JPH021677Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複数入力温度測定装置に係り、特
に、多点入力の温度計測に用いるに好適な、複数
入力温度測定装置に関する。

一般に、複数の測定箇所の温度を順次測定する
必要が有る場合、例えば、製鋼工場の転炉で湯温
を測定し、次に取鍋でバブリング後に測温する等
の場合、多数の温度センサ、例えば消耗型の熱電
対或いは有限寿命の熱電対を各測定箇所に配設
し、これらを順次切換えることによつて、各測定
箇所の温度を順次測定することが行なわれてい
る。このような目的で用いられる多点入力温度測
定装置は、例えば、第１図に示す如く、複数の測
定箇所に配設され、各測定箇所の温度に応じて数
十mV程度の微小電圧信号を出力する複数の熱電
対１０と、該熱電対１０出力の微小電圧信号を信
号伝送に適した伝送電流信号、例えば４〜20mA
に変換するための温度信号変換器１２と、前記熱
電対１０の各々と対応する複数の機械接点を有
し、この機械接点を切換えることにより、各熱電
対１０からの入力信号を前記温度信号変換器１２
に出力する切換スイツチ１４と、該切換スイツチ
１４と前記温度信号変換器１２の間に配設され、
各熱電対間の導通チエツクを行なうための導通チ
エツク回路１６とを備えている。通常、前記熱電
対１０は現場に配設され、前記温度信号変換器１
２、切換スイツチ１４、導通チエツク回路１６
は、温度計盤１８に配設されている。

従来は、このような多点入力温度測定装置を用
いて、操作員が測定箇所の変化に応じて切換スイ
ツチ１４を手動で切換えることにより、必要な熱
電対１０を選択し、測定の入力ラインを機械的に
切換えるようにしていた。従つて、製鋼工場の如
く、粉塵、ヒユームが多い所では、切換スイツチ
１４の機械接点に接触不良が生じ易い。しかも、
良好な測定状態であれば、第２図に示すような測
定温度波形が出力されるのに対し、熱電対１０の
出力信号自体が数10mV程度でパワーの小さいも
のであるため、軽微な接触不良でも測定温度波形
が乱れて、第３図に示す如くとなり、測定不良と
なつてしまう。又、多点入力であるため、切換ス
イツチ１４の操作頻度が高く、機械的損耗による
接触不良も避けにくい等の問題点を有した。特
に、切換スイツチは、保全上年３件程度の不良発
生頻度を持ち、生産性の高い工場の品質保証上、
問題になつている。

本考案は、前記従来の欠点を解消するべく成さ
れたもので、機械接点を用いることなく、従つ
て、信頼性の高い測定を行なうことができる複数
入力温度測定装置を提供することを目的とする。

複数の測定箇所に配設されその温度に応じて微
小電気信号を出力する複数の温度センサと、該複
数の温度センサからの微小電気信号を切り換える
切換スイツチと、該切換スイツチで切り換えた前
記微小電気信号を入力し伝送電気信号に変換する
温度信号変換器と、前記切換スイツチと該温度信
号変換器との間に配設され前記各温度センサの導
通チエツクを行う導通チエツク回路と、を有する
複数入力温度測定装置において、前記切換スイツ
チと導通チエツク回路とに代えて、前記温度セン
サの各々と対応する複数のチヤンネルを有し該チ
ヤンネル間を走査して前記各温度センサからの微
小電気信号を出力する半導体マルチプレクサ回路
と、所定周期の時間信号を発生する時間信号発生
回路と、該時間信号発生回路からの前記時間信号
に応じて所定時間毎に該半導体マルチプレクサ回
路の走査チヤンネルを順次選択するチヤンネル選
択回路と、前記半導体マルチプレクサ回路の出力
が入力されそのレベルから該当チヤンネルに接続
されている前記温度センサが断線、導通状態にあ
るが測定対象が存在しない、予め定められた測定
状態にあるの何れかを判定し該当チヤンネルが測
定測定状態にあれば前記チヤンネル選択回路の作
動を停止させる信号を前記チヤンネル選択回路に
出力すると共に前記半導体マルチプレクサ回路か
らの入力信号を前記温度信号変換器に出力するレ
ベル判定回路と、を有することにより、前記目的
を達成したものである。

以下図面を参照して、本考案の実施例を詳細に
説明する。本実施例は、第４図に示す如く、前記
従来例と同様の、複数の熱電対１０と、温度信号
変換器１２と、を有する複数入力温度測定装置に
おいて、前記熱電対１０の各々と対応する複数の
チヤンネルを有し、このチヤンネル間を走査し
て、各熱電対１０からの入力信号を出力する、高
入力インピーダンスの半導体マルチプレクサ回路
２０と、所定周期のクロツク信号を発生するクロ
ツク信号発生回路２２と、該クロツク信号発生回
路２２の出力に応じて、所定時間毎に前記半導体
マルチプレクサ回路２０の走査チヤンネルを順次
選択するチヤンネル選択回路２４と、前記半導体
マルチプレクサ回路２０の出力が入力され、その
レベルに応じて、該当チヤンネルが非測定中の時
は、チヤンネル間の導通チエツクを行ない、一
方、該当チヤンネルが測定中の時は、次のチヤン
ネルへの走査を禁止する信号を前記チヤンネル選
択回路２４に出力すると共に、前記半導体マルチ
プレクサ回路２０からの入力信号を連続的に前記
温度信号変換器１２に出力するレベル判定回路２
６とを備えたものである。

