方
向の支軸と、上端が支軸に枢支され、後下方を向
くとともに、下端が手指挿入孔内へ臨んでいる把
手板と、把手板の上部に固着された左右方向を向
く駆動杆と、駆動杆より後下方へ向かつて突出
し、かつ上記ロツク杆の縦溝内に突入している押
圧片と、前記支軸に巻装され、前記駆動杆におけ
る押圧片が、縦溝の下端より上方へ離間するよう
に、把手板を後向きに付勢する捩りばねと、とを
具備し、前記把手板を前向回動させ、前記押圧片
をもつて、ロツク杆における縦溝の下端を押すこ
とにより、ロツク杆を下降させて、その上端部を
箱体内へ没入させたときには、前記ラツチ片にお
ける係合片は、箱体の上側板における孔の口縁に
当接して、前向回動することにより、孔を通過す
ることができ、かつ孔を通過した後には、捩りば
ねの力により後向きに回動させられて、その前向
凹入溝が、孔の口縁の下面に係止しうるように、
その形状及び寸法を決められており、前記ラツチ
片における突片は、引出しを閉じた際には、引出
しを収容している家具等の一部を当接することに
より、下向きに回動して、前記係合片を前向回動
させ、もつて、その前向凹入溝を、孔の口縁との
係合から外しうるように、その形状及び寸法を定
めたものである。

〔作用〕

引出しを押し入れると、ロツク杆が箱体内に没
入するとともに、ラツチ片が自動的に回動して、
箱体に係止し、仮錠される。

施錠操作すると、施錠杆が、ロツク杆の一部を
箱体より突出させて、引出し等に係止する。

〔実施例〕

以下、添付の図面に基いて具体的に説明する。
１は箱体、２はその裏蓋で、箱体１の前板１ａの
左下部に穿設した横長の手指挿入孔には、第１図
に示すように化粧枠３が嵌設されている。

箱体１は、第３図において想像線で示すよう
に、引出しの前面板４の後面に当接され、化粧枠
３は、引出しの前面板４における孔の前側に位置
して、箱体１の前板１ａとの間に、引出しの前面
板４を挾着している。

前板１ａにおける化粧枠３の右方には、シリン
ダ錠５が装着され、シリンダ錠５の後面より後向
突設した、キーの施錠操作により回動させられる
施錠杆６は、常時は側方に位置している。

シリンダ錠５の後方には、上下方向を向き、か
つ上部が箱体１の上側板１ｂの孔１ｄを貫通する
ロツク杆７が配設され、ロツク杆７は、上側板１
ｂの上面と、シリンダ錠５の後下方において箱体
１内にそれぞれ設けられたポリエチレン製の案内
枠８，９に案内されて、上下動しうるようになつ
ている。

ロツク杆７は、上方より、垂直をなす係合部７
ａと、後下方に傾斜する中間部７ｂと、垂直をな
す施錠部７ｃとを有し、係合部７ａの後面と中間
部７ｂには、左右方向の中央に位置する縦溝１０
が上面より切設され、施錠部７ｃの前面には、左
右方向を向く横溝１１が切設され、同じく下端面
には、上向有底孔１２が穿設されている。

ロツク杆７は、その有底孔１２と箱体１の下側
板１ｃの間に設けた圧縮ばね１３により、上方に
向けて付勢されている。

ロツク杆７の係合部７ａにおいて、縦溝１０内
には、ラツチ片１４が嵌入され、ラツチ片１４の
前上部は、左右方向の水平ピン１５をもつてロツ
ク杆７に枢着されている。ラツチ片１４は、後方
を向き、かつ上縁が後下方に向かつて傾斜する突
片１４ａと、該突片１４ａの前端より垂下し、か
つ後面に前向凹入溝１４ｂを備える係合片１４ｃ
とからなつている。

ラツチ片１４は、水平ピン１５に巻装した捩り
ばね１６により、後上方に向けて付勢され、引出
しを引出す時には、第３図に示すように、ロツク
杆７の上端面は、引出しの前面板４の上端におけ
る後向折曲片に切設した窓孔１８の下方に没入
し、かつ係合片１４ｃの前向凹入溝１４ｂは、箱
体１の上側板１ｂの下面後部に止着した係止板１
７の前縁に係合している。

