JPH0217567Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はミシン用ボタンホール縫機の構造に関
するものであり、ミシンの押え棒に着脱容易な付
属品として、ミシンの針棒の上下運動に連動して
駆動され本考案に着脱可能なる種々の差換式ボタ
ンホールカム板の形状に応じて布押さえ部を介し
て布を動かし、布にボタンホール縫を施す機能を
備えたボタンホール縫機の構造に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来のミシン用ボタンホール縫機は構造の形成
が種々あるが、ミシンの押え棒に固着され針棒の
上下運動に連動する揺動レバーを枢着し且つ差し
換え式の各種サイズのボタンホールカム板が着脱
可能なる小歯車を回転自在に装着しているボタン
ホール基板と布押さえ部材を装着した摺動板とを
小軸にて回動可能に枢着して組立てられているの
で運動時には前記基板と前記摺動板との間には組
立ガタが発生しその為縫われたボタンホールの左
右ラインタツクの平行状態が悪くなりボタンホー
ル縫の形状が損なわれる。

本考案では前述の如き従来の欠点を除去し、ボ
タンホール基板と布押え部材を装着した摺動板と
の間に発生する組立ガタをなくして左右ラインタ
ツクの平行度を高めようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記摺動板の下方に一体形成された布
押え部材の上面に高さの低い枠部を設け且つ該枠
部の左右両端より適宜の範囲の部分に短い庇を突
出せしめ、他方前記ボタンホール基板の下端部に
設けた摺動部材の左右両端部に円形部を形成し、
該円形部を備えた摺動部材を前記布押さえ部材の
庇で覆われた摺動用平面部上を摺動せしめると共
に摺動用平面部上にて回動可能に装着せしめる如
くに連結せしめることにより組立ガタを除去し美
麗なボタンホール縫を提供するものである。

（作用） 本考案は前記摺動板のカム挿入枠にボタンホー
ルカム板を装着するとボタンホールカム板のラツ
クギヤとボタンホール基板に支持された小歯車と
が噛合せしめられるので、針棒の上下運動により
小歯車が回転するとラツクギヤがラツクギヤの形
成させた形状通りに移動せしめられ、従つてボタ
ンホールカム板を装着した摺動板が下に押さえ付
けた布を移動せしめることが出来るものであるが
前記摺動板の摺動用平面部が前記ボタンホール基
板の左右端が円形状なる摺動部材と回動可能な如
く摺接せしめられているので両者の間にガタがな
いので布押さえ部がボタンホールカム板のラツク
ギヤの形状通り正確に回動せしめられる。

（実施例） 本考案の構造を実施例に基づいて説明すると、
１はボタンホール基板で先端部には摺動部材２が
一体的に固着されており、前記先端部に折曲げら
れた垂直部３にはミシンの押え棒（図示せず）に
固着する為の固着部４が設けられると共に先端に
設けた二又部をミシンの針棒の適所に係合して針
棒の上下運動に連動して揺動せしめられる揺動レ
バー５が回動自在に枢着せしめられている。又、
ボタンホール基板１の適所には上面側には小歯車
６が回転可能に支持され下面側にラチエツト車７
が前記小歯車６と同軸に回転可能に支持され、ボ
タンホール基板１とラチエツト車７との間には該
ラチエツト車をＡ矢方向に手動で回転させるため
の送りレバー８が枢着されている。９はラチエツ
ト爪で端部に引張りばね１０を装着し先端の折曲
げ係合部を前記ラチエツト車７の外周に係合して
前記送りレバー８の回動に連動されてラチエツト
爪７を適宜回転せしめる。１１は送り駆動レバー
で一端部１２を前記揺動レバー５の端部１３に連
結し他端部に形状の爪部１４を前記ラチエツト車
７の外周に係合し常には中間部に装着した引張り
ばね１５により該送り駆動レバーをＢ方向に付勢
している。

１６は摺動板で、上方に形成されたボタンホー
ルカム板１７の装着用内枠１８と下方に形成され
た布押え板１９とが一体的に構成されており、該
布押え板の下面には弾力性に富み且つ摩擦係数が
大なる布押さえ部材２０が固定され、該布押え部
材及び布押え板１９には中央に針挿通用穴２１が
形成されている。

布押え板１９と前記ボタンホール基板の摺動部
材２とは該摺動部材の基部に形成された両側の円
弧部２２を前記布押え板１９の両端に設けられた
短い庇部２３によつて両端の上下を回動可能な如
くに支持し構成されている。