以下動作を説明する。測定箇所の温度に応じて
熱電対１０から発信された微小電圧信号は、半導
体マルチプレクサ回路２０の各チヤンネルに入力
される。半導体マルチプレクサ回路２０は、チヤ
ンネル選択回路２４の出力信号に応じて、各チヤ
ンネルを順次走査して、レベル判定回路２６に信
号を出力する。レベル判定回路２６は、半導体マ
ルチプレクサ回路２０によつて接続された該当チ
ヤンネルの熱電対１０の出力状態に応じて、その
レベルから、入力ラインが切れているか、入力ラ
インが導通しているか、或いは、入力ラインが測
定状態にあるかのいずれかであるかを判別する。
入力ラインが測定状態である場合には、選択され
ているチヤンネルをロツクするべく、次のチヤン
ネルへの走査を禁止する信号を前記チヤンネル選
択回路２４に出力すると共に、前記半導体マルチ
プレクサ回路２０からの入力信号を連続的に前記
温度信号変換器１２に出力する。温度信号変換器
１２は、半導体マルチプレクサ回路２０によつて
選択されているチヤンネルの熱電対１０の微小電
圧信号を信号伝送に適した、例えば４〜20mAの
直流伝送信号に変換して出力する。一方、レベル
判定回路２６において、前記半導体マルチプレク
サ回路２０の出力レベルから、該当チヤンネルが
非測定中であることが判定された場合には、その
入力レベルから、該当チヤンネル間が導通状態で
あるか、或いは断線状態であるかの導通チエツク
を行なう。チヤンネル選択回路２４は、常時クロ
ツク信号発生回路２２出力のクロツク信号を計数
しており、前記レベル判定回路２６から次のチヤ
ンネルへの走査を禁止する信号が入力されていな
い限り、所定時間毎に、半導体マルチプレクサ回
路２０における走査チヤンネルを順次次のチヤン
ネルへ移すようにしている。

上記動作を繰り返すことにより、各チヤンネル
における温度測定及び各チヤンネルの導通チエツ
クが繰り返し行なわれる。

尚、前記実施例においては、温度センサが、測
定箇所の温度に応じて微小電圧信号を出力する熱
電対とされていたが、温度センサの種類はこれに
限定されず、信号源のエネルギーが小さく、測定
箇所の温度に応じて微小電気信号を出力する温度
センサであれば、他のものであつても本考案は同
様に適用可能である。

又、前記温度信号変換器も、熱電対の微小電圧
信号を４〜20mAの標準伝送電流信号に変換する
ものに限定されず、10〜50mA或いは１〜5V等
の他の信号伝送に適した伝送電気信号に変換する
ものであつても構わない。

前記実施例は、本考案を、多数の温度センサを
備えた多点入力温度測定装置に適用したものであ
るが、本考案の適用範囲はこれに限定されず、複
数の温度センサを備えた複数入力温度測定装置一
般に同様に適用できることは明らかである。

以上説明した通り、本考案によれば、複数入力
温度測定装置において、機械接点が除去されるの
で、測定の信頼性が向上する。又、操作員が切換
スイツチ等を操作しなくても、レベル判定回路が
自動的に測定箇所を判断するため、省力化或いは
自動化に有効である。更に、有限寿命の機械部品
を用いていないので、保全性も大幅に向上する等
の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の多点入力温度測定装置の一例
の構成を示すブロツク線図、第２図は、前記従来
例における良好な測定例を示す線図、第３図は、
同じく接触不良が発生した場合の不良測定例を示
す線図、第４図は、本考案に係る複数入力温度測
定装置の実施例の構成を示すブロツク線図であ
る。 １０……熱電対、１２……温度信号変換器、２
０……半導体マルチプレクサ回路、２２……クロ
ツク信号発生回路、２４……チヤンネル選択回
路、２６……レベル判定回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の測定箇所に配設されその温度に応じて微
   小電気信号を出力する複数の温度センサと、該複
   数の温度センサからの微小電気信号を切り換える
   切換スイツチと、該切換スイツチで切り換えた前
   記微小電気信号を入力し伝送電気信号に変換する
   温度信号変換器と、前記切換スイツチと該温度信
   号変換器との間に配設され前記各温度センサの導
   通チエツクを行う導通チエツク回路と、を有する
   複数入力温度測定装置において、前記切換スイツ
   チと導通チエツク回路とに代えて、前記温度セン
   サの各々と対応する複数のチヤンネルを有し該チ
   ヤンネル間を走査して前記各温度センサからの微
   小電気信号を出力する半導体マルチプレクサ回路
   と、所定周期の時間信号を発生する時間信号発生
   回路と、該時間信号発生回路からの前記時間信号
   に応じて所定時間毎に該半導体マルチプレクサ回
   路の走査チヤンネルを順次選択するチヤンネル選
   択回路と、前記半導体マルチプレクサ回路の出力
   が入力されそのレベルから該当チヤンネルに接続
   されている前記温度センサが断線、導通状態にあ
   るが測定対象が存在しない、予め定められた測定
   状態にあるの何れかを判定し該当チヤンネルが測
   定測定状態にあれば前記チヤンネル選択回路の作
   動を停止させる信号を前記チヤンネル選択回路に
   出力すると共に前記半導体マルチプレクサ回路か
   らの入力信号を前記温度信号変換器に出力するレ
   ベル判定回路と、を有することを特徴とする複数
   入力温度測定装置。