化粧枠３の上方において、箱体１の前板１ａの
後面に止着した左右方向の支軸１９には、後下方
を向き、かつ下端が化粧枠３の上部内に臨入する
把手板２０の上端が枢支されている。

把手板２０の上部に固着された左右方向を向く
駆動杆２１の右端（第２図では左端）には、後下
方に向つて屈曲し、かつ上記ロツク杆７の縦溝１
０に突入する押圧片２１ａが連設されている。

把手板２０は、前記支軸１９の一端に巻装した
捩りばね２２により後向きに付勢され、常時はや
や後傾し、駆動杆２１における押圧片２１ａは、
縦溝１０の下端より上方へ離間している。

上述構成のロツクを取付けた引出しを、第３図
に示すように、想像線で示す家具２３に押し入れ
ると、ラツチ片１４の突片１４ａの後端は、家具
２３の開口部の後部上端に設けた垂下片２３ａに
当接する。

すると、突片１４ａには、後下方に向かつて傾
斜するその後端部により、前向回動力が生じ、第
４図に示すように、ラツチ片１４は前方に回動し
て、係合片１４ｃは係止板１７より離脱する。そ
のため、ロツク杆７は、圧縮ばね１３の付勢によ
り、縦溝１０の下端が、駆動杆２１の押圧片２１
ａに当接するまで上昇させられて、ロツク杆７の
上端の係合部７ａは、家具２３の開口部の上縁に
設けた係合孔２４に突入し、引出しは家具２３に
仮錠される。

この状態において、化粧枠３内に突入している
把手板２０の下端に手指をかけて、第５図に示す
ように、引出しを前方へ引けば、駆動杆２１の押
圧片２１ａは、把手板２０とともに、捩りばね２
２に抗して前方に回動し、ロツク杆７を圧縮ばね
１３に抗して押し下げる。

従つて、ロツク杆７の上端の係合部７ａは家具
２３の係合孔２４より離脱し、引出しを引出すこ
とができる。これと同時に、捩りばね１６の付勢
により、ラツチ片１４の係合片１４ｃは、係止板
１７に係合するので、把手板２０より手指を離し
ても、ロツク杆７は上昇せず、把手板２０と押圧
片２１ａは、捩りばね２２の力により、後方に回
動する。

このようにして、何回でも自由に引出しを出し
入れすることができる。

しかし、引出しを押し入れ、ロツク杆７が上昇
して、引出しが家具２３に仮錠された、第４図に
示す状態にある時、キーによりシリンダ錠５を施
錠操作すると、その施錠杆６は第２図の矢印方向
に回動し、上昇したロツク杆７の横溝１１内に突
入してその上端に係合し（図示せず）、ロツク杆
７の下降を阻止するので、引出しは引出し不能に
ロツクされる。

〔考案の効果〕

上述のように、本考案によれば、引出しを押し
入れただけで、自動的に家具２３に仮錠され、化
粧板３の内方の把手板２０を操作しない限り、家
具２３が激しく動揺しても、引出しが飛び出すこ
とがないので、たとえば船舶内の家具や扉等に使
用して甚だ効果的である。

