JPH0216942Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は駆動スプロケツトと３個以上の接地転
輪に亘つてゴム製のクローラベルトを巻回張設
し、アームを介して上下動自在とした可動転輪式
の前後中間の接地転輪を弾圧機構によつて下方に
付勢する構成によつて、畦越えや畝越え等の傾斜
地走行から水平地走行に移行する際の車体の落下
衝撃を前記押圧付勢された接地転輪の対地追従性
によつて緩和できるとともに、前記中間接地転輪
を内転輪に、他の接地転輪を外転輪に構成するこ
とによつて、内転輪式の脱輪しにくい点と、外転
輪式の走行の安定性が図れる点を巧みに組み合
せ、総合的に走行性能を向上させたコンバイン等
の農機のクローラ走行装置に関する。

従来のこの種のクローラ走行装置においては、
前記中間の接地転輪が安定性を考慮して内転輪に
構成されている為に、次のような問題があつた。

通常、ゴム製クローラベルトには、強度上ベル
ト幅方向に２箇所の内向きの突起を有した芯金を
多数埋設してあり、それら２箇所の突起間に位置
させてスプロケツトと嵌係合する係合孔を適当間
隔隔てて複数箇所形成するとともに、外転輪は両
突起の外側を、内転輪は両突起間をそれぞれ転動
する状態に構成してある。

そして、外転輪、内転輪共に芯金突起を囲繞す
るクローラ内周面、すなわちゴム材上を転動する
ことになるので、クローラ自体が、金属製の各転
輪との接当による騒音や振動を減衰させる振動低
減作用を発輝し、鉄クローラ式に比べて振動・騒
音面に優れたものであるが、前記係合孔同志の間
に介在された芯金が経年変化による前記係合孔の
摩耗拡大によつて露出し、その為にこの芯金と前
記内転輪との接触金属音が発生するとともに、係
合孔と前記内転輪が走行につれて間欠接触する為
に生ずる振動が増大するといつた問題があつた。

本考案は、かかる実情に鑑み、簡単な構造付加
を持つて、従来の問題点を確実に解消出来るもの
を提供する点に目的を有する。

上記目的を達成すべくなされた本考案に係る農
機のクローラ走行装置の特徴構成は、駆動スプロ
ケツトと３個以上の接地転輪に亘つてゴム製のク
ローラベルトを巻回張設し、前後中間の接地転輪
を、アームを介して上下動自在とした可動内転輪
に構成し、かつ、その中間接地転輪を弾圧機構に
よつて下方に押圧付勢し、他の接地転輪を外転輪
に構成してあるとともに、前記中間接地転輪の外
周部に弾性体を巻装してある点にある。

このような特徴構成を有する本考案の作用効果
は次の通りである。

つまり、従来技術に対する前記弾性体を巻装す
るといつた簡単な構造追加のみで、前記弾性体の
緩衝作用によつて、露出した芯金と中間接地転輪
との接当に起因する前記振動の増大や金属接触音
を低減化できる。しかも、それだけに止まらず、
前記接地転輪が押圧付勢されたものであるから、
このような弾圧機構を付設した機構に必然的に生
ずる“おどり”や“ひびり”といつたハンチング
現象に対しても前記弾性体が有効な抑制効果を発
輝し、良好な接地特性が得られるに至つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、機体前部に植立穀稈を引
起して刈取る刈取部３を配設するとともに、機体
後部に刈取られた穀稈を脱穀処理する脱穀部２を
配置した機体を、クローラ走行装置１によつて支
持載置したコンバインを構成する。

第２図乃至第６図に基づいてクローラ走行装置
１を詳述する。

前端に駆動スプロケツト６、後端にテンシヨン
用転輪１０を配置し、両者６，１０の間に亘つて
ゴム製のクローラベルト４を巻回張設するととも
に、前記クローラベルト４の横方向略中心位置に
全長に亘つて適当間隔隔てて複数個の係合孔７を
設け、もつて、前記スプロケツト６との嵌係合に
よつて、前記コンバインを駆動走行可能に構成す
る。前記駆動スプロケツト６とテンシヨン用転輪
１０との間には９個の接地転輪８，９が配設さ
れ、機体メインフレーム１９から延設されたトラ
ツクフレーム１３に夫々取付支承されている。