前記摺動板１６の内枠１８に装着されるボタン
ホールカム板１７は下面に前記小歯車６と噛合す
る略楕円形状の内歯２４が形成され、更に底部に
前記小歯車６の中央に突出の小軸２５が案内せし
められる溝部２６が形成されている。

本考案は以上の如く構成されているので、固着
部４をミシンの押さえ棒の下端に締着固定し、次
いで前記摺動板１６に形成の内枠１８にボタンホ
ールカム板１７を装着してからミシンを運転する
と、針棒の上下運動に連動して揺動レバー５がθ
角度の範囲のみ揺動せしめられる。揺動する揺動
レバー５の端部１３は送り駆動レバー１１の一端
部１２を引張りばね１５の作用に抗して回動せし
めるので、送り駆動レバー１１の他端部１４がラ
チエツト車７をＡ矢方向に間欠的に回転させる。

ラチエツト車７が回転せしめられると該ラチエ
ツト車と一体的に回転する小歯車６は前記摺動板
１６に装着されたボタンホールカム板１７の内歯
２４と噛合しているので、ボタンホールカム板１
７は小歯車６の回転により略楕円形状の内歯２４
に沿つてＣ又はC′矢方向（第１図参照）に回動せ
しめられるが、ボタンホールカム板１７と共に該
ボタンホールカム板を装着した摺動板１６も回動
せしめられ、然も該摺動板の下方に形成の布押さ
え板１９は前記ボタンホール基板１の摺動部材２
の円弧部２２を基点としてＤ又はD′矢方向（第
１図参照）にも回動せしめられ下方にて押圧した
布を適宜回動せしめて針棒のジグザグ縫と協働し
てボタンホール縫が行なわれる。

尚、ボタンホール縫の縫い始め位置の調整は前
記送りレバー８をＥ矢方向に繰返し回動すること
により該送りレバーと共に回動するラチエツト爪
９によりラチエツト車を回動せしめ、小歯車６及
びボタンホールカム板１７を介して布押さえ板１
９を針に対する針挿通穴２１の位置を変更させる
ことにより得られる。ボタンホール基板１に対す
る摺動板１６の相対的移動はボタンホール基板１
の両側に設けられた円弧部２２の外周部と摺動板
１６の両端との間で庇２３によつて保持されなが
ら接触面が密着されて行なわれるものである。

（考案の効果） 本考案は以上の如き構成及び運動をなすもので
あるが、ボタンホールカム板１７を摺動板１６の
上方より着脱が可能であるので操作が容易である
と共に摺動板１６と布押え板１９とが一体的に構
成されている為構造が簡単となり従つて組立が容
易となつている。

又、ボタンホール基板１に対する摺動板１６の
回動はボタンホール基板１と一体の摺動部材２の
両端に形成の円弧部に摺動板１６の布押さえ部１
９の庇２３でカバーされた両壁を常に摺接せしめ
て該摺接部を基準に回動せしめられているので組
立ガタがなく従つて美麗なボタンホール縫が得ら
れるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものにして、第１
図は本考案装置の平面図、第２図は本考案装置の
側面図、第３図は第１図の−断面図であり、 １はボタンホール基板、２は摺動部材、４は固
着部、５は揺動レバー、６は小歯車、７はラチエ
ツト車、１６は摺動枠、１７はボタンホールカム
板、１８は装着用内枠、１９は布押さえ板、２２
は円弧部、２３は庇である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミシンの押え棒の下端に固着される固着部、ミ
   シンの針棒の一部に連結して該針棒の上下運動に
   揺動せしめられる揺動レバー、該揺動レバーの揺
   動により一方向に間欠的に回転せしめられるラチ
   エツト車、該ラチエツト車と一体的に回転する小
   歯車の前記各々を設けたボタンホール基板と、前
   記小歯車と噛合の内歯を形成のボタンホールカム
   板を装着する内枠、布を押圧する布押え板の前記
   各々を設けた摺動板とを備えたミシン用ボタンホ
   ール縫機において、前記ボタンホールカム板を装
   着する内枠を上部に形成すると共に布押さえ板を
   下方に一体的に設けた摺動板と、前記ボタンホー
   ル基板の先端部に設けた摺動部材とが該摺動部材
   の先端部の両端に形成の円弧部を前記摺動板の布
   押さえ板の両側に形成の庇で覆われた垂直両端部
   にて回動自在に連接されたことを特徴とするミシ
   ン用ボタンホール縫機。