また、本考案においては、ラツチ片１４がロツ
ク杆７内に組込まれているので、小型化しうると
ともに、取付けが簡単であり、かつ体裁も良好で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の正面図、第２
図、裏蓋を取外して示す本考案のロツクの後面
図、第３図は、第２図におけるＡ−Ａ線縦断側面
図、第４図は、引出しを押し入れた状態における
第３図に相当する図、第５図は、引出し操作途中
の状態を示す第３図に相当する図である。 １……箱体、１ａ……前板、１ｂ……上側板、
１ｃ……下側板、１ｄ……孔、２……裏板、３…
…化粧枠、４……引出しの前面板、５……シリン
ダ錠、６……施錠杆、７……ロツク杆、７ａ……
係合部、７ｂ……中間部、７ｃ……施錠部、８，
９……案内枠、１０……縦溝、１１……横溝、１
２……有底孔、１３……圧縮ばね、１４……ラツ
チ片、１４ａ……突片、１４ｂ……前向凹入溝、
１４ｃ……係合片、１５……水平ピン、１６……
捩りばね、１７……係止板、１８……窓孔、１９
……支軸、２０……把手板、２１……駆動杆、２
１ａ……押圧片、２２……捩りばね、２３……家
具、２３ａ……垂下片、２４……係合孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 引出し等に装着され、かつ前板１ａの適所に手
   指挿入孔を有する箱体１と、 箱体１の前板１ａに取付けられ、キーの操作に
   より、施錠杆６を、非施錠位置である側方と、施
   錠位置である上方との間において回転させるよう
   になつているシリンダ錠５と、 シリンダ錠５の後方において上下方向を向き、
   かつ圧縮ばね１３により、上端部が、箱体１の上
   側板１ｂにあけた孔１ｄより上向突出するような
   弾性突出力を付与して、箱体１内に設けられ、か
   つ上方より、垂直の係合部７ａと、後下方に傾斜
   する中間部７ｂと、垂直の施錠部７ｃとを備える
   とともに、前記係合部７ａの後面と中間部７ｂに
   は、左右方向の中間に位置する縦溝１０が上面よ
   り切設され、かつ前記施錠部７ｃの前面には、前
   記シリンダ錠５を施錠操作して、その施錠杆６を
   上方へ位置するべく回動させたときには、下縁に
   施錠杆６が当接することにより、押し上げ力を受
   けるようになつている横溝１１が切設されている
   昇降可能なロツク杆７と、 ロツク杆７の係合部７ａの縦溝１０内に嵌入さ
   れ、前上部が、左右方向の水平ピン１５をもつ
   て、ロツク杆７に枢着され、かつ後方を向くとと
   もに、上縁が後下方に向かつて傾斜する突片１４
   ａと、該突片１４ａの前端より垂下するととも
   に、後面に前向凹入溝１４ｂを備える係合片１４
   ｃとを備え、前記水平ピン１５に巻装した捩りば
   ね１６により、後上方に向けて付勢されているラ
   ツチ片１４と、 手指挿入孔の後側上方において、箱体１の前板
   １ａの後面に止着された左右方向の支軸１９と、 上端が支軸１９に枢支され、後下方を向くとと
   もに、下端が手指挿入孔内へ臨んでいる把手板２
   ０と、 把手板２０の上部に固着された左右方向を向く
   駆動杆２１と、 駆動杆２１より後下方へ向かつて突出し、かつ
   上記ロツク杆７の縦溝１０内に突入している押圧
   片２１ａと、 前記支軸１９に巻装され、前記駆動杆２１にお
   ける押圧片２１ａが、縦溝１０の下端より上方へ
   離間するように、把手板２０を後向きに付勢する
   捩りばね２２と、 とを具備し、 前記把手板２０を前向回動させ、前記押圧片２
   １ａをもつて、ロツク杆７における縦溝１０の下
   端を押すことにより、ロツク杆７を下降させて、
   その上端部を箱体１内へ没入させたときには、前
   記ラツチ片１４における係合片１４ｃは、箱体１
   の上側板１ｂにおける孔１ｄの口縁に当接して、
   前向回動することにより、孔１ｄを通過すること
   ができ、かつ孔１ｄを通過した後には、捩りばね
   １６の力により後向きに回動させられて、その前
   向凹入溝１４ｂが、孔１ｄの口縁の下面に係止し
   うるように、その形状及び寸法を決められてお
   り、 前記ラツチ片１４における突片１４ａは、引出
   しを閉じた際には、引出しを収容している家具等
   の一部に当接することにより、下向きに回動し
   て、前記係合片１４ｃを前向回動させ、もつて、
   その前向凹入溝１４ｂを、孔１ｄの口縁との係合
   から外しうるように、その形状及び寸法を定めら
   れていることを特徴とする引出し等における自動
   仮錠装置付ロツク。