第２図乃至第５図に示すように、前記トラツク
フレーム１３を３分割構成し、前後中間トラツク
フレーム１３Ｂに対して、前記９個の接地転輪の
うちの前後中間２個の接地転輪９を夫々１個づつ
先端に支承した断面Ｕ字形状の揺動アーム１５を
横軸１４周りで上下揺動可能に枢支連結すると共
に、前記アーム１５上端に横軸２０周りで相対揺
動可能に調節ロツド２１を枢支延設し、かつ、前
記ロツド２１を前記中間トラツクフレーム１３Ｂ
に立設した板状ブラケツト１８に貫通支承すると
ともに、前記ブラケツト１８を覆う状態で前記ロ
ツド２にカバー２２を固着し、並びに、前記カバ
ー２２内で前記ブラケツト１８との間に弾圧機構
１７としてのスプリングを嵌着して前記接地転輪
９を下方に押圧付勢可能に構成してある。又、前
記接地転輪９は前記クローラベルト４の前記係合
孔７，７同志の中間位置に設けられた芯金５の突
起１２，１２内に位置する内転輪方式のものに構
成され、脱輪に対する抑制効果が大である。更に
第３図に示すように、前記接地転輪９が鋳鉄製の
ものであるから、前記転輪９の外周部にゴムやプ
ラスチツク等の弾性体２３を被覆一体化形成し
て、前記係合孔７との接触時の振動等を軽減す
る。

又、残りの接地転輪８は前記前後のトラツクフ
レーム１３Ａ，１３Ｃに固着した筒ボス２８内に
ベアリング２９支承された回転軸２４の両側突出
端に２つの回転輪８Ａ，８Ａを連動連結して外転
輪方式のものに構成してあり、もつて、接地安定
性が良好で接地反力も内転輪方式のものに比べて
略1/2にでき、耐久性を増すことができる。

以下中間接地転輪９の別実施例を示す。

第６図に示すように、前記中間接地転輪９の筒
状ボス２５に対して、外周端に弾性体２３を嵌着
した円板状部材２６を取外し自在に構成してもよ
い。

第７図に示すように、前記円板状部材２６の外
周端に外周方向に凹部２７ａを有する支持部材２
７を取外し可能に固定するとともに、前記凹部２
７ａに基端部を嵌着した状態で弾性体２３を被覆
一体化形成したものでもよい。

尚、第３図、第６図、及び第７図に示す前記弾
性体２３の被覆形態を上部転輪１１に適用して、
前記転輪１１と前記係合孔７との接触振動音を低
減化する構成のものでもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る農機のクローラ走行装置の
実施例を示し、第１図はコンバインの側面図、第
２図は全体側面図、第３図は第２図の−線断
面図、第４図は第２図の−線断面図、第５図
は弾圧機構の装着状態を示す縦断側面図、第６
図、第７図は接地転輪の別実施例を示す縦断正面
図である。 ４……クローラベルト、６……駆動スプロケツ
ト、８……接地転輪、９……中間接地転輪、１５
……アーム、１７……弾圧機構、２３……弾性
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動スプロケツト６と３個以上の接地転輪８，
   ９…に亘つてゴム製のクローラベルト４を巻回張
   設し、前後中間の接地転輪９を、アーム１５を介
   して上下動自在とした可動内転輪に構成し、か
   つ、その中間接地転輪９を弾圧機構１７によつて
   下方に押圧付勢し、他の接地転輪８…を外転輪に
   構成してあるとともに、前記中間接地転輪９の外
   周部に弾性体２３を巻装してある農機のクローラ
   走行装置。